外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2003年07月31日(木) 「わずか数日でPTSD兆候 宮城地震被災者に強いストレス」 「数日」ではPTSDとは言えないが、早く専門家によるケアが必要だ。

◆記事:
宮城県連続地震で余震が続く同県北部の避難所では、28日も2400人以上の住民が避難所で夜を明かした。強い余震が頻繁に続く上、不便な避難生活を強いられて血圧が高くなった高齢者や、夜中に突然泣きだす子どもの姿も目立つなど、地震発生からまだ数日にもかかわらず、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のような症状が現れ始め、地震は住民の健康状態に深刻な影響を与えている。

◆所感:そういうのは、PTSDとは言わないのであるが・・・

 地震で被災された方々は本当にお気の毒である。しかし、震度6もの強い地震が一日に3回も起こったら、誰だって大なり小なり精神状態に変調を来たすのではないだろうか?全く何の心理的変化が無い人がいたら、むしろそちらの方が変わっている。

 こういうのは、急性ストレス反応(Acute Stress Reaction)というのだ。生命の危機に匹敵する精神的外傷を受けた後に、不安、過敏、緊張、落ち着きのなさ、イライラ、などの精神症状や、首や肩の凝り、震え、動悸、息苦しさ、めまい、不眠、などの身体症状がはやければ、数分以内に出現する。症状が重ければ、ひきこもりになったり、意味もなく動き回る、自分の居る場所や日時がわからなくなることもある。これらの症状は数日のうちに(或いは数時間以内)に消失するが、治らないようなら、なるべく早く専門家による治療を受ける事が必要だ。

 PTSDというのは、精神的外傷(トラウマ)から、何週間、或いは何ヶ月も経ってから、そのトラウマのフラッシュバック(思い出そうとしていないのに、突然その時の感覚やイメージ、思考がよみがえってくること)や夢の中での再体験を繰り返す。人間の記憶は時に不便なもので、忘れたいのが忘れられなくなってしまうのである。

 宮城県北部地震からはまだ数日しか経っていないのだから、今の段階で精神が不安定だとしても、それをPTSDと書くのは不正確だ。但し、急性ストレス反応が、PTSDに発展する場合もあるのだから、国は、被災地に集中的に専門家を派遣して心のケアにあたるべきである。

 しかし、今回の地震はかなりの大地震なのに、人口が密集した地域ではなく、被害総額もたいしたことはなさそうだ、という考えからだろうか。国のケアが不十分な気がする。

 死傷者の多寡に関わらず、宮城地震の被災者が受けた心の傷が、阪神大震災の被災者のそれよりも、小さいとは断言できない。人間の感受性は、一人一人異なる。遠く離れた場所でテレビを通して映像を見ているだけの我々には想像も出来ないショックを受けている人も多いはずである。軽く考えるべきではない。


2003年07月30日(水) 「之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。」 国会の議事録を見るとなかなか面白い。

◆衆議院議事録から
「また、どこが非戦闘地域でどこが戦闘地域かと今この私に聞かれたって、わかるわけないじゃないですか。」

「論語にありますよ、論語。「知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。」知ったかぶりしちゃいけない。率直に答えております。」

◆所感:「・・・・」
 ネットのおかげでかつては、国会図書館に行かなければ見ることができなかった国会の全ての議事録、つまり、全ての発言を自宅のPCでチェックすることが可能となった。先日の党首討論での小泉首相の発言も上に引用したように、即座に確認する事ができる。

 これは、第156回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第5号(平成15年7月23日(水曜日))の議事録を見たのである。はじめは検索の仕方にちょっと戸惑うかもしれないが、年寄りの私でさえすぐにできるようになったのだから、若い方はもっと簡単だろう。

 どこが非戦闘地域か分かるわけがない、という発言に関しては7月24日の日記で述べた。

 しかし、「分かるわけが無い」発言の後に、論語を引用して訳の分からないこと、(というか、恥の上塗りというか)をしていたのは、議事録を読んで初めて知った。

 小泉首相は「知らざるを知らずと為す、これ知るなり」と言ったけれども、それは、孔子の言葉の後半であって、正しくは、題名に書いたように、「之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。」である。

 理解した事は、理解した事として。また、分からない事を分からないと認識できるということが、『知る』ということなのだ」という意味で、我々が陥りやすい、本当には分かっていないのに分かったつもりになっていること、を戒める言葉ともいえる。

 しかし、これは、知らないことは、知らないで構わないのだという意味ではない。小泉首相がこの言葉を引用したのは見当違いもはなはなだしく、まさに、「知らざるを知らざると為す」ことをしていない。中途半端な理解で論語など引用している。これでは、まるでギャグである。

 現在の米国の大統領も、数え切れないほどの、珍発言、文法、語法の誤りを犯している。一冊の本になっているので、読んだ人がいるかもしれないが、私が一番ウケたのは、これ↓。

<実際の発言>
I think anybody who doesn't think I'm smart enough to handle the job is underestimating.
(私のことを大統領として知能が足りないといっている人達は、その事実をまだ甘く見ている。)

誤解している(misunderstanding)というべきところ、低く見積もる(underestimate)と言ってしまったので、大爆笑になってしまうのである。俺のことをバカと思ってる人、俺の馬鹿さはまだ、こんなもんじゃないぞ、という意味になるのだから。

 小泉とブッシュが仲が良いのもなんとなく、わかる気がする。


2003年07月29日(火) 「星の数は地球上の砂粒の10倍 豪天文学者ら」 億、兆、京、さてその次は・・・

◆記事:
現代の技術で観測可能な星を全部合わせると10の22乗を7倍した数に上り、地球上の砂粒を集めた数の約10倍に当たる――。まさに「天文学的」な統計結果を、このほどオーストラリア国立大学のチームが発表した。

 同大学の天文学者、サイモン・ドライバー博士らは、オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州のアングロ・オーストラリア天文台と、大西洋のカナリア諸島の天体望遠鏡を使って夜空を観測。シドニーで開かれた国際天文学連合(IAU)の総会で成果を報告した。

 結果は、7の後に0が22個続く「700垓(がい)」という数だった。世界中の海岸や砂漠の砂を集めても70垓粒ほどだというから、気の遠くなる数字だ。

 ただしドライバー博士によると、これはあくまで現時点で観測できる範囲での話。全宇宙の星の数はまさに「無限大」だと、同博士は言う。

◆宇宙の話はいつも壮大だ。

 壮大だけれども、700垓(がい)といわれても、ピンと来ない。あまりに大きい数というのは私たちの(少なくとも私の)想像できる範囲をこえているからである。だから、宇宙全体に散らばる星の数が地球の砂粒の数(こんな数は、どうして分かるのだろうか?)の10倍だ、といわれると、なんとなく、気の遠くなるような数だな、ということがわかったような気になる。

 しかし、垓という数詞があることは久しぶりに思い出した。子どもの頃面白がって覚えたが、忘れてしまったので、改めて調べたら、次のようになっていた。そうしたら、垓なんて、まだまだ、小さい数だった。

億、兆、京(けい)、そして10の20乗が「垓」である。その後10の4乗ずつ上がって、杼(じょ)、穣(じょう)、溝(こう)、澗(かん)、正(せい)、載(さい)、極(ごく)その次から、明らかに仏教じみてくる、恒河沙(ごうがしゃ、10の52乗)、阿僧祇(あそうぎ、10の56乗)、那由他(なゆた、10の60乗)、いよいよ、ラストに近づいてきた。不可思議(ふかしぎ、10の64乗)、無量(むりょう、10の68乗)、大数(10の72乗)

 今のように、天文学が発達していないときに、よくもまあ、10の72乗なんて数にまで、名前を付けたものだ。中国人の構想力というか、想像力というのはすごいね。白髪三千丈とかすぐに言ってしまう人々だからね。

たまには、宇宙の話を読むといいですよ。人間同士の事なんか、腹を抱えて笑い出したいほど、小さいことなのだ、ということが分かります。


2003年07月28日(月) 「日銀発表に1年以上も誤り…CP発行残高を拡大公表」 日銀に「業務改善命令」を出した方がいいね。

◆記事:
日本銀行は25日、毎月上旬に公表している統計「貸出・資金吸収動向」の中で、銀行や証券会社が引き受けているコマーシャルペーパー(CP)の残高が1年以上も誤っていたと発表した。

 今月8日に発表された6月末の残高は24兆円だったが、「実際は9兆円程度少なかったと見られる」(金融市場課)としており、CP市場を実際の1・6倍に拡大して公表していたことになる。

 担当者は約1年前に気付きながら是正措置を取らず、事態を重視した日銀は、内部管理部門である経営企画室が事実関係の調査を始めた。

◆私の見解:市中銀行がこんな虚偽報告してたら、大変な騒ぎになるというのに

 日本銀行は言うまでもなく、日本の中央銀行であって、日本の金融システムの中核に位置する存在である。およそ銀行というものは信用だけで成り立っている商売である。一国家の中央銀行には、民間銀行よりもさらに一段と高い信用が求められる事はいうまでもない。

 今回の件に関していえば、実は、CP残高などという統計は少々数字に誤差があったって、たいした問題ではない。問題は、数字が間違っていると分かっているのに、1年間も隠していた、という事実である。

 日本銀行は、民間銀行に毎月さまざまな報告を作成させて提出させている。もしも、その数字が1年間に亘って虚偽であることを承知で提出されている事を日銀が知ったら、大変な事になる。即座に業務停止命令か、改善命令を求めるであろう。それなのに、自分がやっていたとは、けしからん。

実は、日銀は今月中旬にもうひとつ、問題を起こしている。

◆記事:

国内金融市場の中核的な資金決済システムである「日銀ネット」で14日、一部の金融機関との間で情報の送受信ができなくなる障害が発生した。日銀ネット側の情報受信機能にプログラム上の不具合があったためで、金融機関の資金決済に最大1時間半の遅れが生じた。日銀がシステム障害を公表したのは今回が初めて。

