JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で(5月10日2時30分配信 毎日新聞) 国内初の新型インフルエンザ感染者が9日、確認された。 「許可無く施設外に出ようとしたり、スタッフの質問に答えなかった、または、虚偽の返答を行った者は検疫法に基づき処罰されることがありますのでご注意ください」 厚労省によると、滞在費や食費などの生活費は国が負担する。 しかし、仕事を休んだ場合の休業補償など、停留による損失の補償はされないという。 10日の停留期間が満了すると、ようやく解放される。入国手続きを行い、晴れて「帰国」となるという。 ◆資料:首相官邸 新型インフルエンザ対策本部長(内閣総理大臣)談話(平成21年5月9日) (http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/swineflu20090509.pdf) ◆コメント:政府は「水際作戦が奏功した」と得意そうだが、患者の事を考えてやれ。 政府(内閣総理大臣)のコメントは、要するに 政府の「新型インフルエンザに対する基本方針」は、国内で新型インフルエンザ患者が発生した場合を想定したもので、 というものである。テレビニュースを見ると、内閣総理大臣も厚労相も「水際作戦」で感染者を発見し、隔離したことを 「得意気に」強調しているが、記事に書かれていることが事実とすれば、 新型インフル感染確認された高校生らの扱いは、ちょっとひどくないだろうか? 何だか、治療法が無かった時代に肺結核に感染した人を「座敷牢」に閉じこめたのとあんまり変わらないような印象を受ける。 隔離するのはやむを得ないとしても、インフルエンザに感染した患者は「犯罪者」ではない。病人である。 新型インフルに故意に感染するバカはいない。 実名こそ公表されていないが、テレビは見ることが出来るというから、「日本人初の新型インフル感染患者」 と大きく報じられることにより、心理的なショックを受けていることは容易に想像出来る。 政府は「とにかく隔離した」ことで、それ以上関心が無いようだが、 テレビを見るしか時間を過ごす方法がないようなビジネスホテルの個室に「隔離されている患者」 への配慮が足りないと思う。このような環境で10日間もすごしたら、普通の人間でさえ、精神的に不安定になる 可能性は十分にある。何らかの心理的なサポートが必要である。カウンセラーが個室に入れば感染する可能性がある ということで、誰も個室に立ち入らないようにしているのだろうが、パソコンを設置して、あれ、なんていうのだっけ? カメラで互いの顔を映して、画面で相手の顔をみながら会話する奴。あれは可能だろう。 メッセでもいいじゃないか。 カウンセラーを持ち出したのは、大袈裟と思われるかも知れないが、 それぐらいの配慮が出来なければダメだ。 記事によれば、隔離された生徒たちは、荷物は関空に送られてしまったので、着替えも携帯の充電器も無い、という。 「着替えが欲しい」 と言っている生徒がいる、ということは、アメリカで飛行機に乗り込む前に着た下着や服をいまだに身につけているのだろうか? そうだとしたら、それはひどいでしょう。 荷物を関空から成田に送り返すことになったというが、その荷物にはインフルエンザウイルスが付着しているかも知れない。 中身まで全部消毒してから、本人に返すのだろうか? とりあえず、新しい下着と、服ぐらい用意してやるとか、 隔離を決めたのは日本政府なのだから、厚労省でも何処でも良いから政府が面倒を見てやれよ。 ホテルがパソコンの貸し出しを考えているそうだが、携帯の充電器ぐらい貸してやるとか、 読みたい本、雑誌、DVDでもないか、訊いてやるとか、 日本政府がそれぐらいの気遣いをしても良いだろう。 繰り返すが、新型インフルに感染したことは、本人の意図せざる結果である。 防疫上の措置はキチンと行わなければならないが、「隔離」されているのは、普通の一般市民、 つまり生身の人間であることを、日本政府は忘れている。 政府の眼中にあるのは「患者」ではなく彼らの体内にある「新型インフルのウイルス」だけなのだろう。 これから、国内で新型インフルエンザ患者が発生し、感染が広がった場合、皆、このような目に遭うのだろうか。 国は、あまりにも気が利かない。詰めが甘い。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2008年05月10日(土) ヴィオラによる音楽特集
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