■昨晩、大学時代のクラスメートI君行きつけの『たまねぎや』というお店で飲んだ。自称「神楽坂のおしゃれでない一杯飲み屋」で、自慢は日本酒。『美丈夫 舞』という発泡日本酒にはじまり、『蘭者侍(らんじゃたい)』『磯自慢』『醸人 九平寺(かもしびと くへいじ)』と飲み進み、気がつくとすごい時間になっていた。最後は「漂流」をテーマに店のおやじさんと三人で盛り上がった。■いつも以上に起きるのが辛いが、朝いちばんに新製品開発のアイデア出し。変なものを思いつくまま言っていけばいいので、得意分野だ。みんなも面白がって聞いてくれるが、得意先に持っていくまでに幾つものふるいにかけられて、ほとんど消えると思われる。お菓子、ジュース、お酒……口に入れるもののアイデアを思い巡らすのは楽しい。もちろん薬は除く。■会社近くにインドカレーのサムラートが昨日オープン。先輩お姉さまたちと行ってみると長蛇の列。開店早々で慣れていないのか、インドの言葉で怒号が飛び交い、カレーも飛び交い、注文するほうまでジェスチャーが大きくなる。なんとかテイクアウトし、オフィスの一角の丸テーブルで食べる。「いやあ、どっと疲れたねえ」「片手でナン3皿どうやって運ぶんだろうと思ったら、ナンの上に皿重ねてたよねー」と戦場さながらだった店内を振り返るお姉さまたち。わたしがインドで遭った『髪の毛事件』の話をする。レストランで注文した鳥の串焼きと平行に、針金かと見まごう剛毛が横たわっていた。ボーイを呼び、「別の皿を持ってきてくれ」と言うと、真っ白な皿が恭しく運ばれてきた。「そうではない!これじゃあ食べられないから作り直してくれ」と言い直すと、串焼きが煮こみに化けて戻ってきた。話に笑ったお姉さまたちは、「でも、その店の人たちも、噂してるんじゃない?髪の毛一本で大騒ぎした変な日本人がいたって」。そうかもしれない。あんな大らかな国で、髪の毛ごときに目くじら立てるのは、場違いな気もする。本場のインドカレーを口に運びながら、ひさしぶりにインドのことを思う。