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2011年04月28日(木) |
【音楽】お薦めCD、N響首席チェロ奏者・藤森亮一氏のソロ・アルバム、「ラルゴ」 |
◆N響でハイドンのチェロ協奏曲を聴いたのを良く覚えています。
N響首席チェロ奏者、藤森亮一氏のチェロ小品集、「ラルゴ」をご紹介します。
Amazonは一時在庫を切らしているようですが(ラルゴ チェロ小品集II )
HMVでも 藤森亮一 Largo、TOWER RECORDSでも(ラルゴ -チェロ小品集 2)扱っています。
プロフィールを見たら、私より3歳ぐらい若い。ほぼ同年代。
1982年に東京音大に入学して、翌年1983年毎コンで優勝してます。
1987年からN響ですが、オーディションに受かった後か前か、とにかくその年、毎年1月にNHKが主催する
「若い芽のコンサート」で、ハイドンのチェロ協奏曲(2曲あるのですが、ニ長調の方です)を演奏したとき、
私はテレビで見ただけなのですが、既に「オッ!」というものがありました。
演奏が終わったときに、N響の人々が盛大に誉め称えていたのを良く覚えています。
このアルバムの収録されているのはどれも良く知られた名曲ですが、
藤森さんのチェロで聴くと新鮮です。藤森さんのチェロはとても良く楽器が鳴っているのですが、
弓と弦との摩擦音が前面に出ることがなく、弦の振動による、柔らかい音だけが聞こえるのです。
だからとても耳に優しく響き、気持の良い演奏なのです。
ゆったりとした品の良いビブラートで美しく旋律を歌いながら、過度にセンチメンタルにならない。
「歌心」と「音楽的教養」のバランスが素晴らしいと思います。
◆いくつか、引用させて頂きます。
藤森さんはN響首席ですから、それだけでも忙しいと思いますが、
随分、レコーディングも精力的ですが、それはさておき、「ラルゴ」から
何曲か引用させて頂きます。
昨年、私がこの日記・ブログで「カッチーニのアヴェ・マリア」を
何度か特集したときに藤森さんの演奏を載せました。改めて聴くと大変美しいのです。
カッチーニ:アヴェ・マリア
Caccini Ave Maria
一番盛り上がるところで、やや控え目に抑えているのが、とても上品です。
また、2度目はオクターブ高い音域ですが、ここでも柔らかい、豊かな響を保っています。
次は、彼の有名なヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」です。
あまりにも良く知られている曲ですが、チェロ独奏で聴いたのは、私は初めてです。
ヘンデル:オンブラ・マイ・フ
Handel: Ombra mai fu
落ちついた低音と伸びのある高音。常に中庸を保ったヴィヴラート。
変わったことをしている訳では無いけれども、朗々と歌っている、という印象です。
次は、シモネッティ(1857-1938)というイタリア生まれのヴァイオリニストが書いた曲。
元来、ヴァイオリン曲で、ヴァイオリニストの古澤巌氏のファースト・アルバムの冒頭に
収録されています。
シモネッティ:マドリガル
Simonetti Madrigale
伸びやかな旋律が、心地良いですね。
次も有名です。フォーレの「シシリエンヌ」。これは初めて知りましたが、
管弦楽組曲「ペレアスとメリザンド」でフルートが吹くのが原曲だとばかり思っていたのですが、
逆でして、ピアノ伴奏のチェロの為に最初は書かれたとのこと。
正確にはモリエールの「町人貴族」の激音楽の中の1曲として書かれたのがはじまりなのですが、
「町人貴族」は未完成だそうです。
フォーレ シシリエンヌ
Faure Sicilienne
この曲の何やら不思議というか神秘的というか、独特の雰囲気が
いいですね。お好きな方、多いのではないでしょうか?
最後です。これも皆さん御存知、マルチェルロ、オーボエ協奏曲の第二楽章。
「ベニスの愛」という映画で使われ有名になったという、あれです。
バッハが当時のイタリアの作曲技法を勉強するためと言われてますが、ヴィヴァルディや
このマルチェルロのヴァイオリン協奏曲やオーボエ協奏曲をチェンバロ独奏曲に編曲した
曲がかなりあります。このマルチェルロも、チェンバロ曲BWV 974として知られていたそうな。
「著作権」など、存在しない時代ですから、何だか暢気で良いです。
それはさておき、マルチェルロのオーボエ協奏曲をチェロで弾いているわけですが、
どうなるでしょう?
マルチェルロ:オーボエ協奏曲からアダージョ。
Marcello Adagio
全然違和感がないですね。同じように美しい。
しかも、曲想に合うような音色になっていることに驚きました。
同じ楽器で「音色」を意識的に変化させるのは、至難の技だと思います。
以上ですが、この他の曲も、名曲ばかりで飽きません。
チェロの名手による、名曲の名演の名録音です。お薦めです。
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