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JIROの独断的日記
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2009年08月20日(木) 【追加】【音楽】エネスコ誕生日 ヴィオラ「演奏会用小品」追加/バーンスタイン「ウェストサイド・ストーリー」初演

◆8月19日、ルーマニアの作曲家、ジョルジェ・エネスコ(エネスク)(1881〜1955)の誕生日です

今まで取りあげたことのない作曲家です。

毎年、気になっていたのですけどね。知らないんですよ。詳しいこと。だから敬遠していました。

知ったかぶりしたくでもどうしようもないので、詳しいことは、ウィキペディアをお読み下さい。

昔は100%、カタカナで書くときは「エネスコ」だったのですが、最近はその方が原語に多少は近いのでしょうか、

「エネスク」と書くようですが、どちらでも良いです。

私が辛うじて知っていたこと。

一つ目。エネスコは、ルーマニアの作曲家、というか、それ以前に名ヴァイオリニストとして名を馳せた人でして、

ヴァイオリン教師としても名教師だったようです。ウィキペディアを読むと分かりますが、弟子として名前が挙がっている

ユーディ・メニューイン、アルテュール・グリュミオー、イヴリー・ギトリスは、後に全員大成しています。


二つ目。作曲もしたが、現在演奏されるのは、専らこれからお聴かせする、「ルーマニア狂詩曲第1番」だけ、

ということです。少なくともオーケストラ・コンサートでは、そうです。他にも交響曲とかヴァイオリンソナタとか書いていますが、

正直言って、私は聴いたことがありません。

一つ意外だったのは、作曲の弟子として、あの「トランペット吹きの休日」「シンコペーテッド・クロック」「そり滑り」で有名な、

ルロイ・アンダーソンがいたことです。

話が逸れますが、アンダーソンの経歴を読むとびっくりしますよ。作曲のみならず、言語学の専門家だったのですね。


◆ジョルジュ・エネスコ - George Enescu (1881-1955):ルーマニア狂詩曲第一番

ルーマニアの民族音楽も、民族舞踊も私は知りませんが、明らかに、「民族的」音楽であることが分かります。

生粋のバリバリの「西洋」音楽とはだいぶ違うということです。

2007年のベルリン・フィルの夏の恒例行事、ヴァルトビューネで演奏されたときの映像です。

ファイルは2つに分かれます。


エネスコ:ルーマニア狂詩曲第一番。サイモンラトル=ベルリン・フィル Part1

再生開始後3分20秒から、ヴィオラソロを弾いている女性は、日本人の首席ヴィオラ奏者、清水直子さんです。






ルーマニア狂詩曲第一番 Part2

だいぶ賑やかになります。各楽器の細かい音の動きは、難しそうですが、この曲、

各パート、気をつけないと、入るところ(音を出すところ)を見失いそうな(プロは慣れているでしょうけど)気がします。






はい、こういう曲でした。楽しいでしょ?私ももう少し、エネスコの他の曲を聴いてみようかなと思っています。


◆【追加】エネスコ:(ヴィオラとピアノの為の)「演奏会用小品」追加

ブログで相互リンクを貼らせていただいている。プロのヴィオラ奏者、ふっこさまから、

エネスコはヴィオラとピアノの為の「演奏会用小品」という作品を書いている、と教えていただきました。

ヴィオラの独奏曲は少ないですから、これは貴重です。他にも、ヒンデミットとか、映画音楽で有名なニーノ・ロータ

(あの人、映画音楽は、生活用で、本当はトロンボーン協奏曲とかヴィオラ協奏曲とかいろいろ前衛的な作品を書いているのです)

