NINJA-SYSTEMS
るり子の日録【オリーブの森で語りあう】
るり子の日録【オリーブの森で語りあう】
るり子



 ご挨拶にかえて

 自己紹介にかえて

忘れていたこのページが未だ生きている。

そう思ったら何かを書き残しておきたくなりました。

迷ったのはジャンルです。






『苦悩』 にいきました。・・・・・・そんなに真剣じゃない。

『文芸』 に行きました。・・・・・・そんなに高尚じゃない。

『読書感想』 ならどう?・・・・・・そんなに本を紹介できない。

『映画』 は?・・・・・・・・・・・たまにはいいかも。





静かな日常を選んだのは、

上記のすべてを含んだテキストを

ぽつりぽつり書き留めるのに丁度いいと思ったから。

ずっとここにいられるかわからないけれど、

とりあえず、とりあえず。^^







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タイトルは、

私の

おそらく

運命を変得ることが出来た人が、一番好きだった本から採りました。

画像は、その彼の本そのものです。

私の手元に それはあります。









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小さなフォト日録  

生村スパ王34丁目6番地 ここにも居ます(笑)仲良くしてね。



BBS


2003年05月01日(木)



 ファンデーション

まだこのIDが生きていたから

ここで少し ため息をつこうかなと 思っています。






昨日、本棚の整理をしていたら

元彼が

大学を卒業する時に

もっと言えばソレは

元彼がアパートを引き払うときなのだけれど、

私に持たせてくれた本たちを見つけました。







元彼は

すばらしい 頭脳を持った

すばらしく ハンサムな

人でした。






国立の数少ない芸術系の理学部に在籍していた人でしたから

彼の書棚に在った『源氏物語』は

とても奇異な感じがして

私は一番にそれを手に取りました。





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私は彼によって

誠実に生きるということを学んだ気がします。

今でも

悲しくなるのは

少しだけ悲しいのは






彼が差し出した手を 

自らの手で振り切ってしまったことを






後悔しているからでしょうか。






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BBS


2003年05月11日(日)



 言の葉は、季節外れの生暖かい風。

谷川俊太郎さんが好きです。







これは、

谷川氏が詩人の目を持って選んだ

様々な作家の愛の詩が71作収録されています。





女の愛

【ただ愛のために私を愛してください】





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それぞれの扉にかかれたサブタイトルは

男女間の愛の 深い隔たりの岸を見るようです。





くいのない人生など ありはしないと思っても

選択できない人生がある。


どうしても選なかった人生は

やむなく選なかった人生だと思うことで、

心の深く 奥深くに封印しているけれど、

その人の残した 誠実さという名の私の中の人格は

時に鮮やかに前面に出て

私を打ちのめす。





るり子は一日家にいて

僕の帰りを待っていてください。

そして

その日読んだ本を、仕事から帰ってきた僕に

毎日話して聞かせてください。

それを、君の仕事として

僕の傍で

一生寄り添って生きてください。





鮮やかによみがえる言の葉は

季節外れの 生暖かい風。





涙まじり。





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BBS


2003年05月13日(火)



 涙まじりのため息は、夜の闇の贈り物。

風と共に去りぬが好きです。









メラニーのようになりたいと思うけれど

スカーレットのように、わがままに暮らしています。







この本は、

かつての私の恋人が

古本屋さんで見つけて求めてきてくれた本でした。



私の好きな作家の

生涯でたった1作だけの

更にレアな メイキングのようなこの本を

手渡されたときの驚きと感激。



でも、

むしろ今の方が

とても贅沢なその人からの愛であったと思えるのは、


人生の

時に絶望的な気持ちにさえなる 人の悲しみや

馥郁たる喜び

芳醇な共感といったものを、

やっと理解し始めたからでしょうか。






彼は横須賀に 今も勤務しています。

でも、

敢えて連絡は取りません。





なぜなら、

現在別の彼と

互いの心を分かち合っているからです。



その人は、

都内に住む商業ビルを得意とする一級建築設計士です。

彼もまた





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などを好んで読んでいるようです。






五月の薫風のような

澱むところのない快活な今の彼に



日々の

何気ない心のふれあいの楽しみと



少しだけ先の

人生の希望を重ねています。







深夜書いたものを、

一部訂正して午後のティータイムに 送信する事にします。


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BBS


2003年05月16日(金)



