映画『天使の卵』をプロデュースした大木達哉さんが電通キャスティングを退職。次なるステップへの門出を祝福、激励しようと「励ます会」が開かれた。発起人の顔ぶれも会場のセルリアンタワーも気後れするぐらい豪華で、単身乗り込んだわたしは、一体どこに身を置きましょう、と小さな体をさらに縮こませるばかり。でも、『天使の卵』でご一緒した懐かしい人たちも見えていて、挨拶することができた。
乾杯の発声は三浦友和さん。21才で出演したグリコのプリッツのCMの担当者が、当時電通のクリエイティブにいた大木さん。プリッツのCMの上がりを見て、映画『伊豆の踊り子』のオファーが来て、百恵さんと出会ったのだから、大木さんとの初仕事がキューピッドとも言える。「今でもお菓子はグリコ、スーツは青山」ユーモラスな語り口があたたかな笑いを誘う。義理堅い三浦さん、大木さんとの縁も大切にされてきたよう。『天使の卵』には歩太の母の恋人役で出演されている。「励ます会っていうからどれだけしおれているかと思ったら……」と大木さんの元気をたたえ、前途を力強く祝して、いい乾杯だった。
大木さんは一見こわそうなのだけれど、実はとてもやさしい人で、そのギャップのせいなのか、ことのほかやさしい人という印象が強く残る。「やさしい」を「思いやりのある」「気配りのある」と言い換えたほうがいいかもしれない。とても忙しい人のはずだが、自分にできることを惜しまない。謙虚で一途で一生懸命で、いつの間にか、この人に「お願いしますよ」と言われたら断れなくなっている。普通は仕事で何度も顔を合わせていると、だんだん本音を出し合うようになってイヤな部分も見えてしまうものだけど、第一印象からどんどん印象がよくなる人も珍しい。そんな愛すべき大木さんを盛り立てる人たちの熱気に、わたしも励まされた。
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