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るり子の日録【オリーブの森で語りあう】
るり子の日録【オリーブの森で語りあう】
るり子



 今年最後のふたりきりのデート

早朝 新橋で待ち合わせて

彼+私 モデルをしている友人 モデルのいとこ+彼の親友

というメンバーで

今年最後の 築地市場にいきました。







始発に近い電車に乗って 集合です。

気合 入り過ぎ。w







前回 モデルをしている私の友人が

初めての築地という事もあって

テーマパークのノリで 堪能していたのを彼が見ていて

今回の 五人での築地行きになりました。








師走の築地は 活気に満ちています。






子持ち昆布 ししゃも 数の子 毛蟹 せいこ蟹 ちりめんしらす

鮮魚を中心に 私たちはお正月の食品を沢山買い込みました。







今回は モデルのいとこさんもジョイントしているので

彼が モデルをしている友人に付きっきりという訳でもなく

私と彼がひとつのペアを形成しました。







彼の親友も

モデルのいとこさんのことを

自分がエスコートすべき女性だと認識していて

全体が ふんわりいい感じ。







どちらのペアも

モデルをしている友人をひとりぼっちにはしないという

さりげない配慮をしているので

五人が本当にゆるやかな一つのコロニーを形成しているようで

それは ここちいい仲間です。






その事を 私は彼に伝えたくて

彼に耳打ちするつもりが

いつもの 二人だけの時のような癖がふとでてしまい、

かれに耳打ちするときに

私は自分のあごを 彼の肩に乗せてしまいました。







あまりにその仕草が プライベートなものに我ながら思われ

ハッ とした表情をとったその時、






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私は 

お買い物をした荷物はどうするの?

一度、私のお家に戻ってから?







彼に 小さく囁き返すと、

彼は 

いいや、持ったままでいいだろう。

車を回させるから、それで行こう。







そう言いました。

今年最後のふたりきりのデートです。





2008年12月28日(日)



 ただそこに居てくれるだけで

旅行から帰って来て

その余韻もさめやらぬうちに

彼が 美味しいタイ料理を食べに行こうという。







タイ王国での

それぞれの 別々の記憶はあるものの

共にそれらを語り合えるためには

タイ料理はとてもいいアイテムかもしれない。







チャオプラヤー川の 悠久たる流れと

タイ独特の熱風が

私たちの直近の記憶と重なり、

異次元空間に 私たちを引き戻す。










私の希望は二つ。

パパイヤサラダと プーパッポンカリー。









それに彼がバランスよくメニューを足してくれる。









タイのビールで乾杯し、

私たちは 楽しかったクリスマスの一泊旅行を

語り合う。








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彼の言葉に 私も深くうなづく。







旅をすれば

その人の性質が全て露呈する。

特に 海外旅行はその傾向が顕著だろうと思う。

わたしたちの小旅行でも それは同様だ。







隣においてここちよい、

邪魔になるどころか ただそこにいてくれるだけで

心安らぐ存在。










わたしたちは、互いに互いを そう認識している

それが 今回 よくわかった。




2008年12月26日(金)



 二人のクリスマスナイト

僕の愛の 全ては君のものだ。

彼がそういう。







彼には今 私の他に

心寄せられている女性が三人いる。

私の友人である モデルをしている彼女の事は

彼も一定の距離を置いているし

そのバラのような容貌が 全く彼好みでない事もあって

そして何より 私の友人なので

全くこころがざわざわすることはない。







二十歳台の才媛の彼女も

彼と距離を置いている風なので あまり

気にならない。







女医さんは愛の対象としては過去の人で

言わば 別格なので

気にならない。






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いくら彼の心がそこにないとはいえ

片思いのパワーは あなどれない。







彼と一泊の小旅行を堪能し





私たちの街に帰ると

そこはまだ クリスマス。




2008年12月25日(木)



