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JIROの独断的日記
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2008年06月11日(水) 「<福田首相>民主党など提出の問責決議、参院で可決 史上初めて」←野党がやってみたかっただけでしょ?

◆記事:<福田首相>民主党など提出の問責決議、参院で可決 史上初めて(6月11日17時13分配信 毎日新聞)

民主、社民、国民新3党は11日午後、福田康夫首相に対する問責決議案を参院に提出。

同日夕、3党などの賛成多数で可決した。参議院での首相問責決議案の可決は史上初。

後期高齢者医療制度の廃止要求に政府・与党が応じないことが主な提案理由。

宙に浮いた年金、道路特定財源、防衛省不祥事など今国会での争点も総括し、福田政権の責任を問うた。

与党による反対討論、民主党の賛成討論などを経て採決は記名投票で行われた。


◆コメント:問責決議に法的な拘束力は無いのです。

 これが衆議院なら、内閣不信任決議に相当しますね。しかし、全然法的な効果が違うのです。

衆議院で内閣不信任決議案を可決したら、どうしなければいけないか。これは日本国憲法に書いてあります。

第六十九条  内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

解説するまでもないですね。不信任決議案が可決したときは、1.衆議院解散、2.内閣総辞職のいずれかを行わなければならないのです。

参議院には、内閣不信任決議がないから、問責決議をしたわけですが、衆議院と異なり、規定がありません。文字通り「責任を問う」決議だ、というだけです。

毎日新聞の記事には、「史上初」と、すごいことのように書いてありますが、昨年の参議院選挙で野党が過半数を得るまでは、

ずっと与党が、参議院でも過半数を占めていたのですから、問責決議などの動議が出るわけがない。当たり前なのです。


◆これは、問責決議の為の問責決議。つまり「一度野党(民主党)がやってみたかった」だけなのではないでしょうか。

このように法的な拘束力がない決議に時間を割くよりも、今国会では、何にも決まってないのです(勿論、厳密に見れば成立した法案はあります)から、

立法府たる国会は、本業に力を注いで欲しいですね。

ねじれ国会とかいいますが、昨年、参議院で与党が負けるまでは、どんな法案でも衆議院と参議院で強行採決で決まってしまいました。

その中には、何と、教育基本法、国民投票法など、憲法に関わる重要な法案もありました。そんなのが強行採決で通ってしまうようでは、

殆どファシズムと変わりません。だから、参議院で野党が過半数を取ったことは、基本的には、「良いこと」なのです。

しかし、今国会の与野党(自民党と民主党)の攻防を見ると、政策論争をしていないとは言わんけれど、専ら、民主党は、

自民党の法案を反対するために反対する、という態度が目に付きます。いい加減はしゃぐのは止めて頂きたい。


◆後期高齢者医療制度は、有権者にも責任があります。

2005年9月11日の投開票された、所謂「郵政民営化選挙」では、選挙期間中、当時の小泉首相が、

この選挙は、郵政民営化の是非だけを問う選挙だ

と、例によって、単純明快な「ワン・フレーズ・アピール」を繰り返しました。

有権者は分かり易いその言葉に幻惑されました。

私は、あのとき、衆議院が解散された8月8日から、投票日の9月11日当日まで、何度も、小泉に騙されるな、という意味の記事を書きました。

それは、2005年8月と、9月の日記見出しを見て頂くと分かります。

小泉は、バカのひとつ覚えのように「郵政民営化」を繰り返しましたが、同時に自民党のウェブサイトには、

自民党 政権公約2005が掲げられ、今でも読むことが出来ます。

そこには、自民党からの120の約束が載っています。

さらにその中のテーマ1: 【日本の改革】を開いてみて下さい。

「約束」の12番目には、012. 医療制度改革の断行(安心で質の高い医療提供体制、持続可能な医療保険制度の確立) とあります。何と書いてありますか?
国民皆保険制度を堅持しつつ、効率が良く、質の高い適切な医療の提供を確保するため、医療制度の改革を断行する。

新たな高齢者医療制度の創設、地域の医療機能の適切な分化・連携を進めるための医療計画制度の見直し、

小児救急をはじめとする救急医療体制の確保等について、年内に改革案をまとめ、次期通常国会に法案を提出する。(注:色文字は引用者による)

そうです。2005年の時点で後期高齢者医療制度という言葉、その具体的な中身は書いてないけれど、医療制度改革をするぞ、と宣言しているのです。

小泉元首相は、昔厚生大臣だったころから、国庫の医療費負担を減らしたくて仕方がないひとなのです。

それは、10年以上前に出た本、コイズムを読めば分かる。


しかし、国民はこういう細かい面倒くさいことを考えることを放棄し、「郵政民営化」に踊らされ、自民党を大勝させてしまった。

その後安倍政権、福田政権になってから噴出している問題の数々は、小泉政権時代に既に決まっていたことが多いのです。

ですから、野党の「国会ごっこ」もいい加減にして欲しい、と国民が憤慨するのはもっともですが、

有権者は、諸問題の根源を許してしまった、2005年9月の投票行動に、責任を感じるべきなのです。

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