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JIROの独断的日記
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2009年10月22日(木) 毎コン本選たけなわ、です。

◆日本音楽コンクール(毎コン)の本選が20日から始まっています。

日本音楽コンクールとは、今年で第78回です。元々毎日新聞の主催で始まったコンクールなので、

ずっと、「毎日新聞音楽コンクール」、通称「毎コン」と呼ばれていました。

ちょっと気をつけると直ぐに分かることですが、今年で78回目ということは、

何と、毎日新聞は戦前に西洋音楽のコンクールを主催することを企画・実行したのです。

毎コンに関しては今までに何度も繰り返し書きましたので、

宜しければ過去の記事もご覧下さい。

とにかく、これは日本で最も権威のあるコンクールです。出た人に訊くと、殆ど必ずと言って良いほど、

このコンクールは、別格だ。

と言います。要するに、レベルが全体として非常に高く、評価にも信頼性がある。

本選まで残ることなど、至難の業です。予選は9月に終わっており、それから1ヶ月ほど経ってから、

本選となります。今週は各部門(作曲、声楽、ピアノ、ヴァイオリン、クラリネット、トランペット)の本選、

つま優勝者を決めるり最終審査が連日、東京のオペラシティで行われています。

ご参考でに、リンクです。
日本音楽コンクール公式サイト

開催日程

課題一覧


◆記事1:日本音コン:作曲部門 東久留米の中辻小百合さん1位「信じられない」(10月20日21時25分配信 毎日新聞)

第78回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛=三井物産)の本選会シリーズが20日、

東京・初台の東京オペラシティで開幕した。初日は作曲部門の審査が行われ、中辻小百合さん(26)=国立音大大学院=が

「消えていくオブジェ〜北園克衛の詩による〜」で第1位に選ばれた。詩の言葉を瞬間的なイメージとして鮮やかにすくいとったことが評価された。

今年の課題は室内楽作品。応募の53曲から、予選の譜面審査を通過した7人の作品が

板倉康明指揮東京シンフォニエッタによって初演された。池辺晋一郎、野平一郎ら11氏が審査した。

他の入賞、入選者、作品名は次の通り。(敬称略、2位・入選は演奏順)

<第2位>大胡恵(30)=東京芸大卒=「お早うコンプレックス」

▽薮田翔一(26)=東京音大大学院=「Reflect」

<第3位>なし

<入選>増田真結(27)=京都市立芸大大学院=「かさねのあわい〜ヴィオラとチェンバロのための二重協奏曲〜」

▽桑原ゆう(24)=東京芸大大学院修了=「ラブソング3」

▽小林純生(26)=一橋大学大学院=「駆ける緑、うねる青」

▽折笠敏之(34)=東京芸大大学院=「Dissipation3」


◆記事2:<音コン>田中香織さん1位 クラリネット部門(10月21日20時38分配信 毎日新聞)

第78回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛=三井物産)の本選会シリーズ2日目は21日、

東京オペラシティでクラリネット部門が行われ、第1位に田中香織さん(30)=スイス・バーゼル州立音楽院卒=が選ばれた。

技巧と多彩な表現力が評価された。142人の応募から2度の予選を通過した5人が、

フランセのクラリネット協奏曲を競演。村井祐児、横川晴児ら11氏が審査した。【梅津時比古】

他の入賞・入選者は次の通り(敬称略、入選は演奏順)。

▽第2位 近藤千花子(26)=東京交響楽団員

▽第3位 太田友香(24)=東京佼成ウインドオーケストラ団員

▽入選 川上一道(27)=沖縄県立芸大大学院修了、芳賀史徳(26)=仏・オーベルビリエ・ラ・クールヌーブ地方国立音楽院

▽岩谷賞(聴衆賞) 川上一道


◆記事3:<音コン本選会>第1位に稲垣路子さん トランペット部門(10月22日21時5分配信 毎日新聞)

第78回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛=三井物産)の本選会シリーズ3日目は22日、

東京オペラシティでトランペット部門が行われ、第1位に稲垣路子さん(29)=愛知県立芸大卒=が選ばれた。

表出力豊かな音色などが評価された。

189人の応募から2度の予選を通過した5人がハイドンの協奏曲などを競演。

北村源三、守山光三ら11氏が審査した。

他の入賞・入選者は次の通り。(敬称略、入選は演奏順)