 目覚めると彼の胸の中

彼の車に乗って

楽しみにしていた一泊旅行に行きました。

おそらく楽しい時が過ごせるだろうと

事前に話していた通り

こころ豊かな ひとときでした。







高速をひた走り二時間余り。

途中で おやつをちょっと買って

予定どおり 三時チェックインです。







お部屋は三間 そして専用のガーデンテラスと露天風呂。

お風呂とリラクゼーションとお食事と、

およそ 心地良いと思う事は

全て叶う 心からくつろげる二日間でした。







彼と過ごす数十時間。

当然 初めてのことが幾つかあります。

私は 彼の前で髪を洗ったこともなければ

スッピンで過ごしたことすらありません。








私のそんなささやかな不安は

全くの紀優でした。

彼は ずっとスッピンでいたらいいのにと

そう言ってくれました。







そして






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沢山 沢山 語り合い

心の深いところまで

正直に てらいなく 語り合いました。







彼が

今回の旅で 二人の間の絆が確実に深まった気がすると

言いました。







意外な事もわかりました。

私と 彼の 生活のリズムが ほぼ一緒。

同じ時間に眠くなり

同じ時間に 目が覚める。







目覚めると 私の体は彼の胸の中でした。






2008年12月24日(水)



 自信を持って、どこにでも連れてゆくよ

彼の 好みのタイプが

およそ私のそれとは 大きく違うことは

薄々わかってはいたけれど、

彼は 従来の自分自身の価値観とは別の所にある

私の良さを 心地良いものとして感じてくれ、

その部分で私に心惹かれた

そのことが、今日の私たちを 形成している。







彼は 私の中にある 同志としての強い意思に感動し

それを良きものとして認識し、

あまつさえ 賞賛してくれる。







例えば、彼の窮地にあって

私が的確な筋道を いち早く彼に提示する。

当事者である彼には 見えずらい仕事上の筋が

第三者である私には かえって良く見える事もあるのだ。







そのプランを聞いて 彼が そのとうりだと感嘆してくれる。

そして、なんという大胆で的確な発想だと 賞賛してくれるのだ。

リーダーの資質の一つは 正確なジャッジにある。

占いに頼るトップが意外にも多いのは トップ故の孤独がそうさせるのだ。







また彼は 

今まで女性を簡単に捨て去ってきた そのからくりを

私に説明してくれた。

隣に華やぎのある美人を常に置き

パーティーなどに出席することは

一つの ステータスのようなものだったと

私にそう語った。







美しい事が最優先される同伴者としてのそれは、

プロのホステスである事も多かったそうだ。

美は 歳とともに減衰する。

経年による衰えが見てとれると 

いとも簡単に捨て去ってきたそうだ。







その 自分の中の常識を

覆す存在として 私が現れたらしい。

私を






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心の中で そう誇っていると 彼は言う。







店の者が

今まで連れていた女性たちとは全く違いますねと

たとえ思ったとしても、

僕は 自信を持って 瑠璃ちゃんをどこにでも連れてゆく。










彼の言葉を聞いて

私は 心から嬉しかった。






2008年12月21日(日)



 今更ながら初めて知る

彼が

待ち合わせの時間に少し遅れそうだから

瑠璃ちゃんひとりで 先にあのお店に入っていてくれと

メールが入る。

しかも、予約はしていないという。







予約がない

彼も一緒ではない

彼が常連として遇されているお店。







ドキドキしながら 入店すると

いらっしゃいませと 声がかかる。

空きはあるか尋ねると、あるという返事。

私は ホッとする。

言われた席に 一足先に座して彼を待つ。

そして、

無事 到着して お店に待機している事を

彼にメールし、一安心。









ここで私は





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板さんに

今日のお勧めを聞く。

そうしたら、沢山お勧めがあり過ぎて

一言で言えない

というようなあしらいを受けてしまった。







彼が一緒なら、決してこのような対応は無いのにと

久しぶりに訪れる私は

今更ながら 彼の力の一端を知るのだ。







彼が 五分程してお店に到着し、

私の横に座った。

私は彼に いまの板さんとの会話を彼にちくる。

彼は、

こいつは 調子がいいからなぁ

と、それとなく その場を和やかなものにする。



蟹酢ゼリーのかかったセイコ蟹




お食事を堪能し、

彼が支払う今日の夕食代を

私は 今更ながら初めて知った。

ここはそんなに高くないんだと いつも言う彼だったけれど、

二人で三万では足りなかった。







いままで、彼は私の眼の届かない所で

支払いを済ませていたから

私は 本当に一度のお食事代の価格を知らなかったのだ。







瑠璃ちゃんには、本当に美味しいものだけを食べさせたい。

いつもの彼の口癖が、

今日 私の目の前で 価格として証明されたような気がした。






彼に撮ってもらった街角のクリスマスツリー



2008年12月20日(土)



