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JIROの独断的日記
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2008年10月19日(日) 「太陽風、ここ50年間で最も弱く――寒冷期との関係は?」←非常に久しぶりに科学に関する記事を取りあげます。

◆記事:太陽風、ここ50年間で最も弱く――寒冷期との関係は?(9月25日14時0分配信 WIRED VISION)

米航空宇宙局(NASA)は9月23日(米国時間)、太陽風(太陽から放出される電子と陽子の風)が、ここ50年間で最も弱いレベルに低下したと発表した。

太陽風は、探査機『ユリシーズ』の太陽風検出器『SWOOPS』によって観測されてきたが、太陽風の弱まりは1990年代中ごろに始まった。

科学者たちは、原因や結果については正確にはわからないとしているが、宇宙飛行士にとってはありがたくない話のはずだ。

太陽風は、太陽圏を膨張させる。太陽圏とは宇宙放射を屈折させる磁気の泡なので、これが収縮すると、

宇宙旅行者――および宇宙旅行用機器――は、放射線障害を受ける可能性があるのだ。

実際、1977年に打ち上げられた2基の宇宙船『ボイジャー1号』および『ボイジャー2号』は、

予想より早い時期に、収縮する太陽圏の外に出ることになるだろう。

【太陽風はこのまま勢いを失っていくのだろうか?】

ユリシーズ計画の科学者、Arik Posner氏は、記者会見で次のように語った。

「太陽風の観測は、宇宙時代の初期――60年代初め――から現在までしか行なわれていないのだが、

この期間においてはこれは特異な現象だ。だが、百年や千年単位で見て、この現象がどの程度珍しいことなのかは、誰にもわからない。

それほど昔までさかのぼれるデータはない」

【メモ】:天文学者らは最近、2008年8月はこの百年間で初めて、黒点が1つも生成されずに終わった月になったと指摘した。

[リンクされている記事によると、太陽活動は11年ごとに減少し、ゼロに近くなるが、

新しいサイクルが始まると黒点も急速に観測されるようになる。今年1月からサイクル24に入ったが、

黒点が少ない時期が異例なほど長く続いていたという。「1カ月にわたって黒点がゼロ」

という同じ現象が最後に確認されているのは1913年6月。過去1000年間においては、

このような時期はマウンダー極小期など3回あったが、どれも小氷期と呼ばれる寒冷期にあたるという。

なお、2005年に「太陽活動が今後急速に低下する」と予測した研究者がいたが、批判が多く論文は掲載されなかったという]


◆コメント:要するに、「太陽黒点が極端に減っていて、それが地球に寒冷化をもたらすかも知れない」という話です。

私の日記・ブログで自然科学に関することを書くのは、かなり久しぶりです。

以前は、地球温暖化に関して、色々調べて書いたのですが、今回はなんと正反対。

記事はWIRED VISONというサイトから転載したものですが、

今ひとつ分かりにくい。最新号の週刊文春(10月23日号)の148ページに、もっと分かりやすく書いてあるので、

そこから受け売りします。


「太陽風」は聞き慣れなくても、「太陽黒点」は(少なくとも言葉は)知ってますね。

その太陽黒点は、周期的に増えたり減ったりして、今は、本来増える時期なのにも関わらず、

8月には1度も観測されなかった。9月以降も数回観測されただけで、減少傾向が続いていることを、

専門家は心配しているとのことです。


◆何故、太陽黒点が減ると、「地球寒冷化」をもたらす(可能性がある)のか。

太陽の活動が活発になると黒点は増える。つまり、黒点が少ないということは、太陽の活動が活発ではない、

ということを意味しています。

さらに。

太陽の活動によって生じる磁場が、地球の「北極震動」という現象に影響し、

ひいては地球の気候に影響することが分かってきた、とのこと。

北極震動については、私は、地球温暖化に関わる記事で説明したことがあります。

2007年08月17日(金) 「<北極海>氷の面積が減少…観測史上最小に」ココログはこちら

その記事のかなり下の方ですが、スクロールしていただくと、北極振動への影響と書いてあります。

甚だ頼りない説明ですが、そこには、次のように書きました。

北極圏の気圧が例年よりも低いと、北半球中緯度付近(日本も含まれます)の気圧は逆に平年よりも高くなる。

北極圏の気圧が低いから、冷気が降りて来ないのである。

逆に北極圏の気圧が例年より高いと、北半球中緯度付近の気圧は例年より低くなる。

すると、北極圏の寒気がこちらに降下してくるので、日本付近は厳冬となる。

この「北極振動」が何故起きるか、というメカニズムと、どれぐらいの周期で変動するのか、

色々読んだが、どうも良く分かっていないらしい。

言い訳がましいのですが、何しろ私は完全に門外漢なので、これ以上書けませんでした。

ここには、「北極震動が何故起きるか良く分からないらしい」と書きましたが、文春の記事によると、
最近の研究で太陽の活動によって生じる磁場が「北極震動」を通じて地球の気候に影響を与えることも分かってきました

太陽の磁場が弱まると、北極震動も弱くなります。そうなると、北極周辺にある「渦」が寒気を閉じこめることが出来ず、

周辺地域に寒気が流れ出す。黒点が少ない現在、この現象が起きていると考えられます。そのため今年の冬は平年より寒くなり、

局地的な大雪に見舞われる地域が増えるかも知れません。(伊藤公紀・横浜国大教授)

別の論理もあります。東工大の丸山茂徳教授の説明はこうです。
黒点の現象は雲が増える可能性を示唆します。雲の生成には地球に降り注ぐ宇宙線が必要。

太陽の活動が活発なときには磁場が増え、宇宙線を吹き飛ばすので雲の生成が抑制されますが、

逆に不活発だと、地球上で雲の生成が増え、気温もさがります。

思考過程はことなりますが、結論は同じです。要するに太陽活動の不活発化(それが何故起きたかは、分かりません)により、

地球上の気温が下がる。

極端な場合は、17世紀に黒点が殆ど発生せず、ヨーロッパを厳しい寒さが襲った、マウンダー極小期と同様の小氷期になるかも知れない、といいます。


東工大の丸山教授によれば、今年の1月は地球の平均気温は去年より0.6℃も下がったのですが、

「地球温暖化」騒動では、過去140年で、地球の平均気温が0.7℃上がった、といって騒いでいることを考えると、

わずか0.6℃と言えども、大変深刻な数字だ、ということです。

こうなると、高度に専門的な話なので、私はコメントを差し挟む余地がありません。

一体、地球温暖化と寒冷化、どちらがより強く(顕著に)進行しているのか?

温暖化は、今や、そこら中で騒がれていますが、寒冷化を無視してしまっていいのか。

素人と言えども、本当に小氷期が訪れたら、食料生産が大打撃を受けることは必至であることは想像に難くありません。

私は、この件に関して科学的見解を書く能力はありませんが、どちらも真実を専門家がよく説明・啓蒙して欲しいと思います。

温暖化ばかりが叫ばれ、寒冷化の可能性について、私は全然知りませんでした。

甚だ失礼ですが、多くの読者諸氏も同様だと思い、この話を書きました。

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