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2003年08月31日(日) |
奇跡のホルン奏者 デニス・ブレイン |
46年前、1957年9月1日の未明に、イギリス・ロンドン近郊のハットフィールドで1台の車が街路樹に激突し、運転手が即死した。ありふれた自動車事故だったが、運転していたのが、史上最高のホルン奏者、デニス・ブレインだとわかり、大騒ぎになった。享年わずか36歳だった。
3m以上にも及ぶ真鍮の管を円形に巻いたカタツムリのような形をした楽器をオーケストラで見分けるのはそう難しいことではない。マウスピースはトランペットと同じぐらいの直径しかないのに、テューバなみの最低音から、トランペットと同じ高音域まで、吹き分けなければいけないホルンは、演奏が大変難しい楽器で、本当の名手はなかなか、いないのである。
デニス・ブレインは、しかし、この難しい楽器を演奏して絶対ミスをする事がないばかりか、驚異的に安定した音のコントロール、美しい音色、豊かな音楽性を全て備えた、人類史上最高のホルン奏者である。その短い生涯で当時の最高の指揮者と演奏し、誰もが賛辞を惜しまなかった。
ソロでもオーケストラでも演奏していて、今なお多くのCDでデニス・ブレインの演奏を聴くことができるが、なんと言っても一番のお勧めは、1953年にカラヤン指揮・フィルハーモニア管弦楽団(ロンドンのオーケストラ)とEMIに録音したモーツァルトホルン協奏曲全集であろう。今、調べて驚いたが、今は2,000円しないんだねえ。このCD。
私がはじめてこれを聴いた頃は勿論アナログレコードだった。レコードはちょっとキズがついてもいけないので、このレコードを聴く時はまるで宝物を扱うような緊張があったものである。但し、それでも何度も聴きたくなるほどの演奏なのである。
音楽の演奏で「完璧」ということは、本来ありえないはずなのだが、この曲のデニスブレインの演奏に限っては、どうしても「完璧」といわざるを得ない。ものすごい才能である。
デニス・ブレインの趣味は車だった。オーケストラでのリハーサルの時も譜面台には楽譜と並んで、最新の自動車雑誌がのせてあるほどだった。その趣味がこの天才の命を若くして奪った。まことに皮肉かつ、残念というほかはない。
2002年08月31日(土) 確率
2003年08月30日(土) |
返事を書かないのであれば、「MAIL」を表示するべきではない。 |
いろいろなレンタルWeb日記のシステムがあるが、少なくともENPITUでは、読者からメールを受け取りたくない人はMAILという表示をしないように設定できるようになっている。
言い方を変えれば、MAIL を表示している人は、ENPITU FORM MAIL(アドレス非表示)なり、ダイレクトでなり、不特定の人物からメールを受け取ることを許容している、と解釈される。
メールを受け取るのを許容している人は、自分の日記を読んだ人から感想を述べたメールが送られてきた場合、明らかな嫌がらせメールとか、あまりにも不愉快なことが書かれているのでなければ、返事を出すのが礼儀である。私がメールを頂いたときは、当然ながら、そうしている。
私は、今までに何人もの日記作者の方に感想を記したメールを送った。多くの方は、たとえ時間がかかっても、返事をくださる。また、メールでレスできなくても、日記本文の中でそれとわかる形で返事をしてくださる方もいた。これはこれで良いと思った。
しかし、特に若い人に多いのだけれど、全く何の反応の無い人が何人もいた。これは、失礼である。断っておくが、私が送るメールの内容は極めて「まともな」もので、日記の内容を罵倒したり、或いは日記とは無関係な不真面目な事を書いているわけではない。無視されるいわれはないのである。
くどいようだが、メールを受け取りたくないのであれば、それはそれで構わないのだから、そのようにフォームを設定すべきである。
ネチケットもへったくれもない。人間の常識というものだ。
2003年08月29日(金) |
「北朝鮮の主張、「おこがましい」=金総書記を呼び捨てで批判−安倍官房副長官」首相はトム・クルーズに会ってご機嫌 |
◆記事:
安倍晋三官房副長官は28日午後、静岡市内で講演し、北京で同日行われた日朝協議について「北朝鮮は(拉致被害者)5人が日本に残ったのは約束違反だと言ってるが、そもそもだれが5人を拉致したのか。おこがましい」と北朝鮮の姿勢を厳しく批判した。
安倍氏は、「(北朝鮮が)夢を持った若者を袋に詰め込んで暴力を加えて連れて行った。日本に残りたいと言う彼らを連れ戻すことは、金正日(総書記)にだってできるわけない」と指摘。「6カ国協議は北朝鮮に与えられたチャンスだ。まだ時間がある。日朝平壌宣言の精神に一度立ち返ってもらいたい」と述べ、拉致問題の実質協議に応じない北朝鮮に再考を迫っていく考えを強調した。 (時事通信)
◆記事:首相動静(28日)より抜粋
午後6時47分、執務室を出て、同48分から同55分まで、特別応接室で報道各社のインタビュー。「トム・クルーズさんに会った感想は」に「やはり世界的なスターというのかな、格好良かったね。わたしは『レインマン』とかね『トップガン』を見てるから。映画でよく見ててね、実物見てね映画のように格好良かったよ。さすがだなと思ったね」。同57分、執務室へ。
午後7時40分、執務室を出て、同42分、官邸発。同59分、東京・高輪のラーメン店「壇太」着。秘書官らと食事。
午後9時12分、「壇太」発。同18分、公邸着。「ラーメン屋では…」に「ああ、満腹、満腹」。「トム・クルーズさんの話で盛り上がったようだが」に「いろんな歌を歌ったとか、映画の話」。
◆所感:
安倍晋三官房副長官の発言はまことに正鵠を得ている。他国の主権を侵害して不法入国した上でこともあろうに、その他国の国民を誘拐して何十年も返さなかった国が、拉致被害者の永久帰国はけしからんとは・・・本当は安倍氏は「盗人たけだけしい」といいたかったのであろう。「盗人(ぬすっと)」がやや刺激が強いから、「おこがましい」という表現にとどめておいたのであろうが、国家の中枢にある人物がこのような理屈の通った反論をする事は誠に結構だと思う。
27日からの6カ国協議を一度開催して、直ちに北朝鮮の核がどうなるものでもないことなど、最初から分かっている。分かってはいるが、国際政治の重要な局面のひとつであることは間違いない。
そういうときにですね・・・(まあ、小泉っていうのはこういう人だとみんな諦めているのだが)、アメリカの役者に会ってはしゃいで、ラーメン食って満腹、というコメントしか出てこないというのには、絶句するね。私は。
小泉内閣総理大臣ってのは、本当に、日本も、拉致被害者も、北朝鮮にのこされている、その家族たちもどうでもいいんだな、ということが、よーく分かった。
それでも、日本人の半分近くは、小泉続投を希望しているのだってね。他に人材がないとか、いろいろいうけどさ。こういう男だけはもうご免だ、という気持ちにならないのですね。多くの人は。不思議だな。
2002年08月29日(木) 児童虐待対策の緊急性
2003年08月28日(木) |
「私たちは生まれながらにして、ストロークなしでは生きていけない。」(エリック・バーン、心理学者)宅間被告人のストローク飢餓 |
宅間被告人は何故、ここまでして人の神経を逆撫でするのか?