 彼は 全く自覚していない

彼・私+モデルをしている友人+彼の親友・モデルの従妹で

何度目かの

なんだろう・・・・・・、デートのような ミニ合コンのような

何だか形容のしがたい形態で 

ショッピングや お食事を楽しんで、

彼の車で皆をそれぞれに送り届ける段になりました。














彼が言います。

「瑠璃ちゃんは、僕の横にきて。

従妹さんは 後ろの真ん中、僕の親友とモデルさんの間に座って。」








親友と従妹さんが 接触して座るようにという

彼の采配です。

私は 彼の親友がサイドシートで

女性たち三人が 後ろかなと

事前に想定していましたから、

サイドシートにという彼の一言は 

ささやかに嬉しいことでした。







まず 彼の親友を原宿で降ろし

モデルをしている友人と従妹さんを下ろすために

世田谷公園あたりを走行中、

思い出したように 彼が言いました。






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車内の女性たちは 当然 Yes です。

こういう 小さな気遣いが

女心をわしづかみにする。







彼が無意識のうちに 皆のために良かれと思って言う事が

モデルの彼女を 更に自分に引き寄せる結果になっていることを

彼は 全く自覚していない。









2008年12月19日(金)



 何度目かの ダブルデート+1

彼の親友⇔彼⇔私⇔モデルをしている私の友人⇔友人の従妹

この ⇔ は、

相互に親しいというマークとして認識していただくとして、

この摩訶不思議なつながり。








どこか一ヶ所とぎれたら

五人をつなげるものはなくなってしまうという

実に絶妙なバランスの上で、

五人で飲み会をしました。

飲み会と言っても、場所はフレンチレストラン。







実は 何度目かの

カップルくっつけ作戦とでも言いましょうか。

★彼の親友⇔彼⇔私⇔モデルをしている私の友人⇔☆友人の従妹

★と☆をくっつけるために、

こんな長々とした 交友ラインを作ったという次第。







八時に五人で待ち合わせる前に、

私と彼は

一足お先に 軽く夕食を済ませます。





今夜訪れたこのお店。






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真っ暗で とても営業しているとは思えない

そんな階段を上って

インターホンを押すと ドアが開く。







全く 一見さんでは たどり着けない

知る人ぞ知る 美味しい子羊を食べさせてくれるお店です。







今夜の くっつけ大作戦が

うまく運ぶよう ビールで彼と乾杯です。






2008年12月16日(火)



 年末ジャンボ宝くじ

彼と待ち合わせをして

予定より少し早く着いてしまった私は

何の考えもなく

年末ジャンボ宝くじを買いました。

連番10枚 バラ10枚です。







買って それをお財布にしまうころ

彼の車がやってきました。







年末の人が行き交う渋谷。

さっくり 乗り込みます。







「瑠璃ちゃん、何を買っていたの?」

「宝くじ 20枚。」

お財布をバッグに直していた私を見たのでしょう。

彼がそう尋ねました。

彼がつづけて言います。







「当たったら もし、三億円当たったら どうするつもり?」

明るく尋ねる彼に 私は答えて言いました。



「当たる訳ないわよ。

せいぜい当たっても 10万円とかそのくらいじゃない?

