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JIROの独断的日記
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2008年05月17日(土) 「<教育再生懇談会>小・中学生の携帯使用を制限 報告に盛る」←「報告」の詳細はともかくとして子供に携帯は要らないと思います。

◆記事:<教育再生懇談会>小・中学生の携帯使用を制限 報告に盛る(5月17日19時31分配信 毎日新聞)

政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は17日、東京都内で開いた会合で、

6月初めにまとめる報告書に小・中学生の携帯電話の使用制限を盛り込む方針で一致した。

報告書は小・中学生に極力、携帯電話を持たせないよう保護者らに促す一方で、所持する場合には法規制をかける内容となる見通しで、今後、論議を呼びそうだ。

町村信孝官房長官は会合で「携帯を使った犯罪に子供が巻き込まれている以上、ある程度の規制の検討も必要だ」と明言。

出席者からは「携帯依存症が懸念される」など携帯電話所持に否定的な意見が相次いだ。

こうした意見を踏まえ、報告書には

(1)小・中学生に携帯電話を持たせない

(2)機能を通話と居場所確認に限定する

(3)有害サイトへの閲覧制限を法的に義務付ける−−などの内容が盛り込まれる見通しだ。

ただ、(1)に関しては実効性が問題視されており、

(2)の携帯電話は商品開発が進んでいない。

(3)には「表現の自由」との関係で異論がある。

会合では携帯電話・PHS4社の担当者が、有害サイトへの接続を制限するフィルタリングサービスを説明したが、

町村氏は「携帯会社に任せず規制を考えることも大切だ」と、法規制の必要性を強調した。

小・中学生の携帯電話使用にはGPS(全地球測位システム)の居場所確認機能を念頭に

「安全・安心の視点から普及している」との肯定的な意見もあり、法規制実現は難航も予想される。

内閣府によると、携帯電話・PHSの普及率は小学生31.3%、中学生57.6%で、大半がインターネットも利用。

有害情報に接し犯罪に巻き込まれるケースも出ている。


◆コメント:本当に携帯が必要な人はどれぐらいいるのでしょうね。

「携帯電話は現代生活に欠かせない、アイテム」などというセンテンスを雑誌などで良く見かけるが、本当にそうであろうか?

人類(クロマニョン人などの新人)の誕生は20万年前だが、携帯電話が誕生したのは、今からちょうど20年前の1988年である。

当然のことながら、それまで人間は携帯電話を全く使わないで生活していたのである。

一番初期の携帯がどんなものか知りたかったら、故・伊丹十三監督の「マルサの女」という国税庁査察部の活動を描いた映画を見るといい。

それは、すごいシロモノで、ショルダーバッグぐらいの金属(に見える)箱に、なんと昔の黒電話(家庭にあったあの電話機)の受話器と、

ダイヤルが付いているのである。恐らくものすごく重かったと思う。個人で持っている人など、勿論おらず、査察部のような特殊な仕事にたずさわる人だけが、

使ったのである。当時、20年後、今のように殆ど全ての人が携帯電話を持っている世の中など、誰も想像しなかった。

現代でも携帯「電話」を本当に必要とする人は、大人でも限られると思う。

容態がいつ急変するか分からない患者を抱えたドクターとか、営業で外回りをしていて、その間に顧客から電話がかかってくるかも知れない人とか、

そういう人は確かに必要だろう。が、電車の中で皆が何をしているか見ていると、メールかゲームで遊んでいる。

大人ですら、その程度である。携帯「電話」として、本当に緊急の連絡を受ける必要がある「小中学生」など、いるのだろうか?

勿論、個別のご家庭の事情により、無いと困る、というケースもあるだろうが、多くは子供に「皆も持っているから」とせがまれて、買い与えたのではないか。

余談ながら、私は息子を私立の中高一貫校に入れているが、校則で、生徒は学校に携帯を持ってきてはいけない、という項目がある。

これだけで、この学校を受けさせようというほど私も単純ではないが、「なかなか、いい」と思った。

この校則に関係して、生徒の親と学校が揉めたことは、全くない。中高生が携帯を持っていなくても全然生活に支障が無いことは、ほぼ明らかである。


◆携帯を持たせると、子供が親の知らないコミュニティに属してしまうかも知れないことが危険なのだ。

昔、携帯が無い頃、一般家庭で外部との通信手段は、一回線の固定電話しかなかった。敢えて云えば他には郵便(手紙)、電報だけだった。

このため、家族の誰かに電話がかかると、他の家族はそれを認識することが出来た。

年頃の娘に男友達から電話がかかる。頑固親父が取り次がない。娘がそれを知り、多いに揉める。というのは、

昔の「ホームドラマ」の「ベタ」な演出であった。

携帯を子供に持たせたことにより、その状況が一変した。子供が親の知らないうちに、親の知らない得体の知らない人間と、

連絡を取り合うことが可能になった。相手が多くなると、親が知らない、子供だけのコミュニティが誕生する。

そして、それが、必ずしも健全なものばかりではないことは、確かにある種の犯罪の増加に寄与している。

2003年に東京都稲城市の小学校6年生の少女4人が、渋谷へ行くと言い残したまま行方不明になり、数日後、

渋谷のマンションに手錠をはめられて監禁されていて、警察が踏み込んだ時、犯人は自殺していた、という気味の悪い事件があったが、

覚えておられないだろうか?

