昨年暮れのある日、無性に絵が描きたくなった。娘のたまを写真じゃなくて絵で描きとめようと思い立ち、しまってあった画材道具を引っぱり出したところに「絵を描きませんか」と電話が入った。ネスカフェのキャンペーンで、50人のクリエイターがデザインしたマグカップとエコバッグをプレゼントする、そのクリエイターの一人として参加しませんかという。
コピーライター時代に、コンチネンタルミクロネシア航空の広告で理想の旅を募ったときに「応募例」としてイラストを描いたことはあったけれど、「文章を書く」のではなく「絵を描く」仕事が舞い込むなんて、願ってもないこと。「やります!」と飛びついた。
たまをモデルに描くとして、コーヒー気分をどう表現しようかと思案する。ドリンクはもっぱら母乳の乳飲み子とコーヒーをどうやってつなげよう、と考えて、はたと思い出したのが、「お菓子の家」。
たまの11/12才の誕生日に友人のミキさん夫妻が作ってくれたクッキーハウス、あの家にたまがお邪魔するというストーリーはどうだろう。ミキさん夫妻は余った生地で「クッキー人形」も焼いてくれたのだが、その人形をぬいぐるみみたいにたまが小脇に抱えてトコトコ歩いてくる、その後ろにはクッキーがポタポタ落っこちて……という絵が浮かんだ。
そうだ、バッグでは「クッキーを運んでくる」ように見えて、マグカップでは「クッキーを持ち出している」ように見えるように、家とたまの配置を変えてみよう……と下描きをしているうちにアイデアはふくらんで、ひさしぶりに描く絵の線もなめらかになっていった。
背景は、今井雅子のラッキーカラー、イエロー×オレンジ。線画のラインはあたたかみのあるこげ茶色に。できあがったデザインを「どう?」とたまに見せたら、「おーおー」と指差して興奮。色校正のバッグ(布地に印刷した状態のもの)が届いたときも、手に取ってしげしげと眺めていた。自分が描かれているとわかるのか、お菓子の家がおいしそうで喜んでいるのか。わたしもうれしくて、何度も取り出しては飽きずに眺めている。
たまが生まれていなかったら、お菓子の家を贈られることもなかっただろうし、そこに今回の仕事という偶然が重ならなければ、この絵は生まれなかった。縁だなあ、とめぐりあわせの不思議と幸せを感じる。このバッグとカップを手にした人にも、いいことが起こりそうな予感。
「ネスカフェ これでもか コレクション」キャンペーン(通称「これコレ」キャンペーン)は本日から4月25日(金)まで。ポイントマークが付いている「ネスカフェ」および「ネスレ」製品のポイント30点を1口として、どしどしご応募を。1デザインにつき2000名様にプレゼントの太っ腹企画なので、当選確率は高そう。くわしくはキャンペーンサイトにて。今井雅子ページへのコメントも歓迎です。(※キャンペーンサイトは閉鎖しています。2009年7月29日今井記)
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