心理学の一分野にエリック・バーンという学者が興した、交流分析(TA:Transactional Analysis)という理論体系がある。交流分析で重要な概念のひとつに「ストローク」というものがある。ストロークとは「相手の存在を認める言動」である。ストロークには正のストロークと負のストロークがあるが、バーン博士によれば、とにかく人間はこの「ストローク」、他人からの反応、を求めつづけて生きているようなものなのだそうだ。
朝、知り合いに会ったときに「おはよう」と声をかけるのはストロークの発現であり、それに対して「おはよう」という返事が返ってきたら、お互いに正のストロークを交換した事になる。
こちらが、相手に対していやな顔をした場合は負のストロークを発現した事になる。相手もいやな顔をしたら、負のストロークの交換をした、ということになる。負ではあるがストロークを交換したことは事実である。
どちらか一方、或いは双方が何の挨拶もしなかったら、ストロークの交換は無かったことになる。
要するに、好意的な挨拶のみならず、相手の長所や功績をほめるのが正のストロークで、叱ったり、けなしたりするのが負のストロークである。
勿論誰でも、正のストロークを沢山与えられれば、やる気が出て伸びやかに成長するが、正のストロークが与えられない人間はどうするかというと、負のストロークでも良いから集めようとするのだそうだ。
インターネットの掲示板で荒しや煽りをするのは、その典型である。負のストロークでも良いから、誰かに何か反応して欲しいのである。
また、暴走族もかならず、人がすんでいるところを「暴走」する。誰も居ない山中を「暴走」しても、人がいないのだから、何のストロークも得られないからである。
宅間という男も同様である。裁判中にわざと世間の憎しみを買うような言葉を発するのは、彼の人生ではとうの昔に正のストロークを得る事は諦めており、負のストロークを必死になってかき集めようとしているのだと推測される。
つまり、人間にとって一番辛いのは「何のストロークも得られない状態」だ、ということになる。
いじめにも「無視する」というやり方があるのは、この原理である。あえて、一切のストロークを与えないわけである。
宅間被告人は遅かれ早かれ死刑に処せられるであろうが、彼に最も辛い思いをさせようというのであれば、刑の確定後、拘置所の人間も、司法関係者も、今後一切、彼に声をかけず、向うから話し掛けてきても無視することである。そして、だまって、刑場に引きずり出し、宅間が「最後に言いたい事がある」などと言っても、一切無視して、刑台に連れて行き、死刑を執行することである。
2002年08月28日(水) 精神疾患への理解
2003年08月27日(水) |
今頃になって、「火星大接近!」なんて騒がなくても・・・。といいつつ、リンク集。 |
私は6月23日の日記で火星大接近について書いた。そのときは全く反響は無かったがやはり、マスコミがギャーギャー言いはじめると、皆さん影響を受けるようですな。
6月23日の日記では、何故、今年大接近なのか、ヘタではあるが説明しておいたのでもしも、興味があるなら、御覧頂きたい。
その他、世の中にはびっくりするほど数多くの天文サイトがある(勿論世界中に)のだが、そのなかで、比較的、包括的、かつ平易に今回の現象をまとめてあるサイトのリンクを貼っておくので、ご活用あれ。
火星観測週間ホームページ
InfoStar
日本惑星協会
アストロアーツ
しかし、間違いの無いように。飽くまでも厳密に計算して尤も接近するのが今日だ、ということであって、暫くは地球と火星は並ぶようにして公転するので、10月ごろまでは「大きな火星」を見るチャンスがいくらでもあるのである。
2003年08月26日(火) |
「弔事は全てに優先する」、ということぐらいは知っていてほしい。「村八分」は何故「八分」なのか。 |
若い人はパソコンやネットのことは詳しいけど、冠婚葬祭のことなどはあまり知らないだろう。年寄りの方がこういう事に詳しいのは当たり前だ。しかし、子供なら「まあ、仕方が無い」で済まされるけれども、ハイティーンから20代ぐらいになったら、最低限の事は知っておいた方が良いですね。
弔事(ちょうじ)は、もちろんお葬式のこと(狭義にはね)。反対語は?慶事ですな。その代表的なものは結婚式。
弔事は全てに優先されます。仮に何ヶ月も前から、明日友人の結婚式に出席する事が決まっていたのだが、今日、身内や親友に不幸があった。という場合、結婚式は欠席して、お通夜へ行くのは構わない、というか、そうするべきなのです。何故って、そう決まってるの。嬉しい人は放っておいてもいいんだよ。1人ぐらい居なくても関係ない。不幸があった家というのは、悲しいことに耐えて、客をもてなしたり、いろんな手続をしなくてはいけない。だから、なるべく手伝ってやらねばならない。勿論、それほど親しくない場合は無理に介入する事はないけれどもね。
それから、弔事の席で仕事の話などをしてはいけない。当事者が、取引先だったら当たり前。自分の会社の人間だとしても、ちょっと急いで相談したい事がある、という場合でも、してはいけない。これは私に嫌な記憶があるのだ。
もう、だいぶ以前のことになるが、私がロンドン駐在中に父親が死に、急遽帰国した。会社の人間が大勢葬儀に参列してくれたので、翌日だったか、翌々日だったか、喪主代理の兄と挨拶に行った。そこで、ある事件が起きた。
いつも、東京-ロンドン間で連絡を取り合っている私の仕事関係の部署の女の子が、お客さんのことで相談がある、といってきたのだ。東京経由でロンドンに廻っているお客さんの指値注文のことで、トラブっているらしい。血相を変えている。しかし、こういうとき、この女の子は、私にそういう相談をしてはいけないのである。
私は怒って云った。
「私は、親の葬式のために一時帰国している。仕事どころではない。」
これが、正しいのである。本音を書くならば、この時、当の女の子が女でなければ、ぶん殴るところであった。本当に情なかった。
だから、若い人にはとにかく「弔事は全てに優先するのだ」ということぐらいは覚えていて欲しいのである。
「村八分」という言葉がある。広辞苑第五版には「江戸時代以降、村民に規約違反などの行為があった時、全村が申合せにより、その家との交際や取引などを断つ私的制裁。」とある。
しかし、何故「八分」なのか知っていますか?
答えを書いてしまうと、「弔事と火事の場合は除く」ということなのである。つまり、その家とは原則として、絶交するのだが、人が死んだとき、火事になったときは気の毒だから、例外的に絶交を一事解除して、助けてやる、という意味なのである。 制裁の中にも温かみがあるね。
要するに、ことほどさように、「弔事」は全てに優先するものなのだ、という日本社会の常識を、この例は端的に示している。おしまい。
2003年08月24日(日) |
人は常に目標に向かって努力しなければならないのであろうか。 |
「人間は、夢を持ち、その実現のために目標を設定し、その達成のために、常に努力しなければいけない」という命題(?)があるけれども、これは果たして真であろうか。
上で書いたような考え方は、一部の人たちの価値観に過ぎない。夢を持とうが持つまいが、そんなことは本来各自が決めればよい事であり、全員がそうあるべきだ、と主張する論理的根拠はどこにも存在しない。
「夢」だとか、「目標の達成」だとか「努力」という概念が美化されて、強調されるようになったのは、資本主義の発達と大いに関係がある。「向上心」を美徳とする事により、労働者が生産性の向上を常に意識するようになれば、収益の極大化を目標とする私的資本主義企業にとって都合がよいからである。
農耕生活が中心の社会でも、「前の年よりも豊作であればそれにこしたことはない」という意識はあるだろうが、これは、気象条件などの不可抗力に影響されるので、個人に対する心理的圧迫は現代資本主義におけるそれよりもはるかに軽微なものであろうと考えられ、個人は毎年、同じ作業をコツコツとこなしていればよかったはずである。
「向上心至上主義」はにとらわれすぎると、人間の心は疲弊し、自分の事ばかりを考えるようになり、時には精神に異常を来たす。各人に向上心を持たせるのは、実は資本主義社会に都合のよい、「洗脳」の一種である、ということを認識していた方が、要らぬ苦労や不幸を背負い込まずに済む可能性が高い。
2003年08月23日(土) |
「24時間テレビ」で、コーラの瓶に10円玉を入れて持ってくる芸能人の偽善性。 |
表題で、云いたい事は全て云ってしまったようなものであるが、毎年、「24時間テレビ」を見ていて思うのである。
結構売れている芸能人は間違いなく一般人よりも高額所得者である。その彼らが「苦しい家計の中から、少しでも他人の役に立ちたいと思って、10円ずつ、コツコツ貯めました」というポーズを取るのは、偽善的だ。
