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JIROの独断的日記
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2010年04月08日(木) 「介護福祉士国試、合格者7万人超で過去最高―2回連続減から一転」←「介護」「福祉」は一見美しいが、地獄だからね?

◆介護福祉士国試、合格者7万人超で過去最高―2回連続減から一転(3月31日17時55分配信 医療介護CBニュース)

厚生労働省は3月31日、第22回介護福祉士国家試験の合格発表を行った。受験者数は前回比2万2981人増の15万3811人、

合格者数は同9258人増の7万7251人で、共に2年連続の減少から一転して過去最高を更新した。

2012年度から試験制度が変わって受験資格が厳しくなることから、“駆け込み受験”が大きな要因とみられる。

合格率は50.2%で、前回より1.8ポイント低かった。合格者の男女比率は男性が20.8%、女性が79.2%。

受験資格別では、老人福祉施設の介護職員などが47.8%で最も多く、

以下は訪問介護員が22.4%、介護老人保健施設の介護職員が9.7%など。

今後、合格者の9割以上が新規登録し、国内の介護福祉士登録者は88万人以上になる見通し。

試験関係者は「受験者数がピークに達して過去2回は減少したが、

12年度から受験資格として600時間以上の養成課程が義務付けられる試験制度に変わるため、

“駆け込み受験者”が多かったのではないか」と話している。


◆コメント:ボケ老人の世話って、地獄だからね?覚悟出来てるね?

私の父方の祖母は20年以上も前に、92歳で老衰で他界したが、最晩年、寝たきりになってからはまだ良いのであって、

頭が呆けているが、身体は動く間は自宅にいた。最初は些細な物忘れから始まり、

兎に角、加速度的に呆けていった。今の言葉でいうなら、認知症だった。

当時のことを思い出すのを、無意識に避けている自分がいる。

日記・ブログに書くのは、書き始めてからそろそろ8年になるが、これが初めてである。


精神分析の創始者フロイトによれば、人間には自我防御機構という心の働きがあり、

自分にとって、都合の悪いこと、思い出したくないことを、意識の領域から無意識に封印しようとするのである。


これを「抑圧」という。本来、この「抑圧」の過程自体が無意識のうちに行われる。


だから、私の場合は、フロイトの理論に従えば厳密には「抑圧」ではないかもしれないが、

認知症とか、介護とかケア・マネジャーなどという言葉をみて、ひどく苛立ちを感じるのは、

これらの言葉から想像されるほど、ボケ老人の世話(だけが介護福祉士の仕事ではないが)は

麗しい世界ではない。大袈裟に書くならば「地獄のような日々」である。

テレビの特別養護老人ホームの宣伝で見られるような、春の陽射しの中で、

笑顔のお年寄りの車椅子を押して「お散歩」しながら談笑するような生やさしい理想郷はない。

繰り返すが、介護は地獄である。


◆介護福祉士の定義は社会福祉士及び介護福祉士法に記されているが、表現が変わったらしい。

ウィキペディアで「介護福祉士国家試験 」介護福祉士とは には、

介護福祉士とは介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより

日常生活を営むのに支障がある者につき入浴、排せつ、食事その他の介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して

介護に関する指導を行うことを業とする者をいう(社会福祉士及び介護福祉士法第二条二項)。

とある。ところが、法令データ提供システムで、社会福祉士及び介護福祉士法第二条二項を検索したら、文言(もんごん)が違った。

リンク先を確認すれば分かるとおもうが、次の通り。
(定義)