◆記事:小6女児、4人不明 東京・稲城市から「渋谷へ行く」言い残し(毎日新聞 2003.07.16 東京夕刊)

東京都稲城市内に住む小学校六年の女子児童四人(十一−十二歳)が今月十三日、「渋谷の方に行く」と言い残して外出したまま、

行方不明になっていることが十六日、警視庁の調べで分かった。四人とも自宅を出た後の足取りは分かっていない。

四人は同じ小学校の同級生で、これまでに家出歴はないという。

警視庁は、渋谷区の繁華街に捜査員約六十人を出すなどして、行方を捜しており、

「四人組の女の子を見かけたら警察に届けてほしい」と情報提供を呼びかけている。

調べによると四人は、十三日午前十時ごろ、「渋谷の方に遊びに行く」と家族に言い残し、自宅を出た。

同日夜になっても帰宅しなかったため、家族が稲城中央署に捜索願を出していた。

所持金はそれぞれ数千円で、外出後は携帯電話もいっさい通じないという。



◆記事:監禁?不明4女児を保護 室内で男性自殺? 東京都内のマンション(読売新聞 2003.07.17 東京夕刊)

東京都稲城市に住む小学6年の女児4人が13日から家を出たまま行方が分からなくなっていた事件で、

4人全員が港区赤坂2丁目にある短期賃貸マンションの一室で保護された。4人にけがはないが、うち2人は衰弱が激しいという。

女児がいたのと同室の別の部屋の中で男が死んでおり、警視庁は女児が男に監禁されていた可能性があるとみて関連を調べている。

調べでは、4人が見つかったのはマンションの「インターナショナルプラザ赤坂NO1」11階の1101号室。

17日午後0時14分、「手錠をかけられた小学6年の女の子が、助けを求めてきた」と女性から110番通報があった。

警察官が駆け付けて4人を保護し、3人を病院に運んだ。4人ともおもちゃの手錠をかけられていた。

手錠の一方を、水の入ったプラスチックのタンクにつながれていた女児もいた。

死んでいた男は30歳代とみられ、頭からポリ袋をかぶっており、警視庁は、自殺した可能性があるとみて調べている。

男はベッドの上で死んでいた。ベッドの下には練炭があった。4人のうち12歳の女児が部屋を出て、

外にいた女性に助けを求めたという。現場は営団地下鉄赤坂駅の南約300メートル。マンションや事務所が立ち並ぶ一角。

4人は稲城市立小学校に通う11〜12歳の同級生で、11歳2人と12歳2人。

13日午前10時ごろ、それぞれ「近所の体育館に行く」などと言って自宅を出たが、夜になっても帰宅しなかったため家族が捜索願を出していた。

4人のうち1人が同級生に「渋谷に行く」と言っていたため、警視庁が渋谷などの繁華街で捜していた。

この事件は、当然週刊誌などがこぞって取りあげたが、要するに、少女を巧みに携帯で誘って渋谷に呼び出し、

監禁し、売春をさせていた悪党がいたのである(この事件の少女たちは監禁されていただけだったが)。

この当時、どの程度「出会い系サイト」が会ったか分からないが、その類が関係していたのだ。

世の中には狡猾で、残酷で、凶悪な人間がいるということを良く知らず、判断力の無い子供だけが、バーチャル・コミュニティを作り、

それに、大人の悪党が目をつけた訳である。この他、携帯のサイトで知り合った男に1対1で会い、車に乗せられて、

どこかへ連れて行かれて、殺された子供の事件など、枚挙に暇がない(これは、はっきり云って被害者も軽率なのだが)。

携帯を持った小中学生の全員が、そういうアホな行動に出ることはなかろうが、親の知らないところで、子供が見ず知らずの人間と

連絡を取りうる状態は、危険が大きい。

「教育再生懇談会」とやらの報告全文を読んでいないから、その内容に関してはまだ、賛成とも反対とも言えないが、

子供に携帯は原則として不要である、という考え方は間違っていない、と私は考えている。

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