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2009年02月04日(水) |
「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。 |
◆記事:ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ(西日本新聞 2009年1月27日)
世界最高峰の管弦楽団とされるベルリン・フィル(ドイツ)の第一コンサートマスター、
安永徹さん(57)=福岡市出身=が2月22日のオーストリア・ウィーン公演をもって辞任する。
安永さんは九響永久名誉指揮者の故安永武一郎さんの長男で、バイオリニスト。桐朋学園大を卒業後、1977年にベルリン・フィルに入団。
83年に指揮者・カラヤンに認められ、東洋人初の第一コンサートマスターに就任した。一般奏者からの就任も同楽団史上初で、話題を集めた。
高い音楽センスと温かな人柄で楽団員の人望を集め、室内楽やソロ演奏にも積極的に取り組んできた。
65歳の定年まで約8年を残した辞任の理由について、安永さんは「個人的な理由」として明らかにしていないが、
今後は北海道に住まいを移し、「1年後ぐらいには何をするか、見えてくると思う」と話している。
後任は未定という。
◆コメント:99%の日本人には、分からないでしょうが、「日本人がベルリン・フィルのコンサートマスターである」ことのものすごさ。
大袈裟ではなく、今日、このニュースを読み、私は本当に具合が悪くなり、暫く横になりました。
安永さんには申し訳ないが、残念でたまりません。もう、安永さんがコンマスを務めるベルリン・フィルを見ることは無いのですね。
ベルリン・フィル、ウィーン・フィルだけがオーケストラではありません。全然無名のオーケストラでも驚くほど上手いことはいくらでもある。
そんなことは、私は百も承知です。
しかし、ベルリン・フィルが世界一のオーケストラの一つであることは、昔も今も変わりません。
凡百の音楽家は、そもそも、ベルリン・フィルのオーディションに受かりません。
普通なら、ソリストになってもおかしくないほど、上手い人が、各楽器のセクションに並んでいるのです。
◆コンサートマスターは「年功序列」で就任するのではありません。
コンサートマスターは、第一ヴァイオリンの首席奏者であり、弦楽器セクション全体のリーダーであり、オーケストラ全体のリーダーです
(実際、英語では、コンサートマスターのことを「リーダー」と言います)。
従って、自分の第一ヴァイオリンの譜面が弾けるのは当然のこととして、オーケストラ全体を指揮者と同様に、
あるいはそれ以上に分かっていなければなりません。スコア(総譜)を勉強しなければなりません。
ましてや、それが、世界一のオーケストラなのですから、そのコンサートマスターになる、ということは、欧米人でも難しい。
全く異なる文化圏である日本の人がドイツの超一流オーケストラのコンサートマスターを25年も務めたことの偉大さを、
残念ながら、日本人の100人に1人も分かっていないと思います。
私が大学生の頃、安永さんがベルリン・フィルのコンサートマスターに決まった、というニュースを聞いたときの興奮は、
今でも良く覚えています。自分のことでも、自分はプロの音楽家でもないのに、飛び上がるほど嬉しかった。
日本人であることを心底、誇りに思いました。
今まで、そのことを何度も書きました。
一番、力を込めて書いた記事は、
ベルリン・フィル 第一コンサートマスターを23年間務めている日本人バイオリニストがいます。お薦めCDも。(ココログはこちら)。
だと思います。
これを読んで頂くと、安永さんの偉大さが、お分かり頂けると思います。いや、分かって下さい。
◆安永徹さん、長い間、お疲れ様でした。安永さんを日本人として誇りに思う気持ちは、25年経った今も変わりません。
安永さんが定年まで8年を残し、今月22日のコンサートを最後に退団なさるとのこと。
正直に云うと、残念、いや、悲しい、といっても過言ではありません。
安永さんほどの方、日本人であるにも関わらず、四半世紀以上、天下のベルリン・フィルのコンサートマスターを務められる人は、もう現れないかも知れません。
私はロンドン駐在時、ロイヤル・フェスティバル・ホールで、安永さんがコンマス(乗り番のとき)のベルリン・フィルを、何度も聴きました。
外国に住むということは、藤原正彦さんの言葉を借りるなら、「日本を常に、そして、過剰に意識すること」です。少なくとも私はそうでした。
ステージの安永さんの「勇姿」(と言っても、ご本人は淡々としておられるのですが)をどれほど、誇らしく思ったか、ありありと思い出します。
胸がはち切れそうな、高々とした気持ちでした。
あの時も、今も、私は安永さんを誇りに思います。安永さんは謙虚な方で、
「日本人をコンサートマスターにしたベルリン・フィルが偉大なのです」
と、仰いますが、私の気持ちは永遠に変わらないでしょう。
長い間、ベルリン・フィルハーモニカーの第一コンサートマスターをお務めになり、お疲れ様でした。
帰国後のご活躍を楽しみにしております。
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