外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2008年11月03日(月) 【翻訳】日銀は「ジェスチャー」で済ませるな。(11月2日付 フィナンシャル・タイムズ社説)

◆【翻訳】:【社説】日銀は「ジェスチャー」で済ませるな。(Japan needs more than gestures)

(注:原文URL:http://www.ft.com/cms/s/0/d1ab33bc-a90f-11dd-a19a-000077b07658.html)

日銀の利下げは、その場しのぎに過ぎず、何の効果ももたらさないであろう。

日本の金融政策責任者たちは、日本が再びデフレに陥いることを恐れているのなら(実際、経済展望で、彼らはそう認識している)、

政策金利をゼロパーセントまで引き下げ、その上、遅かれ早かれ、例外的な政策を採らねばならなくなるだろう。


31日(金)、日銀は政策金利を従来の0.5%から0.3%へ引き下げた。最終的な決定は総裁の裁量によるものだった。

しかし、20ベーシス・ポイント(訳者注:0.20%のこと)の引き下げは、円に何の影響も与えない。

アメリカが0.5%の引き下げを実行した後で、円とドルの金利差は若干縮まったが、固定金利の住宅ローンを借りている消費者には、

何の変化も起きない。また、「ミニ・不動産投資バブル」を起こしていた海外の投資銀行を呼び戻す効果もない。

更に、0.2%の利下げでは、邦銀が多少リスキーな借り手に対する貸出を増やすことはないだろう。


0.2%の利下げに正当性があるとしたら、ただ一つ。マーケットがそれを望んでいた、ということだろう。

これなら無難で、誰も喜びもしない代わりに不満が出ることも無い筈だった。

残念ながら、状況はそうなっていない。日本はデフレに逆戻りしつつある。

日銀自身、2009年のコア消費者物価上昇率をゼロと下方修正し、生産活動の増加は今年も来年も、ごくわずかなものに

止まるだろう、と予想している。


日本政府は巨額の公的資金を金融機関に注入する計画を明らかにした。これは、金融機関の資本を充実させ、

システミックリスクにより、経済全体の状況がさらに悪化するのを予防するためである。


円高は、輸入物価を引き下げ、とりわけ原油価格は、最悪だった7月のピーク時よりも60%も下げ、消費者物価指数の

上昇を抑制することに貢献している。それは、悪いことではないが、円高は輸出企業にとっては打撃であり、景気後退の一因となっている。


しかし、消費と輸出が不振でも、投資がそれを穴埋めしてくれる訳ではない。

麻生太郎内閣総理大臣は、約5兆円の経済対策を発表したが、それすら、景気に劇的な変化をもたらすためには十分とは言えない。

所得税の払い戻し(給付金)や中小企業への融資保証などは、真剣に考えられた経済政策というよりは、

選挙を意識したものと見られる。


日本の巨額の財政赤字は好ましいことでないが、今や、更に大規模な景気刺激策を考えるべき時である。

日本の経済政策担当者たちは、日本の景気が良かった5年の間に、あまりにも輸出依存型である日本の経済構造を

変えるチャンスを逃した。日本経済を内需主導型に変革することが、特に、過去20年にも亘って恵まれない低・中所得者層の所得を

増やす唯一の方法なのである。


日銀に関して述べるならば、インフレが起きる前に予防的に利上げすることに対する過度の、確率された「情熱」が、

今までに無く、誤っているように思われる。

前回、日本が深刻なデフレに陥った時期、日銀はゼロ金利政策でも間に合わず、「量的緩和」という前例の無い手段を取ったが、

金融市場に混乱は起きなかった。世界の他のどの中央銀行よりも、日銀は何が有効な手段か、知っているのだ。

善は急げ、である。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。

【お詫び】
普段はメールを受け付けているのですが、最近、海外からのスパムメールがやたらと多いので、メールフォーム非表示にしてあります。

ココログからも、メールが送れますので、よろしければご利用下さい。


2007年11月03日(土) 「<大連立協議>『決めてきます』小沢氏、首相に言い残す」←小沢さん、ダメだよ。/バッハ:「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」
2006年11月03日(金) 「福岡・筑前町の中2自殺:同じグループ、自殺後も別の生徒いじめ−−三輪中」←やはり制裁を加えなければ、だめだ。
2005年11月03日(木) 昨日の東証システムダウンは怖かったですな。
2004年11月03日(水) アメリカ人がここまでバカだとは・・・思っていたけれどもね。
2002年11月03日(日) 「自分の肉体的・精神的生存のほぼ全ては、他人の労働の上に成り立っている。」

JIRO |HomePage

My追加