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JIROの独断的日記
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2009年02月22日(日) 「景気法案早期成立を 米大統領、日本教訓に訴え」←失礼なんだよ。

◆記事:景気法案早期成立を 米大統領、日本教訓に訴え(2月10日15時46分配信 産経新聞)

オバマ米大統領は9日、就任後初めて公式の記者会見を行い、歴史的な景気後退に見舞われた米国経済がこのままでは「破局」を迎えるとの懸念を示し、

10日に上院本会議で採決される大型景気対策法案の早期成立を訴えた。安全保障政策では、

核開発問題で対立を続けてきたイランとの対話を模索していることを認め、「向こう数カ月間」に米政府が同国と外交対話に踏み出す可能性を示した。

会見の冒頭、オバマ大統領は、前月だけで約60万人が新たに職を失う雇用情勢の悪化を挙げ、

米国が約80年前の「世界恐慌」以来の危機的状況にあると指摘。速やかに有効な手立てを講じなければ「危機は破局に至る」と警告した。

その上で、大統領はバブル経済崩壊後の日本が十分な対策を取らなかった結果、「失われた10年」に陥った教訓を挙げ、

景気対策法案を速やかに成立させる必要を強調した。


◆コメント:随分前のニュースだけど、一言言いたかったのです。米大統領の初記者会見、失礼です。

先日、バーナンキFRB議長の発言に関する記事ココログ

にも書いたが、日本の新聞は、何故これほどオバマびいきなのか、と思う。

引用したのは、ずいぶん前の記事で今月(2009年2月)9日、オバマ大統領が初めての記者会見を、

ホワイトハウスで行ったことを報じた記事である。見出しには、

米大統領、日本教訓に訴え

と書かれているが、「教訓」という単語を用いるのは、ミス・リーディングである。

「教訓」と書くと、あたかもオバマ氏が「日本を見習え」とか「日本をお手本にしろ」という趣旨の

発言をしたかのような期待を抱くが、
記者会見のスクリプトを読むと、オバマは、そういうことは一切言っていない。

産経新聞の記事でも本文を読めば、書いてあるが、日本は金融危機に際して、対処が遅れたため、

いわゆる「失われた10年間」を経験した、アメリカはああなってはいけない。

だから議会は景気対策法案を速く可決しろ、という件で出てくるのである。

面倒くさいから訳さないが、ニューヨークタイムズ(でもロサンジェルス・タイムズでも、CNNでもよいが)に、

初記者会見のフル・トランスクリプト(記者会見の発言、質疑応答を全部文字に起こしたもの)が載っている。
The New York Timesならば、Obama’s Prime-Time Press Briefing

に掲載されている。問題のくだりだけ抜粋すると、
QUESTION: Thank you, Mr. President. Earlier today in Indiana you said something striking. You said that this nation could end up in a crisis, without action, that we would be unable to reverse. Can you talk about what you know or what you're hearing that would lead you to say that our recession might be permanent when others in our history have not? And do you think that you risk losing some credibility or even talking down the economy by using dire language like that?

MR. OBAMA: No, no, no, no. I think that what I've said is what other economists have said across the political spectrum, which is that if you delay acting on an economy of this severity, then you potentially create a negative spiral that becomes much more difficult for us to get out of.

We saw this happen in Japan in the 1990s, where they did not act boldly and swiftly enough, and as a consequence they suffered what was called the "lost decade," where essentially for the entire '90s, they did not see any significant economic growth.

の部分で、繰り返しになるが、趣旨は、
1990年代、日本は迅速に行動しなかったから「失われた10年」を経験するハメになった。

あれを反面教師にしなければならない、という意味である。

日本のようなドジを踏まないためにも、議会はさっさと「景気対策法案」を可決しろ、と言ったのである。


先日、クリントン国務長官が来日して、「24日に麻生首相を日米首脳会談に招待する(アメリカに来い)」と公式に発言した。

オバマが最初に招待したのが日本の首相だったのは、表向きは無論「世界で最も大切なパートナーだから」だが、

ホンネはアメリカは、現在金融危機打開、景気対策の為に巨額の財政支出を余儀なくされている。はっきり言って既に大幅に財政赤字で、

アメリカ政府にはさほどおカネがない。どうやって調達するか、といったら、米国債を発行して、これを日本と中国に無理矢理にでも

買わせるのである。その意味で米国にとって日本が世界で最もパートナー(のひとつ)なのだ。

それは、当初から新政権が考えていたに違いないことであり、要するに、自前のカネで自国の金融危機や景気対策をするには

限度があるから、日本にカネを出してくれということである。

そうなることが分かっているのに、オバマの初記者会見における発言は失礼ではないか。

これから、カネを無心する相手国だぞ。言葉を選べ、と言いたい。

それを、日本のマスコミはどこも、「失礼だ」と書かずに「米大統領は日本を教訓にしろ、と言った」と書く。

どうして、ガイジン相手だと、弱腰なのか。

日本では、何故か知らないが、大衆レベルでも「オバマ人気」が高く、CD付き「オバマ演説集」が、

飛ぶように売れたそうだ。オバマに対する批判的記事、見出しを、マスコミは避けているのだろう。


◆「オバマ演説集」買ったけど、一度も聴いてない人、多いんじゃない?


本題から話が逸れる。語学の話である。

「演説集」を買った人。最後まで聞きましたか?一回も聞かないで、本棚の何処かに置いてあるのではないですか?

一回や二回聞いても、英語の勉強の観点からは何の意味もないですよ。

それから、CD聞くときは決してテキストを見ないこと。テキストを見ながら音声を聴いたら、絶対にヒアリング能力は

向上しない。音声は、音声だけで理解出来るまで何百回でも繰り返し聞く。それが正しい勉強法だ。

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