特に、一番売れていて偉そうにしている連中。みのもんた、福留、久米宏(ニュースステーションを辞めてくれるそうで、めでたいこと、この上ない)、その他芸能人は最低1千万ぐらいの小切手をポンと出したらどうかね?それぐらいしてもバチは当るまい。
2003年08月22日(金) |
「<自殺>薬物使用が11年前の5倍 多い処方薬使用」 そんなの医者にはどうしようもないよ。 |
◆記事:
自殺を図り、杏林大付属病院高度救命救急センター(東京都)に運び込まれた患者の中で、薬物の使用が00年には160人と、11年前の5倍以上に急増していることが分かった。薬物の種類が判明したこの間の自殺者のうち、7割が向精神薬などの処方薬を大量に服用していた。医師が適切な服薬管理を怠っていたケースが多いとみられ、対策が求められそうだ。(毎日新聞)
◆所感:医者がどうやって管理するんだよ。
この記事を書いたのは、毎日新聞のYという女性記者で、どういう訳か知らないが、精神医療における、患者の薬物依存、薬物乱用について、たびたびムキになって書くのだけれども、どうも、毎回、ピントが外れている。
今回の記事の要旨は、精神科の患者が処方された薬を飲まないで溜め込んでおいて、あるときそれを一度に大量に飲んで自殺するのは、医者の管理が悪いからだ、ということになる。
しかし、医師が一人一人の患者に関して、毎日、毎回薬を正しく飲んでいるか、つまり、溜め込んでいないかどうかを管理する事など、出来るわけがないじゃないか。一体どうすれば管理できるというのであろうか。
この記者の記事はいつもこの調子なのだ。書きっぱなし。本件でいえば、「対策が求められそうだ」といいながら、ではどうすれば管理できるのか、自らは何ら問題解決の方法を提起しない。少し考えてみれば医師が管理する事など不可能である事はだれにでも分かる。
精神科医が注意すべきは、毎回の面談を通して、患者の希死念慮が高まっていないかを適切に見極め、もし、危険だと判断したら、入院させるとか、患者の家族を呼んで、注意を喚起することなのである。
こういう、単なる扇情的な、無責任な記事を書くべきでもないし、デスクも採用すべきではない。少しはものを考えろといいたい。
2003年08月21日(木) |
「北朝鮮へ風船でラジオ送る=22日にドイツ人医師らが実行」上手くいくといいのだが。 |
◆記事:
北朝鮮脱出住民の支援活動を行っているドイツ人医師、ノルベルト・フォラツェン氏らは20日、先に発表していた北朝鮮に風船でラジオを送る計画を22日の午後に実行する方針を明らかにした。計画によると、南北を分断する軍事境界線に近い江原道の鉄原にある元朝鮮労働党の建物前から風船を放つ。直径1メートル、長さ6メートルの風船を少なくとも20個飛ばし、中国製のAM・FMラジオ600個と援助物資を送る。天候が悪ければ延期するという。 (時事通信)
◆所感:外部情報を北朝鮮国民に送り込むのは、いい考えだ。
北朝鮮の人々には悪いが、既に200万人以上もの人々が餓死したというのに、何か発言するたびに「偉大なる首領様のおかげで」というのは殆どお笑いの世界である。
どうして、こういう体制が保てるのかといえば、人民が自由世界の様子を知ることが出来ないように、金正日が外部情報をシャットアウトしているからである。
中国も30年程前までは、常に「毛沢東語録」を勉強し、マルクス=レーニン主義を最高の思想と信じる、忠実な共産党員であることが要求されたが、日本との国交が正常化して、西側世界からテレビが輸入されるようになってから、すっかり様子が変ったのである。
人間の本性たる自由はいつまでも抑えておくことは出来ないのであって、自由な世界の存在を北朝鮮の多くの人民が知ることは、金正日体制がもっともおそれることかもしれない。
その意味で、ドイツ人医師らのNGOがやろうとしていることはすばらしいことなのだが、わざわざ、明日実行すると発表する必要はなかったのではないか。北朝鮮は必死になって「空から降ってくるものは毒だから、触れてはいけない」とか放送し、国民がラジオを拾う前に、懸命になって回収しようとすることは目に見えている。回収しきれないぐらい、何万台とかいう単位で投下するならいいのだが。
しかし、考えてみれば、ハイテク兵器を開発したり、購入したりするのにくらべれば、ラジオなんて、タダみたいなものだ。NGOだけに任せておかずに、北朝鮮に批判的な国々(つまり世界の殆ど)が協力すれば、数万台、数十万台のラジオを調達、運搬、そして、北朝鮮国内に投下するのはたやすいことだろう。
世界中の国などというまでもない。日本とアメリカで十分だ。これは、実現したら面白い。歴史は動くときは動く。ソ連が崩壊したときも、ベルリンの壁が崩壊したときも、その直前まで、だれも想像だにしていなかったのだから。
2003年08月20日(水) |
「自衛隊イラク派遣、年明け以降に=爆弾テロに強い衝撃−政府」年が明ければ安全になるの? |
◆記事:
政府はイラク復興の中枢を担うバグダッドの国連事務所を標的にした爆弾テロ発生に強い衝撃を受けている。20日午前、外務省では竹内行夫事務次官が堂道秀明中東アフリカ局長ら幹部と協議するなど対応に追われた。同時に、テロ事件続発による治安情勢の一層の悪化で、政府が計画しているイラク復興支援特措法に基づく自衛隊派遣は年明け以降に先送りされるとの見方が広がった。 (時事通信)
◆所感:時期の問題ではない。イラクへ行く事自体が危険なのだ。
私は7月27日の日記で、イラク国内で、戦闘地域と非戦闘地域が明確に区別できるわけが無い、と述べた。今回の国連事務所爆破をみれば、明らかであろう。イラクの武装勢力にとっては、中立的な組織である国連の組織ですら攻撃対象である。
アメリカ兵は毎日のようにイラク人の攻撃を受けている。アメリカに味方している日本から自衛隊が派遣されたらどういう目に遭うか、分からないバカはいないだろう。年明け以降になれば、イラクから急にテロリストがいなくなるのか。時期を少々変えても、状況の危険性にはいささかの変化もないだろう。
私は何度も述べているが、イラク復興支援特別措置法を制定した事は愚の骨頂なのである。日本政府は、「イラクは危なそうなので、自衛隊を派遣することは、やっぱり止めます」と今更、アメリカに言えるのか。
自衛隊の最高指揮権は小泉内閣総理大臣が有している。目下、小泉首相は訪欧中だ。バイロイト音楽祭で「タンホイザー」に感激するのも結構だが、折角近くにいるのであるから、首相自らイラクを視察してくるべきではないだろうか。自衛隊の最高司令官として、部下を派遣する場所の危険性を確認するのは当然の責任である(念のため繰り返すが、私自身は自衛隊をイラクに派遣することに対してはずっと反対する立場をとっている)。
戦争を描いた洋画を見ていると、しばしば、軍隊の指揮官は敵に向かうときに"Follow me!"(俺に続け!)と叫ぶ。指揮官は一切危険な思いをしないで部下を戦場に送り込もうというのは、あまりにも情ない。
もう一点。イラク復興支援特別措置法が制定されたときに、「是非をめぐっては意見が分かれるが、日本政府が戦争を支持したのは事実であり、復興支援は日本の国際的責任でもある。したがって自衛隊を派遣し、憲法の枠内での活動をするのは、論理的帰結である。」(日本経済新聞社説)と、アホな主張していた日本の新聞屋さんたち。今回の大事件を目の当たりにして、今度はどのような見解を示すのか、注目したい。
2003年08月19日(火) |
「日経平均大幅続伸、連日の年初来高値」完全にバブルですね。マーケットのお話。 |
◆記事:
19日の東京株式市場で日経平均株価は続伸。大引けは前日比141円13銭高(1.41%)高の1万174円13銭となり、連日で年初来高値を更新した。18日の米国市場でダウ工業株30種平均が年初来高値を更新したことを好感し、朝方から幅広い銘柄に買いが入った。景気回復期待を手掛かりに、鉄鋼株や化学株など景気敏感株に高い銘柄が目立った。前日に終値でほぼ1年ぶりに1万円台を回復したことから相場の雰囲気が改善し、個人投資家がインターネット専業証券を通じて材料株を買う動きも活発だった。
◆所感:景気回復期待には何の根拠もない。
相場などというものは、いい加減なものなのです。東証の終値が1万円に乗ったら、デフレが止まるのでしょうか?直近の消費者物価指数も消費支出も、前年同期比マイナスです。デフレは止まっていない。
銀行の不良債権処理はもうやらなくても良くなるのでしょうか。株価が少々上がったところで、莫大な不良債権は残ったままです。小泉内閣は構造改革で不良債権処理を早くしろとずーっと銀行に言いつづけているのです。そのとおりに銀行が行動すれば、企業倒産とそれにともなう失業がこれから、もっと増えるのです。
