JIROの独断的日記
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2008年11月10日(月) |
オバマ氏の勝利演説を聴いたり読んだりしている人、多いようですが、どうせなら、過去の名演説もどうです? |
◆オバマ氏が大統領選挙で勝利をおさめてから、彼の演説に感動(感心)している人が多いですね。
ずっと昔から、私が高校生のころから、英語を話す練習用の教材として、米国大統領の演説を暗唱するまで、
音読せよ(テープを聴きながら)、というのは良く言われていました。
これらの演説は本人では無くて、スピーチを書くプロ、スピーチライターというのがいるわけですれども、
やはり、何だかんだいっても、名演説が多いですね。
勿論、演説の本質はそこで述べられている思想にあるのですが、英語の練習教材に使うのは、良いことです。 ◆大統領に限らず、名演説を集めたサイトをご紹介します。
まずは、トランスクリプト(transcript=口述を文字におこしたもの)集。
大統領の演説は、一度大統領になったら、年中やってますが、やはり一世一代の晴れ舞台は、大統領就任演説(inauguration speech)ですね。
歴代大統領就任演説のトランスクリプトが載っているサイトがあります。
Inaugural Addresses of the Presidents of the United Statesです。
何と、ジョージ・ワシントンから、ジョージ・ブッシュまで載っています。
でも、inauguration speechは観念的な言葉が多いですから、意味が分からないこともあります。
ご安心下さい。大統領就任演説の日本語訳を載せて下さっているサイトがあります。大統領就任演説です。
J.F.ケネディから今のジョージ・ブッシュの就任演説を翻訳して下さっています。訳して下さった方々に感謝。
次は、米国大統領に限らず、歴史に残る名演説の音声を聞けるサイト、The Free Information Society - Media in Historyです。
キング牧師、アインシュタイン、マッカーサー、ロックフェラー、ドイツ語だから意味は分からないけどヒトラーの肉声も実に明瞭に聴けます。
マーチン・ルーサー・キング牧師の有名な、「私には夢がある。」も当然載っています。
私には夢がある。それはいつの日か、私の幼い子どもたちが肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住めるようになることだ。 文字では何度も読んだことがありましたが(英語で)、キング牧師の肉声で聴くと、泣けます。
さて、最後に、これが一番すごいかな。音声も映像もトランスクリプトも一度に見て、聴けるサイトです。
American Rhetoric: The Power of Oratory in the United States。膨大なスピーチの宝庫です。
若い方でも御存知でしょう。J.F.ケネディの就任演説。“And so, my fellow Americans”(そして、わが同胞のアメリカ人よ)というの。
これは、知っておいた方が良いと思いますね。私20年ぶりぐらいに聴いて、改めて感銘を受けました。
ケネディの就任演説が載っているのはここ。John F. Kennedy Inaugural Address 映像も驚くほど鮮明です。
この演説が素晴らしいのは、今のアメリカみたいに、何でもかんでも「アメリカ、アメリカ」ではなく、
ケネディが
My fellow citizens of THE WORLD(わが同胞の世界の市民よ) という表現を用いていることです。 ◆その最も感動的な部分を観て、聴いて、読んで下さい。
映像は、先ほどのリンク、John F. Kennedy Inaugural Addressからご覧下さい。
ここでは、音声とトランスクリプトと、日本語訳を途中から抜粋して載せます。
Inaugural Address of John F. Kennedy, January 20, 1961
その部分のトランスクリプトです。
In your hands, my fellow citizens, more than mine, will rest the final success or failure of our course.
Since this country was founded, each generation of Americans has been summoned to give testimony to its national loyalty.
The graves of young Americans who answered the call to service surround the globe.
Now the trumpet summons us again--not as a call to bear arms, though arms we need--not as a call to battle,
though embattled we are-- but a call to bear the burden of a long twilight struggle, year in and year out,
"rejoicing in hope, patient in tribulation"--a struggle against the common enemies of man: tyranny, poverty, disease and war itself.
