JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:ネット証券 問い合わせ相次ぐ(NHK 10月29日 14時15分) 日経平均株価が8000円台を回復した29日、インターネット専業の証券会社には、 ◆コメント:マーケットは自己責任ですから「大きなお世話」なんですが・・・。 日中、このNHKの記事を読んだ時、私は目を覆いたくなりました。 「8000円台を回復したから、新しく株の口座を開設して、株式を購入する」 という発想が、理屈では上手く説明出来ませんが、如何にも「素人」なんです。 これは、世界の金融危機が去ったわけでもなく、世界景気が突如回復に向かい始めた(そんなこと、あり得ません)訳でもない。 空売りから入っていた、プロの投資家が買い戻しただけです。ここから買ったら、必ず下がります。 と言っても、読者の皆さんは、私が何処の馬の骨か分からないのですから、信用出来るか分からないでしょう。 それでは、プロがどのように考えているか、記事を読んでみましょう。 ◆記事:東証 8千円台回復 ただ市場は「上昇続かず」の見方多く(10月29日23時43分配信 毎日新聞) どうですか?これが正真正銘のプロの意見です。 ◆三井住友フィナンシャルグループが業績予想を下方修正しました。米国初の金融危機以降、邦銀では初めてです。 さらに、29日午後、三井住友フィナンシャル・グループが、業績予想を下方修正しました。従来予想を60%下回って入るんですよ。 リーマン・ブラザーズ破綻以降の金融危機の中で、日本のメガバンクが業績予想を下方修正したのは、初めてです。 勿論、原因は、昨今の株安による評価損と国内景気の低迷により、不良債権が増加しているからです。 ◆記事:連結純利益が6割減=不良債権の急増で−三井住友FG中間決算(10月29日19時1分配信 時事通信) ここで、懸念されるのは、90年代のバブル崩壊後の不良債権とは、性格が異なることです。 あれは、バブルで土地の値段がどんどん上がるのに、投資しようとする投資家に銀行が節操も無くカネを貸し、 ある時、突然、不動産価格が下がり始めたので、投資家がバタバタとつぶれたのです。 今回は、日本の経済実体が確実に悪化していて、真面目に商売をしている会社も、儲けが出ず、 銀行からの借金を返せない、という「不良債権」です。それほど日本の景気は後退しているのです。 これほど、景気が悪いときに、株を始めるのは危険です。
これほど書いても、いや、俺は株を始めるのだ、という方もいらっしゃるでしょう。 1.手持ちの現金以上のお金を使って株を買うことが出来る。 空売りとは、実際には自分で株をもっていないのに、証券会社に株を貸して貰って売るのです。 上手く相場が下がれば、下がったところで買い戻せば、差益が出て、買った証券は、借りていた証券会社に返却します。 1.の場合。信用取引でお金を借りて株を買った後、その株の値段がどんどん下がると、担保を追加で差し入れなければならなくなります。 これを「追い証」といいます。これを期日までに入金するために、サラ金からお金を借りる、などというとんでもないハメに陥る人がいます。 2.の「空売り」は更に恐ろしい。空売りのリスクは無限大です。 前述の通り、信用取引で証券会社から株を借りて、市場で売ったとします。売ったときの株価が100万円だったとしましょう。 繰り返しますが、信用取引では、株を証券会社から「借りて」いるのですから、期日には返さなければなりません。 もしも、売ったときよりも株価が下落していたら、ラッキーです。 しかし、何らかの要因で株価が反騰(下がっていた株価が逆に上がること)していたらどうなるか。 もし、100万円で売った株が1000万円になっていたとしても、貴方は株を買って、証券会社に株を返さなければならない。 手許にお金が無ければ、借金をしてでも、1000万円の株を買わなくてはならないんです。900万円の差損が出ます。 借金、どうやって返しますか? 次の株取引で一発逆転すればいい、というのは、バクチと同じで、まず失敗します。借金がどんどん膨らみます。 恐ろしいですね。 どうしても、株取引をやりたいのなら、それは自由ですが、必ず、手持ちのお金の範囲内で、お小遣い稼ぎ程度にすることです。 特に今のように、プロでさえ、先が全然読めないマーケットで、「信用取引」は、絶対にやってはいけません 近ごろ同じことばかり書いていますが、相場の恐ろしさをお伝えしたいと思い、書いています。 本当に危ないことなんです。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。 【お詫び】 普段はメールを受け付けているのですが、最近、海外からのスパムメールがやたらと多いので、メールフォーム非表示にしてあります。 ココログからも、メールが送れますので、よろしければご利用下さい。
2007年10月29日(月) 「JIROの独断的日記」1800号です。楽しい曲、懐かしい曲、芸術的な曲(とCD)をご紹介します。
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