もし10万円当たったら、パッと二人で使いましょ。」


そういう私に 彼が言いました。







「んー、三億円当たったら、

僕と一緒に逃げるのくらい、言って欲しかったなぁ。」


彼は 本気とも冗談ともつかぬ感じで そう言いました。

その声色には 

半ば本気がまじっているように 私には感じられました。







「あら、貴方がその気なら じゃ私もそのプランに乗るわ。」

私も 冗談なのか本気なのか 判らぬ風情で答えます。

「でも、あなたは いまの責任を全て投げ捨てて

私と海外逃亡できる?」


私は とてもそんな事は出来る訳がないと そう言いました。







「僕の責任なんか 丸投げしたところで 所詮他人だ。

瑠璃ちゃんは 大切な肉親を 捨てられないだろう。」


私は 彼が全てをなげうってもいいと本気で思っている事に

驚きました。







「あら、貴方がそこまで覚悟を決めているのなら

私だって すべてを捨てられるわ。

でも、」







私は 私たちが一緒になったとしても






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私のその予測に

彼は 

「あぁ、それはそうだな。

そうなったら、瑠璃ちゃんが可哀想だ。

やっぱり、逃げる訳には いかないな。」








彼が

私との生活を

本当は 強く願っているのだという事が実感され

その 彼の気持ちだけで

私は満たされる思いでした。







「じゃあさ、当たったら

都内の一等地に 一億円くらいのお部屋を買って

そこで たまに二人で過ごして 

そこを 互いのこだわりのインテリアで埋めましょうよ。」


「いいねぇ、そうしよう。」







三億なんて当たる訳がないのに

真剣に シュミレーションをしてしまいました。









2008年12月13日(土)



 ここは彼と過ごす街だから

かつて

互いに恋し 求め合い

万障繰り合わせ 会おうとした

かつての恋人は、

すっかり普通の友達と化していて、

ときめきは 微塵も残っていない。







それでも、

年に数回 どちらからともなく

会おうといいだす

そのこころは、安心感や信頼感といったものだろうと思う。

相互に理解し合った過去だけが

おそらく私と 元彼を結びつけている。







心の通わない 新規の友達といるよりは

元彼 元カノと一緒にいるほうが

数段 楽しい会話が持てるのだろう。

しかし、ときめきの感じない異性と時を共に過ごす

ある種の空しさというか 徒労感は 何なのだろう。







たぶん、私に彼がいなければ

今夜の元彼とのデートも

もっと心弾むものになっているのだろうと思う。






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元彼とでかける二時間ほど前に

彼から電話が入った。

彼とは 話すべき別な話題が沢山あって、

それは 心弾む楽しい会話だった。

今夜の相手が

彼でない事が とても残念のような気すらした。






元彼は いつもと変わらぬ明るさで

夜の銀座からお台場をぬけ渋谷へと車を走らせる。










特に 渋谷に差し掛かるとき

私の胸が 小さく痛んだ。

私の中では

ここは、元彼とではなく

彼と過ごす街なのだから。



2008年12月12日(金)



 恋愛におけるスパイスとしての元彼

彼の過去の女性と

彼の現在の女性の話を

めったにすることがないように

私の過去の男性の事を彼が聞いたり

ましてや、単なる今の男友達の事を彼が私に聞くことは

まずない。







実は 彼には言っていないのだけれど






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彼は 意外と

いえ、かなり本心では 嫉妬深いだろうと思う。

しかし、それを決して表だって表すことはしない。

電話の数が増えるとか

該当時間に電話がかかってくるとか

そのようなさりげない嫉妬の仕方をする。







だから、

私は余計な心配をさせたくないのだ。

たかだかロードショーに行く程度で、

背信という訳でもなく

昔の感情が いまの彼に対する感情に勝つ訳もない。







でも

彼に告げて ロードショーに出かければ、

私たちの関係にとって

多少のスパイスにはなるだろうと思う。



2008年12月10日(水)



 読まれている。

お寿司屋さんのカウンター席で

ひとしきり夕食を

彼とともに堪能し、

座いすがセットしてある掘りごたつ形式の

その座面を立つとき




ずれた座いすと小座布団を

カウンターと並行になるように正し

その場を去ろうとした時

彼が言う。







「瑠璃ちゃん、いい女だねぇ。」







フレンチやイタリアンなら、こんな事はしない。

それは ギャルソンの仕事。

でも、和食のそれとなると 事は違う。







「発つ鳥 後を濁さずの如くよ。

乱れた座面を残して去ることは 女がすたるわ。」


私は彼に そう説明する。



彼を大切な常連客として認識しているこのお店

彼が立つとき、何人もいる板さんの一人が

彼の靴をすかさず揃える。

それを見た彼が 板さんに優しく言う。

「寿司職人が 客の下足など揃えたらいけない。」







そういいながら

自分といえば、

私のハイヒールを私の足元に揃えている。

寿司職人に下足を触らせまいとするその彼の心意気が

私のハイヒールを彼に揃えさせる。







こういう 細かな心配りができる人

相手の立場を読み尊重し立てることができる人。

彼といるという事が私に教える リーダーとしての資質。

彼からの学びがある限り

私は 彼を尊敬し続けることができる。







このあとまだ仕事があるといいながらも

仕上げのバーに 私を連れていこうとする彼に

一日の締めくくりとしての時を

大切扱おうとする彼の心にうたれる。







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今日のフルーツが ほの暗いバーカウンターに並んでいる。

いちご 洋ナシ ザクロが見える。







心の中で ザクロがいいかな

と、

思う間もなく

彼が 私のためにカクテルをオーダーする。







「彼女に ザクロのカクテルを。」







どうして 私の心が読めたのと聞けば、

「いちばん最初に 一番好きなものを食べる瑠璃ちゃんだから

やっぱり それなら今夜はザクロでしょう」







読まれている。







2008年12月08日(月)



