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2010年03月02日(火) |
【差替・追加】「前原国交相、津波予測は謝罪に当たらず=首相も「同感」」←私も同感です。/【音楽】武満徹「他人の顔」のワルツ |
◆【お詫び】昨日は、休載致しまして、申し訳ございません。
昨日は、タイトル通り、体調不良の為、誠に勝手ながら休載いたしまして、申し訳ございません。
読者の方から、お見舞いのメール、コメントを頂戴いたしました。
ご心配頂き、ありがとうございました。
出来る限り速くお返事をさせて頂きますので、もう少しだけ、ご猶予を頂戴できれば、と存じます。
体調と言っても、昨日書きました通り、持病のうつ病の症状でございまして、最近の激しい天候の変化に、
疲れたのだと思います。私の場合、身体的疲労が、気分の波となって現れる訳でございます。
本日は、何とか通常に戻りました。
皆様のご厚情に、重ねて御礼を申し上げます。
◆記事1:気象庁、大津波警報の予測が過大だったと陳謝 予測精度に課題残る(3月2日0時22分配信 フジテレビ)
日本列島が身構えた最大予測3メートルの大津波について、気象庁は1日、
この17年ぶりの大津波警報の予測が過大だったと陳謝し、今後の改善を表明した。
大洋のかなたから迫り来る津波予測の難しさと、日本の津波への備えを検証した。
2月28日午後3時半ごろ、宮城・気仙沼を襲った津波の様子をとらえた映像を見ると、
海水は岸壁を越えて、手前の魚市場内にごう音とともに押し寄せた。
魚市場は50cmほど冠水、気仙沼市によると、市内では最大で120cmの津波を観測し、
1万5,000人に避難指示が出されたが、1日朝までに全員が自宅に戻ったという。
(引用者注:以下省略。全文は、Webキャッシュ保存サービス「Web魚拓」でご覧頂けます)。
◆記事2:前原国交相、津波予測は謝罪に当たらず=首相も「同感」(3月2日11時26分配信 時事通信)
前原誠司国土交通相は2日の閣議後記者会見で、チリ大地震に伴う津波への対応に関し、
気象庁が「予測が過大だった」と謝罪したことについて、「果たして謝罪すべき問題なのか」と述べた。
その上で、同庁に対し同日朝「謝罪するに当たらない」と伝えたことを明らかにした。
前原国交相は「しっかり準備するには過小であるより過大であったほうがいい」と指摘。
同相によると、同日の閣僚懇談会でも同様の発言をし、鳩山由紀夫首相から「同感だという趣旨の話があった」という。
◆記事3:気象庁による津波警報の謝罪、米専門家は擁護(3月2日12時32分配信 サーチナ)
気象庁の関田康雄・地震津波監視課長は1日午前、17年ぶりに発令された大津波警報が過大であったと謝罪し、今後の改善を表明した。
気象庁は先月28日午前、日本沿岸に最大3メートルの高さの津波が到着する恐れがあるとし、
青森県から宮城県の三陸沿岸に大津波警報を発令した。しかし、実際には予測を下回り、
同日午後に岩手県久慈港と高知県・須崎港で1.2メートルの津波が観測された。
米MSNBCニュースは、米ハワイ太平洋津波警報センターの海洋学者のコメントとして
「気象庁の発令は正しく、実際に3メートルの津波がきた可能性がある。事態を軽視しないで、必要な警告をすることが大切」
と気象庁を擁護する見方を伝えた。
また、同氏は「津波の高さを予測することは、地震のマグニチュードだけでなく、海底の揺れや海岸線の詳しいデータに基づいてなされる複雑な作業。
しかし、予測が外れることで、住民が警報を無視するようになる恐れがある」と述べた。
日本では1960年のチリ地震による津波で、142人もの死者・行方不明者を出した。
また93年の北海道南西沖地震では、奥尻島に大津波が発生し約200人もの犠牲者を出したこともある。
津波予測の精度向上や警報のあり方は、今後の課題ともいえる。
◆コメント:気象庁は謝る必要は全く無い、と思います。
珍しく、政府(前原国交相、鳩山首相)が正しい事をいっているので、正しい発言は評価したい。
昨日(1日)、気象庁が「津波警報の予測だったことが過大だった。」と謝った時に、私は、
「何故、謝る必要があるのか?」
と思った。結果論である。
記事3で米ハワイ太平洋津波警報センターの海洋学者のコメントにあるように、津波の高さが3メートルであった可能性もある。
マスコミは、
今後の精度向上に課題がのこる。
というが、日本とチリとの直線距離は役17,000キロである。ほぼ地球の正反対で起きた地震により、津波が起き、
その津波が、地球を約半周して(赤道は約4万キロ)日本に到達するまでには、途中の風や海流の影響も受けるだろうから、
日本に到達する津波の正確な時刻を秒単位で予測したり、あるいは、津波の高さをセンチメートル単位で予測するのは、
「精度」が向上しても不可能であろう、ということは、理数系に全く弱い私ですら簡単に推察できる。
また、気象庁の情報はあくまで、観測ポイントにおける津波の高さ、その他、であるから、入り江が狭いところでは、
水を吹き出すホースの口を指でつまんで細くすると水の勢いが増すあの原理で、海岸を津波が襲うときには、一層、スピードを増し、
波の高さも一層高くなることがあり得る。