 日銀によると、障害が発生したのは同日午前。日銀ネットに接続する銀行や証券会社など7金融機関との間で、決済情報の電文の送受信が散発的にできなくなった。

 これらの金融機関はホストコンピューターと日銀ネットを直接接続する形式をとっているが、決済情報を磁気テープで日銀に提出したり、別系統の日銀ネット専用端末で送受信し直すなど対応に追われた。

◆再び、私の見解

 かなり専門的な領域なので、あまり大ニュースにならなかったが、要するに、日銀ネットという、日本中の金融機関同士の決済を司るシステムがダウンしたのである。決済システムが障害を起こすとどういうことになるかは、昨年のみずほ銀行の騒ぎを思い出せば分かるだろう。振り込まれるべきお金が振り込まれない。ヘタをすれば、資金繰りがつかなくなって、市中銀行がつぶれてしまうのである。冗談ではない。

 14日のシステム障害では最大1時間半の遅れということなので、幸い大事にはいたらなかったが、かなり危ない話なのである。

 要するに、日本銀行は、今月だけで、かなり重大な問題を2つ起こしている。繰り返すが、もし、これが民間銀行であれば、当然、事態報告を出させられて、今後の対応策を提出させられて、と大騒ぎになるところである。

 あいにく、日本銀行は中央銀行であるから、それをさらに監督して、業務改善命令を出す機関が存在しない。

 しかし、本当はそれではいけないのであって、事態の全容を内閣総理大臣に報告して、総理大臣は専門家からなる諮問機関かなにかに、日銀を検査させて、総理大臣から、日銀総裁宛に改善命令を発するべきだと思う。

 それから、マスコミ。日経をはじめとする全国紙は、日銀トラブルなんて大問題なんだから、もっと大きく取り上げて、一般国民にも分かり易く解説すべきだ。


2003年07月27日(日) 「自衛隊を派遣し、憲法の枠内での活動をするのは、論理的帰結である。」←大新聞のバカさ加減

特に目に付いた、バカな社説をいくつか見てみる。

◆日経:
イラク復興支援には最終的に40近い国々が参加するとされる。開戦に反対したフランス、ドイツ、中国、ロシアは国としての支援はせず、国連を通じた支援を考えている。是非をめぐっては意見が分かれるが、日本政府が戦争を支持したのは事実であり、復興支援は日本の国際的責任でもある。したがって自衛隊を派遣し、憲法の枠内での活動をするのは、論理的帰結である。

◆読売:
イラク復興支援特別措置法が成立した。自衛隊派遣の枠組みが整ったことになる。
 日本は米国を中心とするイラク戦争を、当初から支持してきた。イラク復興支援は、当然の国際的な責務である。

◆産経:
イラク復興支援特別措置法が成立した。政府は来月、現地に派遣する調査団の報告を踏まえて九月に自衛隊の任務や活動地域を定める基本計画を策定し、十一月以降、自衛隊を派遣する。小泉純一郎首相が五月の日米首脳会談で自衛隊のイラク派遣検討を表明してから、約二カ月経過したものの、法的な枠組みが確立したことを評価したい。

●私の見解:「こいつらは、世界がアメリカに騙されていた事を忘れたのか?」

 あきれた。日経は「自衛隊を派遣するのは論理的帰結である」ときた。読売もほぼ同じ事を述べている(こいつら、互いに何を書くのか相談しあってるのだろか・・・)。産経のバカは法律が出来た事を評価したい、だって・・・。

 あのねえ。アメリカはね。イラクに大量破壊兵器がある。アメリカはその証拠を握っている。それが、テロリストの手にわたって、明日にでもアメリカが攻撃されるかもしれない、だから、攻撃される前に、イラクを攻撃するのだ、と言って、イラク戦争をはじめたのです。

 それに対して、日本政府は世界で最初にその行為を支持するといって、アメリカのご機嫌をとったのです。

 ところが、今月になって、ラムズフェルド国防長官は「大量破壊兵器の存在の確証があったわけではない」と開き直ったような証言をしたのです。つまり、アメリカはウソをついていたのです。実際、大量破壊兵器はいまだに全く見つかっていません。イラクを攻撃する合理的な理由はなかったのです。これは、純然たる侵略戦争です。

 イラク攻撃を正当化(本当は国連安保理の決議がなければ正当化されないのだが)する、唯一の根拠がウソだった。と分かったのに、開戦当初と同じようにアメリカを支持する日本政府はバカなのです。前提が崩れたのであるから、日本の態度も変わるべきなのです。

 この、一番肝心なところを抜かして、「最初に戦争を支持したのだから、アメリカのために自衛隊をイラクに派遣するのは、当然だ」と述べているのが、日経と読売です。バカです。

 自衛隊が派遣されるのは、イラクの町や村なのです。非戦闘地域に限るといっても、そんなものは線が引かれているわけではありません。

 昨日も、バクダッド近郊のバグバという町で、現地の小児科病院を警護していた米兵が手投げ弾による攻撃を受けて、3人が死亡、4人が負傷しました。5月1日にブッシュが戦闘終結宣言というのを発表したけれども、その後に死亡した米兵は47人になりました。

 戦地に兵隊を送るというのは、こういう事なのです。

 それから、どの新聞も、イラク領内が劣化ウラン弾により大量の放射能で汚染されていることには触れていない。見てみぬフリをしているとしか思えない。もし知らないのなら、マスコミとして、無能すぎるのです。

 自衛隊を派遣するのは当然だと考えている、小泉内閣総理大臣をはじめとする閣僚の方々、与党の議員、大新聞の論説委員は、交替で、バグダッド及びイラク各地を何週間かかけて視察して、身をもって生命の危険を体験してみては如何でしょうか?

 それでも、自衛隊を派遣するべきだといいつづけるのでしょうか。他人の命についてどれぐらい真剣に考えているのでしょうか。


2003年07月26日(土) 「イラク復興支援特別措置法が成立」 日本人が死んでもいいのだね?

◆記事1
 イラクへの自衛隊派遣を可能とするイラク復興支援特別措置法案は25日夜の参院外交防衛委員会(松村龍二委員長)で、自民、公明、保守新の与党3党の賛成多数で原案通り可決され、26日未明の参院本会議で可決、成立した。
 政府は同法成立を受け、具体的な活動内容などを盛り込んだ基本計画を策定し、11月にも1000人規模の自衛隊の部隊を派遣する。

◆記事2
小泉純一郎首相は26日未明、イラク復興特措法が成立したことについて「与党が結束して成立して、まずはほっとしている」と述べた。審議が不十分との野党側の批判には「論点は尽きた。十分審議された」と反論。自衛隊派遣に対する国民の理解については「後になれば、得られると思う。将来、あの時の法律は日本のために良かったなと(評価される)」と強調した。
 一方、具体的な派遣時期については「じっくりと現地を調査して、その後だ」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。

◆所感:アメリカ追従、ここに極まれり。

 与党のやつらは、アメリカの工作員か?無責任だ。現地へ派遣されるのは、自分ではない。危険な目に遭うのは自衛隊員だからこそ、こういう悪法を平気で作れるのだ。

 それにしても、法律をごり押しして、先に成立させ、その後で現地調査団を送り込むというのは、ひどい。どう考えても、順序が逆だろう。

 現地を視察して如何なる危険が存在しているかをすべて明らかにして、それから、どう対応するかを考えるべきだろう。どれぐらい危険なところか分かれば、違う結果になったかも知れぬ。

 そこが、小泉をはじめとする政治屋の汚いところだ。反対意見が出そうなことは、わざと後回しにするわけである。

 日本国民は、もともと、政治に無関心だが、今回は何しろ自衛隊員を危険な地域に派遣する法律なのだから、真剣に考えるべきだ。自分は自衛隊員ではないし、身内にも自衛隊員はいないから、知ったことではない、というのは、あまりに幼稚で、自己中心的だ。


2002年07月26日(金) 物騒なことばかり・・・

2003年07月25日(金) 「衆院本会議 内閣不信任決議案を否決 」結果は分かりきっているが、野党の言っている事は妥当だと思う。

◆記事:
野党4党が提出した小泉内閣不信任決議案を議題とするため、衆議院本会議が25日午後3時から開かれ、採決の結果、与党の反対多数で否決された。

 決議案の趣旨弁明に立った民主党の菅直人代表は、「この通常国会は、小泉首相の『この程度の公約は大したことない』発言に始まり、『どこが非戦闘地域かなんて、分かるわけない』という、考えられないような無責任発言で終わろうとしている。まさに小泉首相と自公保政権の無責任さのすべてを語っている。大義を欠いたイラク戦争支持やイラク特措法など、日本を誤った道へ導こうとしていることに対し、政権交代によって日本を救い出すべきだ」と表明した。

 菅代表は、不信任の具体的理由として(1)構造改革が全く進んでいない(2)経済の失政(3)政治改革を後退させている(4)党内や自ら任命した閣僚も抑えられない指導力欠如(5)米国に追従し、戦地に自衛隊を送ろうとしている無責任さ−−などを指摘。小泉首相自ら国会を解散し、国民の声を聞くべきだと結んだ。

◆所感:政権交代すれば必ず良くなるかは分からないが、小泉氏は無責任だ。

 野党が不信任決議案で挙げた理由は、いずれも正しいと思うが、特に、イラクへ自衛隊を送ろうとしているのは、本当に無責任だと思う。

 いまでも、イラクのゲリラは生き残っていて、アメリカ兵が殺されている。イラク武装集団は、「アメリカを支持する勢力には、同じ制裁を与える」、つまり、殺すと豪語しており、これは、本気だろう。

 自衛隊が現地で活動するのは非戦闘地域に限られるというが、戦闘地域と非戦闘地域は車道と歩道のようにはっきり分かれているわけではない。とくにゲリラ兵士にとっては、そんな区分は何の意味も為さない。だから、自衛隊も十分に標的になるのである。

 そして、今の日本政府がけしからんのは、イラク戦争においては劣化ウラン弾という、放射能を撒き散らす砲弾が使われたのは、アメリカ自身が認めている(戦争中に、ブルックス准将という米軍人が使ったと明言した)にも関わらず、これを、わざと過小評価していることだ。

 6月27日に川口外相は「米軍は劣化ウラン弾をほんのわずか保有し、その安全性を確信していると述べています」と国会で答弁した。

 小泉首相に至っては、「国際機関などの調査では、人体や環境にほとんど影響がないとの内容がある」と、でたらめというほかはない発言をしている。気は確かか?

