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2008年03月26日(水) |
衝動的、単独的な「通り魔」若しくはそれに類する犯罪は、報道されることにより、次の犯行を惹起しているのではないか |
◆記事1:<通り魔>手配男が通行人8人刺す 1人死亡 土浦のJR駅(3月23日21時19分配信 毎日新聞)
23日午前11時ごろ、茨城県土浦市荒川沖東2のJR常磐線荒川沖駅付近で、
若い男が男女8人の頭や首などを次々に刺した。同県阿見町うずら野2の会社員、山上高広さん(27)が死亡、2人が重体。
男は、県警が別の殺人事件で全国に指名手配中の無職、金川真大(かながわ・まさひろ)容疑者(24)=土浦市中村東3=だった。
(引用者注:後略、全文キャッシュは、こちらに保存済。)
◆記事2:アパート敷地内で会社員男性刺され軽傷…千葉 (3月24日13時14分配信 読売新聞)
24日午前6時20分ごろ、千葉市若葉区桜木のアパート「サンライズ桜木」敷地内で、
このアパートに住む会社員男性(22)が、後ろから来た男に「おい」と声を掛けられ、振り向いたところ、いきなり刃物のようなもので腹部を刺された。
男は男性からバッグと携帯電話を奪い、そのまま走って逃げた。千葉東署で強盗傷害事件として捜査している。
調べでは、男は20〜30歳くらいで、白色の帽子をかぶっていた。男性は病院に運ばれたが、軽傷という。
◆記事3:<通り魔>路上で女性刺される 男は自転車で逃走 名古屋(3月24日10時13分配信 毎日新聞)
24日午前3時ごろ、名古屋市中区新栄1の路上で、緑区有松町桶狭間の店員、中谷康子さん(36)が突然、
男に果物ナイフのような刃物(刃渡り約10センチ)で背中を刺された。
中谷さんは刃物の刺さったまま病院に運ばれ重傷。愛知県警中署は殺人未遂容疑で逃走した男の行方を追っている。
調べでは、男は帽子をかぶり、中谷さんの背中を刺すと、そのまま自転車で逃走したという。
中谷さんは仕事を終えた後、近くに住む友人女性宅に立ち寄ったが、路上に停車中の自分の車に忘れ物を取りに出て、事件に遭った。
襲われた後、友人女性宅に駆け込み、「通り魔みたいな人に背中を刺された」と自ら119番通報。傷は肺まで達していたが、意識ははっきりしているという。
現場は市内中心部の広小路葵交差点近くの雑居ビルが建ち並ぶ繁華街。事件当時、人通りは少なかった。
◆記事4:女性切りつけられ軽傷=3日前も、同じ男?−東京(3月26日11時30分配信 時事通信)
25日午後11時ごろ、東京都新宿区歌舞伎町の路上で、女性が男に刃物で切りつけられた。
女性は顔面と頭部に2週間の軽傷を負い、男は逃走した。
警視庁新宿署は傷害事件とみて男の行方を追っている。女性は自称37歳で、22日にもJR新宿駅で切りつけられ、軽傷を負った。
「特徴の似た男だ」と話しており、同署は関連を調べている。
調べによると、歌舞伎町の交差点で女性が座り込み、男に「いいかげんにしてよ」と文句を言ったところ、
男は頭部をカッターナイフのようなもので切りつけたり、携帯電話のようなもので殴ったりした。
女性は22日午後6時35分ごろには、新宿駅東口地下1階の広場で、カッターのようなもので両ほおを切りつけられた。
男は40歳ぐらいで、細身で黒っぽい背広を着ていたという。
◆記事5:ホーム転落させ男性殺害=18歳少年「誰でもよかった」−JR岡山駅(3月26日10時0分配信 時事通信)
25日午後11時7分ごろ、岡山市駅元町のJR岡山駅で、
列車を待っていた岡山県倉敷市笹沖、県土木部道路建設課主任假谷国明さん(38)が、
男にホームから突き落とされ、入ってきた列車にはねられた。假谷さんは病院に運ばれたが、頭などを強く打ち、約5時間後に死亡した。
県警鉄道警察隊員は、ホームにいた男を殺人未遂の現行犯で逮捕した。岡山西署は、容疑を殺人に切り替え、詳しい経緯や動機を追及する。
男は大阪府大東市に住む少年(18)で、今月に大阪の府立高校を卒業したばかりだった。調べに対し、
「人を殺せば刑務所に行ける。誰でもよかった」などと供述。自宅から果物ナイフ(刃渡り約12センチ)を持ち出しており、
「誰か人を刺してやろうと思った」とも話しているという。
調べによると、假谷さんは同駅の山陽線下りホームに並んでいたが、
少年が岡山発福山行きの普通列車(4両)が入ってくる直前、假谷さんの斜め後ろから押し、線路上に突き落とした。
