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2005年03月26日(土) |
「ライブドアニュース」を見て、やはりあまりマスコミには参画して欲しくないと感じた |
◆記事:「支配から提携」に方向転換を、ライブドアPJ(パブリック・ジャーナリスト)ニュース
【ライブドア・PJニュース 03月26日 埼玉県】− ライブドアのために、仮定の話をする。もしも、ニッポン放送の買収に手をつけず、堀江社長がフジテレビの「平成教育2005予備校」に出演し続けていたら。「ごくせん」並とはいかないまでも、高視聴率を獲得して、フジから大喜びされていただろう。違う企画の話が飛び込んだかもしれない。堀江社長からのアイデアが取り入れられ、「提携」の第一弾がスタートした可能性もある。「ヒルズに恋して」はタイトルを変えることなく放映され、両社の関係は、とても良好になっていたのではないだろうか。
「提携」だけが目的なら、一円の金も使わないで、スタートを踏み出すこともできる。一方で、何百億の金を投じて企業を「支配」しても、投資の成果が見えないばかりか、その端緒させもつかめない状況が続くこともある。関係する企業とそこで働く人たちにとって、このような事態は一刻も早く抜け出すべき状況にちがいない。
その意味で、28日に行われる予定の堀江社長とソフトバンクインベストメントの北尾CEOの会談には大いに注目したい。
私自身は、PJ登録以前の2月下旬に「堀江社長の所信表明」の意見として「メディア再生の旗手をめざせ」という投稿をした。ライブドアの取得したニッポン放送株の一部ないしは全部をフジ側に譲渡する代わりに、同グループとの本格的な提携交渉を開始する。 一方で、株の譲渡により得た資金で「メディア再生ファンド」を立ち上げ、経営の悪化したメディア企業などに経営参加することで、テレビ、ラジオ、新聞など他メディアに進出していく。まったくゼロから電波や新聞に進出することもできるだろう。
◆コメント:livedoorは報道に携わるべきではない。
Yahoo!がYahoo!ニュースを、gooがgooニュースを運営しているように、ポータルサイト、livedoorも、livedoorニュースをいうページを一応設けているということは知っていたが、今まで見る気もしないので見たことが無かった。
ライブドア社長の堀江貴文氏は江川紹子ジャーナルによれば、江川紹子さんのインタビューに対して、「新聞・テレビを殺します」という過激な発言をしている。これが、もめ事を大きくしている原因の一つであることは間違いが無い。
◆ライブドアニュースで明らかな、「ド素人」ぶり
そこで、初めて、ライブドアのサイトにある「ライブドアニュース」のページをざっと眺めたが、あまり、感心しない。
Yahoo!を初めとする他のポータルサイトのニュース配信サービスと同様、記事のかなりの部分は、大手新聞社や通信社から買っている。しかし、ライブドアの場合、その情報量が他のサイトに比べて少ない。
その代わり、これは、コストを少しでも抑えようとする試みなのだろう。PJ(パブリック・ジャーナリスト)、つまり、単なる一般市民にちょっと講習を受けさせて、文章の書き方などを教えて、「記者」にしているのだ。
冒頭に引用した記事はそのようなPJが書いた記事である。
◆記事は、まず中立が基本である。
これは、「論説」と断り書きが無い以上、「記事」なのだろう。
新聞でも、テレビでも、第一義的な使命は客観的事実を、可能な限り詳細かつ正確に、主観を交えずに伝えることである。これを、「報道」という。
ところが、上に引用した記事は、「ライブドアの為に、仮定の話をする」というセンテンスで始まっている。この時点で、報道機関として、失格である。
これは、要するに、事実を正確に伝えることよりも、「ライブドアがテレビや新聞に進出することが大事なことなのだ、という趣旨の文章である。
こういうのは、記事ではなく、プロパガンダ、と呼ぶのが適切である。
記事ならば、たとえ自社に不利な事実であっても、正確に報じなければならぬ。それがジャーナリストだ。
引用した記事は「中立」の正確に180度反対を向いている。
また、文章も如何にも素人の文章だ。要点がはっきりしない。
堀江氏と北尾氏が28日に会談をして、ライブドアに「何かいいことがあるといいな」ということを述べたいのであろうが、「仮定の話」の前フリが長すぎる。
他の「パブリックジャーナリスト(以下、PJと略す)の記事も同じようなものだ。
◆「幼稚園の卒園式」をニュースとして取り上げているのです。
私が一番、びっくりしたのは、あるPJが書いた、「マイニュース:卒園式」という「記事」が掲載されていたことだ。
改めて書くのもばかばかしいが、ニュースとして取り上げる出来事は、「公共性」という共通の要素を含んでいることが必要である。
つまり、国民が知るべき事柄かどうか、ということである。
ある街の幼稚園の卒園式がどうだったか、という事実に、公共性は認められない。
そういうことを書くならば、個人のブロッグに載せるべきだ。
このPJは、ニュースサイトとblogの区別が付かないのだろう。
いや、そもそも、ニュースや新聞をあまり見たり、読んだりしていないに違いない。
江川紹子ジャーナルで、堀江社長自身が、「報道機関の使命」などという考え方はマスコミの思い上がりで、読み手が読みたいものだけを伝えればよいのだ、という意味の発言をしているが、「卒園式」に至っては、読みたい者すらいないだろう。
要するに、ライブドアには、「何を伝えるべきか」という「見識」がない。これは致命的だ。
◆報道には一切関わるべきではない。
今日の新聞には、ライブドアがニッポン放送を子会社にした、と関東財務局に届け出た、という記事が載っていた。
ニッポン放送自体「報道機関」としては、大したことはないが、少なくとも、ニュースの時間帯をいじるとか、ニュースの放送時間を短縮するとか、とにかく報道には一切、手を触れないことだ。
ライブドアのサイトでも、無理にニュースなど載せる必要は無かろう。
ニュースに関心がない社長が運営する会社のポータルサイトのニュースサービスなど、当てにならぬ。
◆フジテレビは諦めた方がいい。
ソフトバンクインベストメントの北尾CEO(最高経営責任者)が昨日、フジテレビ、ニッポン放送と共同で設立した「ベンチャー投資ファンド」などについて、報道関係者に対して説明会を行った。
この席上で、北尾氏は「大人の解決の方法がある」という言葉を何回か用いていた。
裏返せば、これから買収しようとしている対象を「殺す」とうっかりにしても口にしてしまう堀江氏のやり方が、如何にもM&Aを理解していない、子供の発言に聞こえたのだろう。
堀江氏はフジテレビへの未練が当然あるだろうが、諦めた方が無難だ。
なにしろ、北尾CEOというひとは、日本で一番厳しい会社と云っても過言ではない、野村證券でM&Aを手がけてきた、プロ中のプロ。ライブドアがどのように動くかと言うことぐらい、全部読めているだろう。変なことをすると、ライブドア、叩き潰されるよ。
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