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2008年11月09日(日) |
「米GMが予想超える赤字、クライスラー合併計画は凍結」GMが資金繰りに行き詰まるかも知れない・・・とは。 |
◆記事:米GMが予想超える赤字、クライスラー合併計画は凍結(11月8日12時47分配信 ロイター)
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が7日発表した第3・四半期決算は、
営業損益が予想を上回る42億ドルの赤字となった。また、流動性確保に向けた努力を優先するため、
クライスラー買収計画は凍結する意向を明らかにした。
同社は決算発表で、手元資金が69億ドル減少したことを明らかにし、新規の資金調達など抜本的な措置を取らなければ、
2009年上半期までに事業継続に必要な資金が不足するとの見通しを示した。
純損失は25億ドル(1株当たり4.45ドル)。前年同期の継続事業ベースの損失は425億ドル(同75.12ドル)だった。
売上高は379億ドル。前年同期の437億ドルから減少した。
世界販売は11%減少した。北米で約19%減少したほか、欧州で約7%減、アジアで3%減となった。
ホワイトカラー従業員を削減し、来年の設備投資を25億ドル減額するほか、新型車の投入延期や減産を実施する方針を示した。
同社は、クライスラーの名前に言及はしなかったものの、09年に200億ドルの流動性を確保するため
コスト削減やその他の緊急対策に取り組むことが現在の優先課題だとした。
リック・ワゴナー最高経営責任者(CEO)は、
「現時点では、われわれが全力を尽くして取り組むべき課題は、目前に迫る流動性問題との結論に達した」
と説明した。
◆コメント:末期的な不況。
GM・クライスラー・フォードがアメリカのビッグ3と呼ばれる。
自動車製造業はアメリカ経済の牽引力であり、GMはアメリカ最大・最高の企業である。
極端に言えば、ゼネラル・モーターズはアメリカ資本主義経済の代名詞である。
長年、世界の自動車販売台数はGMが常にNo.1であったが、今年上半期、遂にトヨタに抜かれた。
ここ数年、GMの業績不振は、世界の周知の事実であったが、トヨタに抜かれたあたりから、いよいよ雲行きが怪しくなって来た、
と誰もが感じた。しかし、「世界のGMが資金繰りに窮する」とは、(専門家は予想していたのかも知れないが)、
常識的には「青天の霹靂」である(先月あたりから、GMがFRBに直接緊急融資を要請していると言う話は流れていたが)。
日本時間、7日(金)の午後、日本のマスコミが、
「米国時間7日、GMが経営方針の重大な改革について発表する。」
と報じた。
◆記事;米GM「重大な改革」公表へ=7日の決算発表で(11月7日15時22分配信 時事通信)
経営不振に陥っている米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は、7日の2008年7〜9月期決算発表の際に、
自動車生産事業について「重大な改革」を明らかにする見通しだ。
米紙デトロイト・ニューズが入手した同社幹部向け電子メールによると、
ワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)とヘンダーソン最高執行責任者(COO)が従業員向けにこの改革について説明するという。
このため、業界関係者、市場関係者の間では、大幅人員削減や工場閉鎖、一部事業・資産の売却、
新車開発および生産の停止、同業クライスラーとの合併など、改革の発表内容をめぐりさまざまな憶測が浮上している。
私はどうせ、ロクな話ではないだろうが、記事にあるように、大胆なリストラを発表するぐらいだろうと、タカを括っていた。
ところが、報道発表は驚くべきものであった。第3・四半期の営業損益が42億ドル(4,200億円)の赤字もすさまじいが、
なにより、こちらが顔面蒼白となったのは、
「新規の資金調達など抜本的な措置を取らなければ、2009年上半期までに事業継続に必要な資金が不足するとの見通しを示した。」
世界最大の製造業、アメリカ資本主義の象徴の如き企業が、このままでは資金繰りが付かなくなる、というのである。
資金繰りに窮するということは、日々の商売で、取引先に支払う金が無くなると言うことで、いくら自己資本があっても、資産があっても、
人間で言えば、ショックにより「心肺停止」に陥るような事態であり、支払うべき資金が本当に調達出来なければ、破産法の適用を申請するしかない。
GMは想像を絶する超巨大企業である。日本のトヨタ、日産を考えれば分かるように、
GMの下請け、孫請け、その他、無数の業種、会社がGMのおかげで商売をしている。
もしも、万が一GMが潰れたら、アメリカ経済は金融危機に加えて、壊滅的打撃を受けることは間違いない。
GMはクライスラーと合併して何とか商売を立て直そうとしていた(今更無理だと思うが)、が、GMの会長は、
「今はそれどころではない。目先の資金繰りに集中しなければならない」
という。それほど、資金繰りが危ないということだ。
とりあえず、GMは自分で何とか、カネの算段を付けると言っているが、あまりに大ごとなので、
米議会が早くも、世間の動揺を鎮静すべく、政府にはたらきかけている。
◆米議会民主党首脳:7000億ドルの金融安定化策でビッグ3に融資を(ブルームバーグ)(2008/11/09 15:03)
11月9日(ブルームバーグ):米議会民主党首脳はポールソン財務長官に対し、
米自動車メーカーへの融資で総額7000億ドルの金融安定化策を活用するよう要請している。
ペロシ下院議長とリード上院院内総務は8日、ポールソン長官に書簡を送付し、
金融安定化法が同長官に
「金融市場の安定を回復するために必要と判断した 金融商品を購入ないし取得を約束する広範囲の裁量」
を与えていると指摘した。
ペロシ議長は先週、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター、クライスラー
の3社の最高経営責任者(CEO)と会談した。事情に詳しい関係者1人によると、
3社は25年間で最悪の自動車市場の苦境を乗り切るために、500億ドルの政府融資を求めている。
下院議長の要請にポールソン財務長官がどのように反応するか、注目されるが、兎にも角にも、
ビッグ3のトップが揃って、米政府に直接「カネ(500億ドル=5兆円)を貸してくれ」と陳情しているのである。
つい数年前まで、破綻することなど誰も想像しなかった会社がこの有り様である。
米国内の一般の会社、中小企業がどれぐらい、経営に困窮しているか想像に難くない。
下手すると(というか、ほぼ間違いなく)、世界経済にとって大衝撃となる。NY株が暴落し、それが、世界中に波及する。
株を持っている世界中の会社は評価損を計上することになる(時価会計制度を維持するならば。
因みにこの「時価会計制度」を世界に導入するように強引に主張したのはアメリカ自身である)。
自民党内部や公明党は麻生首相が「解散のタイミングを逃した」とか言っているらしいが、
今、解散どころではない。世界経済は24時間動いている(週末を除いて)。いつ何が起きてもおかしくない。
日本政府・金融当局、金融政策担当者(日銀)は、片時も油断出来ない。24時間、臨戦態勢でいて貰わねば、困るのだ。
それぐらい、緊張した状態である。
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