 米国は湾岸戦争で劣化ウラン弾を百万個以上も発射した。劣化ウランとは原子力発電や核兵器を作るプロセスでウランを濃縮したあとにできる。残りかす。

 劣化ウラン弾は爆撃によって直接的に人を殺傷するだけではない。爆発したあとに、その周囲に放射能を含んだ粒子をばら蒔く。人の肺に吸い込まれた粒子は、人体を放射能で汚染して、白血病や癌を引き起こす。その結果イラクでは湾岸戦争のあとに、様々な先天的奇形(水頭症、無脳症)を持ったこどもが生まれて、幼くして死んでいった。

 小児癌はその後も増えつづけ、ある病院の統計だけをとっても、95年から2000年までに、242%も増加した。劣化ウラン弾の後遺症としか説明がつかないという。その惨状は日本人カメラマンの記録でも明らかなのである。

 人体に殆ど影響が無い、などというのは、全くのたわごとなのだ。アメリカは湾岸戦争の傷が癒えていないというのに、今回の戦争でまた劣化ウラン弾を用いたのである。こうなると、その残虐性はヒットラーのホロコーストとあまり変わりは無いのではないかと思うのである。

 日本は、「イラク復興支援法」などという偽善的な言葉を用いた法律を作るぐらいならば、始めから,絶対戦争反対、と叫ぶべきだった。ところが、現実にはこの残虐行為を世界で最初に積極的に支持してしまった。

 小泉氏はこの一事だけをとっても取り返しのつかない失策をしでかしているのに、今度は、イラクのゲリラ兵士に狙われ、放射能を被爆するのが明らかな場所に自衛隊を送り込もうというのである。

 私は、どこの政党にも政治的・宗教的団体にも所属していないし、特定政党を支持するものではないが、今日に限っていえば、菅代表が言ったことは、客観的に判断して、正しいと思う。小泉政権がやろうとしている事はとんでもなく、非人道的な、無責任な行為だ。


2003年07月24日(木) イラク派遣で首相「非戦闘地域分かるわけない」 ← 開いた口が塞がらない・・・

◆記事:
小泉純一郎首相は23日の党首討論で、イラク復興支援法案に基づいて自衛隊を派遣するイラクの非戦闘地域について「イラク国内の地名とか、よく把握しているわけではない。どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域か、いま私に聞かれても、分かるわけない」と発言した。
 民主党の菅直人代表が、非戦闘地域に限るとしている自衛隊の派遣先を巡って「今のイラクに非戦闘地域はあるのか。例えばどこなのか、1カ所でも言えるなら言ってみてほしい」と追及したのに答えたもので、菅氏は「すごい答弁だ。自衛隊を戦地に送ろうとする首相が『分かるわけない』と開き直るのか」と厳しく批判した。

◆所感:確かに、これほどすごい答弁はないよ。

一昨日の日記の中で、私は、劣化ウラン弾による放射能で汚染された地域に自衛隊員を送りこもうとしている小泉首相は自衛隊員が被爆しても仕方が無いと考えているのではないか、と書いたが、上で引用した昨日の党首討論における発言を聞いて、やはり、と思ったが、同時に、まさか、ここまで無責任な発言を公の場でするほどの馬鹿だったのか、と唖然とした。

 無論、公の席であるかどうかは本質ではない。菅代表が言う通り、自衛隊を戦地に送り込もうとしている国の政治の最高責任者が、「どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域か、いま私に聞かれても、分かるわけない」と考えている事。分からなくても差支えが無いと考えている、その無責任さが大問題なのである。

 云うまでもなく、日本は文民統制(所謂シビリアン・コントロール。正しくは、civilian's supremacy=文民の優越という)の国であり、全自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣なのである。「自衛隊法第7条 内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する」

 自衛隊の最高司令官が、アメリカの機嫌をとるために自衛隊員を戦地に送り込むという事だけを決める。しかし、送り込む先がどういう状態になっているのか、分からないというのだから、尋常ではない。

 要するにこれが小泉という人物の本質だろう。何故、戦闘地域と非戦闘地域など「分かるわけがない」と言えるのか?関心がないからである。

 彼にとって大切なのは、自衛隊を派遣してお手伝いしましたよ、とブッシュに言えることだけなのであって、送られた自衛隊員にどういう危険が待ち構えているかなど、どうでも良いのである。

 また、小泉首相自らイラクを視察するつもりなど勿論無く、自分は絶対に安全なのであるから、興味が無い、ということなのであろう。

 小泉内閣総理大臣に欠けているものはいろいろあるが、ひとつには、内閣総理大臣は、ひとつの国家機関であり、公的な存在だという意識である。首相は国政を司る機能を期待されており、そのなかには当然国民の生命の安全を第一に考えるということが含まれるべきである。

 しかし、小泉純一郎氏にとっては、その公的な性格に対する考察など殆どどうでもよくて、彼の頭脳の大半を占めるのは、如何にして少しでも自分の権力を増大して、長続きさせるか、という「私」の要素であろうと想像できる。

 こういう人物を最高司令官に持ち、鶴の一声で危険なイラクへ赴かねばならない自衛隊員はたまったものではなかろう。人権問題といっても過言ではない。

 今回の「分かるわけがない」発言はそれぐらい深刻な意味をもつ、大問題発言だ。マスコミは民主党と自由党の合併を一面トップに持ってきたが、ことの軽重を間違ってはいけない。


2003年07月23日(水) 未知の分野の知識を得る方法

 故・司馬遼太郎さんのエッセイを読んでいて非常に印象に残った話がある。司馬さんは、小説を書き始める場合、たとえば「竜馬が行く」なら坂本竜馬に少しでも関わる本を全部売ってくれ、といつも懇意にしている古書店に頼むのだそうだ。無論、ものすごい量になるわけで、ひとつの小説を書くための資料に数千万円もかかったという。それらをすべて読破するというのである。こうしたことは誰にでもできることではないが、司馬さんは他にも大変参考になることを書いている。

 自分にとって全く未知の分野に就いての知識を得なければならないときには、まず、その分野に関して子ども向けに書かれた入門書を何冊も読むのがよい、と司馬さんは云うのである。こういう本は大抵その道の一流の学者が、噛んで含めるようにして易しい文章で書いているので、大変参考になる。「菜の花の沖」を書くときには船舶や航海に関する知識が必要だったので、その分野の子供用の本を読んだという。

 あの教養人、天下の碩学(せきがく=学問の広く深い人)が、そのような地道なことをしていたのか、と感動した。

 ひとつのテーマに関して何千万円もの資金を資料のために投じることは、さすがにわれわれ一般人には難しいが、後の方法ならば、誰でもできることだ。

 インターネットにも子供用のサイトは沢山ある。火星大接近のことを調べようと思って、有名な天文サイト日本惑星協会を見たら、「こども宇宙教室」というコーナーがある。これがなかなか、良く出来ていて、内容は決して幼稚ではなく、しかし、説明は可能な限り平易かつ簡潔に書かれている。

 ブラックホールとは何か。銀河とはなにか。太陽系について。天文学用語集。大人でも十分、というか、普通の大人はこのレベルからアプローチすべきではないかと思えるほどである。日本惑星協会のサイトには最近、段々大きく見えるようになってきた火星の画像も載っているので、いままで、関心が無かった人でも一度見てみると面白いかもしれない。


2002年07月23日(火) 実名報道

2003年07月22日(火) 自衛隊をイラクへ派遣することに反対する理由。

 政府・与党はイラク復興特別措置法を成立させて、陸上自衛隊員をイラクへ派遣しようとしていて、その急先鋒は小泉内閣総理大臣であるが、彼は、物事を整理して、合理的に判断する能力が先天的に欠落しているように思われる。

 私が自衛隊をイラクへ派遣するのに反対である理由は次のとおりである。

1. 既に何回も書いたことだが、アメリカはイラクが大量破壊兵器を保持している確証を得ていなかったにもかかわらず、証拠はある、と米国民と世界を騙して、戦争に対する支持を得ようとした。そして、いまだにその道義上の責任を何ら反省していないこと。かかる倫理観に欠ける国家を支援すべきではない。

くだけた言い方をすれば、アメリカに騙されていたのに、まだ、これを支持するのはお人よしを通り越して、馬鹿としかいいようがない。

2..国連の査察団はさらに数ヶ月の査察が必要であると進言したにもかかわらず、アメリカはこれを無視して、国連の決議を得ずにイラクを攻撃した。これは国連安保理決議が無くては、武力攻撃をしてはいけないと定めている国連憲章というれっきとした国際法を無視した、国際的犯罪行為であり、これを日本が一主権国家として見てみぬフリをすべきではない。

3. アメリカは1991年の湾岸戦争の時を上回る劣化ウラン弾を今回の戦争でイラク領内に投下している。悪魔としかいいようがない行為である。湾岸戦争以降、イラクでは小児ガンの発生や奇形児の出生率が著しく高まっており、ただでさえ悲惨な状態にあった。その上、さらに大量の劣化ウラン弾が投下された場所に放射能が残存しているのは、検証するまでも無く明らかであり、そのような場所に自衛隊員を派遣すれば、自衛隊員が被爆する事も必至である。

