JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事1:日航法的整理へ 政府、透明性を重視(2010年1月8日 読売新聞) 日本航空の経営再建で、政府が「法的整理」に向けて大きくかじを切ったのは、裁判所の関与で厳格な手続きを進める方が、 ◆記事2:日航再建、土壇場でも溝 3メガ銀、減資含む私的整理案(NIKKEI NET)(1月7日 10:35) 日本航空の再建協議が大詰めを迎えるなかで、関係者の綱引きが激しさを増している。 ◆コメント:政府は法的整理を決めたなら、大反対していたメガバンクのシミューレーションを明かして、説明して頂きたい。 先日から散々法的整理、私的整理という言葉が流れていますが、 法的整理=会社更生法や民事再生法などを裁判所に申請し、法律に基づいて再建を進める。裁判所主導のため透明性が高い。 ということになります。要するに裁判所が介入するか、当事者(銀行とJAL)の話し合いで何とかするか、 という違いです。私的整理は散々、3メガバンクとJALが話し合ったけれども、拉致があかない。 しかたがないから「お上」が介入する、と決められてしまいました。 記事にも説明がありますが、法的整理で適応されるのは会社更生法が、民事再生法ですが、後者は、 どちらかと言えば中小企業の時に適用を申請するのです。JALのような大企業だと、当然会社更生法の適用を申請する。 すると、これ、滅茶苦茶手続きが面倒臭いのですが、兎に角裁判所が選んだ、「管財人」のもとで立て直しを図る。 民主党ってのは、選挙のころから、なんでも「ディスクロージャー」(情報開示)ということを重視していましたから、 分からない訳ではないのですが、裁判所が介入すると何でも出来てしまうのですね。 早くも11日には、100%原資というニュースが流れました。 ◆記事:支援機構、JAL100%減資と上場廃止検討=関係者(1月11日22時54分配信 ロイター) これは、どういう事かというと、株主の権利よりもまず、債権者の権利を重視し、株主の権利は消滅させる ということです。日航に融資していた銀行は、巨額の債権放棄を強要されるだけでなく、 皆、日航株を保有していましたから、この株が紙屑になる、ということですので、更に巨額の評価損が出る。 法的整理で管財人の元で整理が行われれば、確かに「透明性」は確保出来ますが、金融不安を呼ぶおそれがあります。 私が気になっているのは、記事2で触れている、 メガバンクが、政府に示した、法的整理を実行した場合のシミューレーション、です。 金融機関には航空機金融の専門家がいて、こういうことは餅は餅屋で極めて詳しいのです。 決して「脅迫」ではない、と思います。しかし、政府は国民に説明していませんよね? 銀行のシミュレーションによれば、法的整理を実行した場合、 ▼目的地に行けない、日本に帰れない。1日平均1000〜2000人強の欧州線利用者の大半がアフリカを含む現地で足止めも など「驚くような事態が並ぶ」と、日経も書いている、まだまだ、銀行はリスクを説明したはずです。 しかし、政府は、銀行から説明を受けているのに、その内容を全然国民に伝えていない。 法的整理にしても私的整理にしても、企業再生支援機構から公的資金が日航に注入される。 それは国民の税金です。 法的整理を続けた場合、どのような具体的リスクが、JAL利用者に及ぶのか、 3メガバンクから受けた説明を明らかにして欲しいと思います。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2009年01月11日(日) 「世界初の“アルコール0.00%ビール”をキリンが発表」←ビールを飲みたくても飲めない人がいる、という事実。
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