★裏に置くほどのエロじゃないのですが、ちょっとエロです、ご注意★
カーテンを開いたままの室内は、まばゆい光に満ち満ちていた。 白いシーツも光の反射を受けて、目を開くこともままならないくらいに眩しい。
身体を隠すものを何一つとして纏わず、その光の中で余すところなく全てを蛮の蒼い瞳の下にさらけ出して、銀次がうっすらと瞳を開く。 その琥珀の色は光に透けるような茶色になって、身体を支配しながらも自分を包み込むような柔らかい眼差しで見下ろす男の顔を、頬を染めて愛おしげに映している。
「あ・・・・・」
腰を抱え直され、より一層深く繋がった感覚に、ため息とともに甘い声が漏れた。 少しの痛みとともに、身体の奥深くで擡げる快楽に、もっとそれを意識の中で感じようとして、きゅ・・ときれいな眉を寄せる。 その切なげな顔は、いつもの童顔には似ず、妙に艶めかしくて。 蛮が、含み笑いを漏らしてその眉間に唇を寄せる。 ぴく・・と震える瞼にも口づけると、銀次がねだるように薄く唇を開いた。 それに誘われるようにそっと、男にしてはやわらかすぎな形の良い唇にキスを落として、ゆっくりと唇の弾力を味わってから舌を合わせる。 それを絡めて、角度を変えながら何度も何度も眩暈がするまで深く長く口づけて、やっと唇を離してやると、息を忘れていた銀次の喉が空気を求めてひくりと動いた。 口の端から滴り落ちる蜜を吸い取るように追いかけて、頬から耳の下の窪みまでもを蛮が口づけで辿る。 少し汗ばんだ肌が、唇に心地よい。
「は・・・・・ぁ・・・・」 「・・・もう、大丈夫か?」
身体を押し入られる圧迫感に、やっとどうにか馴染んで銀次が頷く。 何度も身体を合わせているというのに、この瞬間だけがどうにも慣れない。
「う・・ん・・・・」 「・・・・・動く、ぜ・・?」 「ん・・」
「・・・・・・・・ア・・・・!!」
短く叫んで、揺さぶられる衝撃に、銀次の身体が蛮の身体の下でしなやかに跳ねる。 シーツの上で互いに絡ませ合った両手の指に、銀次がぎゅっと力を込めた。 それを握り返してやりながら、甘い声で鳴く唇にもう一度深いキスを落としながら、解放の瞬間までの甘い道程をゆっくり楽しむように、蛮が銀次の身体をゆるく揺り動かす。 殊更それがゆっくりなのは、今に焦れた銀次が可愛い切羽つまった声で自分を呼びながら、もっと・・と、より早急な動きをねだるのを愉しむためだ。
「蛮・・・・・ちゃ・・・・・ぁ・・・・」 「・・・・んー?」 「・・・・・なぁんか・・・・・・スゴイ・・・・・・気持・・・ち・・・・イぃ・・よ・・・・・・ぉ・・!」
潤んだ瞳を薄く開いて、感じ入っているような上擦った声で銀次が言う。
「・・・・・まだ、イクなよ・・・?」 「ン・・・・・! あ、でも・・・・」 「・・もーちょい、我慢しろっての・・・」 「だって・・・・ぁ・・・・・はぁ・・・・・ア・・!」
顎を上げて快楽に耐えながら、頬を朱に染めた銀次が、ふと何かを思い出したかのように小さく微笑む。
「・・蛮ちゃんに・・・ね・・・・・・こうやって・・・揺すぶら・・・てっと・・・・・・」 「んー?」 「・・・・なんかさ・・・すごいキモチ・・・・よくって・・・・・まるで・・・・ゆりかご、みたいで・・・・」
「・・・・・あ゛?」
・・・・・・・・・・ゆりかご? どういうたとえだ、そりゃ・・。
これまでの甘ったるいムードが、まるでゆりかごの赤ん坊の泣き声にでも遮られたようなカンジで吹き飛びそうになるのを、蛮が気を取り直し、ついでに銀次の足も抱え直してそろそろ仕上げに・・と思ったところで、幸せそうに目を閉じていきながら銀次が言った。
「なぁんか・・・・・・・安心しちゃう・・・っていうか・・・・」 「・・・・・あ゛ぁ?」
安心してる場合じゃねえだろう? この体勢は、どう見ても、よ。
「・・・・なーんか、ホントに、キモチよくて・・・・・ ねむ・・・・」
「え・・・?」
そこで言葉が途絶えたことに多大な不安を抱きつつも、恐る恐る顔を近づけ、蛮が目を閉じたまま何も言わなくなった銀次の顔を凝視する。
「・・・・・・おい・・・?」
「・・・・・・・・」
「銀次・・・?」
「・・・・・・・・すーすー・・・」
「テメエ・・・・・」
唇から漏れる規則正しい息に、蛮の顔がみるみる険しくなっていく。
「―― ヒトが頑張ってる最中に、寝るなあああああ!!!!!!」
いや、ま、そりゃあな。 確かに、と蛮が思う。
なんか眠いーとは言ってやがったが、それを無理にその気にさせたコッチもちっとは悪いが! しかも、これで、いーちにーい・・・・・ 何回めだ? ともかく、疲れ果てて寝ても全然おかしくない状況だったってことは、認めてやらぁ! この際、1万歩ぐれぇ譲って許してやるとしてもだ! もっと前とか後とかに寝るならわかるが、入れて揺さぶりかけて、さあコレからフィニッシュに向けて追い上げ追いつめ追い越してという、その一番肝心要のその時に!!!