にも、かかわらず、自衛隊員を派遣するということは、もはや自衛隊員の身体への影響があっても仕方がないという、いわゆる傷害の「未必の故意」を小泉内閣総理大臣が持っているといわれても仕方が無い。自衛隊員といえども、日本国民であることはいうまでもなく、国民の生命の安全を最優先課題としなければならない、内閣総理大臣の使命を十分に弁えていないといわざるを得ない。

4.繰り返しになるが、日本政府が米国のイラク攻撃を支持する唯一の拠り所であった「大量破壊兵器」の存在は、ウソだったのだから、今からでもアメリカのイラク攻撃を非難する声明を出しても良いぐらいなのに、なにが何でもアメリカを支持するというのは、主権国家として、あまりに恥ずかしい行動である。同盟国であるか否かは関係がない。友人だったら、人殺しをしても「まあしかたがないさ」という人間がいるだろうか?アメリカが同盟国であるからといって、無条件にこれを支持しなければならない、などという理屈があるものか。


2002年07月22日(月) 猛暑とうつ病

2003年07月21日(月) 「けちな奴等だ。自分で自分のした事が云えないぐらいなら、てんでしないがいい」(坊っちゃん)

 長く読み継がれている文学作品には、人生の真理が語られている。

 坊っちゃんが当直をした日に布団の中にバッタが大量に入れてあった。腹を立てた坊っちゃんは、大騒ぎの末、この悪戯を仕掛けたに違いない生徒を捕まえて、尋問する。その場面である。

「・・・イナゴでもバッタでも、なんでおれの床の中へ入れたんだ。おれがいつ、バッタを入れてくれと頼んだ」
「誰も入れやせんがな」
「入れないものがどうして床の中に居るんだ」
「イナゴは温かい所が好きじゃけれ、大方一人でおはいりたのじゃあろ」
「馬鹿あ云え。(中略)さあなぜこんないたずらをしたか、云え」
「云えてて、入れんものを説明しようがないがな」

ここで、冒頭の台詞となるのである。実に小気味がいい。

「けちな奴等だ。自分で自分のしたことを云えないぐらいなら、てんでしないがいい。証拠さえ挙がらなければしらを切るつもりで図太く構えていやがる。おれだって中学に居た自分は少しはいたずらもしたもんだ。しかし誰がしたと聞かれたときに尻込みをするような卑怯な事はただの一度もなかった。したものはしたので、しないものはしないに極ってる。おれなんぞは、いくら、いたずらをしたって潔白なものだ。ウソを吐いて罰を逃げるくらいなら、始めからいたずらなんかやるものか。罰があるからいたずらも心地よく出来る。いたずらだけで罰はご免蒙るなんて下劣な根性がどこの国に流行ると思ってるんだ」

 その「下劣な根性が流行る国」になってしまった。

 まったく、悪い世の中になったものである。インターネットは便利なものだが、その匿名性を利用していくらでも卑怯な事ができる。コンピュータウィルスを作って世界中にばら蒔いて、世の人々が困っているのを見て喜ぶ奴。 長崎幼児殺人事件の犯人の住所その他プライバシーや顔写真を2ちゃんねるに書き込むやつ。

 あ、ネットばかりではないな。社民党の党首さんや、殆ど全ての政治家の「先生」方にも読んでもらいたいね。

 卑怯、ということが恥ずかしい事ではなくなってしまったのか。人間のメンタリティーというのはかくも下劣なものなのか。こういう連中には「坊っちゃん」で漱石が描いた江戸っ子の潔さの美学、人間としての品位は理解出来ないのかな・・・・。


2003年07月20日(日) 人間を類型的に判断するべきではない。「素直な良い子」が、必ずしもキレる訳ではない。

 ある個人のサイトで、長崎幼児殺害事件の関係で、犯人の少年が成績も良く、素直に他人のいうことを聞く子供だったといわれていることに目をつけて、

「他人の言う事をそのまま鵜呑みにするという行為は、自分の感情を押し殺しているという事で、本人の感情に対し素直に反応していないという事であり、心理学的には、ストレスを溜め込む行為と表現でき、本来、人が必ず持っている感情や考えを素直に表現できていないという事になる。
 また脳内の反応で考えると、本能を押し殺しているという事であり、その力が強ければ強いほど、本来の本能は攻撃的だということは、大脳と小脳のアクセルとブレーキという関係で説明できる。」

と、何だかとても理路整然としていて、納得しそうになるようなことが書かれていた。しかし、私は人間の心はそう単純に図式的かつ類型的に割り切れるものではないと思う。

 他人の言う事を素直に聞く子供が、すべて感情を押し殺してストレスをためているとは考えられない。子供なりに相手の言う事が尤もだと納得して了解する場合だってあるだろう。

 自分の子どもの頃を考えても、先生にこうしなさいといわれて、それがことごとく自分の意に反していたが、しかたなく、ハイと返事をしていた、という記憶はない。大概の場合において、先生や大人の言うことは、理屈が通っていて、なるほど、そういうものか、と思っていた。

 上の文章を書いた人の論理を反対解釈すれば、大人の言う事にいちいち逆らい、言う事を聞かないこどもは、感情を押し殺しておらず、ストレスも溜まっていないので、安全だ、という主張が導かれる。しかし、実際には、反抗的な子供はすでに乱暴で、周囲に迷惑をかけている場合も多いのである(私は、自分の子供が、犯人の小学生と殆ど同い年なので、今のその年代の子供の様子はよく知っているのである)。

 要するに人を判断するのは、あくまでも個別的な対応であるべきだ。こどもを普段の生活態度から、画一的、類型的に分類して、こういう子供は安全、こういう子供は危険、と判断するのは、間違っている。それをやったら、絶対に妙な差別が発生するだろう。


2003年07月19日(土) 小泉首相答弁 大量破壊兵器で「強弁」根拠「水かけ論だ」 ←どういう思考パターンなんだ?

◆記事:
イラク復興特別措置法案の国会審議が大詰めを迎える中で開かれた18日の衆院予算委員会。米英がイラク攻撃の根拠とした大量破壊兵器はまだ見つかっていないが、小泉純一郎首相は明確な根拠を示さないまま「大量破壊兵器はある」と述べ、16日の米英首脳会談でイラク戦争の正当性を訴えたブッシュ米大統領、ブレア英首相と「強弁」の足並みをそろえた。一方で、首相はバグダッドの治安状況について「そんなに安全な地域ではない」と答弁。現地の治安悪化で自衛隊派遣に不透明感も増してきた。

 菅直人・民主党代表「首相はイラクに大量破壊兵器があると断言したうえで米国の武力攻撃を支持した。米英ではそれが正しい情報だったのかと議論になっている」

 首相「フセイン大統領も生死は分からないがイラクに存在していた。大量破壊兵器も見つかっていないがあると思う。そこは見解の相違だ」

 イラク戦争に反対した民主党は18日の審議で「戦争の大義」を首相に質した。菅氏は大量破壊兵器があると判断した根拠をしつこく追及したが、首相は(1)イラクが過去に大量破壊兵器を使用(2)国連安保理決議や査察団報告が保有疑惑を指摘――を理由に「大量破壊兵器がないと断定できるのか」などと反論。菅氏は「それは疑惑であって根拠ではない」と食い下がったが、首相は「あなたはないと思っている。私は今でもあると思っている。これは水掛け論だ」と突っぱねた。

◆所感:大量破壊兵器があると「思う」とは何事だ。証明できるか否かの問題だ。

 本件に関しては民主党の菅代表がしつこく追求しているが、その趣旨は客観的に見て、合理的なものである。

 「大量破壊兵器」の存在が、日本がイラク戦争を支持した根拠だったのだから、一番肝心な点である。

 既にアメリカでは、ラムズフェルド米国防長官が9日、米上院軍事委員会で、イラクの大量破壊兵器について「決定的な新証拠が見つかったから行動(開戦)したのではない」と証言した。また、チェイニー副大統領が情報操作の責任をとって辞任すべきではないかという議論も出ている。

 このような状況に至っているというのに、小泉首相個人が「大量破壊兵器はあると思う」と述べたところで、何ら、アメリカを支持する理由にはならない。

 小泉首相は、菅代表に対して「あなたは(大量破壊兵器が)ないと思っている。私はあると思っている。これは見解の相違だ」と、わけのわからないことを述べている。「思う、思わない」という主観的な問題ではない。兵器の存在が「証明できるかどうか」という客観的な問題である。

 要するに、日本政府には大量破壊兵器の存在を証明することはできないのである。

 それにも関わらず、米国と英国に盲従したのは明らかな失策なのであるが、小泉内閣総理大臣は「大量破壊兵器は、きっとあると思う」という見当違いの答弁で誤魔化そうとしているのである。

 このような行動は見逃してはいけない。合理的・論理的に物事を解釈するならば、小泉氏は国の最高責任者として不適格である、と判断せざるを得ない。


2003年07月18日(金) 病気や病人を理解しようとしない者は怠け者である。

 色々な方の日記を日々、読ませて頂いている。その中には、精神科に通う方の日記も幾つか含まれている。ENPITUとは限らない。

 先日、PTSDで苦しんでいる方の日記を読んで、随分と腹がたった。その日記作者の知人が、PTSDで苦しむ本人に、「精神力が弱いから、そういう病気になるのだ」と言い放ったというのである。

 こういう、ずさんな神経の持ち主には、共通項がある。物事をきちんと知ろうとする努力をしない怠け者であり、自分でそれに気がついていない、ということである。

 目の前にある、インターネットという、人類史上最大の大百科事典をもってすれば、大抵の事は、自宅にいながらキーボードを叩くだけで、調べることができる。それすら、しようとしないのは、私に言わせれば「怠け者」である。