の作品にヴィオラ独奏曲(伴奏付き含む)がありますが、エネスコの誕生日特集ですから、この貴重なヴィオラのための作品を追加したいと思います。

民族音楽の影響を強く受けた「ルーマニア狂詩曲」とは全然、別の作風です。8分ほどの作品です。

CDでは、今井信子 A Bird Came Down The Walkに収録されています。


ジョルジュ・エネスコ 「演奏会用小品」


ジョルジュ・エネスコ 「演奏会用小品」



ヴィオラが一番良くなる音域、音型をエネスコはよく心得ていると思います。

ふっこ様、貴重なご教示、ありがとうございました。


◆1957年8月19日、バーンスタイン作曲:「ウェストサイド・ストーリー」初演だそうです。

バーンスタインは晩年は、作曲はせずに、クラシックのオーケストラ指揮者として「巨匠」の域に達しました。

2流と見なした指揮者は絶対に呼ばないウィーン・フィルハーモニーは、「カラヤンと、バーンスタインなら、いつでも大歓迎だ」と

言ったほどです。はっきり言って、ヨーロッパ人はアメリカ人をバカにしているんです。私は四年間イギリスにいて、

あちこちに旅行して、ホテルの人たちのちょっとした(アメリカ人に対する)皮肉な言葉などから、はっきり分かりました。

そのヨーロッパで、もっとも格式を重んずるウィーン・フィルが、アメリカ人のバーンスタインに

「いつでも来て欲しい」

と言っていたのです。如何にバーンスタインの芸術的才能が評価されていたか、が分かります。


そのバーンスタインは、若い頃は現代音楽の名作を沢山のこしています。

現代音楽というと、特に前衛的なのは、美しいメロディーとか、楽しいリズムなどがなくて、

「効果音の連続」みたいな「曲」が多いですが、バーンスタインは、素人目にも高度な作曲技術を駆使していながら、

誰でも口ずさめるような、素敵なメロディー、分かり易いリズムで構成されています。天才だと思います。

「ウェストサイド」は、ミュージカルですが、その音楽が素晴らしいので、

演奏会用のオーケストラ組曲に再構成した「シンフォニック・ダンス」という、管弦楽曲があります。

全部やったら長すぎるので、一番景気がいい、「マンボ」という部分を聴いていただきます。

後ほどお見せする画像は、大変愉快なので、音楽に注意が向かない恐れがあるんです。

ですから、まず、音楽だけ、聴いていただきます。



バーンスタイン:シンフォニック・ダンスより、「マンボ」(フロリダ管=林望傑(ヤッキャ・リン))

CDは無く、iTunes Storeでダウンロード購入出来ます。この曲だけなら150円です。iTunes StoreのURLを書いておきます。

http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?i=309015179&id=309015094&s=143462

ボリューム大きいですから、調整して下さい。

West Side Story: Symphonic Dances Mambo




作曲家というのは、ピアノでいちいち音を確かめているようではダメで、完全な絶対音感を持っていて、頭の中で、

こういう音が鳴らせるのです。その意味では、ベートーヴェンが聴力を失いながらも作曲出来たのは不思議ではないのです。

しかし、誰でも訓練すればそうなれるものではない、と私は思います。このぐらいのレベルになると、天賦の才が必要です。

この「マンボ」。オーケストラが「マンボ!」と叫んだり、楽しいのでそちらに気を取られますが、よく聴くと素人の私では

絶対に聴音して書き取り不可能な不協和音の連続です。バーンスタインは当然ながら、これを頭の中で創り上げて、譜面に書き記している。

生意気盛りの音大の作曲科の学生さんは「そんなの当たり前じゃん」とおっしゃるでしょうが、世の中の99.99・・・%の人はそんなことできません。

バーンスタインは天才だと思います。

指揮者も大変です。この全オーケストラが不協和音を鳴らしている中で、誰か1人半音間違えても指摘できるかどうか。

ものすごく耳のいい指揮者ならできるでしょうが、指揮者全員ができるとは思えません。


兎に角、高度な作曲技術を駆使して、それまで誰も書いたことのない音楽でありながら、

聴き手に取っては大変楽しい音楽になっている。そこがバーンスタインの「天才」だと思うのです。



次、YouTubeから拾ってきたのですが、ベネズエラの指揮者とユース・オーケストラです。

指揮者は、グスターボ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)という人で、

リンク先を読めば分かりますが、彼の名誉のために強調するならば、いつもこんなにはしゃいでいるわけではない。

ベートーヴェンやマーラーを振って、ヨーロッパでそれなりの評価を受けています。


また、オーケストラ。ご覧の通り若い人ばかりですが、ベネズエラ・シモン・ボリバル・ユース管弦楽団(Simon Bolivar Youth Orchestra of Venezuela)といって、

最初は青少年の「情操教育」の為に作られたようですが、

これからご覧頂くのはその中でも上手い子を集めた「選抜オーケストラ」らしいのです。

ちゃんと吹いているんです。上手いのですが、とにかく南米ですから、ラテンのDNAが騒ぐのでしょう。

こんな「ノリの良い」シンフォニー・オーケストラ(ちゃんと、ベートーベンとか録音しています)は、
初めてみました。


まず、イギリスの夏に開催されるプロムスでの演奏。


Dudamel/SBYO Proms 2007 Bernstein Part II (Mambo!)






ふざけていますが、決してデタラメを弾いているわけではない。

金管など相当な高音域ですが、外したりしないんです。


同じ事なんですが、もっと短く「マンボ」の部分だけ。昨年来日したときの演奏。


指揮:グスターボ・ドゥダメル=シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ 2008年12月17日 東京芸術劇場





日本人の客のノリが悪くて(仕方ないよね。普段、クラシック聴いてる客だもんね)

やや、不完全燃焼のステージの感がありますが、クラシックはただひたすら堅苦しい、と思っている方に

見ていただきたいと思いました。バーンスタインの曲はミュージカルで使われた、大まじめな曲なのですが、

兎に角楽しそうですね。たまには良いのではないでしょうか。

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