2007年03月21日(水)  MCR LABO #2「無情」@下北沢駅前劇場

2月に観た第一弾がとても面白かったMCR LABOの第二弾「無情」を観る。鑑賞の友は前回と同じくわたしのシナリオご意見番のアサミちゃん。観終わった後で、「いやあ、進化してたねえ」と二人でしみじみ。第一弾は帰り道に「面白かったね〜」を壊れたレコードのように繰り返したけれど、数日経つと、面白かった印象だけが残って内容はあまり思い出せなくなった。でも、今回は、たぶん一週間経っても余韻が消えないだろう。

前回は男性ばかりだったのに対し、今回は女性が登場し、しかも主人公だったことで、より感情移入しやすくなったせいもあると思う。「体が足先から麻痺していく難病に冒された妻と見守る夫の物語」をA面とすると、B面では「一人暮らしの盲目の女性の部屋に出入りする人々の物語」が展開され、交互にABABとミルフィーユされていくうちに、まったく別の物語の顔をしていたAとBが溶け合い、最後にはひとつになる。A面の妻は麻痺が進んでやがて会話もできなくなるが思考は停止しない。B面の女性の元には善人の顔をして彼女を利用しようと近づいてくる人が後を絶たない。どちらの主人公を取り巻く人々の行動にも、人間のいやな部分をにじませつつ、「自分にもそういうところはあるよな」と思わせるリアリティがある。悪人キャラは憎みきれない存在に描かれているし、思い詰めた設定でありながら随所に笑いがちりばめられている。その匙加減の絶妙さに感心。軽い調子の中に込められた本音がグサッと突き刺さる。作・演出のドリルさん、台詞も間の取り方も本当にうまい。5月の第3弾「審判」、7月の第4弾「愛情」も今から楽しみ。

MCR LABO #1「無情」
作・演出:ドリル
プロデューサー:赤沼かがみ
「青春の切り落とし」

「お前を10分で落とす方法」

「彼女は機械になりたい」

「絶望列車希望号」

「俺は機械になれない」
×
櫻井智也(MCR)
黒岩三佳(あひるなんちゃら)
前田剛(BQMAP)
諌山幸治
ますもとたくや
(スペクタクルガーデン)
異儀田夏葉
住田圭子
石沢美和(SQUASH)
上田楓子(MCR)
福井喜朗(MCR)
渡辺裕樹(MCR)
小野紀亮(MCR)
伊達香苗(MCR)

2007年2月12日 MCR LABO #1「運命」@shinjukumura LIVE

2005年03月21日(月)  弘前劇場+ROGO『FRAGMENT F.+2』
2004年03月21日(日)  アドフェスト4日目
2002年03月21日(木)  「かわいい魔法」をかけられた映画

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