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2014年08月10日(日) |
【不定期ながらお馴染み】怒濤のカッチーニ。 |
◆色々と世の中が大変なときですが
夏目漱石が「草枕」の冒頭に書いているように、兎角に人の世は棲みにくいのですが、
棲みにくい世の中でも、束の間でも棲み易くするが故に、あらゆる芸術の士は偉大である、と。
本当ですね。他の人間の営みは政治でも経済でも誰かの何らかの欲の引っ張り合いになりますから
どうしても醜い。音楽家の世界とて、そういうことがあるのは知っていますが、
少なくとも、何百年も生き残っている「音楽」そのもの。「美しさ」そのものは
変わりません。作曲家が命を削って書いた音楽を、演奏家が何十年もかけて磨きあげた技術で演奏する。
そこには「美」そのもの、が見えます。
◆世の中では、最近、珍しい曲をプログラムに載せるのが流行りですが。
まあ、これは周期的に、こういう時期が来るのですね。
ベートーヴェン、ブラームス、マーラー、とか、一応の有名曲全部演奏しちゃうと、
珍曲探し、みたいの。中には名曲もありますが、無名のまま埋もれていただけあってつまらん曲もあります。
私が、ここに音楽載せはじめたのは、今までクラシックなんて、という人にも聞いて頂きたかったからで、
実際、手前味噌になりますが、弊ブログを読んで
いままで、ロックだったが、バッハを聴き始めた
とかですね。
これがきっかけでピアノ(ヴァイオリン)を習い始めた。
という、嬉しいメールを頂戴したこともあります。また、
今まで協奏曲といえばピアノとヴァイオリンしか、知らなかった。トランペット協奏曲など初めて聴いた。
というコメントも頂戴し、大変嬉しいですね。
素人の知ったかぶりでして、それをプロもご覧になっているようで、汗顔の至りなのですが・・。
◆8月10日は誕生日でして、メンドクサイことを書くより過去、好評だった「カッチーニ」にします。
1960年8月10日生まれですので、54歳になります。42歳になる年にこの日記のもと、
ウェブ日記エンピツで書き始めて12年です。所感を書こうか、と思いましたが、
最近の世の中は憂鬱なことばかりで、なんだか愚痴になりそうですので、音楽にします。
手抜きで、済みません。
「カッチーニのアヴェマリア」はカッチーニの作ではないらしいとのことですが、
そう言う厳密なことはどうでもよく、あくまでも「カッチーニのアヴェマリア」であることにします。
あまりにも美しいので色々な演奏家が取り上げています。過去に何度も取り上げたのですが、
また久しぶりにお聴き下さい。
前回と逆の順番にします。
◆森麻季(ソプラノ):カッチーニ アヴェマリア
Caccini Ave Maria (Maki Mori Soprano)
私が「日本音楽史上最も優れた声楽家」と今でも信じて疑わない、森麻季さんです。
アヴェ・マリアから。
この方は、コロラトゥーラの超絶技巧もさらりとこなすほど勉強されてますが、
まず、声が上品で良く通り、フレージングやアーティキュレーションに「音楽的教養」を感じます。
実に美しい。
◆池松宏 (コントラバス):カッチーニ アヴェ・マリア
Caccini Ave Maria(Hiroshi Ikematsu Double Base)
声楽のソプラノからいきなりコントラバス。池松さんはかつてN響でした。
今はニュージーランドで首席奏者ですね。アルバム「5つのアヴェマリア」に収録されてます。低音の独特な落ち着きを感じます。
◆藤森亮一(チェロ):カッチーニ:アヴェ・マリア
Caccini Ave Maria(Ryoichi Fujimori)
N響、首席チェロ奏者の藤森さんです。まだ音大在学中に毎コンで優勝してそのままN響の正規団員になったほど
上手い人です。彼が入団祝いというか、最初にN響と弾いたハイドンのチェロ協奏曲第2番ニ長調を良く覚えてます。
アルバム「ラルゴ チェロ小品集II」に収録されています。
◆川畠成道:カッチーニ アヴェ・マリア
Caccini Ave Maria(Narimichi Kawabata)
もうベテランの川畠さんですが、彼が毎コンを受けたときのドキュメンタリー番組(NHK)で
テレビを通してなのに、あまりにも美しいヴァイオリンの音がビンビン聞こえてきたのを良く覚えています。
素晴らしい音ですが、敢えて抑え気味に弾く上品さが、さすがは、英国王立音楽院在学中に同学創立から175年の歴史の中で
二人目、というスペシャル・アーティスト・ステータスという「称号」を授与されたヴァイオリニストです。
◆神田めぐみ(トロンボーン):カッチーニ アヴェ・マリア
Caccini Ave Maria(Megumi Kanda Trombone)
ミルウォーキー交響楽団、首席トロンボーン奏者の神田さん。
音が素晴らしいですね。カッチーニのアヴェマリアはどの楽器で演奏してもいいですが、
このトロンボーンの音域が妙に見事にハマるような気がします。
アルバム「グロリア」に収録されています。
◆ガボール・ボルドツキ(トランペット):カッチーニ アヴェ・マリア
Caccini Ave Maria(Gabor Boldoczk Trumpet)
ハンガリーのトランペット奏者です。ハンガリーは何故かトランペットが上手い人が多いのでしょうか。
今、ベルリン・フィル首席トランペットは2人いますが、その二人もハンガリー人です。
それはさておき、金管でトランペット。こういうのは高音を緊張させない。柔らかい音でだせるか、
というのが1つの「上手さの目安」です。この人は上手いと思います。
グローリア〜オルガンとトランペットに収録されています。
◆池田昭子(コール・アングレ):カッチーニ: アヴェ・マリア
Ave Maria Shoko Ikeda(English Horn)
N響オーボエ、コーラングレ(イングリッシュホルン)奏者のいけしょうさんこと池田昭子さんです。
「いけしょうさん」とテレビで最初に言ったのは、池辺先生がN響アワーで、らしいですね。
それはともかく、他にもソロ・アルバムを出しておられますが、いずれも見事です。
カッチーニに敢えてやや地味な、コール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)を選ぶ、という「解釈」が興味深いです。
アルバム、アヴェ・マリア~オーボエ作品集に収録されています。
◆宮本文昭(オーボエ)・笑里(ヴァイオリン):カッチーニ アヴェ・マリア
Ave Maria 宮本笑里・宮本文昭。
宮本文昭さんがまだ引退する前、宮本笑里さんのデビューアルバムでの共演ですね。
このアルバム、smileの中で笑里さんの一番良い演奏家もしれません。
録音(マイクのセッティング)も違うとおもうのですが、笑里さんが、お父様のオーボエの演奏に触発されていることが
わかります。「このカッチーニが一番好き」という方が、割と多いです。
以上、やっつけ仕事で恐縮です。
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