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JIROの独断的日記
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2009年10月24日(土) 「真央フリー“裏プログラム”あった!リストの『優しく穏やかなピアノ曲』」←【音楽】リスト特集。

◆記事:真央フリー“裏プログラム”あった!…フィギュア(10月24日8時0分配信 スポーツ報知)

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦ロシア杯(23日、モスクワ)フィギュアスケートの

グランプリ(GP)シリーズ第2戦・ロシア杯は23日に開幕した。日本女子のエース、浅田真央(19)=中京大=に、

フリーで“裏プログラム”が存在していたことが分かった。最終的にラフマニノフの前奏曲「鐘」を選んだが、

ハンガリーの作曲家、フランツ・リストの楽曲も用意していた。

バンクーバー五輪で金メダルを目指す真央のフリープログラムに、もう一つ有力な候補曲があった。

それは19世紀に欧州で活躍したピアニストのリスト。重厚で荘厳な旋律が印象的な「鐘」とは違った優しく穏やかなピアノ曲だという。

実は真央は昨季からリストの曲を聴き、プログラムの候補曲として温めていた。

だが、今季のプログラムを作る過程では「物足りなさ」を感じたという。

「優しくて、かわいすぎる。自分をもっと後押ししてくれる曲がいいと感じたようです」と関係者は明かした。


◆コメント:因みに、皆さんお好きな、「ラ・カンパネラ」も、フランツ・リストでやんす。

相変わらず盛況でございます。弊ブログ記事、「大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。」

の奇跡の演奏、「ラ・カンパネラ」、あれは、パガニーニを尊敬していたフランツ・リストが、

パガニーニのヴァイオリン協奏曲のテーマを用いてピアノ曲に作曲し直したものでございます。


いえ、記事とは関係ないのですが、思わず書きたくなっただけです。

ラフマニノフのピアノ曲、前奏曲「鐘」が浅田真央選手の今期のフリー曲に決まったとき、

私は、「フィギュア 浅田真央、フリー曲は『鐘』」←ラフマニノフで「鐘」というタイトルが付くのは2種類ありまして。ココログ)を書きました。

その中で、
これ、よく確かめたのだろうか?ラフマニノフの作品で「鐘」のタイトルが付く曲は私の知る限り、

二曲ある。ピアノ独奏曲と、管弦楽曲なのだが、「前奏曲 鐘」と言ったら、ピアノ曲である。

ところがこれは、卑属な書き方をするなら、大変、「暗い」「盛り上がらない」曲なのである。

いや、「盛り上がらない」、というと、語弊がある。

クライマックスの迫力はすごいのだが、あまりに重く、「華やかさ」に欠けると思われる。

と、書きました。やっぱりね。


それにしても、「日刊スポーツ」だから仕方ないけど、
(リストの)優しく穏やかなピアノ曲だという。

って・・・(笑)。曲名ぐらい何とか取材しなさいよ、と言いたいですな。


因みに、mixiのマイミクさんの日記を拝読していたら、奇しくも10月22日はフランツ・リスト(1811〜1886)の誕生日とかで、

念のため確認したら、確かにその通りでした。


リストの「優しく穏やかなピアノ曲」ねえ・・・。まあ、最もポピュラーなのは、

「愛の夢」ですねえ。


◆フランツ・リスト特集(1)「優しく穏やかなリスト」

フィギュアスケートの話題に便乗して、リスト作品、編曲作品をご紹介します。


予め申し上げますが(いつも書いているのですが)、ここに載せた曲を全て、最初から最後まで、

順番に聴いて頂く「必要」は全くありません。気の向いた曲からご自由にどうぞ。

言うまでもなく、「この曲、つまらない」と思ったら、途中で止めて下さって結構です。

性に合わない音楽を、無理に聴く「義務」など、誰にもないのです



それはさておき。

リストと言えば、「超絶技巧練習曲集」とか、ヴィルティオーゾ系がどうしても最初に頭に浮かびます。

今日は、まず、私もあまり知らなかった、「静かにリスト」をいくつか。


前段に書いた、「愛の夢」。3番までありまして、3番が最も有名です。

「愛の夢」第3番


Franz Liszt Liebestraume No. 3: Nocturne in A flat major



フィギュアスケートに使うとしたら、これでしょうね。


以下は、スケートと無関係に、「以外に静かで穏やかな、リストのピアノ曲」です。

ピアノ曲全集Vol.4[詩的で宗教的な調べ第7〜10番 / アヴェ・マリア / 他]というCDには、その部類のリストの作品が収録されています。

その中から。まず、アレルヤとアヴェ・マリア S183/R68 - アヴェ・マリア。


アレルヤとアヴェ・マリア S183/R68 - アヴェ・マリア


Arcadelt - Ave Maria



なんだか、サン=サーンスの交響曲3番の第二楽章に似ているような気が・・・。まあ偶然でしょう。

でも、こういうリストの曲は結構あるんですよ。

次はですね。「コンソレーション」(慰め)という6曲から成る曲集です。その3曲目。

コンソレーション(慰め) S172/R12



Consolation No. 3. Lento placido



何となく、ショパンのプレリュード(前奏曲集)かな?というぐらい、穏やかですね。大変美しい。

◆フランツ・リスト特集(2)お馴染み、超絶技巧のリスト。

