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JIROの独断的日記
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2007年09月05日(水) 「救急搬送妊婦の2割、最初の病院で拒否…千葉市」←マスコミの過剰・偏向報道

◆記事:救急搬送妊婦の2割、最初の病院で拒否…千葉市 (9月5日21時42分配信 読売新聞)

千葉市で昨年、夜間に救急搬送された30歳代の妊婦が、16の病院から電話での受け入れ要請を断られ、

通報から約1時間後に搬送された千葉大学医学部付属病院(千葉市中央区)で切迫流産と診断されていたことが5日、分かった。

同市消防局では「妊婦が、その後流産したかどうかは搬送後のことで分からない」とし、

受け入れを拒否された理由についての記録も残っていないとしている。

同病院も「個人情報にかかわることで、そのような患者がいたかどうかを公表する予定はない」という。

同局は、昨年1月から今年7月までの間、千葉市内で救急搬送した妊婦について、何回目の要請で受け入れ先の病院が決まったかを調べた。

その結果、この期間中に救急搬送した妊婦は232人で、約20%に当たる46人が、救急隊員が最初に要請した病院に受け入れを断られていた。


◆コメント:騒ぎの発端は、8月29日の奈良ですね。

マスコミは鬼の首を取ったように騒いでいる。何が何でも医者を吊し上げようとしているようで、公平性に欠ける。


今回の騒動の発端は周知のとおり、8月29日の奈良の出来事。


10病院、のべ12番目に救急車から問い合わせた病院でやっと、受け入れを承諾されたが、死産だったと。

ところが、最初に(妊婦の)受入を断った(医師は「拒否したつもりはない」と言っている)奈良県立医大病院が

槍玉に挙げられていた。


◆奈良県立医大病院のサイト(事態の経緯説明)を読みましたか?

奈良県立医大病院は、今般の妊婦救急搬送事案について説明している。


二人の当直医は、文字どおり不眠・不休で24時間、働いている。これで受け入れられない妊婦を受け入れる、と応えたら、

その方が無責任だ。マスコミの医師・病院バッシングを読んだり聞いていると、病院の事情を全く無視して、

「人の命を救うのが医者の務めだろう」

という、単純かつ幼稚な原則論を繰り返すばかりだ。

驚異的にバカなのは、やはりいつもの産経新聞である。事件翌日の社説見出しは
妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち

である。

忘れるわけがねえだろう。バカ。来られても診られない患者を受け入れる方が無責任じゃないか。

今般の妊婦救急搬送事案についての2ページ目を読めば、

産婦人科医が2名しかおらず、徹夜で他の患者を診て、一睡もしないまま翌日の外来に出ていたことが分かる。

これで、「(医者の)義務を忘れた」と叩かれたら、普通、人間は次第にやる気をなくす。

一般的状況として、全国的に産科医が不足しているのは常識である。

冒頭の記事は千葉県だが、全国的な問題となっている。

この状態が放置されているということは、医療行政の問題である。行政府の責任である。



もう一つ不思議なことがある。

奈良県の妊婦は、死産という結果になり、気の毒ではあるが、何故「かかりつけ」の病院を指定しなかったのか。

妊婦は定期的に、同じ産婦人科に通っているはずだ。

妊婦はいつ産気づいても良いように、なるべく自宅近くの産婦人科をかかりつけにしておくものだ。

最初からそこへ行くのが普通ではないか。産気づいたときに、旦那がいないのならば、救急車を呼ぶのはやむを得ないとしても、

普段、診て貰っている病院を、救急隊員に告げなかったのだろうか?

医療に関わる問題が生じた際、充分にそのような事情を調べず、何でもかんでも
とにかく医者が悪い

という論調になるのは、不公平だ。



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