要するに、日本経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)には何ら、劇的な変化がおきていない。にもかかわらず、株価が急騰している。こういうのをバブルというのです。
株にせよ、債権にせよ、為替にせよ、「買うから下がる、売るから上がる」のです。これだけ株価が上昇しているということは、株を買い持ち(ロング・ポジション、といいます。逆に売りもちのことをショート・ポジションといいます)にしているひとが、どんどん増えている。買っている人はやがて、必ず売ります。そうしなければ、差益がでませんから。誰かが売り始めると、釣られて売る人が必ず現れます。だから、株が上がっているから、と、いってくる証券会社の勧誘にのって、こんなレベルから株を買ってはいけません。勿論最終的な判断は、自分でするものですがね。
マーケットというのは飽くまでも自己責任の世界です。高値で買ってしまったからといって、証券会社に文句を言っても仕方が無い。自分の責任なんです。だから、滅多に手を出すものではありません。
2003年08月18日(月) |
コンピューターウィルスに慣れてはいけない。 |
コンピューターウィルスに慣れてはいけない、と、私が言う意味は、OSを常にアップデートしておこう、とか、アンチ・ウィルスソフトの最新パターンファイルを入れることを怠ってはならない、といった、テクニカルなことではない。
コンピューターウィルスを作ってばらまく悪い奴がいるということ。そういうやつらの行為を憎むことをわすれては、いけないということだ。
何だか、世の人々はコンピューターウィルスを作る奴が居るのは仕方のないことだ、と考えているように私には見えるのだが、だとすれば、その考え方は誤っている。
これだけ、人に迷惑をかけた奴は、捕まえなくてはいけない。そのための努力が本気で行われていないのは、理不尽である。
技術的に難しいのは分かっているが、最初から諦めてはいけない。コンピューターウィルスを作るような奴は、一旦捕まったら途端に青くなって泣き出すような、女の腐ったような野郎に違いない、と私は勝手に思っている。
先日も使ったが、漱石の「坊っちゃん」の一節を記そう。
「けちな奴等だ。自分で自分のしたことを云えないぐらいなら、てんでしないがいい。証拠さえ挙がらなければしらを切るつもりで図太く構えていやがる。おれだって中学に居た自分は少しはいたずらもしたもんだ。しかし誰がしたと聞かれたときに尻込みをするような卑怯な事はただの一度もなかった。したものはしたので、しないものはしないに極ってる。おれなんぞは、いくら、いたずらをしたって潔白なものだ。ウソを吐いて罰を逃げるくらいなら、始めからいたずらなんかやるものか。罰があるからいたずらも心地よく出来る。いたずらだけで罰はご免蒙るなんて下劣な根性がどこの国に流行ると思ってるんだ」
卑怯な「ウィルス野郎」はこういう文章を読んでもなんとも思わないのかな。
2003年08月17日(日) |
「親父さんたちは弱虫なんかじゃないっ!」(「荒野の七人」のチャールズ・ブロンソン) |
「荒野の七人」の中で、射撃の達人、チャールズ・ブロンソンは「ベルナルドおじさん」と子供たちから慕われる。
あるとき、1人の男の子が、山賊に脅されて怯えている父親たちのことを、「お父さんたちなんて嫌いだよ。弱虫なんだもん。」とつぶやく。
ベルナルドおじさんは途端に目の色を変えて、この子のおしりを激しく2,3度バシッ、と叩いて叱りつける。そのときの台詞である。
「お前たちの親父さんたちは弱虫なんかじゃないっ!お前たちは俺が銃を持っているから勇気があると思っている。それはちがう。親父さんたちには、責任がある。お前たちや、お前たちのお袋さんたちに対してだ。そして、その責任は岩のように重く、一生のしかかるんだ。親父さんたちはその責任を誰かに言われて負っているのではない。お前たちを愛しているから、じぶんから、その責任を負ったんだ。そしてその責任を果たすために毎日畑でラバ( mule)のように働いているんだ。これこそ勇気がいる。だから、弱虫の俺にはできないんだ・・・。多分、一生な。」
私が初めてこの映画を見たときにも、この台詞がとても印象にのこり、一度で覚えてしまった。
その後、月日が経ち、自分が家族を持つようになったとき、このベルナルドおじさんの言葉の意味が痛いほど分かった。今でも事あるごとに、この台詞を思い出して、歯を食いしばる。
2003年08月16日(土) |
「 アメリカと日本は150年もの間、素晴らしい同盟関係を結んでいます。」(ジョージ・ブッシュ) |
「アメリカと日本は150年もの間、素晴らしい同盟関係を結んでいます。 」
<実際の発言>
For a century and a half now, America and Japan have formed one of the great and enduring alliances of modern times. (2002.2.18 東京)
大統領のスピーチなんてのは、何人もいるスピーチライターという専門職がすべて書いているわけで、どうしてこのような「暴言」が飛び出したのか、殆ど神秘的である。ブッシュがアドリブで発言し、天下に名だたる無教養ぶりをさらけ出してしまったのだろうか。
額面どおり解釈させていただくと、現職アメリカ合衆国大統領は太平洋戦争の存在を「知らない」か「忘れている」ことになる。
日本は戦争に負けたのにあちらこちらから賠償請求されて、それでもくそ真面目に対応してきたが、ヤンキーの多くはきっと、自分の国がジャップの国に2回も原子爆弾を投下しかことなど知らないに違いない。
また、歴代首相は訪米の際、アーリントン墓地に献花するが、米国大統領は靖国神社に参拝しない。戦犯の合祀の問題はともかく、戦禍に倒れた多くの一般人、兵士の霊を弔うのが返礼というものであろう。
この際、毅然とした態度を取ろう。アメリカ人に歴史を学ばせる必要がある。毎年8月6日と9日には原爆資料館の写真をホワイトハウスに送りつけるのが良かろう。また、アメリカの大統領が来日した際には、靖国神社に参拝していただこう。
それぐらいのことをしなければ、不公平というものである。
2003年08月15日(金) |
今日は終戦記念日である。「きけ わだつみのこえ」を読んだこと、ありますか? |
終戦記念日という言葉そのものはどうでも良い。が、かつて戦争があって、何百万人もの日本人が犠牲になった事実は、当然だが、太平洋戦争経験者が全員亡くなった後も忘れ去られてはならぬ。
戦争の惨禍を著した書物は、数え切れないほど世に出ているが、私は、なんといっても、戦没学生の手記を集めた「きけ、わだつみのこえ」という本に打ちのめされた。
明日は、特攻隊員として、自分は絶対に死ぬ、と分かっているにもかかわらず、怜悧な、奥深い文章を綴ることが出来た人々に畏敬の念を抱かざるを得ないし、このような優れた人材を無駄死にさせた、という意味で、開戦を決めた当時の日本の中枢部にいた連中は、正に、万死に値するとおもう。
「きけ、わだつみのこえ」は電車の中では読まない方が良い。決して冗談ではない。涙が止まらなくてどうしようもなくなるので、人前では困るのである。
違う言い方をするならば、この本を読んで、まったく涙を流さなかった人は、自分の人格に異常がある可能性を考えた方が良い。
今日は、思い切り「独断的に」書いた。
2003年08月14日(木) |
「英首相府がイラクの脅威誇張 博士取材のテープで判明」 大変な事になりました。 |
◆記事:
【ロンドン14日共同】英国防省の大量破壊兵器専門家ケリー博士がBBCのワッツ科学担当記者の取材に対し、首相府がイラクの大量破壊兵器に関する報告書の作成に当たってイラクの脅威を誇張させたとの見方を語っていたことが13日、博士の自殺に関する独立調査委員会で公開された取材の録音テープで明らかになった。
BBCの情報操作疑惑の報道内容が博士の肉声でほぼ裏付けられた格好で、首相府に疑惑解明を求める圧力が一層強まりそうだ。
録音記録によると、報告書に記載された「イラク軍は生物・化学兵器を45分以内に配備できる」との情報について、博士は「(イラクの脅威の)情報が欲しくてたまらない人たちが飛び付いた。情報機関と首相府の間に論争があった。私は懸念を持っていた」と発言した。(共同通信)
◆背景説明&所感:「やはり、英米は大嘘つきだったわけです」
今年の5月、英国のBBCは「英政府はイラクの脅威を誇張するために、イラクが45分以内に大量破壊兵器を実戦配備できる、というウソの情報を報告書に盛り込ませた」と報じました。英政府はこの報道を否定してBBCに謝罪を要求しましたが、BBCは「証拠がある」といってこれを断ったので、英国政府とBBCは全面対立する形になりました。
