JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事1:東証大引け、大幅続落 円高で輸出株に売り、一時1万円割れも(日経)(9/28 16:33) 28日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落。終値は前週末比256円46銭(2.50%)安の1万9円52銭と、 ◆記事2:円、一時88円台に急伸=民主政権の容認姿勢で−東京市場(9月28日19時1分配信 時事通信) 28日の東京外国為替市場の円相場は、民主党政権の円高容認発言が改めて意識され、 ◆記事3:最近の円相場の動き「異常ではない」─藤井財務相=報道(9月28日10時46分配信 ロイター) ダウ・ジョーンズ(DJ)が28日伝えたところによると、藤井裕久財務相は最近の円相場の動きは「異常ではない」との認識を示した。 ◆記事4:<亀井金融相>返済猶予法案を指示 臨時国会提出目指す(9月24日13時10分配信 毎日新聞) 亀井静香金融・郵政担当相は24日、中小企業向け融資や住宅ローンを返済猶予(モラトリアム)する制度について、 ◆記事5:返済猶予に異論なかった=閣僚委で亀井郵政・金融担当相(9月28日19時46分配信 ロイター) 亀井静香郵政・金融担当相は28日の基本政策閣僚委員会後、記者団に対し、 ◆記事6:鳩山首相「モラトリアムまで合意していない」 亀井金融相の主張拒否?(9月28日21時1分配信 産経新聞) 鳩山由紀夫首相は28日夜、亀井静香金融相が提唱している中小企業向け融資や個人向け住宅ローンを3年程度猶予する ◆コメント:民主党の閣僚、勝手に色々言うなよ。 長々と引用しましたが、どうしても必要なんです。 輸出関連株を中心に売りが膨らんだ のです。 では、どうして、急に円高になったか。藤井財務大臣の発言に尽きます。 藤井財務相が、財務相就任当初から、 為替相場が緩やかな動きにとどまるなら為替介入には反対だ と言い、世界の主なマーケットは日本の新しい財務相は「円高容認だ」と見なし始めていました。 今朝、先週末のNY市場での円高の流れを受けて、東京で円高が進行したときもまだ、記事3にあるとおり、 「異常ではない」などと余計なことをいうから、今日のドル円相場の終値は先週末より1円半も円高です。 繰り返しますが、それが株売りを誘ったのです。 午後になってから、円高を認めた訳ではない、とか如何にもとってつけたようなことを言っていましたが手遅れでした。 財務大臣が為替に介入しないとかなんとか、うっかり口にするものではないのです。 この人ベテランなのか何だか知りませんけど、経済関係閣僚の発言が市場に与える影響の大きさを理解していません。 ◆株安のもう一つの元凶は亀井金融相です。 亀井さんは、大臣に就任した途端、資金繰りに困った中小・零細企業や個人が借金の返済を3年程度、先送りできる制度をつくる、と 少なくとも3年程度、返済猶予(モラトリアム)を実施すべく取り組む という部分です。つまり、国家の命令で、民間の金融機関に対して、おカネを貸したお客からおカネを返してくれと言ってはいけない、 と強制しようとしていることです。新聞が「徳政令のようだ」と書いていますが、徳政令とは、 鎌倉末期に、御家人の困苦を救うために幕府が質入れの土地・質物を無償で持主に返す令(永仁の徳政令)を出した(広辞苑) ことを指しています。 これは、資本主義経済ではないです。融資は貸し手の銀行と借り手の契約です。国内銀行の中小企業向け融資残高は280兆円もあります。 仮に銀行の利ざやが1パーセントとすれば、年間2兆8千億円もの得べかりし利息を銀行が受け取れなくなります。それが3年続いたら、 銀行経営に支障を来す恐れがあります。リーマンショックから1年経ち、漸く世界の金融危機が少しずつ収まり始めているときに、 下手をすると日本からまた、金融危機が発生するかも知れない。とにかく、自由主義経済で取り交わされた、自由意志に基づく 金銭消費貸借契約に国家が介入するというのは、資本主義じゃないのです。社会主義に近い。そういうことを簡単にいってはいけないのです。 亀井さんがこの案を口にしてから、先週、日経平均株価全体は上昇していましたが、銀行株は売られてました。 それは「亀井徳政令」が法制化されたら、銀行がヤバいかもしれないと、マーケットが考えたからです。 昨日(27日)テレビ朝日系列の「サンデープロジェクト」でも、亀井金融相はすっかり調子に乗って、 首相が(返済猶予策に)反対なら、自分を更迭すればいい。でもできっこない。 と気焔を上げていました。そこで鳩山首相は記事6にあるように、 連立与党でモラトリアムまで合意しているわけではない と言いました。あまり調子に乗るなよ、と亀井金融相にイエローカードを示した形です。 鳩山政権が誕生してから、まだわずか12日ですが、閣内の見解の相違が明らかになっています。 各大臣が色々勝手なことをいうので、漠然とした日本への不安感もあり、海外投資家が日本株を売っているのでしょう。 早くも、ハードルが現れました。鳩山さんが、藤井財務相、亀井金融相をコントロール出来るか否かが、注目すべきポイントです。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2008年09月28日(日) 何かについて「論ずる」ことに関する一考察。
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