 精神と肉体が別に存在しているという考え方も深く影響しているのであろうが、精神とか感情と呼ばれるものは脳内で起きている化学反応によって作られている。脳を研究している学者にいわせれば、脳を調べれば調べるほど、脳内で起きていることは化学反応でしかない、という。どのような化学反応がどのような感情や思考に対応しているのか全てが解明されたわけではない。しかし、とにかく、精神は脳の化学反応であり、脳は肉体の一部であることは、言うまでも無い。

 したがって、精神が肉体と別物であると考えるのは誤りである。そして、PTSDもうつ病も脳内の化学変化に何らかの変異が生じたために発症する障害であり、本人の「責任」ではない。

 うつ病は怠けだ、と非難する人は、そういうことを言うぐらいであるから、自分は勤勉な方なのであろう。

 インターネットの情報の8割は英語であるという。医学に関しても、一般向けに詳しく、易しく、病気について説明しているのは英語のサイトの方が多い。

 アメリカに、「世界一良い病院」と言われているメイヨークリニックがある。ここは勿論Webサイトを運営しており、大変充実している。勿論無料で回覧できる。

 たとえば、うつ病に関してはうつ病の概要に、PTSDに関しては、PTSDの概要に非常に分かりやすい解説があるので、「勤勉な」健常者の方は是非読んで頂きたい。これでもまだ、うつ病やPTSDに苦しむ人を「怠け者」だと主張する人は、英語が全然読めないか、読もうとする努力をしない人で実は怠け者ではないか、と思うのである。


2003年07月17日(木) 「勤勉さ」の正体  誰のために生きているのか。

 日本人は勤勉だといわれている。自分はイギリスで、イギリス人に混じって働いていた事があり、彼らと日本人を単純に比べた場合、客観的に見て、確かに日本人の方が良く働くと思った。

 しかし、日本人は何故勤勉なのか、よく観察すると、「上司に叱られないため」「他人の評価を得る為」「他人よりも優位に立つため」に、随分と労力を割いているように思う。

 つまり、自分がほんとうにしたいことよりも、他者の評価の方を重視している、ということである。勿論それが全てではないけれども。

 他人の評価の方を重要視するということは、常に自分は他人よりも下位に位置することになるのであって、そんな馬鹿なことがあるわけが無い。

 自分が生きているということがまず、初めの真実で、自分がいなければ、世界は存在しないに等しいのである。

 我々は、本来自分のために生きているのであり、他人の評価を得る為に生まれてきたわけではない、という当たり前の事を認識している必要がある。


2003年07月16日(水) 幼児殺人の詳細を報道するのはやめろ。結局単なる好奇心じゃないか。

長崎の幼児殺人について、週刊誌が「競っ」て事件の詳細を報じようとしている。実は、犯人の少年は幼児を殺す前に、はさみで虐待していたらしい、とか、幼い頃に環境の深刻な変化があったらしいとか。

そういうことを伝えるべきではない。

まず、一般人は知る必要がない。知りたいとすれば、それは、他人の不幸に対する好奇心によるものであって、そのような好奇心は満たされる必要はないのである。

事件の詳細を報道するのは必要がない以上に、むしろ有害ですらある。

こういう犯罪の衝動を有している人間は、日本のどこかに、必ず他にもいる筈である。犯行の詳細を伝える事により、そうした犯罪者予備軍に無用な刺激を与える恐れがある。

事件の種類としてはあまりに形態が異なるけれども、インターネットで知り合ったもの同士の「心中」が連続して起きているのも、その方法があまりにも似通っていることから見て、明らかに前例の報道によって、行動を起こすきっかけを得ているものと考えられる。殺人に関しても、同様の影響を与える可能性は十分にある。

そして、ただでさえ、地獄の苦しみを味わっているであろう遺族が、自分の子供がはさみで切り刻まれてから、殺されたなどということを知ったら、どういうきもちになるか。それぐらいの配慮が出来ない者は人間のクズと呼びたい。


2003年07月15日(火) 「嫌な事があったら、何か人に親切なことをしなさい」(小学校の担任の先生)

 「嫌な事があったら、何かひとつ、些細な事でも良いから、人に親切にしてあげなさい。そうすると、暖かい気持ちが取り戻せます」と私の小学校の先生はおっしゃった。

 至言という他は無い。嫌なことがあって、他人に八つ当たりして、さっぱりした経験のある人はいないはずだ。殆どの人は、かえって自分の醜さに嫌気がさす。八つ当たりして気分が良くなるという人は、はっきり言って悪い奴である。

 人に親切にすることにより、人は「自己の重要感」(自尊心といっても良い)を自覚する事ができる。人と親切な気持ちを分かち合うということは、この世における最高の喜びのひとつである。

 理屈っぽい人は、人に親切にするといっても、結局、自分のためにするんじゃないか、とかなんとかいうのである。そのとおりである。それでよいのではないだろうか?理屈をつけて何もしないひとよりも、兎にも角にも善行を施して悪い道理はない。押し付けがましくなってはいけないけれどもね。


2003年07月14日(月) 「人命救助で中学1年の兄と小学校5年の妹に感謝状 埼玉」世の中、捨てたものじゃないよ。

◆記事:
 熊谷署(江原隆署長)はこのほど、人命救助に貢献した熊谷市佐谷田の中学一年生と小学五年生の兄妹に感謝状を贈った。

 感謝状を贈られたのは、市立熊谷東中学校一年、中村拓也君(12)と同佐谷田小学校五年、彩花さん(10)。二人は今月四日午後九時半ごろ、同所の踏切内で警報機が鳴り出したのに立ち止まっていた女性(31)を踏切外に引っ張り出して救助した。

 二人は柔道教室の帰りで、送迎の車内から女性の様子がおかしいのに気付き、まず拓也君が車を降りて駆け寄り、続いた彩花さんとともに女性の肩を抱きかかえるようにして救い出した。女性は自殺しようとしたらしい。

◆所感:人間の良いところにも光を当てよう。

 中国の戦国時代の思想家孟子は人間の本性は「善」であるとする「性善説」を唱えた。「赤子が井戸に落ちそうになっているのを見れば、だれでも駆け寄って抱きとめようとするだろう」という例えを用いた。無論、人間の醜さ、残酷さも十分承知していた、しかし、それよりも、人間が本来持っている善良な部分に望みを託した。

 12歳の少年が幼児を殺害したという事件が、日本中の人の心を暗くしているなかで、冒頭に取り上げたような話を読むと、本当に救われた気持ちになる。

 世の中には、人間が起こした事件や、事故の話題があふれているが、良く探せば、きっとこの中学生の男の子と小学生の女の子のように良い事をしている人も大勢いるに違いない。悪いことをする奴は目立つが、いいことをする人は控えめなので、どこの誰ともわからないで終わってしまう、ということもあろう。

 しかし、善行を称えるのも大切だという単純な事実を、このニュースは思い出させてくれる。

 中村拓也君、彩花さん。貴方たちは立派だ。


2003年07月13日(日) 「CIA長官が責任認める イラク情報ねつ造問題で」 ブッシュ、卑怯だぞ

◆記事:
ブッシュ米大統領が今年1月に行った一般教書演説にイラクがウランをアフリカから入手しようとしたとのねつ造情報が盛り込まれた問題で、テネット中央情報局(CIA)長官は11日「(情報を)承認した責任は私にある」との声明を出した。ロイター通信が報じた。

 米議会では民主、共和両党の有力議員から徹底調査を求める声が一斉に上がっており、長官の進退問題、さらにはブッシュ政権全体の政治問題に発展する可能性も出てきた。

 長官は声明で「これらの言葉は演説に含めるべきではなかった」と、情報が盛り込まれたことが誤りだったと公式に認めた上で「大統領には演説の文章が信頼できると信ずるだけの理由があった」と訴え、大統領に責任はないことを強調した。

 民主党のダービン上院議員は「米大統領と国民を誤った方向に導いた。これほど深刻な問題はない」と強く非難した。

◆所感:「トカゲのしっぽ切り」で世界を欺くつもりか。

 全く、どこの国でも政治家などという人種は、保身のためには何でもする汚い連中だ。

 ブッシュはCIA長官に責任を全部おっかぶせて、問題を誤魔化そうとしているが、あまりにも露骨な責任回避で、醜いという以外に言葉を知らない。

 部下に責任を押し付けて、自らの責任を免れようとする人間はどんな組織にもいるけれども、世界中が見ているなかで、これほど露骨にそれをやろうとする神経は尋常ではない。

 民主党員の言葉を借りるまでも無く、問題の本質はCIA長官を切り捨てれば済むことではない。

 イラクがアフリカからウランを入手しようとしているという情報は一般教書演説前から大統領、副大統領、その他のブッシュ政権中枢の全員が知っていたはずで、このような大事な情報をCIAだけに頼ってウラを取る事を怠っていたのであれば、それ自体ブッシュの重大な過失だ。

 もっと、はっきり言えば、アフリカからのウラン入手がデタラメだということは多分、全員が知っていて、それを承知の上で、ネオコンのチェイニーあたりが一般教書演説にこの話を盛り込む事を積極的にブッシュに勧めたのであろう。そんなことは、世界中の人間がたやすく想像できることである。

 さらに、アメリカがイラクを攻撃する理由としてあげていた「大量破壊兵器」は核兵器だけではないのであって、衛星から撮影したトラックの列の写真を見せて、「これは、生物・化学兵器を搬送しているところだ」などと、パウエル国務長官が説明していたことを忘れてはいけない。結局、それらも発見できておらず、この件についても、情報を捏造した最終的な責任はすべて、米国を統治する最高責任者、ジョージ・ブッシュにあることは逃れようも無い事実である。

 このジョージ・ブッシュと一致結託してイラク戦争を推進した、ブレア首相の政治責任も英国議会ではすでに厳しく追及されている。

 大嘘つきの人殺し国家、アメリカの言う事をそのまま信じて、ホイホイとブッシュのご機嫌取りに終始していた日本は、世界の笑いものになっても仕方がなく、そうなった責任は小泉純一郎内閣総理大臣にあることは言うまでも無い。

 日本のテレビ・新聞はのんびりしているが、小泉政権のこの重大な責任を追及しなければならない。全く、何ボヤボヤしてんだよ!