超絶技巧練習曲って、疲れるんですよね(笑)。

そこで、今年の夏、私が東京音大付属音楽教室発表会で聴いた、

リゴレット・パラフレーズという曲。CDならこれ。The Transcriber: Moss

これを中学3年の女の子が、ただの一つのミスタッチも無く、すごい音量で弾ききりました。華奢な身体してる娘だったのですが、無駄な力が入らず、

正しい奏法を身につければ、弾けるんですね。プロのピアニストを目指すには、中学三年でこれぐらい弾けないとダメなんです。


リゴレット・パラフレーズ



Rigoletto: Paraphrase



私は、この曲の楽譜を見たら発狂するのではないかと思います。

もう一つ。リストは大抵何でも難しいですが、「巡礼の年」という、またもやよくぞここまで難しい曲を書くよ、

と、聴いていてグンニャリするような曲集があります。

CDは色々跳んで申し訳ないのですが、Annees De Pelerinage.2: Nosikova(P)

どれも難しのですが、一番最後のタランテラ、という曲、最初から高度なテクニックが炸裂します。


巡礼の年 第2年 タランテラ



Annees de pelerinage No. 3. Tarantella



ピアニストとして、テクニック(というかメカニックというか)の仕上げのためには、

どうしてもこういう曲を避ける訳にはいかないのです。


◆フランツ・リスト特集(3)編曲者としてのリスト

リストがベートーヴェンの全て交響曲をピアノ用に編曲したものは、比較的有名です。

CDではシプリアン・カツァリスというピアニストが20年以上にも録音したものが、

すさまじいテクニックで、見事です。

これですね。Beethoven : Symphonies Nos. 1 - 9 ( Transcription by Liszt ) / Katsaris

全9曲で4千円台です。安くなりました。

リストの編曲で最も有名ですから、聴いて頂きましょう。


ベートーヴェン:交響曲第4番 第四楽章(リスト編曲・ピアノ版)


Beethoven Symphony No.4 Finale PF(Liszt)


ご参考までに、原曲、つまりオーケストラの演奏を並べておきます。伝説的名演の誉れ高い、

カルロス・クライバー=バイエルン国立管弦楽団のライブ録音です。



カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団 ベートーヴェン 交響曲第4番 第四楽章



クライバー:ベートーヴェン 交響曲第4番 第四楽章



これは、余計なことを書かない方がいいですね。これほどの大熱演は、滅多にありません。

カツァリスは、このとおり、ものすごいテクニックの持ち主ですが、勿論ベートーヴェンの交響曲の専門家ではなく、

ショパンなど、普通のピアノ曲の演奏も素晴らしいのです。一応、書いておきます。


さて、今日、最後は、「魔弾の射手」で有名なウェーバーの序曲です。リストにより、ピアノ版に編曲されています。

これはですね、先にオーケストラを聴いて頂きます。ウェーバーの序曲の中では最も演奏時間が短いのですが、

編成は大きい・・・というか打楽器を多用しており(魔弾の射手序曲やオベロン序曲は、ティンパニのみです)

賑やかな、しかし、堂々とした「如何にもウェーバー」な曲、「アブ・ハッサン」序曲です。

演奏は、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮、フィルハーモニア管弦楽団です。

「アブ・ハッサン」序曲



Carl Maria von Weber,Abu Hassan Overtue



名曲の名演ですね。

話が逸れますが、私はそうだなあ、小学生の頃からだから約30年前からサヴァリッシュ氏を尊敬しています。

今、80を過ぎた母からもよく言われるんです。
あんた、小学生の頃からずーっと「サヴァリッシュ先生」ていって、尊敬してるのよね。

と、その通りです。これを話すとながくなるし、以前書いたので、今日はここまでにします。


さて、リスト編曲によるピアノ版です。これは、海外のNaxosから取り寄せるしかないのですが、

ウェーバー:序曲集(4手のためのピアノ編曲)です。

ナクソス・ミュージック・ライブラリーでも聴けます。「4手のための」とは、「連弾」を意味します。二人のピアニストが二台のピアノで

弾く場合は、「二台のピアノの為の・・・・」というタイトルになります。それでは、お聴き下さい。


リスト編曲:ウェーバー:「アブ・ハッサン」序曲



Abu Hassan, J. 106: Overture (arr. for piano 4-hands)



これはピアニストは、Paley, Alexander、Zeger, Brianという二人です。失礼ながら無名だと思いますが、

大変上手い。Naxosはこういう無名だけど優れた才能を発掘する会社ですが、ちょうど良い人を見つけたと思います。

リストの編曲は原曲に忠実で、どこから聴いてもウェーバーの香りはしますが、リストの編曲とは分かりません。

これは、リストが非常に良心的な編曲者だった、ということでしょう。名アレンジャーだったのですね。リストは。


随分盛りだくさんになってしまいましたが、最初に書いたとおり、全部聴く必要は全くありません(聴いて頂ければ嬉しいですが)。

面白そうだ、と思った曲をお好きな順番で、お好きなようにお聴き下さい。

それでは。

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