外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2005年01月11日(火) スマトラ島津波の被害 米国の津波警報センターは、津波の危険を伝えていなかった。




◆記事1:<インド洋津波>65分後に津波情報 米の警報センター  毎日新聞ニュース速報(2005年1月1日 (土))

 

 【ワシントン和田浩明】26日のスマトラ沖大地震の発生から約1時間5分後に、米海洋大気局の太平洋津波警報センター(ハワイ)が、「震源付近で津波の可能性がある」との情報を電子メールやファクスなどで関係各国に発信していたことが分かった。大気局の当局者によると、この情報の発信先には、太平洋津波警報組織国際調整グループ(26カ国・地域)の加盟国でもあるインドネシアとタイ政府も含まれていた。

 被害の大きかったタイのプーケットでは津波の到達が約2時間後だった。このため両政府がこの情報を避難勧告などの形で適切に活用していれば被害の軽減につながった可能性がある。


◆コメント:日本の新聞、情報の原文を確認しなければだめだよ。

 

 この記事を読むと、米国の太平洋津波警報センターは、12月26日の地震発生直後に津波の警報がある、と警告していたにもかかわらず、インドネシアやタイ政府が、情報を無視、又は、軽視したがために、大惨事となった、という印象になる。

しかし、太平洋津波警報センターが地震直後に発した情報を読むと、驚くべき事がわかる。


◆記事2:米国海洋大気庁(NOAA)の太平洋津波警報センターが地震直後に出した情報(原文)

TSUNAMI BULLETIN NUMBER 002

PACIFIC TSUNAMI WARNING CENTER/NOAA/NWS

ISSUED AT 0204Z 26 DEC 2004



THIS BULLETIN IS FOR ALL AREAS OF THE PACIFIC BASIN EXCEPT

ALASKA - BRITISH COLUMBIA - WASHINGTON - OREGON - CALIFORNIA.



.................. TSUNAMI INFORMATION BULLETIN ..................

ATTENTION: NOTE REVISED MAGNITUDE.

THIS MESSAGE IS FOR INFORMATION ONLY. THERE IS NO TSUNAMI WARNING

OR WATCH IN EFFECT.



AN EARTHQUAKE HAS OCCURRED WITH THESE PRELIMINARY PARAMETERS

ORIGIN TIME - 0059Z 26 DEC 2004

COORDINATES - 3.4 NORTH 95.7 EAST

LOCATION - OFF W COAST OF NORTHERN SUMATERA

MAGNITUDE - 8.5



EVALUATION

REVISED MAGNITUDE BASED ON ANALYSIS OF MANTLE WAVES.

THIS EARTHQUAKE IS LOCATED OUTSIDE THE PACIFIC. NO DESTRUCTIVE

TSUNAMI THREAT EXISTS FOR THE PACIFIC BASIN BASED ON HISTORICAL

EARTHQUAKE AND TSUNAMI DATA.



THERE IS THE POSSIBILITY OF A TSUNAMI NEAR THE EPICENTER.

THIS WILL BE THE ONLY BULLETIN ISSUED FOR THIS EVENT UNLESS

ADDITIONAL INFORMATION BECOMES AVAILABLE.

THE WEST COAST/ALASKA TSUNAMI WARNING CENTER WILL ISSUE BULLETINS

FOR ALASKA - BRITISH COLUMBIA - WASHINGTON - OREGON - CALIFORNIA.


(訳)

津波情報短信

このメッセージは参考の為のものであり、津波警報ではない。

(中略)

評価:マントル波の分析により、マグニチュードを(8.0から8.5に)修正した。

この地震は太平洋エリアの外で発生した。歴史的な地震及び津波のデータに鑑み、この地震による、破壊的な津波の脅威は環太平洋地域には、存在しない。

震央付近でのみ、津波が生じる可能性がある。

(訳注:震央と震源は違う。震源は地下の地震の発生点そのもの。震央とはそれを地球の表面に投影した場所をいう。)

追加的な情報がなければ、本情報が、この地震に関する唯一の告示になるだろう。


◆コメント2:津波の警報なんか全然だしていないじゃないか。

 

 この原文を読んだときには我が目を疑ったが、正真正銘、原文そのままなのだ。

震央付近といったって、それがどの辺りなのか全く書いていない。

そしてなによりも悲劇的なのは、インド洋諸国は、過去1000年もの間、津波の経験が無かったそうだ。

だから、津波が押し寄せてきているのに、呑気に見ていて、飲み込まれた住民が沢山いる、上の写真を見よ。

普通、ここまで、待っていないで逃げるだろう。日本人なら。知らなかったのだ。


◆津波警戒システムというのはさほど複雑、高価なものではない。

 津波を予知するためには「ツナミーター」というセンサーを搭載したブイが必要だが、ツナミーター1基の費用はわずか25万ドルである。

 シアトルの太平洋海洋環境研究所長のエディー・バーナード氏は、たった数個のブイがあれば間に合ったはずだと言う。

研究者たちは、インドネシア近海を含めインド洋に、もう2基の津波測定器を置くことを要望したが、その計画には資金が出なかったと、バーナードは語る。

ひどい話である。


2004年01月11日(日) 「非戦闘地域」という概念は一体、どこへ行ってしまったのか。
2003年01月11日(土) 腹にくる風邪が流行っているそうだ。おかしいと思ったら、早めに診てもらいましょう。

JIRO |HomePage

My追加