JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:<勤務医>「うつ」12人に1人 休日「月4日以下」46%(9月5日11時17分配信 毎日新聞) 日本医師会は、勤務医1万人を対象にした健康に関するアンケートで、勤務医の12人に1人が精神面の支援を要する ◆コメント:さもありなん。 人間は勝手な生き物で、自分が病気になると医者に頭を下げる。 人の命を預かる仕事に、失敗は許されない。 人の命に関わらない仕事ならば失敗が許されると思っているのだろうか? 曰く、 患者の生命がかかっているのに(いつ容態が急変するか分からないのに)休みをとるのか。 医者だって人間なんだから休まなければ、疲れ切って、ミスが増えるだろう。 挙げればキリがない。言いたい放題、無茶を言う。 直ぐに医療ミスだ、といって訴訟を起こす。 昔は医療訴訟を起こしても大抵患者側が負け、それはそれで問題だったが、日本社会は極端から極端に振れる傾向があり、 今は医者が裁判で負ける判例が増えている。 不眠不休で頑張ってる医師は神ではないから、失敗することだってあるだろう。 勿論、中には本当に医師の怠慢というケースもあるだろうし、医師や医療機関の不親切な対応に 肚が立つことはある。 私は、13年前に父を亡くした。死んだ時にはロンドン駐在員で、親の死に目には遭えなかった。 私のロンドン駐在は、1993年10月からだが、前年、1992年12月、父は軽い脳梗塞を起こした。 そのときは、大したことなく、麻痺も残らず、回復したかに見えた。 1993年、8月20日にロンドン駐在の内示が出た。父は喜んでくれた。 しかし、その10日後、脳出血で倒れた。素人目にも危ないと思った。 救急車で近くの個人総合病院に搬送された際、当直医の説明がひどく投げやり、というか「情」のかけらもなかった。 「いつ、死んでもおかしくない」 という意味のことを、事務的に告げ、さっさと次の用事に向かう当直医(脳外科の女医だった)に 無性に腹が立ち、半ば本気で、「殴ってやろうか」と思った。 そういう経験もしているから、医師が全て親切なわけでも、能力が高いわけでもないこと。 患者から見て腹が立つ状況はしばしばある、ということは認識している。そんなことは承知した上で書いている。 そういう医者、医療従事者もいるが、良心的な医者とて大勢いる。 私は、それを世間に知らしめたい、と考えている。 1989年11月13日、日本で初めての生体肝移植が当時の島根医科大学第二外科で行われた。 私は毎年、11月13日の日記に、そのことを繰り返し書いているのは、 これほど立派な医師が現実に存在することを伝えたいからである。 これは、例外的に重要な日本医療史上の出来事だが、そこまでいかなくても、 街には、良心的な医師が必ずいる。皆、何だかんだいうが、病気になれば医師に診て貰うのは、 基本的には、医師を信頼しているからだろう。 繰り返すが医師だって神ではなく、人間だからミスをすることはあるだろう。 それは、勿論望ましくはないが、それまでに数多くの人間の生命を救ってきた医師が、 たった一回の失敗で、あたかも「悪魔の申し子」のように責められるべきではない。 訴訟を起こす患者や、家族の中には、本当に怒りを感じてドクターを訴えるのではなく、 弁護士と相談して、上手くいけば示談金か慰謝料を取れるぜ、という魂胆で裁判沙汰にする、狡い奴もいる。 訴訟リスクが高いから、内科、外科、小児科、産婦人科の医師が特に不足している (麻酔科も、ものすごくしんどいことは素人には殆ど知られていない)。 当然、残った外科、小児科、産婦人科の医師の肉体的・精神的な負担は高まる。 ロクに休むことどころか、眠ることもできないのだ。 余計にミスをする可能性が高まる。 典型的な悪循環だ。 ウツにならない方が不思議だ、と言っても過言ではない。 先日、ある医師から聞いたが、救命救急医が、あまりの勤務の苛酷さに疲れ果て、耐えきれず、 どうしたらよいか分からなくなり、自殺する例も多いという。 こうなると、単なる「抑うつ状態」のレベルではなく、うつ病に罹患していた可能性が高い、と想像する。 私自身は医者ではなく単なるサラリーマンだが、親戚に医者が多い。 彼らの話を聞いているから、ド素人よりは、医師という職業の苛酷さを多少は理解しているつもりである。 だから、書いた。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2008年09月05日(金) 【追加】モーツァルト オーボエ協奏曲(宮本文昭)第三楽章追加。/ モーツァルト フルート四重奏曲集(リコーダー版)
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