▽第2位 宮本弦(22)=東京音大卒

▽第3位 篠崎孝(23)=大阪フィル団員

▽入選 川田修一(25)=国立音大卒、松岡恒介(26)=相愛大音楽専攻科修了

▽岩谷賞(聴衆賞) 稲垣路子【梅津時比古】


◆コメント:本選まで残ること自体、立派。

申し訳ないけど、作曲部門は、私の知能・感性では理解不可能で、

毎年、1位になった曲を聴いても(NHKで必ず放送します)、何の感興も催さないのである。

分からないことは書けないので、割愛させて頂く。


何といっても、毎コンの醍醐味は、演奏者に優れた才能を発見することである。

私はまだ、本選に残った人々の演奏を聴いていないので、演奏を評価することは

不可能だが、コンクールのサイトに放送予定が載っている。

演奏そのものを丸ごと放送するのは、FMとハイビジョンだけだが、地上波でもドキュメンタリー番組が12月12日の放送される。


◆クラリネット部門

本選課題曲の、フランセ作曲、「クラリネット協奏曲」は知らなかったが、

ブログからリンクを貼らせて頂いている、プロのクラリネット奏者、Nべさんによると、

「最も演奏が難しい、クラリネット協奏曲」と言われているそうだ。YouTubeにあるので、

第一楽章を聴いて頂こう。


Mauricio Murcia/Jean Francaix Clarinet Concerto, first mov







音階の連続のようだが、クラリネットの音域を目一杯使っていて、音の動きも速い。

基礎から、真面目にクラリネットを勉強してきた人が更に猛練習を何ヶ月も重ね無ければ吹けないだろう。


1位の田中香織さんを検索したら、何とMy SpaceというSNSに自分のサイトKaori Tanaka - MySpaceをお持ちである。

右上のプレーヤー画面右上のプレーヤーから、田中さんが吹いたフランセの4楽章を自由に聴くことが出来る。

確かにこれを聴く限り、無茶苦茶上手い。


しかし、2位と3位受賞者も立派だ。

2位の近藤千花子さんは、東京交響楽団員。

3位の太田友香さんは、東京佼成ウインドオーケストラ団員。

プロである。プロになってからコンクールを受けるのは、毎コンの管楽器では、さほど珍しくはないが、

さぞや大変だったと思う。

プロなのだから、仕事があるわけで、コンクール受けるから休職させて欲しい、

とは言えない。まして、
コンクールの曲を練習しているのだから、仕事の曲は少々間違えても良いでしょう、
などとは絶対に言えない。それではプロではない。

聴きに来るお客さんには関係ないことだからである。

恐らく寸暇を惜しんで、この超難曲をさらったのであろう。

クラリネット部門参加者は142人いて、本選に残ったのは5人である。

うち、2人はプロ。それだけでも頭が下がる。


◆トランペット部門。

前回のトランペット部門本選課題曲はジョリヴェという現代作曲家だけだったと思う(確信はない)。

高度な技術が求められ、プロのトランペット奏者になるためには、こういう曲も吹けなければならない、

ということなのだろうが、はっきり言って、聴いている方は全然面白くない。

それは、なんだかんだ言っても、トランペット協奏曲と言ったら、まずハイドンですよ。

これが復活した(?)のは嬉しい。

トランペット部門も、大阪フィルのプロが上位に入賞しているが、

1位が女性。上手くなっているのですね。私の知らない間に、みんな。

ハイドンのトランペット協奏曲は何度載せたか分からない。

何人か聞きくらべて頂こう。最初は言うまでもなく、モーリスアンドレ



J.ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 第一楽章



ダウンロード HaydnAndreTrumpetConcerto.mp3 (6466.5K)



次は、アメリカのロルフ・スメドヴィック(ROLF SMEDVIG)による演奏。

CDは、TRUMPET CONCERTOS -HAYDN/HUMMEL/TARTINI/TORELLI/BELLINI :ROLF SMEDVIG



ロルフ・スメドヴィックによる、ハイドン 第一楽章


ダウンロード HaydnTrumpetConcerto1stmovSmedvig.mp3 (8963.0K)



非常に楽器がよく鳴っています。テクニックは文句の付けようがありません。
最後は毎コン優勝者と同じく女性。

ノルウェーのまだ、若干22歳。Tine Thing Helseth(ティーネ・シング・ヘルセス)。

CDは、Trumpet Concertos Tine Thing Helseth



ティーネ・シング・ヘルセスによる、ハイドン 第一楽章



Tine Thing Helseth Haydn 1st mov.



ラッパは唇を発音体としていて、その形状や口腔の条件などにより、それぞれ音が違うし、

勿論、それぞれの解釈があるわけで、これほど違って聞こえるのです。

毎コン入賞者のみならず、若い才能が育って欲しいと思います。

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