2003年07月12日(土) 「人身事故のJR電車運転士が自殺、労災を認定」何て気の毒な人なんだ・・・。

◆記事:
 3年前、快速電車を運転中に自殺とみられる人身事故の当事者となり、その直後に自殺したJR西日本の運転士(当時54歳)について、大阪・茨木労働基準監督署が労災認定したことが11日、わかった。同労基署は、事故に気づかず運転を続けた運転士に対する配慮に欠けた会社側の対応が自殺の一因と判断した。こうしたケースでの認定は極めて異例。

 JR西日本などによると、2000年3月中旬の未明、兵庫県明石市内の山陽線で、快速電車が線路内の女性をはねたが、電車はそのまま走行した。事故はその日の朝、女性の遺体を見つけた通行人の通報で判明。女性は遺書を残しており、自殺だったとみられる。

 運転士は運転歴約30年のベテラン。それまで無事故で、後輩の指導にも当たっていた。

◆所感:犯罪や事故の被害者・当事者の心のケアに注力せよ

 この、自殺した運転士さんを思うと気の毒で仕方が無い。さぞや、真面目で、任務に真剣な方だったのであろう。30年も無事故だったのに・・・。たまたま、自殺者を轢いてしまった。それが耐えられなかったのだ・・・。

 周囲に、心の問題に少しでも知識のある人がいたらなあ・・と思う。専門家の面談をきちんと受けて、「貴方の苦しみは大変良くわかる。だが、貴方は何も悪いことをしていないのですよ」と繰り返し、辛抱強く、この運転士さんの苦しみを聴いてあげられたら、きっと、こんな事にはならなかったと思われる。

 犯罪の被害にあったり、事故の当事者となったり、あるいは、犯罪や事故の現場をたまたま目撃してしまったために、苦しんでいる人は大勢いるのだ。救急隊員や、消防隊員、警察官などの中にも、心的ショックによりめまいや吐き気、呼吸困難などを起こす人がしばしばいる。CIS(Critical Incident Stress 惨事ストレス)という。

 また、強い心的外傷(トラウマ)を受けて数週間から、数ヶ月を経て、そのトラウマが突然思い出されたり(フラッシュバック)、夢の中で思い出してしまうのをPTSD(外傷後ストレス障害)ということは、知っている人も多いであろう。

 トラウマを受けて数日のうちに似たような症状が出ることも、勿論ある。これはASR(Acute Stress Reaction 急性ストレス反応)という。

 とにかく、CISもPTSDもASRも、精神科医による専門的な治療を要する障害なのだ。事故や犯罪の凄惨な現場に遭遇する機会の多い、警察官、消防士、救急隊員、そして、電車の運転士さんなどの職業に就く人々が、必要とあらばすぐにそのような治療を受けられる体制を作っておくべきだ。

 無論、一般の人も、不幸にしてショッキングな心的外傷を負い、心の不調を感じたら、「自分が弱いのだ」などと考えずに、すぐに治療を受けるべきだ。精神科はそういうのも仕事なのだ。

 誰でも、精神科の治療を必要とすることがあり得る。それは、今日、起きるかもしれないのだ。


2003年07月11日(金) 「決定的証拠ないまま開戦 イラク戦争、米国防長官が証言」ふざけんじゃねえぞ、この野郎。

◆記事:
ラムズフェルド米国防長官は9日、米上院軍事委員会で、イラクの大量破壊兵器について「決定的な新証拠が見つかったから行動(開戦)したのではない」と証言、米中枢同時テロの発生で、ブッシュ政権が先制攻撃の必要性を判断したとの見解を示した。

 米軍はイラク戦争終息から2カ月以上が経過した現在も大量破壊兵器を発見できていない。イラク戦争の「大義」が揺らぐ中、ラムズフェルド長官の“居直り”とも取れる発言で、イラクの差し迫った脅威を裏付ける証拠がないまま開戦に踏み切ったとの批判が強まる可能性もある。

 またブッシュ大統領は1月、施政方針を表明する一般教書演説でイラクによるニジェールからのウラン購入情報に言及したが、米政府高官は9日、国務省が当初から情報に懐疑的だったことを指摘。イラク戦争をめぐる、強硬論を展開する国防総省と慎重派の国務省の対立があらためて浮き彫りになった。

◆所感:大嘘つきの人殺し国家、アメリカ
 上に引用したのは共同通信の記事だが、「イラクの差し迫った脅威を裏付ける証拠がないまま開戦に踏み切ったとの批判が強まる可能性もある。」って、なにを悠長な事言ってんだよ。バカ。これで批判されなかったら、批判される人間は、この世にいないだろう。

 アメリカという国は、よくもまあ、こう、ぬけぬけと物が言えるものだ。

 要するに、ジョージ・ブッシュアメリカ合衆国大統領は、ありもしない「大量破壊兵器」がテロリストの手に渡り、いつ自分の国が襲われるか分からないと、自国民と世界に大嘘をついて、イラクに因縁をつけて、大勢の人を殺した。

 湾岸戦争の時と同様、劣化ウラン弾が大量に使われたことによる、ガン患者の発生などの後遺症を考えれば、アメリカによる人殺しはいまだに続いているといっても過言ではない。

 こんな破廉恥な非人道的な野蛮な国を真っ先に支持した日本政府とその最高責任者である、小泉内閣総理大臣は、いったいどう責任をとるのか。これでもイラクに自衛隊を派遣するのか。

 タダじゃねえんだぞ。自衛隊がイラクなんて遠いところへ行くについては金がかかる。全部俺たちが払っている税金だぞ。私は、自分が納めている税金を人殺しの手伝いに使ってよいと言った覚えは、ない。

 小泉、何とか言ってみやがれ。


2003年07月10日(木) 幼児を殺害した12歳の少年は死刑が相当である。

 この類の事件が起きると、必ず、「犯人が12歳だという事実にやりきれない思いがする」というコメントが出る。

 何故、「やりきれない」のかといえば、これがもし大人の犯罪なら、文句無しに死刑又は無期懲役の刑罰を科するのが相当であるのに、12歳の児童の犯行だと、そうはいかないことに、なっているからである。

 何故、少年犯罪は罰が軽いかといえば、犯行時に罪の重さを良く認識していなかったかも知れず、これから、自分が犯した罪の重さを理解すれば、反省し、真面目な人間になる可能性があるから、しばらくまってやってもよいのではないか、という配慮がある。

 しかし、私はこのような考え方には反対である。特に、今回のような「性犯罪」を犯す者は、更正させることが不可能だと思うからである。心理学者の岸田秀氏によれば、個人の性欲は「イメージ」に強く結びついている。この少年の場合は、すでに、「いやがる幼い子供に」「無理矢理いたずらをして」「殺す」という一連のイメージが性欲と結びついていると考えられ、それは、どのように道徳的な話を教え諭しても、変化しないであろう。

 つまり、この少年は、これから肉体が成長して行く過程で、肉体的性欲が強まり、先に述べたイメージを再び実行したいという欲求は強まりこそすれ、減じる事は無いと予想される。

 このような危険な人間に生まれついてしまったのは、気の毒といえないこともないが、同情してこの少年を放置する事により、将来、同様の被害者が出る危険を看過するべきではない。

 年少者であろうと、死刑に処するのが相当であろうと考える。そのように法律が改正されるべきだ。


2003年07月09日(水) 民放は大抵「ヤラセ」である。

 もうひと月も前になろうか、フジテレビの安藤キャスターがヤラセの件で番組中で「お詫び」した。その暫く前に放送された「特集」で「終電車の人々」という、「都会の終電車に繰り広げられる人間模様」をドキュメンタリータッチで描いたVTRがあったのだが、実際には、午後8時ごろの電車の中で撮影された映像だった、というのである。

 しかし、このような「ヤラセ」は日常茶飯事らしい。

 所謂「ギョーカイ」に近い人物から聞いた話によると、民放テレビなんていうのは、要するに数字を稼ぐ事が至上課題であり、そのためには、殆ど手段を選ばないそうである。

 一番「ヤラセ」が少なそうな報道番組においてもそれは当てはまる。突発的な事故が起きて、現場の目撃者にインタビューしている場合は、まあ、演出は入っていないが、そうではない奴、例えば「小泉政権についてどう思いますか?」などという緊急性の無い「街頭インタヴュー」は、ヤラセである場合が非常に多い。

 あれは、信じ難いが、多くの場合エキストラ事務所に登録している素人さんをあらかじめ集めておいて、さも、通りすがりの人のように演技させているという。いわれてみれば、皆、素人でテレビカメラに慣れている筈が無いのに、随分落ち着いている。

 それから、ドキュメンタリー番組なんてのは、もっと積極的に演出している。

 これは私自身が目撃したので、断言できる。かつて私がいた部署に、学生時代はあるスポーツの「名選手」として鳴らし、社会人になってからも、まあ無難に出世している人物がいる。

 この人物のドキュメンタリーを撮るというのだが、すごかったね。殆ど「お芝居」である。この人物は、スポーツマンらしさなんか、全然無くて、粘着質の、部下には冷たい、社内では極めて評判が悪い奴なのだが、番組としては、当然それでは困る。部下に慕われる理想の上司になっていなければならない。もう、どういうドキュメンタリーにするか「台本」は決まっているのである。では、どうするか?

