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2005年10月29日(土) |
「ATM盗撮:UFJは『勉強が足らない』」 村田公安委員長←検挙率は? |
◆記事1:ATM盗撮:UFJは「勉強が足らない」 村田公安委員長 (毎日新聞)
UFJ銀行のATM(現金自動受払機)に隠しカメラが設置された事件について、村田吉隆国家公安委員長は25日の閣議後の会見で「隠しカメラが設置できるような余分な箱をATMにつけて、犯罪を招くようなことをするとは、勉強が足らない」と、UFJの犯罪対策への姿勢を批判した。
村田委員長は「各銀行、協会を含め、諸外国や新手の犯罪など情報を集め、しっかり研究すべきだ」と指摘。箱の設置について「まったく信じられない」と述べた。
UFJ銀行では9月上旬以降、首都圏の十数カ所のATMコーナーで、隠しカメラが設置もしくは設置された形跡があったことが判明。いずれもATM上部につけられたカードローンの広告チラシを入れるための箱の内部に隠しカメラが仕込まれていた。 2005年10月25日 13時47分 (最終更新時間 10月25日 15時57分)
◆記事2:サイバー犯罪の検挙数は5割増、相談件数は5万件超 - 警察庁 (Scan)
警察庁によれば、今年上半期におけるサイバー犯罪の検挙数は、昨年と比べると50%以上増加して1,612件になった。
特に不正アクセス禁止法違反での検挙が前年同期比で3倍に増加するなど、検挙数は増加の一途をたどっている。
各都道府県警察などに寄せられたサイバー犯罪に関する相談件数も同約1.5倍に増え、5万件を超えた。
検挙数では、不正アクセス禁止法違反が最も増加率が高く、200%増の198件と、上半期の時点で昨年1年間の検挙数142件を超えた。
不正アクセスでは、5月に京都で元学生が、6月に警視庁にフィッシング(取得)したうえ不正アクセスをした会社員が捕まっているほか、同じく6月には旅行会社などへの不正アクセスで、計52万件の個人情報を取得したとして大学生が逮捕されている。
インターネット上の詐欺や児童売春、著作権法違反といったネットワーク利用犯罪は、相変わらずサイバー犯罪のうちの多数を占めており、
上半期は全サイバー犯罪の86.3%を占める1,391件、前年同期から400件以上増加した。
ネットオークション詐欺・悪質商法などの詐欺行為が同約172%増の672件と最も多く、児童ポルノに関連した犯罪では倍以上の検挙数(68件)、青少年保護育成条例違反は同40%以上増加の114件となった。
著作権法違反、児童売春はそれぞれ検挙数が減った。
警察などに届けられた相談件数は、上半期だけで5万479件と増加の一途をたどっている。
前年同期比では53%・1万7千件以上の増加で、このままのペースで行けば昨年1年間の7万件強を超える勢いだ。
最も多いのが詐欺・悪質商法について。身に覚えのない有料サイトの利用料金の請求やワンクリック詐欺などが代表だ。昨年同期の2倍近い、3万件弱の相談が寄せられた。ネットオークション関連では同18%増の8,722件だった。
不正アクセスとウイルスに関する相談も2倍近い伸びを示し、昨年1年間の相談件数とほぼ同数となる2千件強の相談が、上半期だけで寄せられた。
名誉棄損や誹謗中傷などについては5割増、違法・有害情報に関しては2割強の伸びだったが、迷惑メールに関しては83件増と微増だった。(2005/8/19)
◆コメント:一番悪いのは、「犯人」に決まっている。
村田国家公安委員長の言い分は、論理が飛躍している上に、警察のだらしなさを誤魔化している。
論理が飛躍しているというのは、人のカネを盗んだ奴がまず一番悪いという認識を明らかにしないで、いきなり銀行の責任を名指しで批判していることである。
確かに、銀行は預金者から信用を供与されている、つまり、預金者からカネを「借りている」のであり、それを普通「預金」といい、これが不正に引き出されることの無いように十分注意を払う義務があることなど、銀行だって分かっているだろう。だから、ATMに生体認証なんて言う話もでるわけだ。
生体認証なんて、一昔前なら、アメリカの核ミサイル発射施設とか、伝染病研究所などの超高度機密施設における本人確認に使われていた技術で、それがなんと日本の町中で、銀行のATMに使われる日が来ようとは、誰も想像すらしなかった。
どうしてこうなったかと言えば、悪い奴が増え、しかも「頭の良い、悪い奴」が増えて犯罪技術が高度化しているからである。
誰が一番悪いのかといえば、自分は働かないで、他人様が一生懸命に働いて貯めて銀行に預けた金を盗んで食って、遊んで暮らそうという奴らに決まっていて、悪い奴を捕まえるのは警察の仕事である。
◆警察の統計は狡い。「検挙件数が増えた」といい、「検挙率」は明らかにしない。
記事2は、コンピューター関連ニュースを扱うサイトからの引用だが、警察庁のサイトを見ても、今年上半期のサイバー犯罪検挙「件数」が前年同期比の1.5倍である、と「手柄」を強調している。
ところが、記事2の中頃にあるように、サイバー犯罪の相談件数は今年上半期で5万件もあり、一方、検挙数は1,612件である。
勿論、警察に持ち込まれた「相談事例」5万件の全てが本当に犯罪に該当するのか、或いは検挙出来る性質のものかは不明であるから、単純にこの記事から検挙率を計算することは出来ないが、不審に思えるのは、警察自身が「検挙率」を発表しないことである。
発表しているのは、繰り返すが、「検挙件数」だけである。
警察が本当に「サイバー犯罪」と認識する行為が何件あったのか、を示さないと検挙率が分からない。検挙数が1612件と言われてもそれだけでは評価出来ない。
検挙率を発表しないと、都合の悪いことは発表しない、という役人の性質(というか、人間の一般的性質)に鑑み、実際はおどろくほど、検挙できていないのではないか、という疑いを抱かざるを得ない。
犯人が一番悪い。金融機関も常に犯罪動向に注意するべきだ。
しかし、犯人を捕まえるのが仕事である警察が、大量の犯人を捕まえることが出来ていないのだとしたら、責任をどう取るつもりなのか、村田国家公安委員長の説明を聞きたい。
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