JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:小泉氏トップ、2位麻生氏=首相にふさわしい人−時事世論調査(4月20日15時0分配信 時事通信) 時事通信社が11〜14日に実施した4月の世論調査結果によると、首相にふさわしい政治家は、自民党の小泉純一郎元首相が21.2%でトップだった。 ◆コメント:大衆が支持する政治家が優れているとは限らない、ということがまだ分からないのだろうか。 この結果にはさすがに呆れた。呆れてものが言えないほどである。 「この選挙は郵政民営化の是非だけを問う選挙だ」 と言い続けた。実に狡猾である。 小泉純一郎氏の思想のいい加減さを知るために格好な本がある。コイズムという本だ。この日記では過去に何度か取りあげたが、再びご登場いただく。 この本は、若者向け週刊誌に、以前連載されていた(首相になる前の)口述筆記を本にしたもののようだが、小泉氏の(当時の)政治思想がはっきりと書かれている。 いくつか例を挙げよう。 自衛隊の海外派遣に関して(注:後、イラクに自衛隊を派遣したのは小泉氏であることを忘れないように)。168ページ。 「僕は自衛隊のPKO派遣のときも反対した。国際協力をダメといっているわけではない。むしろ積極的に行うべきだと思うけど、現行の憲法では、自衛隊の海外派遣はどう考えても無理がある。」 首相になってからは180度反対の事を行った訳である。 それよりも本源的な、集団的自衛権行使について。166ページ。 「僕の考え方はどうかというと、憲法のどこを読んでも集団的自衛権が認められるとは思えない。憲法の拡大解釈は非常に危険だ、というのが基本的なスタンスだ」 首相になってからは、「今の憲法は時代遅れ」「自衛隊は軍隊」「米軍と共に、集団的自衛権を行使したい」とご意見が変わったようでしたね。 更に。驚くべき事。 2005年9月11日投開票の衆議院議員選挙において、自民党は大勝するのだが、この大勝の一因は小選挙区・比例代表並立制によるものだった。 小選挙区で落ちても比例区で生き返ることが出来るのがこの制度だが、「コイズム」において、小泉純一郎氏は、 小選挙区比例代表並立制は、亡国への道だ(61ページ) という一節を設けて、徹底的にこの選挙制度に反対しているのである。 彼の反対の趣旨は、 「この制度では小選挙区で落選した候補者が、比例代表で当選という事態が起こりうる。こうなると、小選挙区での有権者の判断は何だったのか、ということになる」 と要約することが出来る。この意見自体には私は賛成である。ご丁寧にも「コイズム」には続けてこのように書いてある(66ページ)。 「僕は今度の選挙(引用者注:平成8年10月の総選挙)は、『選挙制度の見直し』を公約に掲げて立候補しようと思っている。」 そして彼はこの時の選挙では確かに、比例代表に重複立候補せず、選挙制度の見直しを公約に掲げて、立候補し、当選したのである。 しかしながら、前述のとおり、制度は変わっていない。彼は選挙制度を見直すどころか、自分自身が「亡国への道」とまで酷評した、 小選挙区比例代表並立制により、2005年9月の衆議院議員選挙で大勝利をおさめ、ケロッとしているのである。 ◆大衆は、「わかりやすさ」に弱い。 小泉のやり方はよく「ワン・フレーズ政治」という。
2007年04月20日(金) 「BSE 民間検査の禁止違法 米地裁、農務省に許可促す」←アメリカ人にも勿論、話の分かる人がいる。
JIRO
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