JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆前回に続いて。「ハンガリー舞曲」(ブラームス)、「序曲集」(ウェーバー)、モーツァルトの交響曲など。 前回、書いた通り、オトマール・スウィトナー氏は、私がちょうどクラシック音楽、特にオーケストラに興味を抱き始めた頃、 ◆「斜めから見たマエストロたち」より、再度抜萃。 前回紹介した、「斜めから見たマエストロたち」、「オトマール・スウィトナー(Otmar Suiner)」の章から別の箇所を スウィトナー氏への愚問(50ページ) お分かり頂けると思うが、つまり指揮者というのは、本来それぐらいの能力が求められるのである。 長大な交響曲を暗譜し、ピアノで弾けるなど当たり前。しかもどの指がどのパートを弾いているかを 完全に把握している。スウィトナー氏の沈黙が長かったのは、そんなことは指揮者にとって、出来て当然。 最低の条件であり、それを改めて「出来るのですか」と尋ねられたので、「???」状態になったのである。 しかし、これはオーケストラのスコアを見ると分かるが、本当に勉強していなければ、決して出来ないことである。 いや、勉強したとしても、全ての人間が出来るようになるわけではない。出来ない人は多分一生出来ない。 天賦の才と地道な勉強をずっと続けて初めて可能となる。しかし、それは繰り返すように、指揮者の前提条件であり、 謂わば「基礎的能力」である。名指揮者として歴史に名を残すためには、そこに独自の解釈・個性 (それは作曲者の意図を逸脱した出鱈目なものであってはならない)を加えて、初めて評価の対象になり得るのである。 CDを聴きながら、指揮棒を持って指揮真似をしてもそれは音楽に合わせて棒を振っているのであるから、指揮ではなく、 「指揮踊り」に過ぎない(しかし、それで楽しければ、自分の部屋でやる分には一向に構わない。 ◆【音楽】ブラームス「ハンガリー舞曲集」より、何曲か。 ブラームスの交響曲も大変名作なのだが、最初、ちょっと取っつきにくいかも知れない。 ハンガリー舞曲集は、ブラームスの作品群の中でも聴きやすい。 原曲はブラームスがピアノ連弾用に書いた作品だが、一部はブラームス自身により、 他にも色々な作曲家により、全21曲がオーケストラ曲に編曲されている。Wikipediaに詳しい。 これをスウィトナー=シュターツカペレ・ドレスデンで演奏したCD、ブラームス:ハンガリー舞曲集はお薦めである。 この中から、私の好みの曲を選ばせて頂いた。 ハンガリー舞曲集 第1曲 ト短調 バイオリンの低い側の弦の音が厚い響きを創り出している。 寒い冬に、森の中を風が吹きすさぶ、という光景を、私はこの曲を聞く度に思い浮かべる (あくまで、私が勝手に抱いているイメージである)。 Hungarian Dance #1 ハンガリー舞曲集 第3曲 ヘ長調 1番と異なり長調で、田舎ののんびりした雰囲気。 Hungarian Dance #3 ハンガリー舞曲集 第4曲 嬰ヘ短調 あまり注目されないが、切ない旋律がたまらない。 Hungarian Dance #4 ハンガリー舞曲集 第5曲 ト短調 多分、ハンガリー舞曲集の中で最も良く知られている。 Hungarian Dance #5 ハンガリー舞曲集 第6曲 ニ長調 5番もそうだが、テンポの緩急がめまぐるしく変わる。 Hungarian Dance #6 ハンガリー舞曲集は色々な指揮者が録音しているが、例えば1番だけ比較しても、 テンポの変化のさせ方が全員違う。これほどはっきり違いが分かるのも珍しい。 全曲名曲でもないが、お薦めする。
これは、ウェーバー:序曲集である。 ウェーバー序曲集なら、もっといい録音がある。 とか、 スウィトナー=シュターツカペレ・ベルリンなら、他に名盤がある との、ご意見を何件か頂戴した。 確かにウェーバー序曲集なら、いくらでも名盤があろう。いずれもご親切で、大変有難いのだが、 私にとっては「生まれて初めて自分で買ったクラシックのLPレコード」として、格別の思い入れがある、 ということをご斟酌頂けると幸いである。 さて、「リューベツァール」である。 今、作曲者、カール・マリア・フォン・ウェーバーを調べて分かったが、オペラとしての「リューベツァール」は断片しか残っていないそうだ。 その為かどうか分からないが、これは曲名が一定しないので困る。 「リューベツァール」「精霊の王者」「精霊の支配者」「霊界の支配者」など、コンサートで演奏されるときも、 CDに収録されているときも、色々な曲名が一定しないのだが、これらは全て これからお聴き頂く同一の曲のことである。 序曲「精霊の王者」(リューベツァール) 途中、トランペットのコラールと、その後に続くティンパニの強打がカッコいい。 Rubezahl Overtue もう1曲。ウェーバーのオペラの序曲で最も壮大かつ有名なのが「魔弾の射手」であるが (冒頭のホルンの四重奏は、讃美歌になっている)、その次に有名なのが、このオベロン序曲である。 2分40秒ぐらいまで退屈に思えるかもしれないが、主部に入ると躍動的な音楽になる。 歌劇「オベロン」序曲 Oberon Overture 曲の冒頭がホルン・ソロで始まる。特別に技術的に難しいことはないが、 ここで間違えたら、全てがぶちこわしである。また、再生開始後約1分20秒。 トランペットの弱音の「ファンファーレ」があるが、弱音であるが故に気を使う。ここも間違えたら、 曲の神秘的な雰囲気が台無しとなる。簡単そうで緊張する。 ◆キリが無いので、多少、端折ります。モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」、ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」 本当にスイトナー氏を色々聞きたかったら、CDボックスが何種類か出ていまして、それが割安なんですが、
2009年01月15日(木) 【音楽】新しい才能の発見。女性トランペット奏者、Tine Thing Helseth(ティーネ・シング・ヘルセス)。
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