現場付近で警戒中だった鉄警隊員が、列車の警笛で約1分後に駆け付け、ホームにいた少年を取り押さえた。
◆コメント:報道が模倣犯を誘発しているのではないか。
長々とメディアの記事を転載した。
ご覧の通り、茨城8人殺傷事件は23日(日)の出来事である。
それから、25日(火)まで、連続して通り魔事件が起きている。単なる偶然だろうか。
最も深刻かつ悲惨な、茨城8人殺傷事件(記事1)と25日の岡山の突き落とし事件(記事5)の詳細を調べると、共通点がある。
どちらの事件の犯人も、
「(殺すのは)誰でも良かった」
と、供述していること。もう一つは反省の色が見られないことである。
岡山の18歳の少年は茨城の事件の模倣をしていることはほぼ明らかである。
記事2から記事4までの事件は、リアルタイムで捜査の進捗状況がわからないが、
まだ、犯人は逃走中だから、詳しい動機は分からない。が、タイミングから見て、茨城8人殺傷事件の報道を見て、
犯行を決意した可能性が高いと思われる。
◆「時の人」になることが出来る、という感覚なのではないか。
茨城と岡山を比べると、人を殺すに当たって、「誰でも良かった」と供述し、反省していないということは、
殺人そのものが究極の目的ではなく、自分の人生を棒に振ることなど考えず、
犯行を通じてメディアに大々的に取りあげられ、とりあえず、今、「時の人」になることが出来る。
日本中の注目を浴びることが出来る、と言うことが究極的な目的だったのではないか、と思われる。
いうまでも無く、そのような動機で人を殺害することが倫理的に許容出来るわけがない。
問題外、言語道断である。
だが、このような連中は元々社会的規範から逸脱しているから、いくら云っても矯正出来まい。
要するに、自分に「だけ」関心がある。異常に自己愛が強いのである。自分が注目されたいのである。
事件を起こして「有名になる」ことが、彼らの自己愛を充足したのではないだろうか。
こういう連中は、いつか、こういう事をする怖れがあったのだろう。
最初の「茨城8人殺傷事件」の犯人を、犯行に踏み切らせた最終的な「きっかけ」は不明であるが、
2件目以降の事件に関して、犯人が、頭の中だけで考えていた行動を、実行に移させた大きな要因は、
マスコミの大々的な報道ではないか。
今、この瞬間にも、日本のどこかには、茨城、岡山、その他に関する報道を見て、
「オレも・・・・」
と考えている奴がいる可能性はある。
仮に、これが一人の凶悪犯の犯行で、なかなか捕まらず、何処に出没するか分からず、
日本のあちこちで凶行を繰り返している場合、又は組織的な犯行である場合は、
事件を逐次報道する意味があると思うが、この数日間におきた事件は、犯人はそれぞれ単独で、
衝動的に(茨城の犯人は周到に準備をしていたそうだが)、行われている。
潜在的な「通り魔願望」のある人間を刺激しないためには、マスコミは、
同種事件が連続して起きた場合、取りあげないか、極く小さく取りあげる方が賢明だ。
新聞ならば、ベタ記事(紙面の片隅の小さな記事)で、テレビも「そのほかのニュース」で
殆どの視聴者が気が付かない程度にすることが望ましい。
以下は余談だが、私は過去、事件が殺人ではないが、同じような主張をしている。
「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。
特異な犯罪は無視するのが正しい。
「小中学生の自殺連鎖止まらず」←お前ら(マスコミ)がいちいち報道するのも一因だぞ。
「いじめ自殺報道」が「自殺連鎖」を誘発した可能性あり。専門家の指摘←私は、先月同じ事を書きました。
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2007年03月26日(月) 「フラガール」のDVDを見ましたけどね。この映画、映画館で見なくて良かったよ。
2006年03月26日(日) 「<尊厳死疑惑>殺人容疑も視野、慎重に捜査 富山県警」法制化せずに現場の判断に任せるから、毎回揉めるのだ。
2005年03月26日(土) 「ライブドアニュース」を見て、やはりあまりマスコミには参画して欲しくないと感じた
2004年03月26日(金) 尖閣諸島騒動で思い出した話があります。「南極と北極に最も近いところにある店は、どちらも中華料理屋だ」
2003年03月26日(水) 古尾谷雅人氏の自殺。無論断定はできないが、内因性うつ病、微笑みうつ病というものがある。