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JIROの独断的日記
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2009年04月16日(木) 「<AED>厚労省がバッテリー交換呼びかけ 期限切れ間近で」←それ以前の問題として、素人に使えるのか。

◆記事1:<AED>厚労省がバッテリー交換呼びかけ 期限切れ間近で (4月16日21時5分配信 毎日新聞)

 全国の駅や公共施設などに約20万台設置され、緊急時に心臓へ電気ショックを与える自動体外式除細動器(AED)の多くが

バッテリーなどの使用期限に近付いているとして、厚生労働省は16日、都道府県やメーカーを通じ、

設置者に点検と部品交換を進めるよう通知した。

 AEDは04年7月に一般市民の使用が解禁され、06年に約4万6000台、07年に約5万9000台が新たに設置された。

厚労省によると、バッテリーと胸に密着させる電極パッドが2〜4年程度で使えなくなり、

本体のインジケーターに使用不可の表示が出るが、普及に伴って保守方法が分からず点検をしていない例が増えているという。

ただし、バッテリー切れで救命に失敗したとの報告例はない。

 通知では、設置者が点検担当者を決め、インジケーターを日常的に確認するとともに、

不具合情報などが迅速に伝わるようメーカーに設置場所を登録するよう求めている。

AEDは国内で4社が製造し、パッドは1万〜2万円、バッテリーは5万円前後で交換できる。


◆記事2:【翻訳】家庭用除細動器(Voice of America Special English Health Report 2002年11月27日)

(原文:http://www.voanews.com/specialenglish/archive/2002-11/a-2002-11-25-3-1.cfm?moddate=2002-11-25)

米国では毎年、約22万人が突如、何の前触れもなく、心臓がその機能を停止したこと(心室細動)が原因で亡くなっている。

最近、FDA(米食品医薬品局)は、このための非常用の装置である除細動器の家庭用の製品の販売を認可した。

フィリップ・エレクトロニクス社が開発した、”HeartStart Home Defibrillator”(家庭用除細動器)である。

この除細動器には、使い方を指示する機能がある。同社はFDAに、それまで除細動器を使ったことが無い人でも、

操作することが出来た、という資料を提示している。

この機械は1台23万円もするが、医師は、それを買うことが望ましいと言うのである。

心停止、心室細動はどの年齢層にも突然おとずれることがあり得るけれども、最も多いのは、

60代の男性である。医療従事者たちは、この機械を使う可能性が最も高いのは、その倒れた男性の

配偶者の女性、という事になるだろう、と予想する。


米国ではまた、家庭用とは別の種類の除細動器が、公共の場に多数設置されている。

会社、レストラン、空港、スーパーマーケットなどである。

こういう施設では、除細動器の使い方の訓練を受けた人が、大抵いる。機械の使い方は家庭用よりも、

高度な技術を必要とする。

心肺停止後の蘇生救急は、CPR(cardiopulmonary resuscitation:〔心拍停止後の〕心肺機能蘇生)という、別の

技術であり、これを行うためには、専門的な訓練を受ける必要がある。

米国赤十字は、FDAの決定を高く評価している。赤十字の担当者は、やがては全てのアメリカ人が除細動器を

使えるようになるのが、我々の目標であり、今回のFDAの決定はそれに向かって一歩近づいたことになる、という。


しかしながら、FDAの決定に関しては、専門家の間でも議論があり、賛否が分かれているのも現実だ。

有る専門家は、家庭用除細動器は、一刻を争う時に、機械の使い方が分からず時間を浪費する恐れがあり、

それよりも、出来るだけ早く救急車を呼ぶべきだ、という。救命救急士は、応急処置を施し、さらに高度な

治療を受けることが出来る病院に患者を搬送することが出来る。この方が確実だ、と言うわけである。

米国心臓協会(The American Heart Association)は、機械の使い方をアドヴァイスする体勢は出来ていない

という。同協会の広報担当者は、家庭用除細動器を使用することにより、救命率が高まるかどうか、データを検証する

必要がある、と述べている。


◆コメント:電池切れという以前に、AEDを本当に躊躇無く使える素人がどれほどいるのか。

東京しか分からないが、最近は、記事2が書かれた頃のアメリカが、こんな感じだったのであろう、

と思われるほど、至る所に「AED」が設置されている。

しかし、一般人が、心臓に異常をきたして倒れている見知らぬ人を、AEDで助けようとしている光景は、

見たことがない。確かに、機械はこの記事が書かれたときよりも更に進歩しているだろうが、

心肺停止している(か、どうかすら、素人には診断できない)人をダメもとで救おう、という

人がどれ程いるだろうか。

さっさと救急車を呼んでいれば、救命救急士が除細動を行い、病院にただちに搬送して、

助かるはずだったのに、自分が無理にAEDを使おうとしたが為に、手遅れになったら、

と思うと、誰しも手が出ないであろう。最近では運転免許を取得する際に除細動器の使い方の

訓練を義務づけているらしいが、一回ぐらい訓練しても、直ぐ忘れる。

目の前の死にかけている人に、素人が率先して、救命措置などという一刻を争う医療行為を施す、

というのは、どう考えても心理的に無理がある。


電池切れが問題なのではなく、AEDを至る所に設置するなら、国民全てに定期的な心肺蘇生術の

訓練を義務づけるぐらいでなければ、意味がない。

本音を言えば、それも、空しい。道に倒れている人がいても、見て見ぬフリを

するのが、大抵の日本人の行動様式である。AEDをいくら増やしても無駄な気がする。

それよりも、救命救急の専門家が、過労死したり、自殺したり(あるんですよ?)しなくても

済むように、適切に資源を配分する方が賢明な医療行政ではなかろうか。

何でもアメリカの真似をするから、こういう無駄なことをしてしまうのである。

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