津波が来る当日、東大地震研究所の教授がNHKで何度もしきりに津波の怖さを強調していたのを見た方もおられよう。この地震・津波の専門家は、
「津波の高さが1メートル」と聞くと、「なんだい。たったの1メートルか。江ノ島あたりでもそれぐらいの波がくることはあるぞ」と
安易に考える人が多いかも知れないが、津波というのは、波と言っても全く種類が違う。高さ1メートルの「水の塊」「川のような流れ」が
陸を襲うのだ、と考えて欲しい。川の水かさが1メートル上がった状況を想像して欲しい。
1メートルの水の塊が、時速何十キロ、或いはときにはもっと速いスピードで、陸を襲うのである。
津波がこないから、見物してみようか、などと、波打ち際に行っては絶対にいけない。いざ津波が来たら、完全に飲み込まれる。
そして、その津波は陸地の奥まで乗り上げてくるのである。
という趣旨のことを何度も何度も、説明していた。そして、
津波の第1波が大したことがなくても、数時間遅れて到達する第2波、第3波の方が、高さがあり、強いエネルギーを持っていることがある。
第1波が予想ほどじゃなくても、安心してはならない。警報が解除されるまでは、高い場所に避難していた方が安全だ。
ということを繰り返した。NHK総合テレビ・ラジオのニュースは全国で聴ける筈である。
それにも関わらず、時事通信によると、次の通り。
◆記事:半数が最大波前に帰宅=第1波到達後に−専門家「注意報解除まで避難を」(3月2日18時3分配信 時事通信)
チリ大地震による津波で、津波警報が出された沿岸部で避難した住民の半数が第1波到達後に帰宅し、
最大波が到達した際には避難所にいなかった実態が2日、群馬大大学院の片田敏孝教授(災害社会工学)の調査で分かった。
片田教授は「今回は結果的に大きな被害はなかったが、第1波が小さいからと帰宅するのは危険。
注意報解除まで避難を続けるべきだ」と話している。
片田教授は、大津波警報が発令された岩手県釜石市と、津波警報が出された三重県尾鷲市を対象に住民の避難状況を調査した。
それによると、釜石市では先月28日午前9時33分に警報が発令され、1万4966人に避難指示が出された。
到達予想は「午後1時半・3メートル」だったが、市指定避難所で最も多くの人が確認されたのは、
同時刻に対象の約6.4%に当たる950人だった。
実際の第1波到達は、午後2時すぎに0.2メートルで、この際の避難者数は911人。
この後、住民は急速に帰宅を始め、0.5メートルの最大波(第4波)が到達した午後3時39分ごろには
約半数の464人しかおらず、同じ高さの最大波が再び来た同6時24分(第5波)ごろには246人しかいなかった。
これで、騒ぎにならないのは、最大波が「たまたま」0.5メートルで、実害が出なかったからだが、
仮に津波の高さが3メートルで、飲み込まれて死者が出たならば、そしてそれが時事通信の記事にあるように、
「勝手に」「警報が解除される前に帰宅したこと」が原因であったとしても、
気象庁は何故、もっと厳戒を呼びかけなかったのだ!
と、世間やマスコミは気象庁を非難するであろう。それはほぼ100パーセント、間違いない。
世の中勝手なのである。
防災担当相は、前原国交相とは意見がことなり、「安易に警報を出すと、住民が警戒しなくなる」と
言っているそうだ。イソップ物語の「狼が出たぞ!」の羊飼いになる、というわけだ。
しかしながら、気象庁が「大津波警報」を発したのは平成5(1993)年7月、北海道南西沖地震(奥尻島で被害が出た)
以来17年ぶりだったというのであるから、「狼が出たぞ少年」とはほど遠い。
そうでなくとも、時事通信の記事に書かれているとおり、警報を無視した人が多いのだ。
結論。
気象庁は過大な警報を出した、と謝る必要は全く無い。
結果論である。むしろ、津波の第一波が予想より遅く、しかも小規模だったにもかかわらず、
全ての警報・注意報を発表してから25時間後の、3月1日午前10時15分まで解除しなかった、その用心深さを
評価するべきだ、と私は考えている。
そして、その気象庁が謝る必要が無い、と述べた前原国交相と鳩山首相の考え方は、本件については、正しい。
◆【音楽】武満徹「弦楽の為の3つの映画音楽」から「他人の顔 ワルツ」
本論と全然関係ないのですが、武満徹氏は世界的には20世紀を代表する作曲家、として非常に評価が高いことを
私は知識としては知っていましたが、正直にいって、武満氏の前衛的な作品を聴いても全然面白くなかったのです。
ところが2月21日(日)の「N響アワー」で、広上淳一氏指揮のN響が演奏した。武満氏の映画音楽を聴きました。
それまでの、氏の作品のイメージとは対照的な、メロディックでロマンティックな音楽に、非常に心を動かされました。
安部公房の原作を映画化した、勅使河原 宏(てしがはら ひろし)監督による「他人の顔」の為に武満徹氏が書いた、弦楽合奏によるドイツ風ワルツなのですが、
皆様にも是非、お聴き頂きたいと思います。
武満徹「弦楽の為の3つの映画音楽」から「他人の顔 ワルツ」
Face of Another: Waltz
メランコリックでノスタルジックで、何とも美しい。世の中知らないことが沢山あるものです。
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