7月9日に英国のフーン国防相は、国防省顧問の微生物学者で国連査察の経験もあるデービッド・ケリー博士(59)がBBCの情報源だ、と名指ししました。このため、英下院外交委員会は7月15日にケリー博士を召還して、吊るし上げたのです。つまりケリー博士1人がウソの情報を捏造した張本人であるかのように責めたてたのです(実際はそうではなくて、英国政府が、ウソの報告書を作らせていたのです)。
ケリー博士は下院外交委員会でさんざんいじめられた3日後に自殺してしまったのです。事態は一挙に大問題(もともと大問題なのですが)になりました。国防相が、ウソの報告書疑惑の責任をケリー博士ひとりにおっつけたがために、追い込まれた博士が自殺したのだろうという推測が容易にできたからです。
英国ではケリー博士を自殺に追い込んだ経緯を調査する独立調査委員会が組織されて、ロンドン裁判所では8月1日に第1回目の審議が行われ、これからの調査の進め方などが発表されました。国の最高責任者であるブレア首相も証人喚問に立たされる可能性が高いようです。
ちなみに、ケリー博士が自殺した時、ブレア首相はちょうど外遊中でした。ブレア首相はワシントンから東京へ向かう飛行機の中でケリー博士自殺のニュースを聞かされて呆然としたまま東京に着きました。東京での記者会見では、ブレア首相に随行していた英国のジャーナリズムの記者たちから厳しい質問が矢継ぎ早に浴びせられました。「ブレア首相、貴方の手は血で汚れているのではないか?」と辛らつなことをいう記者もいて、ブレア首相は、返事が出来なくなり、見かねた小泉首相が、強制的に記者会見を終わらせる、という極めて異例な一幕もあったのです。
そして、ついに昨日、13日、決定的な証拠が英国の独立調査委員会によって公開されたのです。ケリー博士の肉声を録音したテープの中で、博士は「首相府がイラクの大量破壊兵器に関する報告書の作成に当たってイラクの脅威を誇張させた」と語っているのです。
これによって、
1.英国政府がイラクへの武力攻撃を正当化するために、イラクの脅威を誇張して伝えていた、つまりウソをついていた。
2.そのような情報操作を行ったのは英国政府自身の意図なのに、あたかもケリー博士ひとりの見方であるかのように見せかけ、5月9日のBBCの報道には根拠がないと主張しようとした事。つまりケリー博士をスケープゴートにして、国は何とか誤魔化そう、というひどいことを考えていた事、
が、明らかになったといっていいわけです。大変な問題です。ブレア政権は転覆するかもしれない。今は対岸の火事と思っている米国のブッシュ政権に対しては、米国民の疑惑はいまのところさほどたかまっていないけれども、英国の出来事をきっかけに米国でも大統領の責任が追及されるでしょう。英国の新聞Guardian(ガーディアン)紙などは、「ウォーターゲートよりもすごいスキャンダルになるかもしれない」という記事を載せています。
私はかねてから、イラクに対する武力攻撃の大義名分であった「大量破壊兵器」が見つからない以上、日本は米国に対する支持を継続すべきではなく、イラク復興支援特別措置法を成立させて自衛隊員をイラクへ派遣して生命の危機に晒す事はもってのほかだと主張しています。
今回、イギリスの「大量破壊兵器」情報がでっち上げであることがわかった以上、小泉首相は今までのように「私は大量破壊兵器はあると思う」などと何の意味も無い発言をして誤魔化しているわけにはいかないのです。野党も臨時国会では、徹底的にこの点を追及すべきなのです。
日本はウソの情報を流す英米にのせられていたのですから。
2003年08月13日(水) |
国会議員の「海外視察」は事前に計画書、事後に報告書を提出せよ |
国会議員には、給料にあたる歳費だけで、1人あたり年間約2400万円が支払われている。毎月の歳費以外にも文書通信交通滞在費、立法事務費、特別交通費などの手当が支給される。さらに公設秘書の給料を含めると、国会議員全体の年間経費総額は500億円にも及ぶのである。
国会の日数が150日として、1日あたり、一人の国会議員にかかるコストは40万円という大金になるのである。しかも、国会議員には、サラリーマンのような勤務評定というものがなくて、仮病を使って休もうが、居眠りをしていようが、給料及び、諸手当は全額支給されるのである。
国会議員宿舎という施設は都内の麹町、青山などの超一等地に立てられており、宿舎といってもマンションのような豪華な建物である。間取りは3LDK。この家賃が何と月6万円。
このように、色々と「オイシイ」ことが沢山あるので、国会議員になりたがる輩が後を絶たないのである。
毎年、国会が閉幕した今の時期になると、国会議員の先生方は「海外視察」に行く。それも、決まったようにヨーロッパに行くものが多い。この経費は当然税金で賄われている。費用は1人の上限が167万円だというが、私はそんなものではないと、思っている。第一、往復にファーストクラスを使う、と決められているのである。これに関しては、先日、東京新聞が糾弾していた。
海外視察というからには、国政に役立つ情報収集を目的とするものでなければならぬ。ところが実態は、容易に想像できるとおり、単なる遊びである。現地の大使館員にお供をさせて、昼間は観光、見物、買い物。夜はカジノに酒。そして、金髪美人を抱いてくるだけのことである。
こんな事だから、国会議員の連中にとっては国民の生活が如何に苦しかろうと、どうでも良いわけである。自分は特権を満喫しているわけだから。
しかし、このままではいけない。サラリーマンならば、出張するにあたっては事前に計画書に日程、訪問先、その目的、などを記載して稟議を仰ぎ、帰国してからは、詳細なレポートを提出するのが、常識である。
国会議員も、これからは、事前に、訪問計画を衆議院、参議院、それぞれのホームページで開示し、国民が自由に閲覧できるようにするべきである。そして、国民の直接投票によって海外視察の可否を決定する(ここがちょっと、難しいところなのだが。単なる嫉妬で全部反対する人もいるだろうから)。
そして、帰国後、1週間以内に同じサイトに、出張して訪問した先、滞在したホテルの費用明細、誰に遭って、どのような情報を得て、それをこれからの国政にどのように生かすつもりなのかを、「報告書」として提出する。提出しない者、提出が著しく遅れたもの、内容が陳腐な者、無用な経費を使ったと判断される者などは、翌年以降の「海外視察」を禁止する.。
なにせ、ただでさえ、一日40万円のコストがかかる連中なのである。それぐらいの義務は果たすのが当然であろう。
2003年08月12日(火) |
「西部警察」ロケ中、5人重軽傷=見物人の列に俳優の車−名古屋 石原プロは解散してはどうか。 |
◆記事:
12日午後2時20分ごろ、名古屋市港区木場町の自動車用品販売店駐車場で、テレビ朝日系列で放映予定の刑事ドラマ「西部警察2003」を撮影中、俳優の池田努さん(24)=横浜市泉区=が運転する外国製スポーツ車が見物人の列に突っ込み、男女5人が重軽傷を負った。愛知県警港署が事故の原因や、スタッフの安全管理に問題がなかったかなどについて調べている。 (時事通信)
◆所感:今さら、西部警察でもなかろう。
私はそもそも、石原軍団というのが大嫌いである。野蛮、粗野、無教養。昔放送されていた「西部警察」も、爆発・炎上・カースタント・暴力と、下劣な手法のみで無理矢理視聴率を取っていた番組で(尤も、見る奴も見る奴だが)、最初の1回目だけチラっと見て、嫌悪感を禁じ得なかった。
石原軍団が嫌いなもうひとつの理由は、石原裕次郎はとっくの昔に死んでいる(しかも、愛人宅で)というのに、この偶像化された過去の「スター」のご威光にいつまでもすがっているところである。。石原裕次郎というのも大根役者だったが、今所属している役者もへたくそ、馬面、ホモ、の集団ではないか。
今回、新しい(?)ドラマを撮影し始めた途端にこういう事故に見舞われるというのも、ゲンが悪すぎる。さっさと中止するが良かろう。
石原慎太郎も、石原伸晃も、選挙のたびに、石原軍団の応援を受けるのを辞めろよ。みっともない。
それにしても、これは、偶然だが、テレビ朝日というのは番組ロケの最中に人が死ぬという事件を何度も起こしている。もう、20年以上前にもなるが、堤大二郎という歌手兼俳優が同じようにドラマ撮影中に車の運転を誤り、番組スタッフ1人が死亡したし、自分自身も顔がぐしゃぐしゃになった(その後、度重なる形成手術で元に戻ったが)し、他の俳優にも大勢、けが人が出た。
また、富士山麓の忍野八海という、透明度が高い深い池がいくつも地中で連なっている場所があるのだが、その水中撮影中、水中カメラマン二人が、こともあろうに、命綱をつけていなかったために、池と池を結ぶ通路で方角がわからなくなり、出口を見失って、ついに酸素が尽きて水死した、という事件があった。本当の話である。