第二条 2 この法律において「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、

介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより

日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、

並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。

ウィキペディアでは引用した部分には、具体的に書かれていた、
日常生活を営むのに支障がある者につき入浴、排せつ、食事その他の介護を行い

が消えている。これから需要が増えることが予想される介護福祉士になることを志望する若者が、

具体的な描写を読んで、「やっぱりやめた」ということになるのを避けるためではないか、

と勘ぐりたくなる。


◆私の経験。

私の祖母は1895(明治28)年に生まれ、1987年、最期は老衰で寝たきりとなり、約1年入院していた病院で

息を引き取った。それ以前は自宅にいた。小さく、華奢だったが、身体は丈夫であった。

何しろ91歳9ヶ月で死ぬまで、歯は全て自分の歯であった(入れ歯を生涯全く使用しなかった)。

歯を失うと呆けやすくなるという「研究結果」を新聞記事で読んだ記憶があるが、

あまり関係が無いように思う。祖母のようにいくら歯が丈夫でも、呆けるときは呆ける。

従って、家にいる間、我々家族は寝たきり老人の食事や排泄の世話をする必要はなく、

その意味では本当の「地獄」を見た、とは言えない。


しかし、ボケた脳が丈夫な首から下の身体をコントロールしているのであるから、たまったものではない。


医療の専門家ではないから、詳細は分からないが「認知症」が所謂「ボケ」のことであり、認知症にも色々な

パターンがあって、その一つがアルツハイマー型認知症である。恐らくその類であった。


◆真夜中に妄想が膨らみ騒ぎ出す。

祖母は認知症(であったことはほぼ間違いない)が進行するに伴い、

妄想を抱くようになった。自分の部屋で寝ていると、真夜中にリビングルームで

ドスン、ドスンとすごい音がする両親と私と兄、要するに家族全員が驚いて目を醒まし、

音のする方へ行くと、仁王立ちになった祖母が、頭がまともだった頃とは別人のように、

恐ろしい、鬼のような形相で腕組みをして、仁王立ちになって、地団駄を踏んで怒っている。

父が「何を怒っているのか」と尋ねると祖母は

(家族)皆が私を騙し、自分の知らない間にこの家も土地も売ろうとしているだろう?

というのである。同じ事が幾度も起きた。

無論、そんな計画は現実には全く無い。そのような仮定上の話をしたことすらない。

祖母の脳が勝手に作ったフィクション、つまり「妄想」である。父は精神疾患の知識などないので、

まともに祖母に向かって
だから、そんなことは考えていないといっているだろう!

と、怒鳴るのであるが、最早何を言っても無駄である。私や母は、祖母を精神科医に診て貰うべきである

と進言したが、大正14年生まれの父の頭の中では、「精神科」などと言う言葉を聞くのもいやで、まして、

実の母親を精神科に診せるなど以ての外、と譲らない。

父は、朝早く出勤し、夜遅く帰ってくるから、祖母に接しなくても済む。

最もストレスを受けたのは専業主婦の母である。その次が当時学生で、父よりはずっと早く帰宅する、私だった。


◆殺意を抱く気持は、経験者なら非常に良く分かると思う。

毎晩の真夜中地団駄だけではない。何せ、祖母の脳はまともに機能していないから、奇異な行動を取る。

当時済んでいた家は、二階建ての戸建てだった。別に大きな家ではないが、二階には私と兄の狭い部屋がある。

兄は、祖母が呆けていく過程を最期まで見ていない。私と兄は7歳違いである。兄は学校を卒業して就職し、

富山支店に配属となり、行ってしまった。ますます母と私が受けるストレスは高まる。

夜中、ふと気が付くとミシミシと誰かが階段を上がってくる。祖母である。何故そんなことをするのか、

自分でも説明が付かないのだろう。私は寝たふりをしているが、二階に上がってきた祖母が部屋のドアを少し開けて,

中で私が寝ているか隙間から覗いているのが分かる。ほとんど恐怖映画の世界である。暴れることはないので、

こちらも気が付かないフリをしたが、この奇妙な行動も何度も経験した。

ストレスはますます高まる。

あるときなど、私は半ば本気で、階段を下りて行く祖母の背中を思いっきり蹴飛ばしたら、転落して

祖母は頭を打って死に、母と私は、この毎日の煩わしさから解放される、と考えた。実行直前にふと我に返った。

そんなことをしたら一生を棒に振る、ということを考える程度の理性が残っていた。

ちょっと状況がことなるが、老々介護で疲れ果て、お年寄りが配偶者を殺してしまう、という

悲惨な事件が起きることがある。どのような状況でも殺人の違法性に変わりはない。歴とした犯罪だ。

しかし、そうせざるを得なくなるまで追い込まれることがある。その気持は私にはよく分かる。

今もあの頃のことは考えたくないのがホンネである。


◆オムツを取り替えたり、風呂に入れてやったりするのも大変だろうが・・・。

介護福祉士を目指す若い諸君にも色々いるだろう。高い理想と志を抱いている人。

高齢化社会の進展で介護福祉士の需要は増える一方。仕事がなくなることはないだろう、

という人。それぞれ構わないが、「介護」「福祉」という言葉から受ける印象と、

現場は全く違う。勿論オムツを取り替えたり、老人を風呂に入れてやる為には知識も技術も必要であろうが、

それさえあればボケ老人の相手が務まるわけではない。一番堪えるのは、本来の人格を失い、

何をしでかすか分からない老人から受ける精神的ストレスである。割り切ることを覚えないと,

絶対続かないばかりか、自分がうつ病になるか、殺意を抱くか、自殺したくなる危険がある。

それは覚悟されたい。

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