JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆元々、あの方は上手いのです。 バレンボイムとか、アシュケナージのように、はじめはピアニストとして有名になり、 ◆今回、2人の孫娘のためにアルバムを作ったら?ということで弾いたそうです。 ですから、多少なりともピアノが好きなら、皆さん、隅から隅まで知っている、泰西名曲ばかりですが、 『ピアノ・アルバム〜月の光、エリーゼのために、トロイメライ、他』 チョン・ミョンフン 本来のピアニストのアルバムとしてはややもの足りないかも知れないけど、 これだけ泰西名曲を集めると、却って才能が際立ちます。 耳にタコが出来るほど聴いた曲に、どのように新しい息吹を吹き込むか、ということです。 3曲、お聴き頂きます。まず、あまりにも有名で私は取りあげた事がありませんでした。 ◆ベートーヴェン:エリーゼのために Beethoven : Fur Elise 奇を衒ってもいないけど、確実にミョンフン氏の「解釈」が入っています。 2曲目。 ◆ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 遺作 Chopin : Nocturne In C Sharp Minor, Op. Posth. 気の遠くなるほど美しい、有名なショパンのノクターン「遺作」ですが、 その美しさを強調しようとすると、あまりにもテンポが遅くなったり、途中でテンポを変化させる ルバートが過剰になると、却って悪趣味です。勿論、ショパンのノクターンをイン・テンポ(常に一定のテンポ)で弾いたら、 台詞の棒読みみたいなもので、興ざめです。チョン・ミョン・フン氏の演奏はそのちょうど「良い加減」を捉えていると思います。 最後、木枯らしが吹くように音階的に音が駆け上がって、下がって来る所。 弱音にも関わらず全ての音がきちんと響く。見事です。 ◆モーツァルト:キラキラ星変奏曲 カール・フレッシュというヴァイオリンの先生が書いた、ヴァイオリン演奏の技法 下巻 に、 ある音楽家の教養の程度は彼のモーツァルトに対する関係で分かる。 という言葉があります。その通りです。ミョンフン氏の演奏を聴くと、さすが、と思います。 キラキラ星変奏曲 どのような曲でもピアニストの基本ですが、音の粒が揃い、モーツァルトでは決して粒に乱れがあってはならない。 均等にしかし、歌うように。ペダルを使い過ぎない。しかしひとつひとつの音は真珠の粒のように美しくなくてはならない。 ピアニストもヴァイオリニストも、こんなのは、学生さん、あるいはプロを目指すようなら、子供でも弾けるでしょうが、 ただ弾けばいいというものではなく、モーツァルトの音楽の天国的な美しさをどこまでつたえられるか、 それは音楽家の教養だとおもいます。実に見事です。 この他、ドビュッシー:月の光とか、シューベルトの即興曲とか、超絶技巧では無いけど、 ピアニストの力量がモロに出る曲ばかり、しかし、聴きやすい。是非おすすめします。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2012年04月19日(木) 唐突ですみません。私、最近、おかしいですか?
JIRO
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