――寝るか!!??
殺すぞ、テメエ!!!!
畜生、こうなったら、オマエの知らねえ間に、うーんと恥ずかしいポーズ取らせてヤりまくって、デジカメで色んな角度からソレ撮りまくって、後で思いっきし辱めてや・・・・・
暴言を思い切り頭の中で吐きまくる、そんな蛮を知って知らずか、銀次がう・・んと蛮の下で身を捩る。
「ば・・・・んちゃあ・・・・ん・・・・」
むにゃむにゃ言いつつ口元に笑みを浮かべ、甘えをたっぷり含んだ幸せそうにとろけそうな声が蛮を呼んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
よからぬ発想に風船のようにパンパンに膨んでいた頭が、針を刺されてそこからぷしゅ〜と空気が抜けていく感覚がして、蛮がはー・・・っとため息をつく。
まー・・・。 しゃあねえか。 今日のところは・・・。 許してやっけどよ。
―― クソ・・・!
どうにもこうにも、ここまで銀次に甘い自分にちょっとがっくりと落胆しつつも、蛮はまだ突っ込んだまま、さてどうしたものか・・と銀次の上で思案した。
天気はすこぶるいい。 カーテンが風に揺れて、光が白い壁とシーツに乱反射する。 あたたかい緑の風と、あたたかい銀次の体温。 昼寝にはもってこいだ。
「ま、いっか・・・・」
蛮はあきらめたようにため息をつくと、すうすうと眠る銀次の無邪気な寝顔に笑いをもらし、その代わりにとばかりに首筋のやわらかい肌に唇をよせると、きつく吸い上げた。
「ん・・・」
小さな甘い痛みに、銀次がわずかに睫毛を震わせる。 だが、それもすぐに、また規則正しい寝息に戻った。
言っとくけどよ。 オレ様をコケにした罪は重いぜ、銀次ィ! これ、消えるまではぜってー許してやんねえかんな・・・!
その耳に言い聞かせるように囁いて低く笑むと、薄い唇に無理矢理誓わせるように口づける。 それが届いたかどうかは定かではないが、銀次が白い光の中で、またさっきと同じ甘ったるい幸せそうな笑みを浮かべた。
END
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うわあ、ゴメンナサイごめんなさい!!! なんだ、どうしたんだ、何が書きたかったんだ!!! いや、エロのようなそうでもないような、シリアスのようなコメディでもないような・・・。 そういう話が書いてみたいなあと・・・。強いていえば、昼メロというか・・。 イレてるのに、裏に置いてなくてスミマセン! イレてるのに、エロにならなくてスミマセン! ああああ、謝ることがこんなにたくさんあるSSってどうなの・・? 「愛のイナズマ」の続きを書く前に、ちょっとウォーミングアップをしてみたかっただけなのです。 どうも、私のエロはエロくないような気がしてー。 も、申し訳ありません・・・。
で、蛮ちゃんは、これからどうしたかというと。 とりあえずは、もちろん(・・・・もちろん?)中で一発ヌいてから、銀次を抱きしめてお昼寝したみたいです。 ハイv
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