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| 2008年11月28日(金) |
私が唯一好きなオペラ「魔笛」のお薦め。/「魔笛の主題による変奏曲」(ソル、イエペス) |
◆私はオペラは原則として嫌いなのです。
私は、オペラが好きではありません。食わず嫌いではなく、イギリスにいた頃何度も観たし、
若い頃、「我慢して」ヴェルディやプッチーニを聴きましたが、大抵、途中で飽きます。
それに、オペラでは、オーケストラは、舞台の手前にある「オーケストラ・ピット」という「穴蔵」に入ってしまい、見えません。
オケの奏者が難しいソロをこなしても、所詮、伴奏。オペラの主役が歌手であることは言うまでもない。
私の愛するオーケストラを「穴蔵に押し込む」というだけで、何となく嫌いです。
とにかく、オペラはどうしても好きになれません。しかし、例外があります。
◆唯一、モーツァルトの「魔笛」のCDは最初から最後まで聴けるのです。
「魔笛」はモーツァルトが最後に、死ぬ年に書いたオペラです。その為でしょうか、あまりにも美しいのです。
「美しい」では表現出来ていません。楽しいし、悲しいし、歌手の超絶技巧を堪能することも出来る。
様々な、要素を含んでいます。ただ、このオペラのストーリー。あらすじを読んでも訳が分かりません。
これは、フリーメーソンのことを知らないと意味が分からないそうです。
それでも、音楽だけで、これだけ初めから終わりまで楽しめるオペラを書いたモーツァルトは
やはり、神の使いなのでしょうか。
◆「魔笛」のサワリを選んでみました。
まず、序曲。これは、ネヴィル・マリナーのCDです。お薦めです。
ダウンロード DieZauberfloteOverture.mp3 (9648.1K)
はい。序曲でした。話が逸れますが、この序曲がモーツァルトと同時代のピアニスト・作曲家、クレメンティのピアノソナタとそっくりなのです。
というか、そのまま使っている部分があります。それに関しては、約2年前に書いた、モーツァルトとクレメンティ
で、聴き比べてみてください(興味の有る方は、です。勿論)。
オペラそのものから、いくつか、有名なアリアなどを。
これらは、全曲じゃなくて、抜粋のCDがナクソスから出ていまして、それを使いました。
まず、パパゲーノという主要登場人物の一人が歌う、陽気な歌。「私は鳥刺し」。
私は鳥刺し(パパゲーノのアリア)
全然難しい音じゃないのに、楽しくなります。屈託がない。
さて、あれもこれも紹介しているとキリがないので、いきなり、第一幕のフィナーレ「早く行きましょう,勇気を出しましょう」
を聴いていただきます。これは、グロッケンシュピールという鉄琴で伴奏することになっていますが、
今ではチェレスタという楽器で演奏します。鉄琴をキーボードのアクションを利用して叩く楽器です。
「早く行きましょう,勇気を出しましょう」です。これ、二重唱も綺麗なんですけど、再生開始後
1分50秒ぐらいからのところ。チェレスタが伴奏して、男声合唱がささやくように歌うメロディーを聴いて下さい。
素朴だけど、私には「天上の調べ」に聞こえます。
Schnelle Fusse, rascher Mut
私が強調しているのは、この部分↓です。もう一回、そこだけ。
コーラスの部分。
これはですね。もっと弱く、遠くから聞こえてくるようにすると、もっと美しいのです。
それをやっているのが、カラヤンのCDです。
これはお薦めします。ホントに夢のように美しい。私、初めて聴いたときに涙がこぼれました。
さて、ギターの為の作品を沢山書いた、ソルという人がいますが、ソルも私と同様、このコーラスの部分の
あまりの美しさに啓発されたようで、ギターの為に《魔笛》の主題による変奏曲という作品を残しています。
私、ギターの曲でこれ、最も好きなものの一つです。お聴き下さい。演奏はナルシソ・イエペスです。
「魔笛」の主題による変奏曲op.9(ソル)
なるほどね。こういう風に展開できるのですね。
さて、最後ですが、「魔笛」はソプラノ、特に技巧的なコロラトゥーラ・ソプラノにとって、
超絶技巧を要するアリアがあります。「夜の女王のアリア」といいまして、2つあるのですが、
第2幕で歌われる、「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」という恐ろしいタイトルの方が難しいと思います。
どう難しいかは、実際に聴いて下さい。
復讐の炎は地獄のように我が心に燃え
QueenoftheNight
すごいですね。本当にソプラノの最高音域での声のコントロールが必要とされます。
これ、実際のオペラの舞台では、結構可笑しいのです。ソプラノが上手く歌えば、当然、ここで「ブラボー」がかかりますけど、
劇としては、「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」だから、
すごく怒った形相のままで、「プイ」と退場しなければいけないのです。
ここで、ニコッと笑ってお辞儀して、「どうも。」とやってしまったら、劇としての緊張感が無くなってしまいます。
本当はニコッとしたいでしょうに、ここばかりは、ソプラノの人、気の毒です。
本当はこの曲は森麻季さんの演奏で聴きたいですが、オペラ・アリア集はイタリアものしか出しておられないですね。
モーツァルトの魔笛はオペラですけど、ドイツオペラ。ジング・シュピーゲル(歌芝居)と言うんです。
まあ、それは今日はいいです。
音楽の紹介、CDのお薦めは何回もしましたが、オペラは今日が初めてでした。
それでは、皆様良い週末をお過ごし下さい。
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