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JIROの独断的日記
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2007年05月10日(木) 「<国民投票法案>14日成立へ」←正式には「日本国憲法の改正手続に関する法律案」というのです。

◆記事:<国民投票法案>14日成立へ

憲法改正の手続きを定める国民投票法案をめぐり、自民、公明両党と民主党は10日、

参院国対幹部らが協議した結果、11日の参院憲法調査特別委員会、

14日の参院本会議でそれぞれ採決することで合意した。

法案は14日の本会議で与党の賛成多数で成立する見通しだ。

民主党は対案を提出しており、与党案には反対する。

5月10日19時57分配信 毎日新聞


◆コメント:国民が投票するのはいいことじゃないか、と云う問題ではないのですね。

日本の大新聞は、国家権力の広報誌になってしまったのか。

問題点を何故分かりやすく提示しないのか。

理解に苦しむ。それはさておき、

「国民投票法案」というと、何となく響きがいい。

「国民が投票するのだからいいことではないか」ということになる。

だが、この法案は正式な名称を読めば分かるとおり、

憲法を変えるための手続きを定める法律で、その先には、憲法を変え、自衛隊を自衛軍にして、

しかも、戦争放棄を謳った現在の憲法第九条第二項を削除し、

自衛軍が海外で戦争に加わることを可能にすることを究極の目的とする行為の始まりなのだ。


◆何故、そう云いきれるのか、と言う方、新憲法草案を読んでみて下さい。

新憲法草案は、自民党のホームページの一番下に、

小さく載っている(リンクがある)。

新憲法草案(平成17年11月22日)です。

新旧対照表形式にその中でもっとも注目すべき第九条を見て下さい。

現在の第九条は、

第一項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第二項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

ところが、新憲法では、第二項が削除されている

代わりに、第九条の二 「自衛軍」が新しく設けられている。
第一項 わが国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮者とする自衛軍を保持する。

第二項 自衛軍は、前項の規定による任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

第三項 自衛軍は、第一項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定まるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に強調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことが出来る。

第四項 前二項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める。

これを実現するのが与党の目標である。


◆何故、変えなければいけないのか。

戦後60年以上もの間、自衛隊は、その実力としては世界三位の大「軍隊」なのに、

日本が戦争に巻き込まれなかったのは、第九条第二項のおかげである。

自衛権(個別的自衛権)は行使するが、こちらからは攻撃しない。

先制攻撃はしないというのは現在の第二項による。

何故、これを削除しなくていけないのか?

第二項を削除するということは、国の交戦権を認めることであり、

世界は、日本が他国を先制攻撃しうる国になったと見なす。

何故、日本をそのような国にするのか。必然性が無い。


◆アメリカがニコニコ喜ぶと思いますか。

このように憲法を変更し、集団的自衛権の行使が可能になれば、アメリカを公然と援助できるから、

米国が喜ぶと思ったら大間違いである。

今の憲法下で、違憲であると私は繰り返し主張しているが、自衛隊をイラクへ派遣したことを

アメリカは感謝するとか評価するとか言っているが、それは、自衛隊が交戦権を持っていないと知っているからである。

又、感謝するというわりには、日本が国連安保理の常任理事国になりたい、と手を挙げたときに、

アメリカは中国と結託してこれを妨害した。日本に国際社会で台頭して欲しくないのである。

安全保障とは直接関係がないが、条件違反の牛肉を何度も送ってくる。日本はそれほど重視されていないのだ。

憲法を改正し、日本がいつでも他国を先制攻撃することができるようになったら、

これを最も警戒するのは他ならぬアメリカであり、ついで、中国・ロシアなどであろう。

世界第三位の実力のある軍隊がいつ攻撃してくるか分からない、と見なす。

それが国際政治の常識だ。楽観論ではなく、彼らから見た最悪の状況を想定するのだ。


◆先の話とはいえ、そういうプロセスの端緒である。

「国民投票法案」が可決されても、改憲の発議は三年間は行わないそうだが、

いずれにせよ、「日本国憲法の改正手続に関する法律案」を成立させるのは、以上述べた道程の始まりを意味するということだ。

どうして、マスコミは国民投票を巡る諸問題(いろいろあるが、今日は省く)、

新憲法草案の問題を指摘しないのか、と思ったので、一部にしか言及できなかったが、

私が書いた。

もっと書くつもりだったが、昨夜は書いている間に寝てしまい、朝加筆したので、舌足らずだが、

いずれ、また書くので、ご容赦のほど。

それでは。

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