 錦繍のような感情

私に宮本輝を勧めてくれたのは

元彼でした。









彼が宮本輝を好きだという訳はすぐに判りました。

文章の構成が

かっちりしていて

宮本輝の 論理的思考というか頭のよさが

彼の本からストレートに伝わってくるからです。

元彼は私に『錦繍』を薦めてくれました。





元彼と街を歩くと、

不思議なことがよく起こりました。

すれ違いざまに

女性が

様々な反応を示すのです。





上気してうつむき加減で通り過ぎる人

顔をさりげなく見ながら微笑む人

軽い好意の視線を送ってくる若妻風のグループ





彼は自分の外見上の魅力にさほど気がついていませんでした。

顔立ちの綺麗な人は

幼い頃からずっとその種の視線を受け続けているので

その意図するものがわからないのでしょう。




元彼が

人の資質として何より大切にしていたものは容姿などではなく

知性だったという点もひとつにはあります。






現在、一部上場企業の研究開発をしている元彼は

恵まれた容姿とその頭脳により、

一見パーフェクトな人格を備えているように感じられますが、

覆しようのないコンプレックスがありました。





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研究開発者になる者として、それはある分野では致命的です。

私が彼の子を胎内に宿したとき

結果的に産むことはなかったのですが、

彼はそのことをとても危惧しました。

でも、

私にはそんなことは全く気にならなかったのです。

辛い理由は

もっと別のところにありました。





今となってはどうでもいいことです。







僕の子は可愛くないの?と言った彼の言葉が

私の胸に 永久に刺さり続けるだけです。







この本は純文学作品ではなく、

宮本輝のシルクロード旅行記とも言えるエッセイです。



文学作品というより

『本を積んだ小舟』『命の器』等の

宮本輝自身の生活観を綴ったような

エッセイ集を

私は好きになっていきました。






でも、

『泥の河』『蛍川』『道頓堀川』

生活の貧しさと 豊かな心の切なさが入り混じる

川三部作も 好きです。






私は多分 宮本輝が一生好き。

それは

元彼を生涯思い続けるだろう私の

啓示のようなものです。





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2003年05月17日(土)



 ダニエルキイス、二冊

元彼が私のお誕生日にプレゼントしてくれた本は、

ダニエルキイスの『アルジャーノンに花束を』でした。







これは同じ作家の別な本です。




アルジャーノンに花束をは

少し前にテレビでもドラマ化されていたようでしたが、

大抵の場合

ドラマは原作に及ばないことが多いので、

私は観ずじまいでした。







ラストが泣けるよと






墓前に花束をと言った台詞が

元彼の心をひどく捉えたようでした。







彼との別離は全く間違っておらず

結果として まったく正しいのに。

どうしてこんなに 心が残るのでしょう。





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そう言っていた元彼が





るり子は強く生きていけるよ。

でもね、この子は駄目なんだ。


僕がるり子を欲したのと同じくらいの深さで

僕だけを愛し欲している

この欠点だらけの女の子を


僕の力で一生支えていこうと

そう思うようになったんだ。





彼がそんなことを言う日が来るなんて。








元彼が 私から離れて生きていけるはずがない。

そこまで言い切るほど

私には絶対の自信がありました。






その私の 愚かさゆえに






私のラストも、喜劇のように泣かせるでしょう?





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BBS


2003年05月19日(月)



 少しの間、日記をスクランブルします。

私には現在、

恋人がいます。



そして、

その恋人との日々のちいさな感動を

忘れがちな小さなことを

書き留めておくことを目的としていた

はずの

日記があります。






下方にリンクしている

「るり子の日録【愛が終わる日】」

がそれです。





そこで本来綴るべきことなのですが、

彼が目にする事がわかりきっている

その場で

私は彼に自己嫌悪しか引き出さなくなっている

現在の私という存在を

晒す訳にはいかなくなったと考えています。

彼は

検索してあれこれ日記を読む人ではありません。

だから、

ここが彼の目に触れることはまずないでしょう。

最小限のダメージで

今回を内省したい

そう思います。





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初めてここにたどり着いてしまった方は、

恐れ入りますが、

下のリンクから

5/21・22・23

くらいの【愛が終わる日】をお読みいただければ

一連の感情がすこしご理解いただけるかと思います。






貴重なお時間を

私の不遜なお願いにより、

つきあわされることになってしまった方には、

心からの感謝と謝罪を

申し上げます。






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BBS


2003年05月20日(火)
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