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2006年02月22日(水) |
「イラク陸上自衛隊:3月撤退開始 日本政府、米英と最終調整へ」←空自は残るのですね。何をするのですか? |
◆記事:イラク陸上自衛隊:3月撤退開始 日本政府、米英と最終調整へ
政府は15日、イラク南部サマワに派遣している陸上自衛隊について、
3月中に撤退を開始し5月末までに完了させる方針を固め、米英など関係国と最終調整に入った。
イラク新憲法に基づく本格政府の発足は4月以降にずれ込む見通しとなっているが、
サマワの治安維持を担当する英軍と豪州軍がイラク南部の治安安定を理由に新政府の発足前でも撤退する方針を示し、
陸自も足並みをそろえることにした。
クウェート−イラク南部間で空輸業務に当たっている航空自衛隊は6月以降も多国籍軍に残すことで、米国の理解を得たい考えだ。
政府は昨年12月、イラク復興特別措置法に基づく自衛隊派遣の基本計画を変更し、派遣期間を今年12月まで1年間延長した。
その際、「英豪軍をはじめとする多国籍軍の活動状況、構成の変化を見極める」との記述を基本計画に追加しており、
英豪軍との同時撤退は既定路線となっていた。
先月23日にロンドンで開かれた日米英豪4カ国の事務レベル協議で、英国が5月までにイラク駐留部隊を縮小しアフガニスタンに増派する方針を表明。
これを受け日本政府は陸自も5月末までに撤退させる方針を固め、外務省と防衛庁の担当者を15日、米英などとの最終調整に派遣した。
サマワの陸自部隊は2年前に派遣が始まり、現在は約600人が道路補修などの人道復興支援活動を行っている。
米側は自衛隊のイラク派遣継続を期待しており、サマワからの陸自撤退後も軍と文民で構成する「地方復興チーム(PRT)」に陸自が参加するよう打診した。
しかし、PRTでは文民要員の警護など治安維持業務を担当する可能性があるため、
額賀福志郎防衛庁長官は先月訪米した際、「法的に困難」と拒否する考えを伝えている。
空自の輸送部隊約200人はクウェートを拠点に陸自や米軍の物資をサマワ近郊のタリル空港に輸送している。
陸自撤退後も活動を継続する場合、米側はほかの空港への輸送を要求する構えで、
米軍を中心とした多国籍軍支援の性格が鮮明になる。毎日新聞 2006年2月16日 3時00分(注:太字は引用者による)
◆コメント:陸上自衛隊ばかり報道されるが、空自が問題なのだ。
この日記では何回となく説明したが、初めて読まれる方も大勢おられるだろうから、簡単に説明する。
本来、日本を防衛するための、「最低限の実力」であるはずの自衛隊をイラクに派遣できるのは、
国会が「イラク復興支援特別措置法」という法律を作って例外を認めたからである。
イラク復興支援特別措置法は、法令データ提供システムや、
RONの六法全書 on LINE(これは、個人のサイトである。誠に有難い)で全文を読むことが出来る。
前者ならば、「法令名の用語索引」にイラク復興支援特別措置法(←これをコピー&ペーストすればよい)と入力すれば、
一つしかないから、すぐに見付かる。
◆人道復興支援活動と安全確保支援活動
イラク復興支援特別措置法第3条によれば、イラクでの自衛隊の任務は大きく分けて二つ。
一つ目は、「人道復興支援活動」で、要するにサマワに現在も駐留する600人もの陸上自衛隊員が行っている、
水の運搬だの道路補修工事、学校の校舎の建設、とか、医療の手助けとか、これ自体は当たり障りのないモノである。
但し、この陸自の宿営地は馬鹿でかいもので東京ドームが20何個入る大きさ。建設費だけで300億円以上の税金が使われている。
そして、これは「初期費用」である。
全て税金から出ているというのに、毎月のランニングコスト(運転資金、維持費)がいくらかかり、
今までに累計、どれほどの税金が投入されたのか、内閣総理大臣からは何の説明もない。
野党は追及しないし、国民も忘れている。
サマワでは最初、給水事業と称してタンクローリーでこちらからあちらへ水を運んでいたが
実はサマワには立派な浄水場が存在し、戦闘も行われていないので、一部のイラク人は、
「日本人はわざわざ、こんな遠くにまで軍隊をよこして、一体なにをしているのだ」と不思議がっていた。
しかし、これは全て、文民であり自衛隊の最高司令官である内閣総理大臣の命令に従って行われているのだから、
自衛官たちには何ら責任は無い。
二つ目は「安全確保活動」である。
要するに、航空自衛隊が、Cー130輸送機で、米英軍の物資を主にクウェートからイラク国内の米軍基地へ運んでいるのだ。
本当はこっちが主目的なのに、日本では陸上自衛隊のことばかり報道され、航空自衛隊や海上自衛隊がどのような活動をしているのか、全く分からない。
2003年12月9日、イラクへ自衛隊を派遣することが閣議決定された後、
小泉首相が行った記者会見の質疑応答は小泉内閣総理大臣記者会見[イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について] で読むことが出来る。
◆「今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。」「武器弾薬の輸送は行いません。」
リンクを貼ったページの後半に、記者との質疑応答が記録されている。
それは、次のとおり。
【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。
【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。
【質問】 行わない。
【小泉総理】 行いません。
【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。
【小泉総理】 そうです。
【質問】 そういうことですか。
【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。
アメリカはイラクの反米勢力と交戦状態にあり、反米勢力は「国家」ではないから戦争ではない、というのは屁理屈である。
だれがどう見ても、イラクへの自衛隊派遣を決めたときには、日本の同盟国であるアメリカは交戦状態にあった(戦争をしていた、という意味です)。
何故、武器弾薬の輸送が問題になるのか。
交戦中の同盟国のために、武器弾薬の輸送を行うことは、「後方支援」と言って、
自衛隊が直接鉄砲を撃つわけではないが、武力行使の一部に参加していることになる。
それは、日本国憲法第9条が禁止している「集団的自衛権の行使」に該当するからである。
◆武器弾薬を輸送している、と空自が認めているのだ。
2004年4月8日付、共同通信は、次の記事を流した。
◆武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める
【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。
8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。
イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。
空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。
津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、
さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。
これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、
武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。
タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。(共同通信)[4月8日13時26分更新]
◆約束を破るなよ、小泉君。
武器を単独で輸送したことはなくとも、武装兵士を運んでいるのだから、同じことだ。
2003年12月9日、小泉首相は「武器弾薬の輸送は行わない」と断言した。
実際は運んでいる。
それは、違憲である。
だから、私は、自衛隊のイラク派遣にずっと反対している。
今回、陸上自衛隊が撤収しても、空自の活動は続けるという。
放っておいて良いのか。野党、マスコミ、有権者は。
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