Can we forge against these enemies a grand and global alliance, North and South, East and West,
that can assure a more fruitful life for all mankind?
Will you join in that historic effort?
In the long history of the world, only a few generations have been granted the role of defending freedom
in its hour of maximum danger. I do not shrink from this responsibility--I welcome it.
I do not believe that any of us would exchange places with any other people or any other generation.
The energy, the faith, the devotion which we bring to this endeavor will light our country and
all who serve it--and the glow from that fire can truly light the world.
And so, my fellow Americans: ask not what your country can do for you--ask what you can do for your country.
My fellow citizens of the world: ask not what America will do for you, but what together we can do for the freedom of man.
Finally, whether you are citizens of America or citizens of the world,
ask of us here the same high standards of strength and sacrifice which we ask of you.
With a good conscience our only sure reward, with history the final judge of our deeds,
let us go forth to lead the land we love, asking His blessing and His help,
but knowing that here on earth God's work must truly be our own. 日本語訳です。
われわれのとる道が最終的に成功するか失敗するかは、わたし以上に、あなたがた市民の手にかかっているのだ。
この国の建国以来、アメリカ人の各世代は国家に対する忠誠を証明するために召集されてきた。
その召集に応えた若いアメリカ人の墓は世界中にある。今トランペットの音がわれわれを再び召集している。
武器は必要だが、武器をとれという召集ではない、戦ってはいるが、戦うための召集ではない、
長い夜明け前の闘争の重荷を肩に背負えという召集なのである。
いつも希望をもって喜びを抱き、苦難に耐えながら、人類の共通の敵、専制、貧困、疫病、そして戦争そのものに対して闘うという重荷を。
これらを敵にして、北も南も、東も西も、壮大な世界的な同盟をわれわれは作れないものだろうか?
その同盟は全人類により実りある生活を保証してくれるだろう。あなたがたもこの歴史的な努力に身を投じてみないだろうか?
世界の長い歴史の中で、自由が最大の危機にさらされている時に、自由を守る役割を与えられてきた世代はごく少ない。
私はこの責任からしりごみするものではない、私はそれを歓迎する。
われわれの誰かが自分の立場を、他の人もしくは他の世代と交換するだろうなどということを私は信じない。
こうした努力にわれわれが捧げるエネルギー、信念、献身こそがわれわれの国家を、
そして国家につかえるわれわれを照らしだすのである。そしてその明かりから発せられる輝きこそが、本当に世界を照らしだすのである。
そして、わが同胞のアメリカ人よ、あなたの国家があなたのために何をしてくれるかではなく、
あなたがあなたの国家のために何ができるかを問おうではないか。
わが同胞の世界の市民よ、アメリカがあなたのために何をしてくれるかではなく、
われわれと共に人類の自由のために何ができるかを問おうではないか。
最後に、あなたがアメリカ市民であろうが、世界の市民であろうが、
われわれがあなたに求めるのと同じ高い水準の力と犠牲をここのわれわれに求めて欲しい。
良心を唯一のたしかな報酬とみなし、歴史がわれわれの行動に最終的な判断を下してくれることを信じて、
神の祝福と助けをもとめながらも、この地球上では神の仕事はわれわれ自身でなしとげなければならないということを肝に銘じて、
われわれの愛すべき国を導くために前進しよう。 やはりですね。構想(力)の範囲が違うんですよ(オバマさんとは)。
人類の共通の敵、専制、貧困、疫病、そして戦争そのものに対して闘うという重荷を敵にして、
北も南も、東も西も、壮大な世界的な同盟をわれわれは作れないものだろうか?と、世界に呼びかけている。
勿論、アメリカの大統領だから、アメリカの国益にプライオリティを置いていたのは当たり前なんですけど、
この演説当時、私はまだ幼児で、勿論、全然分からなかったけど、世界中の大人は、相当に感動したようです。
それから半世紀近くを経て、自分がその年齢になって、改めて聴いてみて、やはり、歴史的名演説だと思います。
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