 この男に芝居をさせるのである。驚いたねえ、あれを見たときは。

 ディレクターが「主人公」である当の男に注文をつけるのである。「次は、部下に親しみを込めて話し掛けるところを撮ります。あちらから、何気なく歩いてきて、部下(といって1人の若手社員を指し)の肩をポン、と叩いて、『よう、調子はどうだい』と笑顔で話し掛けてください」

 このようにして、現実とは全く異なる好人物として描かれたものが、オンエアされるのである。視聴者は、勿論、そのようなギョーカイの裏側を知らないから、真実だと思い込む。

 私が民放を信じなくなったのは、このような実際の体験によるものである。


2003年07月08日(火) 「うつ病に関係する遺伝子の発見」 テーラーメード医療への期待

 ヒトゲノム計画といって人間の遺伝子を全て解明しようという計画が今年の4月に完了した。遺伝子の研究が進むにつれて、特定の疾患と遺伝子の関係が徐々に解明されているようだ。

 門外漢だから、正確に読みこなせているかどうかわからないが、ロイターに次のような記事があった。

U.S. researchers using the newly published human gene map said on Wednesday they had identified 19 different genetic regions linked with depression.

The findings could eventually lead to better treatments and screening for depression and related conditions, such as addiction, a leading cause of disability in the United States.

 つまりですね、
 「解読の終わったヒトゲノム・マップを用いて研究を進めていた米国の研究者チームがうつ病と関係する19の箇所を特定した。これによって将来的にはうつ病のより効果的な治療やうつ病と抑うつ状態に関連するほかの障害、例えば薬物依存との区別をすることが可能になり得る。」

 素人考えでもわかることは、遺伝子と病気との関係が明らかになれば、、病気に対する古くからの間違った考え方、特に「その人がたるんでいるから、うつ病になんかなるんだ」という、完全な誤解が解けるであろうということ。解けるであろうというか、これで、分からなきゃ、バカだ。

 さらに遺伝子の研究が進むと個人によって異なる遺伝子にあわせて、同じ病気でも、一層効果的な治療が可能になるという。個別の身体の特徴に合わせて行われる治療なので、テーラーメード医療(オーダーメードともいうようですが、同じことですな)というわけだ。

 いいことです。人が病気になって苦しいのは、症状そのものの苦しさもあるが、「どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだ」というやりきれなさが、大きな部分を占める。「たまたま、何番目の遺伝子にこういう変異があったから、○○という病気にかかっているけれども、それは、遺伝子のその部分を直せば、治る」、とわかれば、病人の苦しみはうそのように軽くなるだろう。そうなるまでにはまだ時間がかかるのかもしれないが。うーん。やはり、科学は偉大だ。


2002年07月08日(月) 猛暑の美学

2003年07月07日(月) 沖縄の中学生殺人事件に思う厳罰主義の必要性

 昔の日本では、これほど毎日のように人殺しのニュースが伝えられる事はなかった。殺人といえば、大事件だった。いや、いまでも大事件なのである。こういうことに慣れてしまっては、いけないのである。

 福岡の一家4人惨殺事件が片付いていないうちに、沖縄ではなんと、高校生と中学生の男子が13歳の中学生を殴って殺して、女子中学生が死体遺棄にかかわったという。

 少年犯罪が起きるたびに、新聞は「事前に防ぐことはできなかったのか、社会の責任も問われなければならない」という論旨が必ず現れるが、間違っている。

 人を殺した罪は本人が問われるべきである。中学生にもなれば、人を殺していけないことぐらい、分かっている。悪いと知っていて、なお、その行為に及んだのは本人の自由意志に基づいているのであって、本人が悪いのである。

 殺人は、いうまでもなく、他の犯罪と一線を画する凶悪犯罪である。それは失われたもの、即ち、被害者の生命は永久に失われる、本当の意味で取り返しがつかない行為だからである。

 最近の「少年」は生狡いやつらで、いくら凶悪な犯罪をしでかしても、死刑にはならないことを知っている。たかを括っているのである。こういう輩の「将来」など、考慮する必要はない。社会にとって害悪なのであり、一刻も早く除去すべき要素である。実名公開、検察官への送致を経て、成人と同様の観点から処罰すべきであると考える。


2002年07月07日(日) 独りになること

2003年07月06日(日) 「たばこ注意文言」 身体に悪いのはタバコだけじゃないのですが・・・。

◆記事:毎日新聞社説より

 「たばこの包みに印刷する、喫煙の害の注意文言が改定されることになった。新文言は8種類で、包みの30%を占める大きな表示になる。包装デザインの変更などで、実際に新しい文言を印刷したたばこが店頭に並ぶのは、1年ほど先になりそうだ。しかし、発展途上国並みだった日本のたばこの注意文言が、ようやく先進国並みの厳しい表現に変わる。当然のことといえよう。」

◆所感:タバコの箱の言葉を変えたぐらいで喫煙者が減ると本気で考えているのだろうか?

 アホな社説。タバコが身体に悪いことなど誰もが知っている。それを承知で喫煙を続けるのは自己責任だ。いちいち国が注意を喚起する必要はない。少々、言葉を変えたって吸う奴は吸うさ。この社説を書いた人はタバコの箱の言葉を変えたぐらいで喫煙者が減ると本気で考えているのだろうか?

 それに、身体に悪い物質はなにも、タバコだけではない。極端にいえば、人間が口にするどんなものでも有害な影響を人体にもたらしうる。単なる水だって、一度に10リットルも飲めば、人間は死ぬんだよ?水中毒というやつね。

酒を飲みすぎれば急性アル中で死ぬ。急性中毒を起こさなくても、確実に肝臓に負担をかけて、肝障害の原因になる。また、アルコール依存症で社会生活を営めなくなる人間もごまんといる。そもそも、医学的には、アルコールは麻薬や覚醒剤と同様、ドラッグであって、たまたま、現代の日本では合法とされているだけの「合法ドラッグ」であるにすぎない。法律がどうなっていようと、飲み続ければ依存を形成し、脳や身体を破壊するのは他のドラッグと同様である。このような危険なドラッグに何故、注意表示をしないのか。

 ケーキを毎日山のように食えば、糖尿病になるか、極度の肥満から心臓病になる怖れがある。イカの塩辛を毎日大量に食べれば高血圧になる。醤油を一升飲んだら高ナトリウム血症で死ぬだろう。

 タバコに注意文言を印刷するのであれば、ケーキの箱や清涼飲料水の容器には「食べすぎ(飲みすぎ)は糖尿病の原因になるので注意しましょう。」 あらゆる酒の容器には、「アルコールの飲みすぎは肝硬変を招く恐れがあるので、気をつけましょう。また、アルコールはドラッグであり、飲み続ければ依存症となり、脳を破壊します」、、醤油びんには「この醤油を一度に飲み干すと、死亡するので、気をつけましょう」,イカの塩辛のビンには「食べ過ぎは高血圧を招き、脳血管障害など、深刻な病気の要因になりえます。食べ過ぎないように注意しましょう」等々、全てのものに注意文言を印刷すべきではないでしょうかね?


2002年07月06日(土) 人生

2003年07月05日(土) イラク復興特別措置法は間違っている。イラク戦争は「大量破壊兵器除去」が目的だったはずだからだ。

 この日記で、すでにイヤになるほど繰り返している事であるが、まだ、書きますよ。私は。

 「イラク復興特別措置法」の目的はイラクを占領しているアメリカ軍を支援するために、陸上自衛隊をイラクに派遣することを可能にすることである。

 自衛隊を海外に送り出すために最初に作られた法律は「PKO協力法」だが、これは、「国連が正式に行う」停戦監視や暫定統治などに参加するために限られる。

 周知のとおり、アメリカは国連決議を経ずに勝手に戦争を始めた。国連軍はイラクを攻撃したり停戦監視したり、していない。だから、PKO協力法を適用して自衛隊を送ることはできない。

 しかし、小泉政権は、情ないことに、何としてでも、自衛隊をイラクに派遣してアメリカに協力してご機嫌を取りたい。そのためには、今回のイラク戦争に限って特別に自衛隊を派遣するための「イラク復興特別措置法」を作る必要があったのである。

 この法律の名称が既におかしい。「イラク復興〜」って、誤魔化すなよ。日本はアメリカがイラクの大量破壊兵器を除去することを支持していたのである。だから、自衛隊を送るとすれば、大量破壊兵器を除去することを支援することが目的でなければならない。

 大量破壊兵器は結局なかったじゃないか。アメリカがウソをついて始めた戦争の尻拭いをするために、どうして、わざわざ新法を制定して、巨額の血税を投じて、自衛隊をイラクに送らなくちゃいけないんだ?

