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JIROの独断的日記
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2007年09月04日(火) 「<音コン>ピアノ部門、41人が第2予選に」←「毎コン」といいます。一次予選受けたのは何人だと思いますか?

◆記事:「<音コン>ピアノ部門、41人が第2予選に」(9月3日20時37分配信 毎日新聞)

第76回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛・三井物産)ピアノ部門の第1予選が、

8月31日〜9月3日の4日間、東京都文京区のトッパンホールで行われた。

応募の210人が課題のベートーベンなどを競演、岡本美智子、迫昭嘉ら11氏による審査の結果、41人が第2予選へ進んだ。



◆コメント:毎コンについては何度も書きましたが、また、書きます。

記事では、音コン=日本音楽コンクールと表記されていますが、クラシック関係者は今でも「毎コン」と呼びます。

毎日新聞社(旧東京日日新聞)が主催するコンクールだからです。年に一度行われます。

そして、今年が76回なのです。これが何を意味するか?

何と、毎日新聞は戦前に西洋音楽のコンクールを始めたのです。大した先見の明です。

私は、エンピツ時代から、毎コンについて何度も書いています。

今、検索したらこれだけありました

全ての記事が毎コンをメインテーマに据えているわけではないけれど、何らかの形で言及しているわけですね。

全くご存じない方も多いでしょうが、毎コンとはクラシック音楽のプロ(演奏家、作曲家)を目指す人の為の、

日本で最も権威のある、唯一本当のコンクールと言っていいコンクールです。

毎コンに出る、と決断をするだけで大変なことです。師匠の許しが無ければ出られません。

日本で最も上手い人たちが結集するのですから、下手を出したら、師匠も恥をかくのです。



◆一次予選を受けた210人は、本選まで残るつもりで練習してきたのです。一次予選合格はわずか41人でした。

毎コンのピアノ部門やバイオリン部門に出る人ってのは、素人が聴いたら、もう、プロと変わりません。

一次予選で落ちた、210-41=169人ですら、我々が聴いたら、

「これ以上、勉強すること、あるの?」

「コンクールなんか受けなくても、実力は充分みとめられるとおもうけど・・・」

といいたくなる。それぐらいのレベルなんです。

これが毎コン公式サイトです。

部門別に日程や課題曲が載っておりますのでピアノ部門を見てみましょう。

スクロールすると課題曲が出てきます。

早合点しないでいただきたいのですが、この膨大な曲を全て弾くのではありません。


◆第一次予選。

「与えられた9曲のなかから、2曲を選んで練習してきなさい。当日クジでそのウチのどちらかを指定します。」

ということですから、ここで2曲練習しておかねばなりません。(第一楽章だけ)。

但し、「都合により途中で演奏をカットする場合がある」

とあります。審査員が、「下手」だと思ったら、「ハイ、君、もういいよ。ご苦労さん。」というわけです。


◆第二次予選。

バッハを1曲。ショパンのエチュード(練習曲集)という難しいのから、1曲。

リスト、ラフマニノフ、スクリャービン、プロコフィエフ、バルトークの練習曲(無茶苦茶難しい)から、1曲。

フォーレ、ラベル、ドビュッシー(印象派ですね)から任意の一曲。


第二次予選を通ってもまだ、予選。


◆第三次予選。

ハイドン、モーツァルト、ベートーベンのソナタからどれか一曲(全楽章)。

自由曲(参加者が自由に選べる。但し、選曲のセンスも審査の対象になる)1曲。

日本人作曲家のピアノ曲を1曲。

これらを全体で、30〜40分程度にまとめろというもの。

つまり、リサイタルを演るようなものです。音楽性・技術は勿論、プログラムの構成が、

審査される。あまりにもちぐはぐな選曲をすると、センスが無いと見なされるわけです。

第三次予選を通るのは、わずかに5人程度(最初の参加者は210人でしたね)。


◆本選。

ようやく本選です。

オーケストラの伴奏で、指定された31曲の中から、自分で(師匠と相談して)決定します。

コンチェルトを弾くのは予選とは全然違います。オーケストラと「合わせる」ということです。

コンクールを受けるのは学生さんですから、この時初めてオーケストラの伴奏で弾きます。

難しいのは、コンチェルトにおいて、独奏者はずっと弾いているわけではない。3次予選までは

ピアノ独奏曲ですから、弾き始めたら終わりまで弾きっぱなしです。

コンチェルトでは、ソリストは休みでオーケストラだけが演奏し、また、ピアノが加わる、という箇所が

かならず存在する。そこを間違えると、最悪の場合、演奏が停止してしまいます。


◆本選を聴きに行ったことがあります。

私はかつて、日比谷公会堂のピアノ部門本選を聴きに行ったことがあります。

ピアノ協奏曲を5曲続けて(休憩時間はありますが)聴くのはなかなかしんどいですが、それはさておき、

私が聴きに行った年、本選出場者のひとりがこの「入り」を間違えて、演奏がストップしました。

音楽演奏において、「途中で演奏が停止する」以上の大事故はありません。気の毒でした。

余談ですが、最近判明して驚いたことがあります。

私の日記・ブログを読んで下さっているプロの弦楽器奏者が、

なんと、その「大事故」の際、伴奏するオーケストラの一員として、ステージにおられたというのです。

世間は狭いですね。


◆皆、本選に残るつもりで受けるのです。

今年のピアノ部門参加者は210人。皆、本選に残ることを目指し、コンチェルトまで練習してくるのです。

しかし、第一次予選、合格したのはわずかに41名。

毎年、こんなものなのです。それは分かっている。

だけど、どうせダメだといって受ける人はいない。皆、将来のソリストを夢見て、研鑽を積む。

コンクールが全てでは勿論ありません。しかし、若い音楽家(の卵)の演奏を聴いていると、若者のひたむきな音楽への情熱、

みずみずしい生命力が音楽となってほとばしります。胸が熱くなります。

だから、私は好きなんです。毎コンが。



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