2005年03月21日(月)  弘前劇場+ROGO『FRAGMENT F.+2』

STRAYDOGにいた古川康大君から「どうしても観ていただきたい舞台があるんです」と熱い招待を受け、新宿pamplemousseへ。タイトルは『FRAGMENT F.+2』。弘前劇場主宰の長谷川孝治さんが書き、94年初演の『破片』を改訂し、97年に完成した『FRAGMENT』。その脚本を読んで雷に打たれた古川君が仲間の鈴木真君とともに弘前に乗り込み、「これをやらせてくれ」と訴え、弘前劇場+ROGO(古川康大・鈴木真)という形での上演が決まったとのこと。その経緯も熱いが、内容も熱い。舞台は海に近い灼熱のガソリンスタンド。劇中で瓶のコーラを飲み干すシーンが出てくるが、演技ではなく本気でカーッと飲む。渇いている。途中に男女一人ずつが絡んでくるものの基本的には二人芝居で、ガソリンスタンドで働く先輩と後輩の男二人が殴りあうように台詞を吐きあう。言葉の力と役者の力がぶつかり、火花を散らすようなパワーが生まれる。最後まで目が離せなかった。

いつもお芝居を見に行って思うのは、東京には(そして日本中には)なんてたくさんの役者がいて、それぞれに演技を磨き、しのぎを削っているのだろうということ。脚本家もライバルだらけだけれど、役者の層はもっと厚く、熾烈な戦いが繰り広げられている。小さな劇場で熱い舞台を観たときほど、そんなことを思ってしまう。先日、大蔵省君と二人芝居『動物園物語』(2004年2月7日)を演じたサードステージ!の瀬川亮君が今度のNHK連続テレビ小説『ファイト』で、ヒロインが心ひかれていく厩務員役を射止めたと知った。「群馬のキャベツ畑で1年、新潟のスキー場で半年」など住み込みで働き、「玉掛け」「フォークリフト」などの資格・免許を取得しつつ打ち込めるものを探してきたときに第三舞台の公演を観て衝撃を受け、門を叩いたのだとか。演技の世界で生きていたい、自分が何者であるかを見極めたいという熱を迸らせていた今日の出演者も、その手でチャンスをつかみ取って欲しい。

2004年03月21日(日)  アドフェスト4日目
2002年03月21日(木)  「かわいい魔法」をかけられた映画

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