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2011年06月19日(日) |
汚染水浄化装置の故障。元々の汚染が物凄いから、だそうです。 |
◆福島第1原発 想定外…危うい生命線 汚染水浄化装置、5時間で停止(産経新聞 6月19日(日)7時55分配信)
東京電力は18日、福島第1原発にたまった高濃度の放射性物質(放射能)を含む汚染水浄化システムを、
同日未明に停止したと発表した。1カ月に1回の交換を予定していた装置だが、
17日夜の本格運転から約5時間で放射線量が交換の基準値に達した。原因は不明で、
処理した水を再利用し原子炉冷却に使う「循環注水冷却」の開始も20日以降に遅れる見通しという。
事故収束に向けた「生命線」の意味を持つ同システムだが、トラブル続きで汚染水流出の危険も迫っている。
◆コメント:実は小出先生は、こういう事態を予想していたのです。
原発情報に関しては、毎日放送がほぼ毎日小出裕章京大原子炉研究所助教に
電話インタビューをして、コメントを得ているので、早く知ることができる。
但し有難いことに、これを毎日録音または、文字に起こして下さるかたがいらっしゃるので、
東京の私もその恩恵に浴している。
核燃料を冷却した汚染水から、放射性物質を濾過する計画は早くから発表されていたが、
こちらのブログが、小出先生のコメントを録音し、かつ文字に起こしておられる。
6月7日MBSラジオ小出裕章氏「浄化装置、メルトスルー等について」
番組司会者とのやりとりにはっきり記録されている。
MC:まず、小出先生がずっと最初から問題にしてらっしゃった汚染水について
伺いたいと思います。
この福島第一原子力発電所で、溜まり続けている放射能汚染された水を
どうするかというのが、大問題な訳ですけれども、
いよいよもう溢れ出すんだという、危機的なラインが迫っている、
それに合わせて何とか汚染水を綺麗にする、浄化する装置を、
急ピッチで作っていて、15日頃に完成する、
というふうに東電が言っています。
これはどの位期待して良いものでしょうか。
小出氏:期待したいですけれども、
これまでも東電がやって来た対策は期待通り動かなかったという事は
山ほどありますので、なかなか難しいかもしれないと思います。
MC:これは、「設計上は」という言葉が付いての数字なのですが、
上手く行きますと、上澄みの液の放射能の濃度が、
現在のものよりも1000分の1、あるいは1万分の1まで薄まるのだ、
という事なのだそうです。
1000分の1や1万分の1と聞くと、とてもとても薄まるような感じはするのですが、
もともとの濃度が高いのでしょうから、
1000分の1、1万分の1に薄まったとして、
どれ位危険なものなのでしょう。
小出氏:今水野さんがおっしゃった通り、もともとのは猛烈な濃度ですので、
仮に1000分の1、万分の1になったとして、
例えば環境に放出出来るかと言えば、もちろん出来ないと思います。
MC:環境に放出出来ないのですか!
小出氏:はい。
MC:私はもうこれで海に流れても良いものになるのだと、
勝手に思っておりました。
そういう濃度にまで薄まる訳ではないのですか。
小出氏:福島の発電所の敷地内の中にある放射性の汚染水というのも
物凄い汚染水から少しは汚染の低いものまでありますので、
一番低いものに関しては、万分の1になれば、
流しても良い濃度まで減るかもしれませんけれども、
問題は、物凄い濃度の汚染水を何とかしなければいけない
という事な訳ですから、
そういうものを1000分の1、万分の1にしたとしても、
まだまだ環境に出せる濃度にはならないと思います。
MC:では、何分の1にしたら環境に・・・
小出氏:10万分の1とか100万分の1にしなければ、
高濃度の汚染水に関しては、しないと環境には出せないと思います。
MC:そうしたシステムというのは、
例えば100万分の1に出来るようなシステムというのは、
ないのですか。
小出氏:ないです。
MC:よその場所にもないのですか。
小出氏:はい。
要するに、所謂技術的な処置をしようとしている訳ですけれども、
技術的な処置というのは、100あったものを100全部捕まえる事は
出来ないのです、もともと。
99を捕まえる、99.9を捕まえる、あるいは99.99を捕まえるという事は、
順番に出来ますけれども、
全部捕まえるという事はもちろん出来ませんし、
もともとが猛烈な高濃度である場合には、
捕まえれば捕まえるだけ装置の方がダメになって来てしまって、
性能が益々出なくなりますので、大変難しいと思います。
MC:装置も使えば、高濃度に汚染される訳ですよね。
小出氏:もちろん装置は汚染されますし、
たぶん今度はゼオライトとかバーミクライトとかいう、
粘土鉱物を使うのだと思いますけれども、
すぐに性能が劣化して使えなくなります。
MC:ゼオライトという軽石のような物質に放射性セシウムを吸い取らせる
というシステムなのですよね。
1回、ゼオライトを使ったら、もうそのゼオライトはずっと使えない訳ですか。
小出氏:そうです。
ある所までセシウムを捕まえてしまいますと、
そのゼオライトはセシウムで一杯になってしまって、
もう使えなくなります。
MC:では、大量にこのシステムを使っては、次のシステム、次の装置と
大量に作り続けなければいけないのですね。
小出氏:次から次へと取り替えなければいけませんし、
ゼオライトに物凄く高濃度のセシウムが付きますので、
それに今度近付く事すら難しくなります。
MC:使い終わったこのシステムを、このゼオライトを替えようとすると、
これまた人が被曝する恐れがある訳ですね。
小出氏:そうです。
MC:恐れというか、被曝は致し方ない作業ですか。
小出氏:はい。
MC:ひとたびシステムが出来上がれば、どんどん浄化出来るのか、
なんて思ったのですけれども、
そんな甘いものではないのですね。
小出氏:残念ながら、そうではありません。
解説は要らないぐらいだが・・・
つまり、水道水を美味しくする浄水装置と同じように考える訳にはいかない。
私は、専門家ではないから、感覚的には分からないが、
核燃料を冷却した水の汚染度は、想像を絶している。
何度も書いている透り、人類は放射性物質を無効化することはできないので、
ゼオライトにセシウムを吸着させるだけなのだが、
元々のセシウム濃度が猛烈なので、いずれにせよ、ゼオライトを度々交換せざるを得ないことは
小出助教には浄化装置を稼働する前から明らかだったようである。
そして、一回浄化装置を通したところで、まだまだ大量の放射性物質を含んでいる。
元の汚染水の放射性物質を1000分の1、1万分の1にしても、まだまだ環境には放出出来ず、
何度か繰り返さなければならないが、その過程で、吸着物質のゼオライトはすぐに
放射性セシウムを目一杯吸着してしまうので、絶えず交換しなければならないが、
交換するためには、猛烈な放射線を発するゼオライトに近づき、被曝しながら作業する
人が必要だ、ということになる。
テレビでは、汚染水浄化装置が稼働すれば、今まで捨てることが出来なかった汚染水が
すぐに捨てられるような印象を受けるが、それほど生やさしいことではないようだ。
いずれにせよ、深刻な状況が続くことは避けられないのだ。
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