とにかく、テレ朝のロケでこれほど、死傷者が出るというのは、何か問題があるのではないか。勿論、番組の多くはテレビ局が直接作るのではなくて、番組制作会社に作らせるわけだが、予算をケチるとか、無理な注文を付けるという悪習がないか、内部監査するべきである。
2003年08月11日(月) |
<日朝協議>10カ月ぶりに再開へ 拉致問題の先行解決探る ← 何をモタモタやっているんだ |
◆記事:
北朝鮮の拉致問題は、核開発問題を話し合う6カ国協議の機会に、日朝2国間で話し合われる公算が大きくなった。水面下の折衝は続いてきたが、実現すれば、公式の日朝協議は昨年10月末に国交正常化交渉が中断して以来、約10カ月ぶりとなる。日本政府は、拉致被害者の家族を返さない北朝鮮に対し強い態度で臨んできたが、核問題が動き出せば、拉致問題は置き去りにされかねないとの懸念は従来からあった。今回、条件を付けずに協議を再開するのは、「拉致問題を核問題より先行させる」戦術に乗り出したといえる。
◆所感:オタオタするな
金正日は頭は良いようで、核をちらつかせたりして、アメリカの態度を軟化させるなど、自国に有利に交渉を運ぶコツを知っている海千山千だ。
しかし、要するに北朝鮮なんぞ、経済的には完全に破綻していて、いまさら産業の育成もへったくれもないのである。皆、腹が減ってそれどころではない。
日本は完全にナメられているが、北朝鮮がのどから手が出るほど欲しいのはジャパンマネーと食い物なのだ。簡単に核ミサイルなんか打ち込める道理がない。日本は食糧を前面に押し出して、強気に出るべきである。
拉致被害者の家族を全員日本によこせ。昨年、既に亡くなっているといっていた人の中にも、横田めぐみさんなど、本当は生きている人がいるだろう。正直に言え。そうしないかぎり、コメ一粒たりともやらないぞ。といえばよい。
コメなんか送ったって、金正日をはじめとする特権階級が独占して、どうせ人民には届かず、餓死しつづけているのだ。
とにかく、拉致問題を最優先にして、これが片付くまで一切、食い物をやらないこと。できれば、解決した後も食糧援助を行わず、北朝鮮を崩壊に導く事が肝要である。
2003年08月10日(日) |
「あしなが育英会」 無償の愛 |
生きている以上、世のため、人のために何かをしたい。そして善い事は黙って、名も名乗らずに行いたい、と思う。
あしなが育英会というボランティア組織がある。交通事故・病気・犯罪・自殺などで親を失った子供が高校・大学へ進学するための奨学金を出している。資金は勿論、募金によって集められている。
街中で募金箱を持って募金活動をしているところへ行って、お金を箱に入れるのは、苦手である。いかにも「いいことをしてあげていますよ」、という感じでイヤだ。
しかし、この組織に資料を請求すれば、振込用紙がついてくる。これを使えば郵便貯金や銀行預金から、毎月、又は年2回、4回、自動振込みで募金する事ができる。皆、大抵、一回1,000円とか、2,000円といった程度だが、大勢が集まれば大きな力となる。
勿論、こちらの名前は奨学金を受け取っている子供たちには伝わらない。見知らぬ人が見知らぬ困っている人を助ける、という形である。ただ、年1回、奨学金を受け取っている子供からは、近況をつたえる手紙がとどく。名前はわからない。
しかし、この手紙を受け取ったとき、人のためになるという喜びがこれほど大きなものか、ということを、誰もが感じるであろう。
明日は、私の誕生日である。40数年間生きてきた。
今までの人生を振り返るために、嬉しかった事楽しかった事と、辛かった事、イヤだった事、を書き出してみたが、後者の方が圧倒的に多い。
人生は不公平なものである。順調な人生を歩む人には永遠に分からないであろうが、人生には懸命に努力してもどうにもならないこと、報われない事、理不尽な事が山ほどある。
好きで生まれてきたわけではないのに、辛い思いばかりするというのもひどい話である。せめて死ぬ自由は与えられるべきである。
4年前の8月20日に首を吊った。意識を失ってあと一息で死ねるというところで、首を吊っていた縄が切れて、一命を「とりとめた。」それから、なんとか我慢して4年間生きてきたが、やはり、あのときに死んでいれば良かったと思う。
人生なんざ、くそくらえ、である。
2002年08月09日(金) 長崎市長は偉い。
2003年08月08日(金) |
竹中金融相ってダメですな。 |
◆記事:公的資金注入の8銀行、中小企業向け融資減少
金融庁は7日、公的資金の注入を受けている大手銀行・金融グループ、地方銀行など23行について、2003年3月期の経営健全化計画の達成状況を発表した。中小企業向けの貸し出しは、みずほフィナンシャルグループが5兆6340億円の大幅減となるなど8行が前年同期実績を下回り、計画を達成できなかった。
銀行側は、景気低迷による資金需要の伸び悩みが原因としているが、貸し渋りなどの指摘もあるため、金融庁は11日にも、8行に減少した原因を報告するよう求め、報告内容によっては、業務改善命令を出すことも検討する。
中小企業向けの貸し出しが減ったのは、健全化計画の対象となっている大手銀行・金融グループ6行のうち、みずほと三井住友フィナンシャルグループ(7297億円減)の2行で、増えた4行を含めた全体でも5兆6563億円減った。みずほは1月の段階で大幅減が確実だったため、金融庁からすでに業務改善命令を受けている。
また、税引き後利益は13行が赤字で、金融庁は、計画を大幅に下回った15行(一部黒字行を含む)に対し、すでに収益向上を求める業務改善命令を発動している。この15行は29日までに業務改善計画を提出する。
◆所感:相反する命令出す金融庁は何を考えているの?
小泉政権になってから、とにかく、銀行は不良債権処理を急げ、といわれてきたわけです。そのためには、自己資本を取り崩すしかなかったのです。当然、利益は上がりません。それから、今年の3月期には株が下がっていたから、株式の含み損も膨らんでいたわけです。だから、銀行の収益が十分にあがらなかったのも、止むを得ない。
金融庁、というか竹中金融相はそんなことは、よくわかっているくせに、先週、銀行はもっと収益を出せ、という「業務改善命令」を出した。これは、ポーズです。この前、りそな銀行に公的資金を注入したけど、厳密に監査すれば、りそなは債務超過だったのではないか、と世間の批判を浴びた。だから、いや、金融庁は決して銀行に甘くしてはいないぞ、という姿勢を見せつける必要があった。
で、今度は、中小企業向け融資が足りない。もっと増やせという命令を出すつもりらしいのですが、これはおかしいなあ。
だって、不良債権を急ぐために、銀行は自己資本を取り崩す。しかし、国際決済銀行(BIS)というところが、国際業務を営む銀行は自己資本比率8%を維持しなければならないと決めているのです。自己資本比率を出すときに分子に来るのが、自己資本、分母にくるのは企業への貸付金などのリスクアセットです。
不良債権処理のために自己資本が減っちゃった。分子が減っちゃったから、自己資本比率を維持するためには、分母も減らすしかない。つまり、企業への貸し出しを抑制するしかないのです。これが、貸し渋りが起きる原因です。
なのに、金融庁はそんなことは全部分かっているのに、今度は、分母を増やせという。小泉政権というか、竹中大臣の要求は無茶です。
不良債権処理を急がせたのがそもそもの発端なのに、全部、銀行が悪いんだ、といわんばかりですが、これは、あまりに銀行が気の毒だなあ。
2003年08月07日(木) |
益をもたらすPCウィルスなんていうのは、できないものなのかね? |
コンピューター関連のニュースを読むと、毎日のように「新種のウィルスが拡がっている」という記事がある。まるで、コンピューターウィルスは自然界のウィルスと同じように、どこからともなく「自然に」発生するもので、それはいたしかたのないことで、こちらに出来るのは、如何にしてそれらに感染するのを防ぐか、ということだけのような書き方である。
しかし、いうまでもなく、コンピュータウィルスは「人間が悪意を持って作ったプログラム」であって、世界のどこかには必ず犯人がいるわけである。インターネットの性質上、それは世界のどこからでも、どんなにはなれた場所にもばら蒔くことができるわけで、犯人の特定が極めて困難である事は、テクニカルなことに疎い、私のような人間でも容易に想像がつく。
こうした事をする連中は必ず、人に迷惑をかけることを喜びとしている、いわば歪んだ自我の持ち主である。私はいつも、思うのだが、それだけの技術(ウィルスを作るのにたいした技術は必要ないらしいが)を持っているならば、何か世のため、人のためになる、「ウィルス」を作る奴が現れないだろうか?
