JIROの独断的日記
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2003年08月20日(水) |
「自衛隊イラク派遣、年明け以降に=爆弾テロに強い衝撃−政府」年が明ければ安全になるの? |
◆記事: 政府はイラク復興の中枢を担うバグダッドの国連事務所を標的にした爆弾テロ発生に強い衝撃を受けている。20日午前、外務省では竹内行夫事務次官が堂道秀明中東アフリカ局長ら幹部と協議するなど対応に追われた。同時に、テロ事件続発による治安情勢の一層の悪化で、政府が計画しているイラク復興支援特措法に基づく自衛隊派遣は年明け以降に先送りされるとの見方が広がった。 (時事通信)
◆所感:時期の問題ではない。イラクへ行く事自体が危険なのだ。 私は7月27日の日記で、イラク国内で、戦闘地域と非戦闘地域が明確に区別できるわけが無い、と述べた。今回の国連事務所爆破をみれば、明らかであろう。イラクの武装勢力にとっては、中立的な組織である国連の組織ですら攻撃対象である。
アメリカ兵は毎日のようにイラク人の攻撃を受けている。アメリカに味方している日本から自衛隊が派遣されたらどういう目に遭うか、分からないバカはいないだろう。年明け以降になれば、イラクから急にテロリストがいなくなるのか。時期を少々変えても、状況の危険性にはいささかの変化もないだろう。
私は何度も述べているが、イラク復興支援特別措置法を制定した事は愚の骨頂なのである。日本政府は、「イラクは危なそうなので、自衛隊を派遣することは、やっぱり止めます」と今更、アメリカに言えるのか。
自衛隊の最高指揮権は小泉内閣総理大臣が有している。目下、小泉首相は訪欧中だ。バイロイト音楽祭で「タンホイザー」に感激するのも結構だが、折角近くにいるのであるから、首相自らイラクを視察してくるべきではないだろうか。自衛隊の最高司令官として、部下を派遣する場所の危険性を確認するのは当然の責任である(念のため繰り返すが、私自身は自衛隊をイラクに派遣することに対してはずっと反対する立場をとっている)。
戦争を描いた洋画を見ていると、しばしば、軍隊の指揮官は敵に向かうときに"Follow me!"(俺に続け!)と叫ぶ。指揮官は一切危険な思いをしないで部下を戦場に送り込もうというのは、あまりにも情ない。
もう一点。イラク復興支援特別措置法が制定されたときに、「是非をめぐっては意見が分かれるが、日本政府が戦争を支持したのは事実であり、復興支援は日本の国際的責任でもある。したがって自衛隊を派遣し、憲法の枠内での活動をするのは、論理的帰結である。」(日本経済新聞社説)と、アホな主張していた日本の新聞屋さんたち。今回の大事件を目の当たりにして、今度はどのような見解を示すのか、注目したい。
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