 日本はアメリカを支援するどころではない。「おまえ、大量破壊兵器ってのはウソだったじゃないか!」とアメリカを糾弾すべきなのである。

 尤も、それをいうのも、本当は恥ずかしい事なのだ。イラクが大量破壊兵器を持っている、と小泉首相が主張した唯一のよりどころはアメリカの情報だったのであって、日本独自では何も検証できないのであるから。

 昔から言われることだが、日本人は情報に対する情熱が希薄である。日本のマスコミはしばしば、「ロイターが伝えるところによると〜」とか「アメリカのCNNテレビが放送したところによると」などという前置きを平気で使う。恥ずかしくないのかよ?お前ら自身情報屋だろ?他人が取材した事そのまま伝えるのなら素人とかわらないじゃないか。

 日本政府にも内閣調査室とか一応あるけれども、世界で起きていることを、「自分の目で」確かめずに国際政策を決定できない、というのは国家として一人前といえないのである。情報収集のプロを増やすべきだ。


2003年07月04日(金) 世間は必ずしも人を正しく評価できない。アコーディオンの横森良造さんに思う。

 世間には、地道に研鑚を積み、優れた技術と経験をもちながら、正当な評価を得られない人が沢山いる。

 小学校の前を通ったら、ひさしぶりにアコーディオンの音が聞こえた。アコーディオンは子供が弾いていると幼稚な楽器に聞こえてしまうが、cobaこと小林靖宏氏が20年前に登場して以来、この楽器に対する認識は随分変わった。

 coba氏が登場する前はアコーディオンといえば横森良造さんだった。ところが、横森さんは主に素人ののど自慢の伴奏とか、歌手のオーディションの伴奏とか、お笑い番組での芸人の下手な歌の伴奏とか、そういう扱いしか受けなかった。一般の人は横森さんといえば、「バラエティ番組でニコニコ笑いながら、歌謡曲の伴奏をしている地味なおじさん」、という印象を抱いている事だろう。

 しかし、多少なりとも音楽の素養がある人ならば、横森さんがただものではないことに、気がつく。レパートリーが5000曲というのも無論すごいのだが、本質はそういうことではない。

 横森さんは、どんな歌の伴奏をするときでも、歌っている人間にとって、その曲の調性が合っていなければ(キーが高すぎるとか、低すぎるとかいうでしょう)、即座にその人が一番歌いやすい調性に替える、つまり、移調をすることが出来る。

 例えば、ニ長調の歌がちょっと高い、というときに、半音下げて嬰ハ長調にしたりするのである。ニ長調ならば♯2個だが、嬰ハ長になれば、♯7個となり、一挙に指使いが難しくなる。それでも、横森さんは決して間違えない。

 そして、アコーディオンの左手はハーモニーを奏する為のボタンが100数十個もついているわけで、ある調性の曲のある部分に適したコードに応じて、瞬間的にそれを選択しなければならない。横森さんは移調をしたときに、このようなハーモニーの移調も完璧にこなしている。

 ようするに、横森さんは西洋音楽を構成する24種類すべての音階とそれに付帯する和音群が完璧に身体に沁み込んでいるのである。

 楽器をやった人なら分かるだろうが、これは、本当に真面目に音楽を勉強した人でなければ出来ない技術だ。そして、常に練習をしていなければ、ダメになってしまうのが楽器の演奏技術というものである。

 横森良造さんは、愚かなテレビ局の連中や一般大衆が考えているよりもはるかにすごい技術を有している、それだけの研鑚を積んだ。本当の音楽家なのである。

 私は、横森さんがバラエティーでにこやかに笑いながら演奏をしているのをみると、いつも、口惜しくなる。

 世の中は、なかなか、優れた人に、正当な評価を下せないのである。


2002年07月04日(木) 天候とうつ病

2003年07月03日(木) 「地球温暖化により、既にいろいろと不気味な現象が起きている。」

◆<高潮注意>潮位、100年で最高水準 気象庁

 気象庁は1日、日本周辺の海面が、過去約100年間で最も高い水準にあると発表し、潮位上昇による被害が出やすい状況になっているとして注意を呼びかけた。

 1906年以降の観測記録が残る検潮所の忍路(おしょろ)(北海道)、輪島(石川県)、浜田(島根県)、串本(和歌山県)、細島(宮崎県)の5カ所の記録を分析した。その結果、昨年1年間の平均水位は、06年以降の97年間の平均に比べ約5.12センチ高いことが分かった。

 海面は20年程度の周期で上昇と下降を繰り返しており、現在は85年ごろから続く上昇傾向の途中。過去の最高は48年で、97年間の平均より5.07センチ高かった。

 同庁は上昇の理由を、暖流である黒潮の流れが強まるなどして海水の温度が0.2度程度上がり、海水が膨張したためとみている。地球温暖化との関連は不明という。

◆温暖化で異常気象続発 5、6月に世界各地で

 【ジュネーブ2日共同】国連の世界気象機関(WMO)は2日、スイス・ジュネーブが過去250年以上の間で最も暑い6月となり、フランス南部でも40度を超す高温を記録、米国では5月の1カ月間に史上最多の562回の竜巻が発生するなど、5月から6月にかけて世界各地で記録的な異常気象現象が続発したと発表した。
 WMOは、地球温暖化を原因としたこれら異常気象現象が近年急増しており、今後も増加する恐れがあると警告している。
 WMOは5月から6月にかけて観測された異常気象現象としてこのほか(1)米国東部、南東部の異常低温(2)1400人以上が死亡したインドの異常高温(3)300人以上が死亡したスリランカのサイクロン−などを挙げている。

◆コメント
6月29日の日記で書いたとおり、地球温暖化を防ぐのは最早手遅れであるといわれている。

せめて、一番地球を汚している米国民は全員がこの問題を認識して欲しい。


2003年07月02日(水) 株が急騰したといって騒ぐバカ。 ファンダメンタルズはなにも変わっていない。

 東証の終値が約9ヶ月ぶりに9500円台にのせた、といって、どのマスコミも騒いでいるが、定見が無い事、甚だしい。

 つい、せんだって、りそなホールディングスが国有化され、他の金融グループも繰延税金資産を勘案しなかったら、自己資本比率は低すぎるといっていたばかりではないか。

 今、何故、株価は上がっているのか?合理的な理由はない。そもそも、相場にいちいち理屈はないのである。日本経済の不透明感がやや薄れた、なんて、新聞記者が無理矢理あとからくっつけた理由だ。景気の実態が急に好転している気配、あるいは近い将来好転するであろうと、信ずるに足る理由はどこをさがしても、みつからない。

 要するにね。日本の株式市場で、あばれまくっている海外投資家、いや投資家というより、投機筋がいるの。ヘッジファンドという。その連中がずっと売り越していた日本株を買い戻しているの。上で売って、下で買い戻せば儲かるでしょう?やつらが、そろそろ、買い戻そうか、と思っただけ。何故そうおもったか。分からない。そういう気分になったのであろう。

 くどいようだが、相場というのはそれぐらい、いい加減なものなのだ。これを見てはしゃいで、今から株を買ったりしないほうがいい。もっとも、個人の自由だが。


2003年07月01日(火) ヴァイオリンを奏する者に三段階あり /<統合失調症>関与のたんぱく質と遺伝子特定

希死念慮を吹き飛ばす小話でも。私が大好きな話だ。

かつて、ジョージ三世にヴァイオリンを教えていた、ソロモンという名人がいた。

ある時、ジョージ三世が師匠であるソロモンに問うた。
「予の(私の)進歩の状態は如何なものであろうか?」

ソロモンは答えた。
「およそ、ヴァイオリンを奏する者には三段階がございます。全くヴァイオリンを弾くことの出来ぬ者、非常に拙く(つたなく)ヴァイオリンを奏する者、非常に巧みにヴァイオリンを奏する者、の3種類でございます。恐れ多くも殿下におかせられましては、既に第二の段階にお進みになられました」

ククク・・・。このときのジョージ三世の表情を見てみたいですな。

私はトランペット吹きだが、大人になってからある日突然ヴァイオリンを弾いてみたくなって、近所の鈴木メソッドの教室を訪れた。そこの先生に見繕ってもらって楽器も買った。

プロの、特にソリストが使う、ガルネリとか、ストラド、ガダニーニ、アマティなどの天下の名器は数千万円から、数億円もするが、素人がはじめに使う楽器なら、十万円台でも十分に良い音をするものがみつかる。

バイオリンはとにかく、難しい。何しろ、左手で弦をおさえるときに、1ミリでも位置がずれたら、或いは、少し手首の角度が違ったら、間違った音程が鳴ってしまう。

ヴァイオリンを始めるには、どうしてもある程度の耳を持っていなければならない。とにかく難しい楽器だが、難しいものほど、練習して上手くなった時は、嬉しい。

鈴木メソッドでは第4巻で有名なヴィヴァルディのイ短調のコンチェルトを弾くことができるし、バッハのドッペルコンチェルト(二つのヴァイオリンの為の協奏曲)も出てくる。辛抱強く練習すれば、大人になってから習い始めても、これぐらいはさほど聞き苦しくなく、弾くことができるようになる。

冒頭の小話でいえば、私も既に第2の段階には進んでいるように思われる。

うつ病になってから、とんと、音楽から離れてしまったが、また、練習を始めようかと思っている。

------------------------------------------------------------------
◆記事 <統合失調症>関与のたんぱく質と遺伝子特定 米研究グループ

 米・マサチューセッツ工科大の宮川剛主任研究員(現京都大助教授)と利根川進教授らの研究グループが、統合失調症の発症に強く関係するとみられるたんぱく質の一つと、その遺伝子を特定した。発症の仕組みの解明や治療につながる研究成果で、近く「全米科学アカデミー紀要」に発表される。

 統合失調症は幻覚、妄想、記憶力低下などの症状がある病気。特定されたのは「カルシニューリン」(カルシウム依存性脱リン酸化酵素)というたんぱく質。脳をはじめ全身の細胞に存在し、神経の情報伝達や免疫機能を制御するなどの働きがあることから、宮川研究員らは、遺伝子組み換えで脳の一部でカルシニューリンを作れないようにしたマウスを使い、通常のマウスとの違いを観察。その結果、同じことを何度も繰り返すなど固執性がある▽よく歩くなど活動量が高まる――など統合失調症患者の症状と酷似することが判明した。患者と両親410組の血液サンプルのDNAを解析し、患者にはカルシニューリン生成に関係する遺伝子に、特定の配列パターンが高い割合で現れることも分かった。

◆所感:ノーベル賞ものではないか?
 統合失調症は、人間が罹る病気でもっとも悲惨なものと言われるぐらいの病気だが、発症率は0.8%とかなり高い。単純に考えれば100人に1人弱である。

 今も、薬でかなり症状を抑えられるけれども、副作用が強いし、完治し難い。もしも、この発見が治療につながったら、ノーベル賞に値するのではないか。となると、利根川 進さんは2度目の受賞になる。まだ、ちょっとそこまで言うのは早いかもしれないが、すごいね。


JIRO |HomePage

My追加