寒さに縮こまって8時過ぎまで寝ていた娘のたまは、気温の上昇とともに起床時間が早まり、ここ一週間は7時頃に起きている。今朝は6時半に起き、9時頃には「タイクツ」を全身で表現しはじめたので、歩いて図書館へ向かう。ベビーカーに乗せようとしたら、靴をはいて歩くのだと主張。大人の足なら徒歩10分の距離を右へそれ左へそれ、逆行し、だっこをせがみ、図書館は遥か彼方。やっぱりベビーカーで来るんだったと後悔する。
図書館には6畳ほどの絨毯敷きの読み聞かせコーナーがあって、親子や祖父母と孫のペアが思い思いに本を読んでいる。「たま、好きな本持っておいで」と言うと、棚から取り出したのは、『わたしのワンピース』(にしまきかやこ)。空から落ちてきた真っ白な布でうさぎが作ったワンピースが、花や鳥や雨や虹や星など出会ったものの模様に次々と染まっていくお話で、わが家にも一冊ある。留学時代の同期のナオコが「うちの息子がこれ大好きで」とプレゼントしてくれたもの。たまもすっかり気に入り、保育園でもこの本を繰り返し読んでもらっている。「家に同じのあるから、他のにしたら」と言うと、棚に戻し、別な棚からもう一冊の『わたしのワンピース』を取り出してきた。数ある本の中で、これが光って見えるらしい。
本に登場するワンピースだけでなく、本物のワンピースもたまは気になるようで、わたしの服に袖を通したがる。とくに明るい色やプリントの入ったものが好み。最近買ったfranche lippe(フランシュリッペ)のワンピース風コートは、白地に緑の配色が『わたしのワンピース』の表紙に似ているからか、うさぎや熊が描かれているからか、散歩に出かけるときは「これ着たら?」とでも言うように指差す。
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