くどいようだが、私自身はプログラムが如何にして構築されて、動作するのか、などということはわからないままに、毎日パソコンを使っている。しかし、特に恥ずかしいとは思わない。科学技術とはそういうもの、つまり、理屈が分からない素人でも高度な技術の恩恵にあずかることができるものである。
携帯電話を使っている人の中で、携帯電話の仕組みと、何故、それを使って離れている人と会話ができるかを電子工学的に、図面を引いて説明できる人は、何パーセントいるだろうか?
少し、話が脇にそれたが、要は害をもたらすコンピューターウィルスではなくて、他人のパソコンを整備するようなウィルスを作ってやろうという人間が世の中に1人ぐらいいても良さそうに思う。
そのウィルスは知らない間に他人のパソコンに入り込んで、スキャンディスクをして、壊れたクラスタを修復し、ついでにデフラグも済ませてくれる。不要なレジストリを削除し、そのPCのCPUに最適なタイムスライス値を設定したりしてくれるわけである。もちろん、個人情報を盗み取るなんて卑劣なことは一切しない。
こうして、PCの持ち主が知らない間に、「あれ、何だかパソコンの動きが良くなってるぞ?」と不思議がる。それを見て自分がやりましたとは名乗らずに満足する。と、いうようなことをしようという、粋な野郎がいても良いと思うのだが・・・。
そう。こういうのを「粋」っていうんだよ。「スイ」じゃないよ、「いき」というのだ。
2002年08月07日(水) 錯覚
2003年08月06日(水) |
べッカム騒ぎもいい加減にしてはどうかな。 |
日本では、相変わらず「べッカム様」は神様扱いだが、本人はあまり居心地が良さそうに見えない。
イギリスは、建前は無論、議院内閣制、議会制民主主義を採用する近代国家であるが、その意識構造においてはいまでも、根強い階級社会である。上級・中級・下級と分かれていて、アッパー・ミドル・ロウアーなんていう。ミドルの中がまた細かく分かれていて、アッパー・ミドルとか、ロウアー・ミドルとかいうわけであるが、フットボールなんていうのは、完全にロウアークラスの遊びなのだ。やる人間も、見る人間も。
これは、べッカムが如何に有名になってもいくらカネを稼いでも変わることが無いのである。
エリザベス女王や、チャールズ皇太子がサッカーの試合を見に行ったなんていうニュース、見たことないでしょう?亡くなったダイアナさんもいろいろ男性遍歴があったけど、サッカー選手と、なんてことはただの一度も無かった。「身分が違う」のである。
アッパークラスなんて、殆どいないのだがね。イギリスへ行けば、いたるところでクイーンズ・イングリッシュを聴く事が出来るなんて思ったら大間違いで、あんなものはピラミッドの頂点のごくごく一部の人が話す英語であって、私ども一般人がイギリスへ行っても、まず、お目にかかる機会は皆無に等しい。
まあ、階級なんていうのも、全て人間が作り上げた幻想なんですがね。イギリス王室の歴史をひもとくと、随分下劣な事をやっている。淫乱ですよ。しかし、とりあえず、今の女王陛下は落ち着いている。
そして、階級なんてナンセンスだ、といっても英国では厳然として共同幻想として、存在しているのは動かし難い事実なのである。で、べッカムなんてのは、その底辺に近いところの人間だということだ。
イギリス人のミドルクラス以上なんぞはただでさえ、東洋人のことなんか見下しているのだから、あまり、ロウアークラスの人をスター扱いして、馬鹿にされない事だ。付けこむ隙を与えてはいけないのである。
2002年08月06日(火) アングロサクソンのずるさ
2003年08月05日(火) |
「田中元外相は不起訴、秘書給与流用なし…東京地検方針 」 そんなバカな話あるかい。 |
◆記事:
検察当局は4日、公設秘書給与を流用したとして詐欺容疑で告発されていた田中真紀子元外相(59)を不起訴処分とする方針を固めた。
田中元外相の秘書給与流用問題は、元外相が公設第1秘書の給与を自らと関係の深い「越後交通」(新潟県長岡市)に支払わせ、国から支給された秘書給与を流用していたのではないかというもの。
昨年4月、一部の週刊誌で報じられ、奈良県内の政治団体関係者が特捜部に告発。同団体関係者は告発状の中で、元外相は1997年の1年間に、こうした手法で公設秘書給与計589万円を受け取っており、詐欺にあたると指摘していた。
しかし、特捜部の捜査の結果、
〈1〉公設秘書は越後交通などの社員として出向する形をとっていたが、秘書としての勤務実態はあった
〈2〉国から支給された公設秘書給与は、越後交通などを経て、ほぼ同額が公設秘書本人に渡っており、田中元外相が流用した形跡はない
〈3〉越後交通などから給与を渡す形にしていたのは、同社などの社員の身分を保障してほしいと、秘書側が希望していたためだった――ことなどが判明した。
このため、検察当局は、田中元外相については、国から秘書給与を詐取したなどの犯罪に該当する事実はなかったと結論づけた。
◆所感:泣く子も黙る東京地検特捜部がこんないいかげんな結論でいいの?
要するに、田中真紀子は公設秘書の給料を支払うにあたって、
1.公設秘書が自分のファミリー企業である「越後交通」からの出向社員である、という形をとって、
2.国からの秘書給与は一旦越後交通に振り込ませて、
3.秘書に対しては「越後交通」の給料を言う形で秘書給与を支払う、
という、訳の分からない事をしていたわけです。
どうして、こんな、複雑なルートを経由しなければならないかがまず不思議でしょう?(3)では「越後交通などから給与を渡す形にしていたのは、同社などの社員の身分を保障してほしいと、秘書側が希望していたためだった――ことなどが判明した。 」なんていっているけれども、そんな変わったことを秘書全員が希望するものでしょうか?
それから、〈2〉国から支給された公設秘書給与は、越後交通などを経て、ほぼ同額が公設秘書本人に渡っており、田中元外相が流用した形跡はない 、といっているけれども、これだってもっと悪質な事をしている可能性がある。
つまり、一旦、秘書に支給された給与をその後ピンハネしていた可能性は十分にあるのです。素人の私ですら、それぐらいの想像はつくのです。
なのに、東京地検は、とりあえず、給与全額が、一旦、秘書の手に渡っているというところで、追求の手を緩めている。
モンテスキューが「法の精神」で説いたとおり、近代国家は三権分立が大前提。しかし、この捜査を見ると、先に逮捕された辻元容疑者のケースと比べても、なんだか、おかしい。司法が他の権力から「適当なところで(捜査は)終わりにしておけよ」という圧力を受けているような気がするのは、私だけでしょうか?
