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2012年05月17日(木) |
「救急車が児童に接触=搬送男性死亡、関連を調査―札幌」←救急車に同乗したことがありますか? |
◆記事:救急車が児童に接触=搬送男性死亡、関連を調査―札幌(時事通信 5月17日(木)18時11分配信)
17日午前8時5分ごろ、札幌市西区西野8条の路上で、市消防局の救急車が小学2年の男児(7)と接触し、男児が軽傷を負った。
この影響で、搬送していた70代男性患者の病院到着が約15分遅れ、同27分になった。
男性は病院で死亡が確認され、消防局は事故との因果関係を調べている。
消防局によると、男性は救急車に収容した際、既に意識不明の状態だった。
救急車は赤色灯をつけサイレンを鳴らして走行中、男性隊員(26)が赤信号のためいったん停止して動きだした際、
横断歩道を渡った男児と接触したという。
◆コメント:道交法には規定がないが、歩行者も緊急自動車を優先させるべきなのだ。
道路交通法第40条に「緊急自動車の優先」が定められている。
第四十条 第一項 交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
第二項 前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。
交差点を避けるとは、交差点から30メートル以上離れたところで停まれ、ということである。
そして、原則道路の左側に止まって、とにかく緊急自動車を先に行かせろというのである。
緊急自動車はとにかく優先させろということである。
東京では、見ていると、まず、クルマを運転する大人が、この基本を守らない。
一般道で、後から救急車が来るのが見えたら、道路の左に寄せて、救急車が通りすぎるまで
泊まらなければいけないのに、みな平気で走っている。
また、道路交通法第41条には、多くの「緊急自動車に限って認められる例外」が規定されている。
例えば、右側を走ってもいい。歩道など本来クルマが走ってはいけない所を走っても構わない。
信号を無視しても良い。但し、徐行すべし。
一般車は、
「歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。」
しかし、緊急自動車は例外。枚挙に暇が無い。
道交法には、緊急自動車が歩行者に対しても、優先権がある、という直接的な規定は
ないけれども、立法趣旨として、緊急自動車が通過する場合、自動車、路面電車以外にも
軽車両(自転車など)や歩行者も、緊急自動車に優先権を与えるべきなのは、自明である。
本件では、救急車がとおる交差点に小学2年の男児が、出て来て接触してしまったという。
親が教えてないのが悪い。
また、救急車が、アクシデントの為に搬送が遅れたことと、搬送されていた70代男性の死亡との因果関係は
分からない。何も起きず、最短時間で病院に搬送して助かったかどうか、分からない。
男性は救急車に収容した際、既に意識不明の状態だった。
と書いてあるだけである。
◆私は父が倒れて、救急車に同乗したことが2回、ある。
私の父は、16年前に他界したが、
生前、脳梗塞や脳出血を起こしてかなり危険な状態で救急車で搬送されたことが2回ある。
いずれも私は救急車に同乗したから、救急隊員の方々の有り難さを見に沁みて知っている。
運転する隊員は、今回のような事故を起こさないように、すなわち一刻も早く病院に到着し、
しかも、搬送する患者に衝撃を与えないため、細心の注意を払いながら、しかし、可能な限りスピードを出す。
後席の救急隊員は、救命救急士で無い限り医療行為を行うことはできないけれども、
赤の他人である、私の父を実に気遣って、かいがいしく扱って下さった。
一度、大量の鼻出血で、下手をすると気道が詰まりそうになったら、素早く横を向かせて、膿盆をあてて
「大丈夫ですよ。吐き出していいですよ」と優しく声を掛けたり、励まして下さった。
それを見ている私たち家族は、有難くて涙した。数年後結局父は死んだが、
あの時の救急隊員の方々の、任務に対する真摯な態度と、患者を気遣う心に有り難さは、
今以て良く覚えている。
病院に搬送されてから数日後、私と母は、あの時の御礼がしたい、と思い、菓子折(だったか果物だったか)を
携えて、杉並消防署を訪ねて、救急隊の方々に再会して深く御礼を述べたが、
菓子折は、どうしても受け取って頂けなかった。「仕事ですから、そんなことをして頂く必要はありません」と
おっしゃる。あんなのは贈賄でも収賄でもない。気持ちの問題であるが、仕方なかった。
公務員といえど、区役所の出張所で朝から夕方まで新聞を読んでいるだけとしか思えない連中もいるが、
これほど、有難い方々もおられる。私は、こういう人達の給料に使われるならば、
喜んで税金を納めたいとおもった(出張所の給料になるのは癪だ)。
きっと、救急隊員の「人を救うために急ぎたい」気持ちは、東京だろうが札幌だろうが同じだろう。
根拠がなくても、私には、確信がある。本件で、どうか救急隊員の「責任」などが問われないことを
祈る。同時に世の一般人には、
自動車も自転車もバイクも歩行者も、救急車が通るときには、可能な限り道を譲れ。通りすぎるまで動くな!
と言いたい。救急車の中には、分秒を争う患者とその家族が祈る気持ちで乗っているかもしれないのだ。
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