 彼の車の

いつもの場所で

彼にピックアップしてもらい

彼の車で移動する。


渋谷から新宿に向かう道すがら。

五時退社の人々が帰宅する時間帯、

まだ雨が降っていないその時間帯に

彼の車に

乗る。







冬の季節がまた巡り

去年と同じことが繰り広げられるはずなのに

いや、確かに同じ事が




例えば それは

私にコートを着せかけてくれる彼の所作であったり

そのコートの襟足に入った

私の髪を かきあげ コートの外側にふんわり戻してくれる

所作だったりする。







あぁ、この人は 昨年と同じように優しく私を包んでくれる。







でも、なぜか

今年初めて 経験することがあり、

それは どうしてなのか よく判らないのだけれど





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どうしてだろう。

車が変わったわけではないのに、

どうして昨年は このことに気がつかなかったのだろう。






それとも、彼が

今日の寒さに 雨交る寒さ故に

そっと 事前にスイッチを入れてくれたのだろうか。







それとも

昨年の冬は タクシーだけだったろうか・・・・・・。

私も よく覚えていないのだ。

でも、今夜のその温感は

初めての経験

間違いなく。







どうして なのか

彼に聞けなかった。







他の女性が そこにかかわっているかもしれないから

私は 聞けなかったのだ。

思いすごしだろうか。







信号待ちの彼に

今年のクリスマスツリーを 写メしてもらった。

いつもと変わらぬ優しさで

私のケータイに 私が欲しがった画像を 写しこんでくれる彼に

懐疑など 無いのだけれど。





2008年12月07日(日)



 真価が問われる時

年末に向けて おい込みの仕事がいろいろあり

思うように会えないとき

彼からかかる電話は 愛情生活そのものの様相を呈する。









毎日のように 頻繁に会える時は

業務連絡的に

何時に どこどこで 落ち合おうとか

たぶん予定どおり事が運ぶから 夜会おうとか

10分遅れますとか

もう現着しています。待ってます。

などという短い電話が増える。







一番いいのは

もちろん 会っているときなのだけれど、

しばらく都合がつかず会えずにいて

久しぶりに会えるという その数日前くらいの

会話が

もしかしたら 一番ときめくのかもしれない。







早くおいで とか

もうすぐ会おうね とか

待ちどうしいなぁ とか

希望と期待にみちた内容になる。








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私の真価は その時問われるのかもしれない。




2008年12月06日(土)



 

恋も二度目なら

少しは 上手に

愛のメッセージ 伝えたい

貴方のセーター 袖口つまんで

うつむくだけなんて・・・・・

帰りたくない

側にいたいの

そのひと言が 言えない。






来生たかおさんのメロディーに

来生悦子さんの詩が乗った この歌を

彼の眼を見ながら つらつら歌える己は

とても そのひと言が言えないはずはないのだけれど、

それが実は 言えない。






同じように

私の眼を見て

愛の言葉をささやいてくれる彼に

私は どうしても笑ってしまう。

この天邪鬼加減は いったい何なのだろうと思う。







おそらく

間違いなく

私は 彼と暮らしてみたいのだ。

朝 キングサイズのダブルベッドの横には毎日彼がいて

彼がたまに入れてくれるコーヒーで目覚めて

ふざけながら朝食を用意し

互いの仕事に行き

夜になれば 二人で食事をし

また寄り添って 眠る。

そんな暮らしを してみたいのだ。







それは 結婚ではなく

永続的に続く 愛情生活であってほしい。







ひとつ残らず すべてのお皿の食事を分けあい

どこを どう触れても 互いに拒むことをせず許しあい

共に バスルームで過ごす事を希望し

一秒でも 長く時を共有することを

共に望んでいる。







しかし 叶わない。

つくづく 人は 社会生活を営む種なのだと

責任と立場が 私たち共通の願いである

共棲を拒む。







私たちは

口にこそ出して言わないが

知っているのだ。






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其れゆえに

互いに求め 互いを独占し 縛り合ってしまえば

私たちは 私たちではなく

ただの輝かぬ 男と 女になってしまう。







それでも 強く求め合えるだろうか。

輝かぬ つまらぬ女を

輝かぬ 平凡な男を

私たちは 求めるだろうか。







否 だ。




2008年12月05日(金)