2002年08月05日(月) 気分変調症
2003年08月04日(月) |
ロッシーニ風人生もいいかな。昨日は「ウィリアムテル」初演の日。 |
ロッシーニは18世紀後半から、19世紀の半ばまで生きた人で、時代としてはベートーベンと重なる部分が多いのだけれども、ベートーベンの波乱と苦悩に満ちた生涯と比べると、ロッシーニのそれはいかにも、ラテン的、イタリア的でノーテンキなものである。
作った音楽の方向性が全然ベートーベンとは違うけれども、ロッシーニも間違いなく天才的な作曲家だった。作曲は殆ど独学なのに、16歳で初めてのオペラを書いて、それから生涯に書いたオペラは、なんと39曲。数が多ければよいというものではもちろん無いのだけれども、オペラなんていうのはまず普通の人間は一生かかっても一つも書けないのだから、やはりただものではない。
39曲の最後に書いたのが有名な「ウィリアムテル」で、これが初演されたのが、174年前の8月3日だった。このとき、ロッシーニはわずか38歳だったのだが、以後、音楽界からさっさと引退してしまうのである。結局、76歳で生涯を閉じたので、生涯の半分はご隠居さんだったということになる。
「勤勉な」現代の日本人からすれば、まあなんたる怠惰な・・・ということになってしまうのであろうか。私はこういうのんびりした一生があってもいいと思うなあ。というか、そういう風になれるものなら、なりたかったな。
さて、音楽だが、歌劇「ウィリアムテル」全曲が演奏される事は最早滅多に無く、専ら序曲がポピュラーコンサートなどで演奏される。「クラシック音楽入門用曲」の代表みたいに扱われているけれども、演奏は大変難しい。冒頭のチェロ五重奏のチェロは緊張する。
第2部の嵐の場面では、トロンボーンが難しい。半音階的に上がっていて、いきなり、2オクターブぐらい下がる。
第3部の嵐の後の静けさでは、コールアングレ(オーボエの音域の低い楽器)のオブリガード(対旋律)を吹くフルートが、オクターブジャンプの連続で、下の音がかすれないように、神経をすり減らす。
フィナーレ、スイス軍の行進。頭のトランペット(私が吹くところ)はまあ、普通の音域だし、二人だから、さほど緊張しない。けれども、弦楽器は細かい動きが続いて、特にファースト・ヴァイオリンは、皆で合わせるのが大変(プロならどうってことないでしょうけどね)。聴くと弾くとじゃ、大違いなのさ。
2003年08月03日(日) |
「鶴折り広島に送る運動…男子学生放火の関西学院大」人間の悪意と善意 |
◆記事:
広島市の平和記念公園で約14万羽の折り鶴を焼失させたなどとして、文学部の男子学生が器物損壊容疑で逮捕された関西学院大で、学生らが鶴を折って広島に届ける運動を始めた。大学側も急きょ、受付窓口を設け、6日に学生代表が広島に届けることにした。
商学部3年の伊藤友紀さん(20)は事件当日の1日夜、「関学生で鶴を折り、広島へ送ろう」とのメールを友人ら約30人に送信。メールはあっという間に広まり、岡山県で合宿中のラクロス部の女子部員55人も折り始めた。
逮捕された学生が所属する心理学科でも3日、有志が教室に集まって折ったほか、東京在住のOBからは「広島に届けてほしい」と、大学に約40羽が郵送されてきたという。
すでに100羽を折ったという伊藤さんは「広島の人たちの気持ちをずいぶん傷つけたと思う。同じ大学の学生みんなが、一羽一羽に思いを込めて折ることで、少しでもその癒やしになれば」と話していた。
◆所感:「悪いことをしながらも、善いこともする。それが人間さ」(鬼平犯科帳)
この記事を読んで、鬼平こと長谷川平蔵のこの言葉を思い出した。
就職が決まらず、むしゃくしゃして平和記念公園の折鶴に放火した関西学院の話を読んだときは、「実に下らない野郎だ。それぐらいの事で、犯罪に手を染める奴があるか。情けねえ」と、私は怒りの感情につつまれたが、今日のこのニュースで途端に嬉しくなった。
自分達とは直接関係がないのに、自分と同じ学校の学生がしでかした不始末の償いをしよう、と何百人もの学生が急遽結集した、その純粋な善意に感動したのである。
人間、絶対的な悪人も、絶対的な善人もいないのであろう。それが鬼平が言いたかったことだ。
しかし、それにしても、若さというものは素晴らしい。
かつて、NHKの音楽番組があった。司会をしていたのは作曲家の芥川也寸志氏と黒柳徹子氏であった。あるとき、早稲田大学のオーケストラ(プロ級に、上手い)がゲストで演奏した。それを聞き終えたとき、普段は冷静な芥川氏が、
「いや、若さって言うのはすばらしいね!人生で、もうこれ以上の物ってないね!」と興奮気味に語っておられたのが印象的だった。
今回の関学の学生たちの行動力の速さに感じ入った私は、思わず、その時の芥川氏の言葉を思い浮かべた。
2003年08月02日(土) |
辻元清美容疑者が逮捕されたなら、田中真紀子氏も逮捕されるべきですな |
秘書給与流用に絡む詐欺容疑で社民党前衆院議員の辻元清美容疑者(43)が逮捕されてから、2週間が経ったけれども、どう考えても不思議なのは、何故、同じ時期に同じ嫌疑がかかっていた、田中真紀子元外相には司法の手が及ばないのかということである。誰でも、そのように、思うのではないだろうか。
辻元議員をこの時期に逮捕させたのは、衆議院選挙を前にした、国家権力による意図的な社民党潰しであることは誰の目にも明らかで、これで、田中真紀子氏への疑惑追及は去年で打ち切ったというのは、田中氏の方がより、大胆にもっとわるいことをやっていた可能性が高いことをかんがえれば、法の下の平等の観点から、許されない。
政治家の世界はあまりにも、汚い。
2003年08月01日(金) |
「戦闘地域の線引き不可能 イラク駐留米軍司令官」 だから言っただろう。小泉君どうするの? |
◆記事1:
イラク駐留米軍のサンチェス司令官は31日の会見で、米兵への襲撃事件が続く現在のイラク国内を、戦闘地域と非戦闘地域にはっきり分けることはできないと強調した。
7月26日に成立したイラク復興支援特別措置法は、自衛隊の活動地域を「非戦闘地域」としている。司令官の発言は、国会で論議を呼んだ戦闘地域の定義があいまいであることをあらためて示している。
その上で「戦闘地域と(戦闘が行われていない)文民支援地域を明確に区別することはもちろんできない」と述べた。
◆記事2:「非戦闘地域選定は可能」 イラクへの自衛隊派遣で 官房長官
福田康夫官房長官は1日午前の記者会見で、イラク駐留米軍司令官が戦闘地域と非戦闘地域に分けることはできないと述べたことについて「武力行使を伴うのは憲法違反だ。そうならない地域を選定して派遣する。現在も将来も起こらない地域を選定する」と述べ、非戦闘地域の選定は可能との考えを示した。
◆所感:だから、言わんこっちゃない。
イラク復興支援特別措置法では、自衛隊を派遣するのは非戦闘地域に限られている。しかし、既に現場にいるアメリカ軍の司令官が「戦闘地域と非戦闘地域とを分ける事は出来ない」といっている。私は7月27日の日記の中で既に述べた。
だが、福田官房長官はあくまでも、非戦闘地域に送るのだと言い張る。何故、現場を見ている軍人が「非戦闘地域を区別するのが不可能だ」といっているのに、イラクに言った事も無い人間が「可能だ」といえるんだ?
イラク復興特別措置法が如何にいい加減に作られたか、これでよく分かる。自衛隊を戦地に派遣する法律を作るというのに、前もって現地がどういう状況か調べていなかったのである。本来は直接現地に日本人が赴いて調査すべきだったが、そうでなくても、米軍に問い合わせれば、今日、サンチェス司令官が述べたような事は、簡単に分かった筈だ。
正しい手順を踏まないで、自衛隊の最高指揮権を有する総理大臣が「非戦闘地域がどこかときかれても、私に分かるわけが無い」と開き直り、無理矢理法律を作り、あとから現地について良く調査します、といってのける。
これから調査して、「非戦闘地域」が無かったらどうするのか?無理矢理どこかを「非戦闘地域」にでっち上げるのだろうね。福田官房長官が言っているのはそういう意味である。如何にも政治家がやりそうな手口だ。
これほど、いい加減な法律に則ってイラクに派遣されるかもしれない自衛隊員は、たまったものではない。
私は、断言するが、小泉首相、及び、内閣の面々は、まず間違いなく自衛隊に死者・負傷者が出ることを想定しており、それは仕方がない、と考えている。
これは、内閣総理大臣に、殺人、或いは傷害の未必の故意があると解釈されても仕方が無いであろう。