JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:三菱UFJ発表、モルガンへの出資を優先株に 投資額は変えず (日経 13日 21:24) 三菱UFJフィナンシャル・グループは13日夜、モルガン・スタンレーに対して総額90億ドルの出資を実行したと発表した。 ◆コメント:米政府が公的資金を注入する、といっているのだから、無理しない方が良いと思うのですがね。 株式には、普通株と、優先株がありまして、優先株とは、日本の会社法では、 利益もしくは利息の配当または残余財産の分配およびそれらの両方を他の種類の株式よりも優先的に受け取ることができる地位が与えられた株式。 と、定義されています。 三菱UFJは、9月29日にモルガンスタンレーに90億ドル出資する、と発表しました。 当初、普通株に30億ドル、優先株が60億ドル、という割合でした。普通株は、1株25.25ドルで買うはずでした。 しかし、その後、モルガンスタンレーの株価は、他の米国の金融機関同様、金融危機による経営不安の怖れから、どんどん下落しました。 9日には、12.45ドルまで下がりました。 三菱UFJは、1株25.25ドルで買うのですから、その約半分にまで、値が下がってしまった訳です。 この状態で、当初の計画どおりに、30億ドルを普通株に出資すると、出資した瞬間、三菱UFJは、15億ドル(約1,500億円)の評価損が出てしまいます。 出資の払込期日は明日(14日)です。三菱UFJは今夜(13日夜)、緊急取締役会を開き、出資対象を、全額、価格変動の影響を受けにくい優先株に変更することを 決めた、というのが、冒頭の記事です。 しかし、いくら優先株に変更したところで、三菱UFJが出資して、すぐにモルガンスタンレーの業績が改善するとは限りません。 G7の「行動計画」を受けて、今日のアジア株(休みだったのは日本だけで、他の市場は取引をしていました)や欧州株は、 大きく値を戻していますが、アメリカによる公的資金注入の具体案が出来て、実際に実行されるまでに時間がかかれば、 また、株式市場は下げに転ずることは間違いない。そうすれば、世界の投資家(勿論、モルガン・スタンレーを含みます)の評価損が 膨らみます。 下手すると、つぶれる。潰さない、とアメリカを初めとするG7諸国の政府は言っていますが、早くしないと意味がないのです。 モルガン・スタンレーとて、どうなるか分かりません。 万が一破綻したら、三菱UFJとて、いくら優先株を取得するといっても無傷ではいられない。 危ないことをしないほうが、良いと思うのですけどね。大体、三菱UFJは、国内のシステム統合すら済んでいないじゃないですか。 システム統合ですぐに経営がどうなるというものではありませんが、金融機関は信用だけで成り立っているのですから、 みだりに危ない橋を渡ることはない。モルガンスタンレーだって、アメリカ政府が公的資金を注入すればいいのです。 また、三井住友も英国のバークレイズに出資しています。英国は今日、最初の公的資金注入先を発表しましたが、 その中にバークレイズは含まれておらず、バークレイズは自分で、増資する、と言っています。 ◆記事:英、RBSなど大手3行に公的資金注入 バークレイズは見送り(日経 13日 16:20) 三井住友がバークレイズ、三菱UFJがモルガンスタンレーに出資を決めた頃は、これほど株価が暴落するとは思っていなかった。 邦銀は、サブプライムローン関連商品による直接的な損失が欧米銀に比べて少なかったので余裕があり、 ちょっと、調子にのった、というか、三菱UFJなどは米国に上手く利用されているように見えます。 邦銀が出資した先が破綻し、巨額損失計上。これを救済するために、また、日本政府が公的資金を邦銀に注入、 と、ならないことを祈ります。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2007年10月13日(土) 「赤福、34年前から製造日偽装」←「赤福製造日偽装大事件」に関する多角的考察
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