 彼故に 輝く

彼が私を

三島が自決する前夜

1970年、楯の会のメンバー五人と最後の晩餐をした

新橋の末げんに連れて行ったのは

偶然ではない。







彼の根本思想は 左傾化した日本の戦後思想に

拮抗するような 右派のそれだ。

私の友人は 押し並べてその傾向にある。

その思想的シンクロが 

私と彼を結びつける決定的な要素であるといえる。







鳥割烹・末げんで

かま定食やたつた揚げをオーダーし

二人でシェアする。

美食で小食の彼は 単一のものでお腹を満たすことはしない。







定食ものもまじるランチのメニューを

ランチタイムに シェアして食べている男女の二人連れは

私たちぐらいのものだ。

彼は 全く気にするそぶりもなく

私と それらのランチメニューを 分け合う。






食にこだわりのある彼は

最適な食しかたを 言葉の端に織り込みながら

私の反応を 面白がって見ている。







愛するひとと 共に取る食事は

基本的欲求に基づくプライベートなものであるが故に

濃密で 本能に触発するような悦楽がある。

この悦楽を知ってしまうと

この人以外の人と 共に食事などしたくないという

そのレベルの 魂の解放と快感を得るのだ。











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彼のエスコートなら

最高のサービスが受けられる事を知る私は

彼故に 輝くのかもしれない。





2008年12月04日(木)



 参院で国籍法全会一致で通過、明日本会議で可決。

甚だしくジャンル違いだが、

どうしても書いておかなければならない。







本日12月4日 

参院法務委員会で父母の婚姻を外すことなどを柱とする

国籍法改正案が、全会一致で可決された。

全会一致の意味は 申すまでもない。

そこにいた全員が賛成したという事だ。

しかし、当然全会一致など する懸案な訳がない。







前回の衆院通過の際には、反意を表明していた心ある

西川京子、戸井田とおる、馬渡龍治、古川禎久、牧原ひでき、

飯島夕雁、松本洋平、平将明、林潤、木挽司

の、10名の代議士は 採択の際 退席した。







今回の参院では、

何かご意見はあるか?という議長の問いかけに対し
 ↓
自民党・丸山和也議員が挙手し、
 ↓
丸山議員はこのような審議のやり方はだめだ・・・・と言いかけると、
 ↓
内容を記録するペンと放送を止めるように指示が出、議場の速記が止められる。
 ↓
丸山代議士は、隣から袖をつかまれて、何やらやりとりをする。
 ↓
委員会にざわめきが広がる。
 ↓
ヤジが飛ぶ。

「自民党なにやってんだー!」、「国対委員長は何やってんだ!」

「党内で統一されてないじゃないか!」
 ↓
誰かが「休会しろー」と声がかかる。
 ↓
丸山議員が着席する。
 ↓
議場の速記が再開される。
 ↓
議長が、採決をする意思を表明し、
 ↓
形式上の全会一致で 国籍法改正が参院委でも可決した。



