JIROの独断的日記
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2003年08月22日(金) |
「<自殺>薬物使用が11年前の5倍 多い処方薬使用」 そんなの医者にはどうしようもないよ。 |
◆記事: 自殺を図り、杏林大付属病院高度救命救急センター(東京都)に運び込まれた患者の中で、薬物の使用が00年には160人と、11年前の5倍以上に急増していることが分かった。薬物の種類が判明したこの間の自殺者のうち、7割が向精神薬などの処方薬を大量に服用していた。医師が適切な服薬管理を怠っていたケースが多いとみられ、対策が求められそうだ。(毎日新聞)
◆所感:医者がどうやって管理するんだよ。 この記事を書いたのは、毎日新聞のYという女性記者で、どういう訳か知らないが、精神医療における、患者の薬物依存、薬物乱用について、たびたびムキになって書くのだけれども、どうも、毎回、ピントが外れている。
今回の記事の要旨は、精神科の患者が処方された薬を飲まないで溜め込んでおいて、あるときそれを一度に大量に飲んで自殺するのは、医者の管理が悪いからだ、ということになる。
しかし、医師が一人一人の患者に関して、毎日、毎回薬を正しく飲んでいるか、つまり、溜め込んでいないかどうかを管理する事など、出来るわけがないじゃないか。一体どうすれば管理できるというのであろうか。
この記者の記事はいつもこの調子なのだ。書きっぱなし。本件でいえば、「対策が求められそうだ」といいながら、ではどうすれば管理できるのか、自らは何ら問題解決の方法を提起しない。少し考えてみれば医師が管理する事など不可能である事はだれにでも分かる。
精神科医が注意すべきは、毎回の面談を通して、患者の希死念慮が高まっていないかを適切に見極め、もし、危険だと判断したら、入院させるとか、患者の家族を呼んで、注意を喚起することなのである。
こういう、単なる扇情的な、無責任な記事を書くべきでもないし、デスクも採用すべきではない。少しはものを考えろといいたい。
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