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| 2009年11月28日(土) |
ドバイで何が起きたのでしょう? |
◆何がおきたのか。
ドバイ・ショックに関しては、圧倒的に情報が足りませんが、分かる範囲で書きます。
ただ、ちょっと私から見ると滑稽です。事の重大さにおいては2008年9月15日のリーマン・ショックは桁違いです。
私はまさか、リーマンをアメリカが潰すとは思いませんでした。あの日、リーマンを潰したのが原因で、いまだに世界不況が
続いている、といっても過言ではない。後付けで書くのは簡単ですが、私は当時、
「米証券大手リーマン、破産法適用申請へ」←三菱UFJか三井住友か、みずほが潰れたようなものです。超一大事です。(ココログ)
を書きました。これが原因で、世界中が(金融)パニックに陥るぞ、と書きました。
その通りになりました。各国の中央銀行が自国の民間銀行に公的資金を注入して資本を増強し、
金融機関が破綻するかも知れないという不安を払拭してなんとか金融恐慌をもたらしましたが、
どうも世の中、のほほんとしていました。今回、ドバイも晴天に霹靂ですが、
今回騒ぐならば、リーマンのときにどうしてあれほど暢気だったの?と、やや皮肉なことを書きたくなります。
今回何が起きたか。事実だけを書くと、
ドバイ政府の持ち株会社ドバイ・ワールドと傘下の開発会社ナキールが、25日に総額590億ドル(約5兆円)の債務返済を繰り延べるよう要請した。
ということです。
◆何が問題なのか。
ドバイとは、アラブ首長国連邦(UAE=United Arab Emirates)を構成する7つの首長国の1つで、
正確にはドバイ首長国です。あまり石油が出ないので、観光業、金融業、不動産開発に力を入れて、
1970年代から、顕著な経済成長を遂げました。
不動産開発が活発化するように、税制面で優遇し、規制を緩和したので、周りの産油国の資金や、
その他、海外の不動産開発業者を積極的に呼び込み、超高層ビルや大規模リゾートの建設ラッシュが起きました。
最初は良いのですが、日本のバブル崩壊も、アメリカのサブプライムローン問題と、ドバイも原理的には同じです。
つまり、高層ビルやリゾート施設を無限に建設し続けることはできないのですから、何処かで頭打ちになります。
建設ラッシュの頃は海外投資家が競って土地を買いますから、不動産価格が上昇しますが、これ以上買えない、
となれば、価格は暴落します。バブル崩壊そのものです。
ドバイの場合、その傾向が去年から出ていましたが、運悪く、リーマン・ショックが起きたので、
世界の投資家は大損害を被り、ドバイに投資する余裕が無くなりました。おカネがドバイから引き揚げられて
いきました。ドバイの政府系開発会社ナキールは、リゾート人工島の造成を行ったり、
退役したクイーンエリザベス2世号を買収したり、派手なことを続けていましたが、外国の投資家が、
リーマン・ショック以降に資金を手元に戻しました「投資マネーの流出」とはそういうことです。
いくらでも海外投資家の資金を集められると思っていたナキールははしごを外された格好になりました。
それで、ヨーロッパの大手銀行から借りていたおカネを期日に返せない、というのです。
今回は12月中旬以後に返済期限を迎える債務の支払いを半年間延期するよう、欧州系金融機関に要請しました。
欧州系金融機関から見れば、貸したおカネが焦げ付いたわけです。総額約5兆円が不良債権になる、といわれています。
当然、ヨーロッパの銀行の業績が悪化します。すると、銀行は融資に慎重になり、自国の企業は必要なおカネを
調達できなくなる。クレジットクランチといいますが、リーマン・ショック以降、リーマンに投資していた世界中の
銀行が損失を被り、クレジットクランチが起きたことが今の世界不況の原因だったのです。
最近漸く、そこから、薄皮を剥がすようにではありますが、立ち直ってきたな、と、
やや、世界の金融市場に安堵感が広がっていたのに、ドバイの政府系持ち株会社が、
「約5兆円、返済を猶予して下さい」といったので、「またか」という訳です。
前述したとおり、リーマンが潰れたときに、世界の銀行が被った損失に比べれば、
大したことはない、と思いますが、問題は、全貌が明らかではないことです。
つまり、ドバイワールドが全てなのか、という疑念が持ち上がるのです。
欧州の金融機関は他にも巨大な不良債権を抱えているのではないか?と、いうことです。
◆どうすれば良いのか。
この記事の冒頭に、情報が圧倒的に不足している、と書きました。
それは、
本当は欧州の各銀行はドバイワールドにどれぐらいの債権をもっているのか?
ということと、もし、ドバイが半年猶予と言っていますが、返済不能に陥ったときに、
欧州で、それが原因で潰れる銀行はないのか?ということが不明だ、という意味です。
因みに邦銀では三井住友が200億円程度の債権をもっているようですが、三井住友フィナンシャルグループの
総資産は約111兆円ですから、心配するほどではないでしょう。
欧州系金融機関は財務の全貌がよく分からないから、徒に金融市場の不安を募らせるのです。
ドバイワールドに対して、各銀行はいくら債権をもっているのか。
各銀行はそれが全部貸倒になっても潰れないのか。
ドバイワールド以外に、中東に限らず、回収不能の巨額債権はないのか。
などを、明らかにすることが、事態の沈静化に、最も必要なことだと思われます。
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