という流れを取ったのだ。





今更 この国籍法改訂のの問題点を列挙するのも何だが、

一応 簡単に説明すれば、

婚外子の日本国籍が

日本人男性に認知してもらうだけで取得できる改訂だ。

本人たち(父と名乗る日本国籍を有する男性と、内妻もしくは19才以下の子供)の申告だけで

日本国籍が与えられる。

それが事実であろうとなかろうと

基本的に 口頭申請でこれからは日本国籍がおりることになる。







付帯決議として次の二項が かろうじて付加された。

〈1〉国籍取得の届け出に疑義がある場合、父子が一緒に写った写真の提出をできる限り求める

〈2〉施行状況を半年ごとに国会に報告し、科学的な確認方法の導入を検討






嘘か本当か疑わしいケースは、 

なんと一緒に写った写真の添付でいいらしい。

こんな国籍の 大安売りをする国は アイルランドくらいだろうか。






不正取得に対する罰則は

20万円以下の罰金、懲役1年以下と、抑止効果は無きに等しい。







ちなみに

欧州では既にDNA鑑定が制度化している。

イギリス・デンマーク・ノルウェー・オランダ・フィンランド・ベルギー ・

ドイツ・イタリア・スウェーデン・オーストリア・フランスなど

12カ国が導入済みだ。






当の日本国法務省倉吉民事局長は 何と言っているかというと、

DNA鑑定をすると家族関係不和が生じる恐れがある

鑑定結果の信用性がも省・役所の窓口では判断できない

鑑定には相当の費用がかかるので迷惑をかけることになる

外国人に対する不当な差別にあたるのでDNA鑑定は不適切。

このような認識をしている。







日本国籍が欲しい外国人によって

国籍詐欺が横行している現状を

見て見ぬふりをし 今回の国籍法改訂を全会一致で採択する

私たちの選出した国会議員とは 何を目指しているのだろう。







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ここは、三島由紀夫が幡ヶ谷自衛隊で自決する前夜、最後の食事をした割烹です。

2008年12月03日(水)



 とても彼には見せられない

円高がとまりません。

今日のレートは 対ドル 93.023円

対ユーロ 117.632円。





九月のリーマンショックが起こる前は116円程度まで持ち直していたのに

三年前なら、123円前後が当たり前だった。





彼が言う。

「瑠璃ちゃん、元気だね。」

資金繰りが大変な彼の 昼間の口調はため息交じり。

わたしは、毎日かかってくるとは言え、

愛している人からの電話が 嬉しくない訳がない。

自然、言葉も 弾んでしまう。







深夜 このごろとみに彼から着信することが多くなった。

昨夜の彼は 私にしきりに謝っていた。

私が熟睡し始めた時間帯に ちょうど帰路につく彼が

私をおこしてしまう事を自覚しながら

それでも私に電話をして

伝えたいことは いつも三つ。







愛している と、いうことと

おやすみ瑠璃ちゃん と、いうことと

送話口にkissをすること。






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それだけに、立ち上がればこれほど固い仕事もないのだろうけれど、

準備にかなりの時間を費やしている。







その疲労と、マルチ展開しているレストラン経営と

本業が別にあるものだから

いよいよ 彼の疲労は深い。







愛している人の横に座り

今日もバーで グラスを傾ける。

彼は 私がカクテルの画像をコレクションしていることを知っている。

でも、ここに貼っていることまでは 知らない。





設計士の彼は

毎日 エンピツに読みにきたけれど、

今の彼には 何も話していない。







前彼の事が書いてある 日記など

とても 彼には見せられない。






2008年12月02日(火)



 Rの能力、友人のタレント、彼の人脈。

今日

久しぶりに Rにメールを入れてみた。







なぜ そんな事をしたのかと、尋ねられれば

Rの能力を借りたかったからに他ならない。









Rとは 数年前に会ったきり。

またね と、互いに笑いながら

私の車を降りて 父母の待つ家に戻って

その後、ケータイでメールを何通か交わし

友情を温めていたつもりだったけれど、

いつしか、ケータイのアドレスが変わり

MSNのメッセンジャーも消え

残されたものは、おそらくPCのメールだけになっているハズ。







そのPCに

私はケータイから短くメッセージを入れたのだ。

「ちょっとご相談があるの。

メールでは伝えきれないほど長いから、

電話を入れていい?」








それは今日のお昼の話。







未だRから 連絡はない。







私はRに 

今更の恋愛感情を持ち出したいのではない。

私には 既に彼はいるのだから。







Rの力を借りたいのには訳がある。




私の大切な友人である人に、





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どうしても、Rの能力が欲しいのだけれど、

それは私の 傲慢だろうか。







出来れば、Rを

私の彼と 私のその友人と引き合わせ、

三者の共同プロジェクトに仕立て上げたいとすら

私は思っている。







かつての恋人を

今の彼に引き合わせ

さらに 純粋な友人をも巻き込むことは

無節操な事だろうか。







いずれも 非常に特異な才をもつ 

働き盛りの頼もしさを持つ男性だ。


2008年12月01日(月)
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